23-24 宇野昌磨

1997年12月17日生まれ

シニア9シーズン目

シーズン獲得賞金:$63,000

世界ランキング:3位

シーズンランキング:5位

シーズンベストスコア 297.34(4位) グランプリファイナル

ショートプログラムシーズンベスト 107.72 世界選手権

フリーシーズンベスト 191.32 グランプリファイナル

スピンレベル4率 26/30 = 86.7%(国際大会:20/24 = 83.3%)

ステップレベル4率 8/10 = 80.0%(国際大会:6/8 = 75.0%)

スピンオールレベル4 3/5(国際大会:2/4)

スピンステップオールレベル4 2/5(国際大会:1/4)

ジャンプ回転不足率 1/50 =2.00%(国際大会:1/40 = 2.50%)

ジャンプ回転不足なし 4/5(国際大会:3/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 2/5(国際大会:1/4)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP Cup of China 2 279.98 105.25 174.73
GP NHK Trophy 2 286.55 100.20 186.35
GPF Grand Prix Final 2 297.34 106.02 191.32
NC 全日本選手権 1 298.04 104.69 193.35
WC World Championships 4 280.85 107.72 173.13

宇野選手は世界選手権2連覇で今シーズンへ進んできました。今期は3連覇がかかるシーズンです。

 

初戦はいつものジャパンオープンではなく、そこはアイスショーが忙しくスキップ。グランプリシリーズからの登場です。10月11月に結果が欲しい選手ではないですし、そんな調整で十分なのでしょう。

というわけで中国杯が今季初戦となります。ここには今季好調のアダムシャオイムファ選手がいます。ショートプログラムはいきなりノーミスで105.25を出してきました。昨季までほぼ入っていなかったセカンド3回転まで決めてきます。順調順調。ところがフリーは4回転ループで転倒、フリップは2回転になり3連続は入らず。今一つな出来で174.73 2位に終わりました。

2戦目はNHK杯。ファイナル進出は3位以内でほぼ大丈夫、2位で確定という状況。ここで鍵山選手と今季初対戦となります。判定厳しいNHK杯。ショートはコンビネーションジャンプで1つ目にqが付いて、3つ目はアンダーローテーション。これが響きますが100.20とそれでも100点に乗せてきます。フリーは後半の4回転トーループが2回転になったことで、最後に4回転トーループを飛びなおしてさらに2回転ジャンプを1つ付けるリカバリー。ただ、飛んだ4回転4本すべてにqが付くという判定でフリーは186.35 トータル286.55 際どく1.84差の2位となりました。判定への不満がだいぶあったようですが、1シーズン終わってから振り返って見ると、やはりかなり特殊な判定の試合でした。

 

2位2つでファイナル。この流れは今シーズン全部2位というのもあるのではないか、という雰囲気もすでにあります。ショートプログラムは2番滑走。見事なノーミス。さてこの試合の判定はどうか? というところでしたが、何のマークもつかずに全容襲然ジャッジプラス評価のスピンステップオールレベル4 さすがの106.02で2位に付けます。首位マリニン選手とは0.88差。フリー、先に滑ってプレッシャーを掛けたいところ。ただ、今回はアクセルが1つ抜けてシングルに。他にq判定も3つついて191.32 トータル297.34で最終滑走を待ちますが、マリニン選手はしっかり滑り切りました。最終順位は2位。連覇は果たせませんでした。

 

12月はもう1試合、連覇のかかる全日本があります。メンバー的にはグランプリファイナル(マリニン抜き)くらいな層の厚さがありますので簡単ではない試合です。ショートプログラムは29番滑走で有力選手はほぼ滑った後、というところで出てきます。そこまでの首位は94.58と意外にスコアが伸びていません。4回転フリップをきれいに決めて、次のコンビネーションは久しぶりにセカンドが2回転になったものの決めてきました。全要素全ジャッジプラス2以上、素晴らしい出来で104.69 2位に10.11差をつけて首位に立ちます。

フリーは最終滑走。優勝するには187.42以上が求められます。しっかり滑れば出せるスコアですが、ミスが重なると危ない、安泰とは言えないターゲットスコアです。4回転ループはステップアウト、そのあとはフリップ、トリプルアクセル2本と決めていきます。まあ問題ないかな、と思いましたが後半に入って4回転トーループのセカンドは2回転に。次の4回転トーループは単独。最後は何を飛ぶ? 3連続は? という中で単独のトリプルサルコウ。あれ? あれ? という感じでしたが残りはスピンとコレオをしっかり滑っていきます。演技終わってセーフのポーズ。スコアは193.35 トータル298.04 5.96差。確信をもってセーフ、と言える程度の点差で逃げ切り優勝、2連覇そして6回目の全日本優勝を果たしました。

 

