グランプリシリーズ19 女子シングル エントリー

フィギュアスケートのシーズンは7月はじまりの6月エンドで1年、ということになっていて、6月はまだ18-19シーズンの枠組みではあるのですが、来シーズン19-20シーズンのグランプリシリーズのエントリーが発表されました

 

まずは女子シングルについて全6試合のエントリーを、昨シーズンというか今シーズンというか、18-19シーズンのベストスコアを併記しつつ眺めてみようと思います。ベストスコアは、ISU公認のものとは限らず、以前に記した、ユニバーシアードや2月3月の一部のB級大会の得点も含むものとして記します。国内大会は国を問わず含めません。

 

Skate America    
Elizaveta TUKTAMYSHEVA (RUS) 234.43
Bradie TENNELL (USA) 225.64
Elizabet TURSYNBAEVA (KAZ) 224.76
坂本花織 (JPN) 223.65
Anna SHCHERBAKOVA (RUS) 219.94
Stanislava KONSTANTINOVA (RUS) 205.91
Eunsoo LIM (KOR) 205.57
山下真瑚 (JPN) 203.06
樋口新葉 (JPN) 186.24
Veronik MALLET (CAN) 170.68
Karen CHEN (USA) 52.93
TBD (USA) 0

 

初戦はラスベガス開催のスケートアメリカ

初戦から、昨シーズンのベストスコア200点越えが8人並ぶというハイレベルな試合です。

昨シーズンはグランプリファイナル4位の坂本選手も、ベストスコアでは4番手と、表彰台に乗るにも苦労するというレベルです

坂本選手とブレイディテネル選手は三年連続の出場。この二人にとっては、二年前のスケートアメリカが、ジュニア上がり即平昌オリンピックへとつながるきっかけとなった大会でした。今年はどうでしょう

 

エテリ三人衆の一人シェルバコワがさっそくシニアデビューです。いきなりトゥルシンバエワ選手との四回転共演なるでしょうか?

 

アメリカの地元枠があと一つ誰か入ります。ワグナー選手も長洲未来選手も引退するとは言っていませんが、今シーズンもグランプリシリーズへのエントリーなし。ポリーナエドモンズ選手とかどうしてるんだろう。

 

カレンチェン選手のベストスコアが52.93とあるのは、ショートだけ出てフリーで棄権した試合が昨年あり、国際大会はその1試合しか出場していないためそうなっています

 

 

Skate Canada Int.    
紀平梨花 (JPN) 233.12
Bradie TENNELL (USA) 225.64
Evgenia MEDVEDEVA (RUS) 223.80
Alexandra TRUSOVA (RUS) 222.89
三原舞依 (JPN) 220.68
Serafima SAKHANOVICH (RUS) 202.62
Yelim KIM (KOR) 196.34
Gabrielle DALEMAN (CAN) 192.67
Young YOU (KOR) 183.98
Alexia PAGANINI (SUI) 182.50
Aurora COTOP (CAN) 162.56
TBD (CAN) 0

 

2戦目スケートカナダでは、シニアデビューのトゥルソワ選手が、いきなり紀平梨花選手と激突します。昨シーズンのベストスコアは222.89でエントリー選手中4番手扱いのトゥルソワ選手ですが、ジュニアカテゴリーのスコアであり、コレオシークエンス一つ分要素が少ないことを考えると、実質的にはテネル選手の上くらいのスコアはあります。そこに、シニアに上がってプレゼンテーションスコアが上がってくると、どこまでトータルスコアは伸びてくるでしょうか

 

日本からは紀平選手のほかに三原選手もエントリーの二人体制です。日本選手は17枠すべて埋めると思っていたので、海外試合で二人しかエントリーがない試合が出る、というのは意外でした。全体のレベルが上がっていますね

 

 

Internationaux de France    
Alina ZAGITOVA (RUS) 238.43
坂本花織 (JPN) 223.65
Alena KOSTORNAIA (RUS) 217.98
Mariah BELL (USA) 208.07
Loena HENDRICKX (BEL) 204.16
Ting CUI (USA) 199.79
白岩優奈 (JPN) 191.46
樋口新葉 (JPN) 186.24
Laurine LECAVELIER (FRA) 180.05
Maria SOTSKOVA (RUS) 179.72
Mae Berenice MEITE (FRA) 179.56
TBD (FRA) 0.00

 

3戦目はグルノーブル開催のフランス杯。ここでザギトワ選手が登場です。

エテリ三人衆からここではコストルナヤ選手がデビューです。エテリ組のジュニア上がり三人は、まるでシード選手かのように、きれいに直接対決なく、六試合にばらけています。エテリ先生は六試合フル出場・・・、お疲れ様です。

 

メンバーを見る限りでは、坂本選手はこの試合では確実に二位以内には入って、一試合目に悪くても表彰台に乗っている、くらいにはしておかないとファイナル進出はなさそうです。

比較的この試合は昨シーズンの実績は落ちる選手が多めです

 

日本からは白岩選手と樋口選手がエントリー。昨シーズンの成績はいま一つだった二人ですが、なんとかグランプリ2枠は確保しています。

 

ロシアからソツコワ選手がエントリー。昨シーズンかなり悪かったので、今シーズンは無しかな、と思っていましたが、何とか1枠は残してもらえたようです。17-18シーズンがよかったこともあり、世界ランキングが上位で残っていたので、1枠は何とか残った、という構図なようです

 

 

Cup of China    
Elizaveta TUKTAMYSHEVA (RUS) 234.43
Elizabet TURSYNBAEVA (KAZ) 224.76
三原舞依 (JPN) 220.68
Anna SHCHERBAKOVA (RUS) 219.94
宮原知子 (JPN) 219.71
Sofia SAMODUROVA (RUS) 213.84
Viveca LINDFORS (FIN) 194.40
Gabrielle DALEMAN (CAN) 192.67
本田真凛 (JPN) 188.61
Hongyi CHEN (CHN) 165.55
Yi ZHU (CHN) 0.00
TBD (CHN) 0.00

 

4試合目は中国杯。今年はちゃんとやるかな中国杯

昨シーズンの自己ベストが6番目の選手でも213.84でそれがヨーロッパ選手権優勝スコアというハイレベルな試合です

 

トゥクタミシェワ選手は昨シーズンよかったのですが今シーズンはどうなるでしょう? あまり二シーズン続けてよい、ということがない選手なイメージです。

トゥルシンバエワ選手は世界選手権で2位表彰台でしたが、実はグランプリシリーズの表彰台はありません。どう転んでも世界選手権の代表にはなれる、という存在なので、シーズン前半にピークを持ってくる必要性は何もないですので、今シーズンもどうかな

そうなってくると、シーズン前半から勝負するしかない立場で、かつ、実力もあるという三原選手に初優勝のチャンスもある、という試合なのかもしれません。

 

宮原選手はここがグランプリ初戦。現役女子最多の4年連続ファイナル出場中という安定感が今シーズンも発揮できるんでしょうか。

日本からはもう一人本田真凛選手もエントリー。何とか今シーズンも一枠は確保して残りました。エントリー選手中昨シーズンのベストは9番目、というのが現在の立ち位置。ルール改正前の自己ベストのスコアまで出してきても、まだ上位6選手とは差がある、という状況の中、どこまで上げていけるでしょう

 

地元中国からは国際試合経験のない選手もエントリー。李子君選手の引退後、次の選手がなかなか伸びてきてくれない中国。北京オリンピックを控えているのですが、次世代の選手は表れてくれるでしょうか

 

Rostelecom Cup    
Evgenia MEDVEDEVA (RUS) 223.80
Alexandra TRUSOVA (RUS) 222.89
宮原知子 (JPN) 219.71
Mariah BELL (USA) 208.07
Stanislava KONSTANTINOVA (RUS) 205.91
Loena HENDRICKX (BEL) 204.16
白岩優奈 (JPN) 191.46
横井ゆは菜 (JPN) 184.09
Alexia PAGANINI (SUI) 182.50
Laurine LECAVELIER (FRA) 180.05
Ekaterina RYABOVA (AZE) 179.88
Hongyi CHEN (CHN) 165.55

 

5戦目はモスクワ開催のロステレコム杯

メドベージェワ選手は2戦続けてトゥルソワ選手と同じ試合、という形です。やりづらいだろうなあ・・・。

宮原選手は二週連続のエントリー。中国⇒ロシアという移動での連戦。なかなかきつそうですが、メンバー的には普通にやれば表彰台には、という感じはあります。中国でしっかり勝ってロシアに乗り込んでくる展開なら、3位表彰台でファイナル決定ですが、2位あるいは3位でここに来る展開だと、トゥルソワかメドベージェワに勝っていかないと厳しい、という状況が待っています。

 

日本からは他に白岩選手と横井選手がエントリー。横井選手はグランプリシリーズデビュー戦です。世界ジュニアは表彰台のチャンスがある状況だったのですが、点を伸ばせず、シーズンベストスコアもあまり伸びず、な結果として、グランプリシリーズは1枠だけになっています。白岩選手と二人、早く200点台に乗りたいところ

 

 

NHK Trophy    
Alina ZAGITOVA (RUS) 238.43
紀平梨花 (JPN) 233.12
Alena KOSTORNAIA (RUS) 217.98
Sofia SAMODUROVA (RUS) 213.84
Eunsoo LIM (KOR) 205.57
山下真瑚 (JPN) 203.06
Ting CUI (USA) 199.79
Viveca LINDFORS (FIN) 194.40
Starr ANDREWS (USA) 187.69
Mae Berenice MEITE (FRA) 179.56
Karen CHEN (USA) 52.93
TBD (JPN) 0.00

 

6戦目、最終戦は札幌開催のNHK杯です

ここで紀平選手とザギトワ選手の直接対決。もしかしたらコストルナヤ選手が割って入れるかもしれない力はありますが、昨シーズンの実績からすると、やはりまだ二人が抜けているという形です。

ザギトワ選手、昨シーズンは非常に不安定なところをシーズン中盤は見せていましたけど、今シーズンはどうなんでしょうかね

 

日本からはもう一人山下選手がエントリー。宇野選手が抜けた山田-樋口チームのエース格になりました。よき手本がいなくなってしまったのか、先生たちに見てもらう時間が増えたのか、どちらに振れるのかわかりませんが、全日本で3強+1に絡んでいくためには、この試合で表彰台に乗っていくくらいの力が必要そうに見えます。

 

日本はこの試合にもう一人分開催国枠を持っています。

開催国枠に入る可能性があるのは、グランプリエントリーが1試合以下の選手になります。

今シーズン1試合エントリーは本田真凛選手と横井ゆは菜選手。NHK杯の開催国枠は、開催国枠選考会というのがあるはずなのですが、現在アメリカ在住の本田真凛選手は受けに来ますかねえ。来ないとなると横井選手が有力になるわけですが、エントリー0の選手にも有力な選手がいます。

国際経験はほぼゼロですが、昨シーズンの全日本選手権で8位に入った細田采花選手が今シーズンは強化A選手に指定されました。例年ですと強化A選手は少なくともチャレンジャーシリーズには派遣されますので、シーズン初戦はチャレンジャーシリーズになるかと思われます。その上で、国際大会2戦目として、NHK杯の地元枠を取れるかどうか。紀平梨花選手とのトリプルアクセルの競演をNHK杯で見てみたい気もします。

 

 