すでにタイトル持っている4大陸選手権はスキップ。次は世界選手権です。今期全試合2位というのは全日本で免れましたが、国際試合全部2位という展開はまだありそうな状況です。ショートプログラムは39番滑走。マリニン選手が105.97を出した直後の滑りになります。ここでさすがの集中力を見せました。4回転フリップ成功、次のコンビネーションも今回はセカンド3回転しっかり入ります。トリプルアクセルも成功。スピンステップもオールレベル4で107.72 首位に立ってフリーへ進みます。

フリーは22番滑走。鍵山選手、マリニン選手をあとに残す位置になりました。勝つにはノーミスが欲しいというところですが、4回転ループ転倒。次の4回転フリップもステップアウト。苦しい展開で、ちょっとこれは3連覇はなさそう、というのが冒頭2つのジャンプで見えてしまいます。そこから立て直せるかと思ったのですが、次のコンビネーションはセカンドが2回転に。トリプルアクセルは決めました。後半に入って3連続は手をつきます。余っているコンビネーションどうするか、という最後のジャンプですが単独の3回転サルコウで終わりました。演技終わった直後の笑顔はどういう意味だったのでしょう。フリーは173.13に留まりトータル280.85は2人残して2位。最終的には4位に終わり、3連覇ならず。表彰台も逃す結果となりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Cup of China 279.98 144.63 136.35 95.35 11.00 25.48 12.80
NHK Trophy 286.55 148.15 139.40 101.84 5.40 25.23 15.68
Grand Prix Final 297.34 157.86 140.48 104.80 13.32 23.97 15.77
全日本選手権 298.04 155.95 142.09 98.46 15.25 25.86 16.38
World Championships 280.85 146.78 136.07 104.16 0.99 25.51 16.12

トータルスコアは最小が279.98 最高でナショナルの298.04 国際大会では297.34までです。男子で最大と最小が20点以内に収まるのは割と狭い範囲です。今期は300点がありませんでした。シーズンベストランキングは4位です。

技術点は140点台から150点台まであります。グランプリファイナルの157.86が最高で今期全選手中4位にあたります。マリニン選手の最高スコアとは40.62差になります。かなり大きいと言わざるを得ません。

PCSは世界選手権の136.07が最低となっていて最高はナショナルの142.09、国際大会では140.48があります。全試合1項目9点平均以上にはなりました。宇野選手が今期のPCSランクでは1位でした。

ジャンプの基礎点は100点前後でグランプリファイナルの104.80が最高です。今期全選手中4位です。マリニン選手の最高基礎点とは24.69差あります。

加点の方は世界選手権でほぼプラスマイナスゼロに落ち込んでいました。最大で全日本の15.25 国際大会ではグランプリファイナルの13.32までです。結構ミスが多く、ジャンプの加点は思ったほど膨らんではいません。今期全選手中11位、ISU公認でも10位に留まります。

スピンは25点台が並びます。国際大会では世界選手権の25.51が最高で今期全選手中5位です。

ステップ系要素は15点台から16点台まで出ます。国際大会では世界選手権が16.12でこれも全選手中5位でした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Cup of China 67.92 62.15 65.16 67.49 56.16 70.23
NHK Trophy 69.62 66.04 58.23 66.63 69.32 72.26
Grand Prix Final 72.41 67.82 68.03 62.30 69.73 72.98
全日本選手権 72.59 64.02 70.42 68.80 72.51 74.06
World Championships 68.15 67.43 52.77 67.59 71.32 70.04

偏差値で見ると、トータルスコアは70前後です。ジャンプの基礎点は60台後半で70には乗ってきませんでした。加点の方もナショナルは70に乗っていますが、他は60台から50台に沈むこともあります。

スピンも60台後半でステップ系要素は70前後あります。

PCSは70台前半の偏差値になります。

 

宇野昌磨選手の要素別偏差値レーダーチャート23-24

レーダーチャートで見ると、やや左寄りです。右下はばらつきが大きく凹みがちですが、いい方の試合でも左側のふくらみとやっと同じくらいです。

相対的にはジャンプは余り本人比で得意ではない、ということになります。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○世界選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4F   11.00   4.56 15.56 4.222
2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 1.889
3 FCSp4   3.20   1.01 4.21 3.222
4 3A   8.80 x 2.06 10.86 2.667
5 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
6 CSSp4   3.00   1.03 4.03 3.333
7 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.000
  TES   47.10   13.39 60.49  

ショートプログラムは47.10の基礎点がありました。4回転フリップがあり、セカンド3回転をちゃんと飛ぶ4回転トーループがあり、1.1倍はトリプルアクセルが入ります。スピンステップオールレベル4で47.10です。今期全選手中4位の基礎点です。

1.1倍のジャンプを入れ替えることで基礎点を上げることは可能ですが、それよりは出来栄えの追求ということでショートはいいように感じました。

 

○世界選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Loq F 10.50   -5.25 5.25 -5.000
2 4Fq q 11.00   -5.19 5.81 -4.444
3 4T+2T   10.80   0.54 11.34 0.667
4 3A   8.00   1.26 9.26 1.778
5 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
6 4T   10.45 x 2.99 13.44 3.222
7 3A+1Eu+3F   15.18 x -2.06 13.12 -2.444
8 3S   4.73 x 0.18 4.91 0.333
9 FCSp4   3.20   0.96 4.16 2.889
10 CSSp4   3.00   1.16 4.16 3.889
11 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
12 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.444
  TES   87.26   -0.97 86.29  

フリーの最高基礎点は87.26でした。4回転はフリップ、ループにトーループ2本。セカンドジャンプが2回転になりつつ、コンビネーション1つ余っていて、スピンステップオールレベル4で87.26です。今期全選手中5位の基礎点で、マリニン選手の最大基礎点と22.53差あります。

宇野選手は昨季もそうですが、あまり想定通りの構成で最後まですべて滑り切るということが出来ていないです。4-2のところを4-3に出来れば2.9基礎点が上がって90.16に出来ます。次の単独トリプルアクセルでシークエンスのダブルアクセルを付けられたとすると3.3基礎点がさらに上がって93.46です。おそらくそれが実際に滑りたかった構成かと思われます。

 

○平均GOE3.600以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
全日本選手権 SP 5 StSq4   3.90   1.78 5.68 4.556
全日本選手権 FS 5 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.444
World Championships FS 5 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
World Championships SP 5 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
World Championships SP 1 4F   11.00   4.56 15.56 4.222
Cup of China SP 5 StSq3   3.30   1.37 4.67 4.111
NHK Trophy SP 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
NHK Trophy FS 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
全日本選手権 FS 11 ChSq1   3.00   2.07 5.07 4.000
Grand Prix Final SP 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.000
Grand Prix Final FS 5 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
World Championships FS 10 CSSp4   3.00   1.16 4.16 3.889
NHK Trophy FS 9 FCSp4   3.20   1.23 4.43 3.889
全日本選手権 FS 10 CSSp4   3.00   1.11 4.11 3.778
World Championships FS 11 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.778
NHK Trophy FS 10 CSSp3   2.60   1.00 3.60 3.778
全日本選手権 FS 9 FCSp4   3.20   1.14 4.34 3.667
NHK Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.667

宇野選手の評価の高い要素はステップが並びます。世界選手権の+4.333で全選手中5位になります。

スピンは+3.889の評価を2種類で受けています。これもスピンとして全選手中5位です。CSSpの方、足替えのシットスピンとしては全選手中2位、FCSp フライングコンビネーションスピンとしては全選手中1位の評価でした。

 

○4回転フリップ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Cup of China SP 1 4F   11.00   3.46 14.46 3.222
NHK Trophy SP 1 4F   11.00   3.30 14.30 3.000
NHK Trophy FS 2 4Fq q 11.00   0.00 11.00 0.000
Grand Prix Final SP 1 4F   11.00   2.20 13.20 2.000
Grand Prix Final FS 2 4Fq q 11.00   -0.31 10.69 -0.333
全日本選手権 SP 1 4F   11.00   2.99 13.99 2.778
全日本選手権 FS 2 4F   11.00   2.51 13.51 2.333
World Championships SP 1 4F   11.00   4.56 15.56 4.222
World Championships FS 2 4Fq q 11.00   -5.19 5.81 -4.444

4回転フリップは宇野選手が世界で初めて成功させたジャンプです。ショートフリーで1度づつ飛びます。中国杯のフリーでは2回転になって入りませんでした。それを含めて10回飛んでGOEプラスの成功ジャンプは6回です。qが付いたのが3回あり、世界選手権では大きなマイナスが付きました。世界選手権のショートで+4.222もらったのが最高で、今期の全選手の4回転フリップの中で最高評価でした。

基本的にはわずかなマイナス程度までで計算できるジャンプのように見えます。ギリギリの勝負を目指していくなら、フリーで2本入れていく選択肢もあったかもしれません。

 

○4回転ループ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Cup of China FS 1 4Lo F 10.50   -5.25 5.25 -5.000
NHK Trophy FS 1 4Loq q 10.50   0.00 10.50 0.111
Grand Prix Final FS 1 4Lo   10.50   2.55 13.05 2.556
全日本選手権 FS 1 4Loq q 10.50   -4.35 6.15 -4.000
World Championships FS 1 4Loq F 10.50   -5.25 5.25 -5.000

4回転ループはフリー冒頭で跳ぶジャンプです。今期は5回飛んで2回転倒、qが2回つきました。GOEプラスになったのは2回で、クリーンに決めたのは1度だけという判定でした。その+2.556のジャンプは、今期の4回転ループを飛んだ選手の中で2位の評価となります。