全六試合で延べ72枠あるのですが、その国別の枠数は、地元枠のエントリー者未定まで含めて以下のようになっています

ロシア18 日本17 米国10 カナダ5 フランス5 韓国4 中国4 カザフスタン2 スイス2 ベルギー2 フィンランド2 アゼルバイジャン1

日露でほぼ半分の35を占め、そこに米国の10まで足すと6割を超えます。他は、カナダフランス中国は自国開催で3枠ある上でこの数なので、存在感という点で見ると日米露からかなり離されています。カザフスタン以下は人数で見ると1人だけのエントリーです

 

上位があまりにもいくつかの国で寡占状態になっているのがよいことかどうか。フィギュアスケートは冬季五輪の華とされていますが、最近は、北米での人気も陰っていますし、ヨーロッパ地域でも観客席には空席が目立つように見えます。もう少し国際色豊かにしていく方策が、今後長く、フィギュアスケートが競技として繁栄していくためには必要なのかもしれません。

 

今年のグランプリシリーズは10月18日スタートです。

 

ウインブルドン19 優勝オッズ

四大トーナメントの今シーズン3戦目、ウインブルドンが来週に迫ってきました

昨年の全米オープン終了時からブックメーカーのオッズの変動なんかを見てきましたが、今回は、大会直前ということで、ある種、その最終まとめとなります

 

まずは女子から

William Hillのオッズで見ています

 

 

180924

190130

190617

セリーナ・ウィリアムズ

5.00

4.50

7.00

アシュリー・バーティ

 

 

7.50

ペトラ・クビトバ

11.00

7.00

7.50

大坂なおみ

17.00

9.00

10.00

ヨハンナ・コンタ

 

 

13.00

アンゲリク・ケルバー

8.00

9.00

15.00

カロリナ・プリスコバ

13.00

13.00

15.00

ガルビネ・ムグルサ

9.00

11.00

17.00

シモナ・ハレプ

13.00

15.00

19.00

マディソン・キーズ

13.00

17.00

19.00

スローン・スティーブンス

13.00

17.00

21.00

アマンダ・アニシモーヴァ

 

 

26.00

アリーナ・サバレンカ

 

 

26.00

キキ・バーテンズ

 

 

26.00

ベリンダ・ペンチッチ

 

 

26.00

エリナ・スピトリナ

 

 

34.00

ビアンカアンドレスク

 

 

34.00

ビクトリア・アザレンカ

 

 

34.00

マルケタ・ヴォンドロウソワ

 

 

34.00

 

 

今回分は16位タイの34.00倍まで記載しました。過去の分は20倍以下の選手しか記録がないので、記録があった選手のみ記載があります。

全米オープン終了時から、セリーナ・ウィリアムズウインブルドン優勝の最有力候補、という見立てであることは一貫して変わらないのですが、その評価はやや変動があります。全米終了時よりも全豪終了時の方が評価が高く、全仏が終わって全英直前の今になると、かなり評価が下がってきました。

 

全仏終了後に一気に評価を上げたのはアシュリー・バーティー選手。当たり前ですね、全仏優勝者ですから。昨年の全米終了時には、グランドスラムの最高成績がベスト16だったのが、全豪でベスト8に入り、全仏で優勝。グランドスラム初制覇が全仏ではありますが、いわゆる土屋さんでもなく、昨年はノッティンガムグラスコートの試合でも優勝してますし、四大大会連勝は普通にあり得るんじゃないか、という扱いなようです

 

大坂選手は全米終了時にはまだフロック扱いだったのか17倍ついてましたが、全豪で勝って9.0倍に上がり、全仏で惨敗したものの10.0倍に少し下がっただけ、という扱いです。ただ、ランキング1位の選手の割には倍率高目な扱いだなあ、という気はします。ツアー通算3勝なのに、グランドスラム2勝している、という四大大会への強さがウインブルドンで出てくれるでしょうか

 

 

次は男子

 

 

180924

190130

190617

ノバク・ジョコビッチ

3.50

2.50

2.50

ロジャー・フェデラー

4.50

4.50

4.33

ラファエル・ナダル

7.00

7.50

6.50

アレクサンダー・ズベレフ

17.00

13.00

15.00

マリン・チリッチ

11.00

13.00

17.00

ミロシュ・ラオニッチ

17.00

17.00

17.00

フアン・マルティン・デル・ポトロ

17.00

17.00

19.00

ステファノス・チチパス

 

26.00

21.00

ケビン・アンダーソン

26.00

26.00

26.00

ニック・キリオス

26.00

26.00

29.00

ドミニク・ティエム

34.00

34.00

34.00

グリゴール・ディミトロフ

26.00

26.00

41.00

カレン・ハチャノフ

 

 

51.00

ジョン・イズナー

 

 

51.00

ダニル・メドヴェデフ

 

 

51.00

デニス・シャパバロフ

41.00

41.00

51.00

錦織圭

41.00

41.00

51.00

 

男子の方は、女子と違って、急激に評価を上げた、というような選手が見当たりません。もしかしたら、真剣に買う立場としては、3.50倍から2.50倍に変化したジョコビッチは、「急激に評価を上げた」に相当するのかもしれませんが・・・

フェデラーナダルも全仏後に評価を上げています。上三人とその他の差がまた広がった、というのが男子の構図です。フェデラー37歳、ナダル33歳、ジョコビッチ32歳、それでいいのかテニス界、という感じではありますが、それが現実ではある・・・。

 

錦織選手は少し評価を下げて51倍になりました。倍率は下がりましたが、順番としては16番目前後でかわらず。ベスト16格の選手とみられているようです。実際には、ここのところ4大会で続けてベスト8以上に残っていて、これは初めてのことなんですけどね。

今シーズン終わると30歳の大台に乗る錦織選手。20代のうちにグランドスラムを取ってほしいのですけど、上3人の壁が厚いなあ・・・。

 

 

 

 

日本中央競馬会2018年12月決算

以前に、スケート連盟の決算や財務状況を紹介し、ウインタースポーツの中では非常に裕福な団体である、というお話をしました。

その後、スケート連盟よりもう一桁上の資産を、日本相撲協会は持っていて、これもこれでかなり裕福な団体である、というお話をしました。

 

今回は、そんな相撲協会よりももう一桁、どころか二桁上の資産を持つ団体のお話です。

 

中央競馬会の決算は12月

昨年度の決算は3月の終わりくらいにはもう出てましたかね

 

まずは貸借対照表を見てみます

 

Ⅰ.流動資産 495,844,088,640 Ⅰ流動負債 62,512,202,297
1 現金・預金 99,538,993,015 1 未払金 10,685,444,488
2 有価証券 383,258,597,180 2 国庫納付金未払金 30,191,437,710
3 貯蔵品 755,219,606 3 払戻金等未払金 13,697,411,570
4 育成馬 618,291,872 4 未払税金 1,486,382,829
5 未収金 10,510,635,434 5 未払費用 2,426,883,217
6 前払費用 776,648,796 6 前受金 241,384,604
7 その他の流動資産 385,702,737 7 預り金 2,925,328,959
    8 前受収益 25,754,316
Ⅱ 固定資産 718,401,681,642 9 賞与引当金 454,174,604
(1)有形固定資産 504,166,914,668 10 事業構造改善引当金 378,000,000
1 建物 253,552,148,313    
2 構築物 43,909,960,883 固定負債 32,952,036,596
3 機械・装置 6,021,113,503 1 退職給付引当金 32,343,394,473
4 車両・運搬具 472,280,215 2 役員退職慰労引当金 57,623,793
5 工具・器具・備品 24,614,324,380 3 長期預り金 12,127,966
6 馬ひつ 955,250,773 4 事業構造改善引当金 121,790,000
7 馬場施設 21,405,016,516 5 特別修繕引当金 417,100,364
8 土地 137,657,720,002    
9 建設仮勘定 15,579,100,083 負債合計 95,464,238,893
(2)無形固定資産 27,280,640,562    
1 借地権 10,599,507,361 Ⅰ資本 1,116,329,761,535
2 電話加入権 170,958,000 (1)資本金 4,924,129,000
3 ソフトウェア 13,064,893,547 1 政府出資金 4,924,129,000
4 ソフトウェア仮勘定 3,445,281,654 (2)資本剰余金 6,075,658,643
(3)投資その他の資産 186,954,126,412 1資本剰余金 6,075,658,643
1 長期性預金 45,500,000,000 (3)利益剰余金 1,105,329,973,892
2 投資有価証券 129,125,971,025 1 損失てん補準備金 200,000,000
3 関係会社株式 502,600,001 2 特別積立金 1,049,661,232,649
4 建設協力金 1,698,000,000 3 繰越利益剰余金 55,468,741,243
5 敷金 4,859,038,709    
6 その他の資産 6,141,011,444 Ⅱ 評価・換算差額等 2,451,769,854
7 貸倒引当金 -872,494,767 1 その他有価証券評価差額金 2,451,769,854
       
    純資産合計 1,118,781,531,389
資産合計 1,214,245,770,282 負債・純資産合計 1,214,245,770,282

 

なんだかすごい桁の数字が並んでいます

資産合計は1.21兆円です

そう、中央競馬会の資産レベルは兆の桁になります

スケート連盟は数十億円レベル、相撲協会で数百億円レベルでしたが、中央競馬会は二桁も上の兆円レベルになります

それも、負債が極端に少なく資産が十分にある、という形でのこの規模です。夫妻は合計しても95億円ほど。それに対して資産が1.21兆円ですから、どれだけ潤沢に資産を抱えているのかと・・・

おおよそ日本人一人当たり1万円分にあたります

資本金は49億円ほどなのですが、利益剰余金が積みあがって積みあがって1.1兆円あるんですね。これがとにかく大きいです。すごいなあ。

流動負債が62億円台しかないのに、流動資産として有価証券を3,800億円余りももっている意味はないとおもうのですがどういう理由なんでしょうか。運用、なんていう危険な賭け事みたいなことに大事なお金を費やすことはできない、って考えでもあるんですかね、中央競馬会としては。投資その他の資産の項目に投資有価証券というのがありますので、法的に、短期流動資産としてしか有価証券を持つことはできないってことはなさそうなんですけど。

 

このため込んだ資産をどうするつもりなんでしょう? 株式会社なら、①株主に配当する、②設備投資などをして売り上げを増やすために力を費やす、➂従業員に還元する。あたりの選択になるのですが、特殊法人である中央競馬会に①はありません。②もどうなんでしょう? 事業拡大を目指す正当制がどの程度あるか。➂はまあ、あるにはありますが、1兆円使い切らないでしょう。2018年末時点で従業員数は1,763人。1兆円を全額従業員に還元するとしたら、一人当たり5億円を超えるというとてつもないことが起こります。ないですね。

そう考えると、①としての株主はいませんが、国の全額出資で作られていますので、出資者へ還元する、すなわち、国庫へ帰す、という形の使い方が妥当なのではないか、というように見えます。まあ、②を目指す手もあります。中央競馬会は売り上げ比例で国庫に納付する金額が決まっていますので、売り上げ増=国庫への納付金増、ということになるので、その形での国庫への還元、という手はあるのは確かです。

 

 

次は損益計算書を見てみます

 

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中央競馬会の収益の柱は、当然ながら勝ち馬投票券収入、すなわち馬券売っていくら、というところになります。これが収益の99%以上を占めるのですが、毎年2兆円を超える勝ち馬投票券収入があります。2018年の勝ち馬投票券収入は2兆8,191億円。富士フイルムやシャープの売り上げが2兆4,000億円、三菱自動車が2兆2,000億円ほど、というそういった大企業群よりもJRAの収益というのは大きなものなわけです。日本人一人当たり、毎年2万円以上お買い上げ、という計算になります。競馬に縁のない人、というのはかなりの数いるわけですから、馬券購入経験者に限ると一人当たりいくらになるのでしょうか。その年の馬券購入者が全人口の2割としても、一人当たり10万円を超えるわけで、