 

○4回転トーループを含む要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Cup of China SP 2 4T+3T   13.70   2.85 16.55 2.889
Cup of China FS 6 4Tq q 10.45 x -0.41 10.04 -0.444
Cup of China FS 7 4T+3T   15.07 x 2.85 17.92 3.000
NHK Trophy SP 2 4Tq+3T< 12.86   -2.71 10.15 -2.889
NHK Trophy FS 6 4Tq+3T q 15.07 X 0.27 15.34 0.333
NHK Trophy FS 8 4Tq+2T q 11.88 X 0.00 11.88 0.000
Grand Prix Final SP 2 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.778
Grand Prix Final FS 6 4T+3T   15.07 x 2.85 17.92 3.111
Grand Prix Final FS 7 4Tq q 10.45 x 0.14 10.59 0.111
全日本選手権 SP 2 4T+2T   10.80   2.58 13.38 2.667
全日本選手権 FS 6 4T+2T   11.88 X 2.58 14.46 2.778
全日本選手権 FS 7 4Tq q 10.45 X 0.00 10.45 0.000
World Championships SP 2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 1.889
World Championships FS 3 4T+2T   10.80   0.54 11.34 0.667
World Championships FS 6 4T   10.45 x 2.99 13.44 3.222

4回転トーループはショートフリーで3本飛びます。今季15回要素として入ってGOEプラスになったのは11回、±0が2回、GOEマイナスは2回です。成功率高いですが、セカンド2回転になった4回は成功と言えるかは微妙なところはあります。

なお、セカンド3回転入らない問題、というのが宇野選手にはありましたが、今期はグランプリファイナルまでの3試合はショートフリー共に4T+3Tが入っていました。全日本はセカンド3回転無し世界選手権はショートのみ入っています。昨季までと比べるとだいぶ改善していました。

 

○3連続の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Grand Prix Final FS 8 3A+1Eu+3Fq q 15.18 x -1.60 13.58 -2.111
World Championships FS 7 3A+1Eu+3F   15.18 x -2.06 13.12 -2.444

3連続が入ったのは5試合中2回だけでした。しかもGOEはマイナスです。

宇野選手のコンビネーション苦手問題は、セカンド3回転についてはだいぶ改善しましたが、今度は3連続がしっかり入らない問題に転化してきたように見えます。3連続で最後にフリップを入れる、というのは1つの見せ場だったように思うのですが、今期はそれをうまく決められなかった形です。なお、最後をサルコウではなくフリップにすることで1.0基礎点は上がるのですが、そのあとに単独で3回転サルコウを入れている今の構成だと、全体見るとあまり意味がない、という実態があります。

 

○セカンド3回転

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Cup of China SP 2 4T+3T   13.70   2.85 16.55 2.889
Cup of China FS 7 4T+3T   15.07 x 2.85 17.92 3.000
NHK Trophy SP 2 4Tq+3T< 12.86   -2.71 10.15 -2.889
NHK Trophy FS 6 4Tq+3T q 15.07 X 0.27 15.34 0.333
Grand Prix Final SP 2 4T+3T   13.70   2.71 16.41 2.778
Grand Prix Final FS 6 4T+3T   15.07 x 2.85 17.92 3.111
World Championships SP 2 4T+3T   13.70   1.90 15.60 1.889

宇野選手はセカンドジャンプで3回転が入ってこないことである種有名でした。しかし今期は5試合で7本入ってきています。全日本は入らず。世界選手権はフリーで入りませんでした。

7本のうち6本はGOEプラスを得ています。昨季は国際大会で1本、全日本で1本の2本だけですのでだいぶ改善されました。引退は2年くらい前から考えていたとは言いますが、ただ漫然と惰性で続けていたわけではなく、当然何かを改善していこうとしていた、というのがこのあたりに表れていました。

 

○回転不足の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
NHK Trophy SP 2 4Tq+3T< 12.86   -2.71 10.15 -2.889

宇野選手は今期50回のジャンプ要素がありましたが、その中でアンダーローテーションを取られたのは1度だけでした。回転は基本的に足りていると判定されるようです。また、qも昨季までは割と少ない選手でしたが、こちらは今期はだいぶ増えました。1試合で多くて2つまでだったのが、NHK杯でいきなり6つ、それもフリーだけで5つまとめて付けられると、だいぶ驚いたというのは正直なところなのだろうと思います。

 

今期は国際大会の優勝はありませんでした。全日本は6度目の優勝。シーズン終了後引退を表明しました。残した結果は素晴らしいのですが、ここ2シーズン、ノーミス、というような演技がほとんど見られなかったのは残念ではありました。このプログラム完成形が見たいな、と思わされた部分はあります。今後アイスショーでの再現、というようなことは期待したいと思います。