 

 

この勝ち馬投票券は、当たった人には払い戻しがあるわけですが、その金額はおおよそ75%となっています。この辺は割と有名。なので、収益の75%はほぼ自動的に払戻金に回ります。また、意外と知られていなかったりすることもあるようですが、10%は国庫納付金として固定です。100円買ったら10円は国庫に入る、ということです。税金が10%つくみたいなものね、と一瞬思うのですが、実際には10%ではないです。90円に税金10円が乗った100円の勝ち馬投票券を買う、という理解になるので、11.1%の税金が乗っているようなもの、という意味合いになります。消費税より高いわけです。これ、そのうち、消費税が上がっていって12%以上になっていったらどうするんですかね。

 

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そうやって勝ち馬投票券の収益に連動して国庫納付金の額も決まります。年々、勝ち馬投票券の収益が増えているわけですから国庫納付金も増えていて、2018年には2,800億円にのぼりました。結構な額が国に入っています。これが、国としての競馬の存在意義なわけです、実際的な。

 

 

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次に事業外収益を見てみます

利息収入だけで20億円前後が毎年入ってきます。全体の収益が2兆円台なので全然目立たない水準になってしまいますが、これだけでも結構な金額ですね。貸借対照表には、流動資産としての有価証券が3,833億円、固定資産扱いの投資有価証券が1,291億円、長期性預金が455億円ありますので、そのあたりからの利息が20億円前後ということになります。利率は結構低めな運用でしょうか。

 

 

 

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損益を見てみると、きちんと黒字が続いています。13年から17年は増益を続けていたのですが、18年は減益となりました。それでも500億円は超える水準です。まあ、売り上げに相当するものが2兆円台の後半までありますので、営業利益率は2%程度であり、収益性は高いとは言えないのですが、毎年これが余剰金として積みあがっていくと考えると、やはり大きな額ではあります

また、普通は当期純利益の前に法人税が入ってくるのですが、特殊法人である中央競馬会はそういった形になっていません。最終的な当期純利益を確定させた後、その2分の1の額が国庫に納められる、という形で決まっています。なので、実際に余剰金として積みあがるのは、当期純利益の額、2018年なら555億円の半分、ということになります。

損益計算書にはっきり乗っている国庫納付金と合わせると、2018年度に中央競馬会から国庫に納められた金額は3,000億円ほどになります。

 

営利目的ではなく、株主のチェックもなく、オーナーのチェックもない特殊法人で、運営規模が3兆円近い、というのはとてつもないことです。

そういう団体だと、社長、はいませんが、理事長など首脳陣の報酬はお手盛りで巨額にしてしまう、という心配がされますが、実際には、そこは情報公開されているのでそう簡単にはできません。

 

 

本俸(月額)

理事長

1,226,000円

副理事長

1,054,000円

常務理事

950,000円

理事

899,000円

常務監事

824,000円

 

この本俸に加えて各種手当がつくにしても、一般サラリーマンの普通の人たちと比べれば大きな金額ではありますが、3兆円企業の経営陣と比べたら大した額ではありません。

 

ただ、問題として、トップは長らく天下りが続いていた、というのがありました。中央競馬会の理事長には、農林水産省から天下ってくる、という歴史がありましたので、報酬はそれほど巨額でなくても問題ない、というか巨額にして目立つよりはほどほどで、というところもあったでしょう。ただ、その天下りトップの歴史は2000年代に終わり、最近は生え抜きトップになってきています。まあ、副理事以下には何人か農林水産省天下り組が残ってはいますけどね

 

 

というわけで、莫大な額の売り上げがあり、税金という形とは少し異なりますが、国庫への納付金も多額にあるのが日本中央競馬会です。そういった形の貢献の元になるのが勝ち馬投票券、ということであり、いわゆる「賭け事」の形になっているのが信条的にはすっきりしない部分はあるのですが、それでも、多額の借金のある国ですので、その財政を少しでも支えてもらえれるのはありがたいと思います。

 

 

サビカの夢、北京へ クラウドファンディング

スケート後進国インドネシアフィギュアスケート少女、サビカ

彼女が、北京オリンピックを目指したい、とクラウドファンディングを行っています

スケートにお金がかかるのは万国共通なようで、活動費が足りない、と言います。

来シーズンの活動費として、以下のように見積もっていました

 

海外合宿 32,000ドル

コーチ費 20,000ドル

国内レッスン

 ローカルコーチ4,800ドル

 ゲストコーチ14,800ドル

 個人レッスン1,000ドル

 バレーレッスン250ドル

 振付500ドル

 マッサージ  1時間5ドル (何時間分かは不明)

設備

 ブーツ&ブレード 年間2,800ドル

 研磨 120ドル(1回10ドル)

 衣装400ドル

 プライベートアイス3,000ドル

 

金額が大きいのは海外でのトレーニング費用です

海外というのはアメリカを想定しているようです。フジテレビの企画で安藤美姫さんにレッスンを受けていましたので、その縁で日本でのレッスンを望んでもよさそうですが、安藤美姫さんとのやり取りも英語で行われていたように見えましたし、言葉の通じる国でレッスンを受けた方が効率的、というのはあるでしょうか

日本人選手が海外でのトレーニングを望む、というのとはわけが違います。日本はそれなりのスケート先進国ですが、インドネシアでは国内で受けられるトレーニングの水準が、日本やアメリカと段違いであるのは想像に難くありません。

 

国内での通常のレッスンはとてつもない金額、というほどではないですが、ゲストコーチはやはりだいぶかかります。

マッサージというのが年間何回という想定なのかが見積れませんが、それを除いて国内レッスン枠で21,350ドル、設備費用で6,320ドルかかる想定です。合わせると27,670ドルで、日本円にしてほぼ300万円になります。ゲストコーチとプライベートアイスを除くと9,870ドルとなり、日本円にして100万円ちょっとにまでなんとかなってきます。

それでも、インドネシアの平均年収11,400ドルから考えると、かなりの金額です

 

そういった負担を強いられながら競技を続けていても、サビカはまだ三回転のジャンプを飛べない。そういった厳しい現実があります。

インドネシアではフィギュアスケート自体の知名度がありません。そして、彼女に実績はまだなにもありません。その二つが合わさると、こういった支援を受けようとしても支援が集まらない。そういう現実があります。

彼女は日本のテレビに出演しました。クラウドファンディングのページにはその映像も貼られています。そして、フィギュア先進国でのテレビ出演というのが、彼女が支援を受けるための一縷の望みになっているのでしょう。サイトには日本語でサビカの状況がつづられています。

 

現実的には、サビカが北京オリンピックに出場できる可能性は極めて低い、と言わざるを得ません。北京オリンピックに出るためには、2021年春の世界選手権でインドネシアが枠をとるか、2021年秋口にある最終予選、おそらくネーベルホルン杯で上位に入り出場枠をとることが必要です。残された時間は二年余り。いまだ3回転のジャンプの飛べない彼女がそこまでたどり着くのは容易ではありません。

ただ、世界選手権に出場する可能性はそれなりにあるのではないか、とも思えます。その可能性は、日本で同じようにクラウドファンディングを行っている白岩優奈選手や岩野桃亜選手と比べて、むしろ高いかもしれません。今の日本で、坂本紀平宮原三選手を打ち破って代表になるのはとてつもなく難しいことです。一方、インドネシアでは、ミニマムスコアさえ超えれば基本的に代表になれます。そこまでならたどり着ける可能性がそれなりにある。スピンで点がある程度稼げるので、3回転が3種類入ればショートもフリーもミニマムスコアくらいまでたどり着ける見込みがあります。

オリンピックは、現実的には北京のさらに先、2026年のものを目指す形になるでしょう。2026年2月でもまだ21歳。年齢的に十分です。その出場権がかかる時期まであと6年。3回転5種類をそろえれば世界選手権でフリー進出、あるいはネーベルホルン杯で最後の出場枠を得る、というところまでたどり着く可能性は十分あります

 

サビカはインドネシアフィギュアスケートの歴史そのものです。インドネシアという国は、まだ、冬季オリンピックに選手を派遣したことがありません。彼女がその第一号になる可能性は十分にあります。そのための一つの糧として、クラウドファンディングがあります。

 

サビカへの支援はまだそれほど集まっていません。

実績を考えると仕方ない部分はあるでしょう。

もう少し実績を出して、世界ジュニアくらいまでたどり着いてからこういう募集をかければよかったのかもしれません

 

英語のサイトで名前や住所を入れていくことへの抵抗感はあるかもしれません。謝礼も、バナータオルがもらえるというようなことはないですし、現実問題として試合を見に行くようなこともなかなかできないでしょうから、そういった人へ金銭的支援をする、というのは気が進みにくい部分はあるでしょう。

それでも、彼女を支援する、ということはインドネシアの新しい歴史を支えるということでもあります

 

サビカの夢 オリンピック

北京、ではなくてその次じゃないかとは思いますが、そこにたどり着くまで、見ていけたらいいと思います

 

https://destination-forward.com/campaigns/help-indonesian-junior-skater-continue-training/

 

 

 

本田望結選手のスケーターとしての立ち位置

タレントとして有名な、あるいは本田真凛選手の妹として有名な、はたまた本田紗来選手の姉として有名な、本田望結選手。

今回は、彼女のスケーターとしての位置を見てみたいと思います。

 

18-19シーズン、彼女は地方のローカル大会を除いて、近畿-西日本-全日本ジュニアという三試合に、全日本中学を含めた四試合に出場しました。

 

Event Total SP SP TES SP PCS FS FS TES FS PCS
近畿ジュニア 157.11 52.21 28.15 24.06 104.90 53.70 51.20
西日本ジュニア 150.62 51.43 28.39 23.04 99.19 49.43 49.76
全日本ジュニア 147.17 53.29 28.17 25.12 93.88 47.20 47.68
全国中学校大会 141.09 53.24 29.18 24.06 87.85 42.45 46.40

4試合の成績です。ベストスコアは近畿ジュニアの157.11 この試合ではフリーで100点を超えてきました。ショートプログラムのベストスコアは全日本ジュニアの53.29 この試合は9位でショートプログラムを終え、フリーの出来次第では6位に入って全日本進出もある、という展開だったのですが、最終的に12位で終えました。

全日本ジュニアのフリーで近畿ジュニアの得点をとれていれば、トータル158.19に達し、3位表彰台もあった、という展開。たられば言っても仕方ない、とは言いますが、たらればレベルならそれくらいの可能性を計算できる、という実力であることは確かです。

一方で、一番狙っていた試合で、絶好の位置につけていたにもかかわらず、フリーでベストの演技が出来なかった、というあたりは、長く子役をやっていたので大舞台での強さは折り紙付き、というような理論は成り立ちませんね、ということを表していた、とも言えます。また、初戦の近畿ジュニア以降、全日本中学に至るまで、スコアを下げ続けたシーズンだった、というあたりも気になりました

 

さて、彼女のベストスコア157.11というのはどれくらいの位置になるでしょうか?

 

今シーズン、これに近いスコアをグランプリシリーズで見たことがあります。誰あろう、本田真凛選手。スケートアメリカでのスコアが158.04でした。シニアはジュニアと比べてコレオシークエンス一つ分要素が多い、ということを考えると、実質的にはジュニアの157.11の方が価値が高い、とも言えます。元世界ジュニア女王である姉のシーズン最低スコアを、自身の最高スコアでなら上回れた、ということになります。

 

ISUのシーズンベストスコアと比較すると、157.11というのは85位相当の位置になります。国際試合のスコアと比較しても仕方ない、という指摘もあるかと思いますが、国際試合未経験ですので、その辺は勘弁してください、というしかない。

ジュニアグランプリシリーズに出場していた日本のトップジュニアの中でも、この157.11を下回るスコアで終わってしまった選手は多数います。

 

国内の試合に目を戻すと、全日本選手権の予選に当たる西日本選手権では、12位のスコアが144.62で、この点数が全日本への通過ラインでした。本田望結選手は今シーズン、近畿ジュニア、西日本ジュニア、全日本ジュニアの三試合でこのスコアを上回っていました。したがって、理論上、彼女はジュニアではなくシニアであれば、全日本選手権に出場できていた、ということになります。ただ、実際には2004年6月1日生まれの彼女は、まだシニアに上がることはできませんでした。19-20シーズンはシニアに上がることは制度上可能です。

彼女はまだ中学3年生ですが、シニアカテゴリーに上がる選択をするかどうかは一つ注目です。全日本ジュニアという、日本のジュニアの最高峰の舞台に立つことをあきらめれば、かなりの高確率で全日本選手権に出場できるのではないかという風に見えます。

 

今シーズン4試合、ショートプログラムはすべて50点台で、最低でも51.43でした。このスコアは、全日本選手権のフリー進出ラインであった49.59を上回ります。全日本に出場していれば、フリー進出が可能な力はあります。トータルスコアはベストの157.11なら20位相当、ワーストの141.09だと24位相当になります。シニアにこのまま上がれば、全日本の常連でフリーの第一グループくらいによくいるね、というような選手になりそう、という位置にいます。

 

世界へもう一度目を移すと、世界ジュニアに出場するために必要な最低スコアは、ショートプログラムの技術点23.00 フリーの技術点38.00でした。このスコアは4試合ともはっきりと上回っていますので、国際大会に出れば、ミニマムスコアくらいは確保してきただろうことは想像されます。

なお、シニアカテゴリーですが、四大陸選手権はショート23.00、フリー40.00なので、これもクリアしています。世界選手権はショート29.00、フリー49.00ですので、ベストスコアとしてはクリアしています。ただ、一発クリアできるかどうかは怪しい、という水準です。

 

世界ジュニアを見てみると、157.11のスコアを出せれば13位相当でした。シーズンワーストの141.09でも20位相当です。出場できていれば問題なくショートは通過できていたはずです。国籍が日本、ロシア、アメリカ、韓国以外であれば、有力な代表候補になれるだけの力があります。

 

こうやって見るとかなり強い選手なのですが、幸か不幸か、彼女は日本人です。世界有数のレベルのメンバーの中で比べられてしまいます。その中で戦うには致命的な弱点があります。ジャンプです。

 

Event     Elements    BaseValue  
近畿ジュニア SP 1 3F<! ! 3.98 -2.400
近畿ジュニア FS 3 3F<! ! 3.98 -2.000
西日本ジュニア SP 1 3F! ! 5.30 -1.286
西日本ジュニア FS 3 3F! ! 5.30 -1.000
全日本ジュニア SP 1 3F<e e 3.18 -4.429
全日本ジュニア FS 3 3F<e e 3.18 -5.000
全国中学校大会 SP 1 3Fe e 3.98 -2.400
全国中学校大会 FS 3 3Fe e 3.98 -3.400

今シーズン、ジュニアの課題ジャンプはフリップでした。今シーズン4試合で、彼女はショートだけでなくフリーも含めて8回トリプルフリップをプログラムに組み入れていました。そのうち成功したのはゼロ。8回飛んで転倒こそ1回だけですが、回転不足は4回もあります。また、 ! がついたのが4回、eがついたのは4回。すなわち、8回中8回、エッジ不正をとられています。基礎点が満額ついたのが8回中2回しかありません。この結果から見るに、本田望結選手にとってトリプルフリップというのは、ミスにより減点された、というような表現は見合っておらず、現実としては、飛ぶことのできないジャンプである、と言わざるを得ません。

じゃあルッツなら飛べるのか? というと、今シーズンフリーで1回づつ合計4回飛んで、転倒1、回転不足1で、成功ジャンプは2回、確率5割でした。

Event     Elements    BaseValue  
近畿ジュニア FS 1 3Lz< 4.43 0.400
西日本ジュニア FS 1 3Lz   5.90 1.429
全日本ジュニア FS 1 3Lz   5.90 0.143
全国中学校大会 FS 1 3Lz   5.90 -4.800

また、コンビネーションジャンプの難度も低めです。

ショートで飛ぶコンビネーションは3Lo-2Tが基本で、近畿ジュニアでは3S-2Tでした。3回転-3回転はなく、ルッツも組み込めていません(フリップは単独ジャンプ強制ルール)。フリーで飛ぶ3連続は、ほぼ毎回異なりますが、一番難しい組み合わせで3Lo-1Eu-2Sでした。3連続は4回中3回で回転不足が出ています

Event     Elements    BaseValue  
近畿ジュニア FS 6 2A+2Lo+2Lo< 6.28 -0.200
西日本ジュニア FS 8 3S<+1Eu+2S 5.53 -2.000
全日本ジュニア FS 8 3S+1Eu+2S   6.71 0.714
全国中学校大会 FS 7 3Lo<+1Eu+2S 6.03 -1.200

 

つまり、ジャンプとしては、ショートプログラムにルッツがない、フリーで2回飛ぶジャンプはループとサルコウ、3回転-3回転がプログラムに入っていない、フリップジャンプのエッジ不正率100% 日本の上位ジュニアの中ではかなり見劣りしてしまう、という現実があります。

 

スピンはレベル4が割としっかりとれています。今シーズン24回のうち21回でレベル4です。全日本ジュニアでも6人しかいなかった、スピンすべてレベル4をとった中の一人です。

ステップはレベル2と3が4回づつ。決して良くはないですが、ジュニアとしては十分かな、というくらいはあります。実際、全日本ジュニアではステップでレベル4をとった選手がゼロでしたし、レベル3の中でGOEは川畑和愛選手と並んでトップの+2.714をショートプログラムで出していました。

PCSは全体の中で必ずトータル順位より上の順位がついていますから悪くない。

昨年の全日本ジュニアショートプログラム、ジャンプ以外の四要素、スピン三つとステップで得た点数15.47は、実は全選手中トップでした。15点台あったのは他には優勝した横井ゆは菜選手(15.16)しかいません。

 

結局、ジャンプが課題なわけです。

そして、課題がジャンプであるということが今のフィギュアスケートの世界では致命傷になってしまいます

現在、日本のジュニアでは、ジュニアグランプリシリーズに派遣してもらうための必須条件として、三回転-三回転のコンビネーションを飛ぶことができること、というのがある、という話を聞きます。本当なのか確認できていませんが、これが本当だとすると、本田望結選手はその時点でジュニアグランプリシリーズに派遣してもらうことができません。

来シーズン、強化指定選手には、ジュニアからは全日本ジュニアで8位の松生理乃選手までが選ばれました。全日本ジュニアで12位の本田望結選手は8位の松生選手まで3.45ポイント差、ほんのそれだけの差でした。11位までの選手のうち、ショートプログラムで3回転-3回転を入れられていないのは、転倒した選手のみであとの10選手は回転不足がついたりはしていますが、3回転-3回転がプログラムに入ります。フリーでは3回転-3回転がない選手もいましたが、そういう選手でも2A-3Tという形でセカンド3回転はプログラムに含まれます。

ジュニアの上位選手でセカンド三回転が構成にないのは本田望結選手だけです。これを克服しない限り国際大会に出ていく選手にはなれません。

 

今のままでも、全日本の常連くらいにはなれます。しかしながら、これより上には、国際大会の水準には、ジャンプの難度を上げる、難度の高いジャンプの確率を上げる、ということをしないとたどり着けません。

まずは2A-3T、次に3回転-3回転、そのうえでフリップを飛べるようにする、ルッツの成功率を上げる、ということが求められます。

 

ジャンプだけがフィギュアスケートではない。私もそういいたいのですが、ジャンプが飛べないと点が出ない、という現実がある。今のままでも全日本常連レベルにはなれる。ジャンプが飛べれば国際舞台へ出ていける。それが、今の彼女の立ち位置です。

 

タレントであったり、姉が有名人であったり、妹が有名人であったり、一人のスケーターとして以外に背負うものがあまりにも大きい本田望結さん

6月1日に15歳になる彼女の今後のスケート人生が、幸福なものであればと願います

 

 

 

 

 

コパアメリカ2019オッズ

6月はサッカーの国際大会が行われるシーズンです。

各地で色々と行われますが、今年の最大の大会はコパアメリカでしょうか

今回は日本代表が招待されて出場します。選手の招集権がない、などの問題もあり、ベストメンバーでは臨めないという部分もあるようですが、こういう大会に呼んでもらえるというのはありがたいことだと思いますし、楽しみでもあります。親善試合よりメンバー落ちるってなんだそりゃ? な感じはありますけれど、参加できる選手にとってはチャンスだと思いますので頑張ってもらえたらいいなあ

 

というわけで、また、各種オッズを見ていきたいと思います。

まずは優勝オッズ

 

  William Hill Bet365
ブラジル 2.25 2.10
アルゼンチン 4.33 5.50
ウルグアイ 8.50 8.00
チリ 9.00 11.00
コロンビア 10.00 10.00
ペルー 21.00 21.00
エクアドル 29.00 34.00
パラグアイ 34.00 26.00
日本 34.00 34.00
ベネズエラ 41.00 26.00
ボリビア 51.00 34.00
カタール 51.00 81.00

 

どちらのブックメーカーでもブラジルが本命と予想で二番手はアルゼンチン。まあ、何も考えないとそうなるでしょうし、ちゃんと考えてもそうなるのか、という感じです。でも、ここ三大会ほどブラジルはベスト4にも残ってないんですけどね。ワールドカップも縁遠くなってますし、久しぶりに主要大会のタイトルがとれるんでしょうか。今回はブラジル開催ですし頑張らないといけないんですが、準決勝で1-7で負けたりしないように祈っておきましょうか

三番手がウルグアイなのも同様。四番手でチリとコロンビアが評価割れています。

下の方は、結構適当なんですかね。日本は34.00倍で共通ですが、William Hillだと8番目タイなのに対してBet365では10番目タイで評価はかなり低めです。南米では評価の低いベネズエラボリビアといったところと比較的近い評価です。まあ、そんなもんなんだろうなあ、という気はします

アジアカップ優勝のカタールは一番下の扱い。アジアカップの優勝はフロックとみられてるのか、中東から出たら勝てないでしょと思われてるのか。

 

次はグループリーグ1位オッズです

以下はbet365で見ていきます

 

グループA

ブラジル1.16 ペルー7.00 ベネズエラ15.00 ボリビア26.00

グループB

アルゼンチン1.72 コロンビア2.50 パラグアイ9.00 カタール41.00

グループC

ウルグアイ2.00 チリ2.50 エクアドル8.00 日本13.00

 

各組上位2チームと3位のうち成績上位の2チームが決勝トーナメント進出というレギュレーション。日本はグループ4番手だけど、4番手の中では一番チャンスはあるよ、というオッズ設定です。そんなにチャンスないだろう、という気もするのですが、上三チームの力が近いときは四番手にもチャンスが出る、という考え方はあるかもしれません

 

 

 

次に、初戦の各対戦のオッズを見てみます。

  左勝ち ドロー 右勝ち  
ブラジル 1.14 7.00 21.00 ボリビア
ベネズエラ 3.50 3.00 2.25 ペルー
アルゼンチン 2.15 3.20 3.50 コロンビア
パラグアイ 1.65 3.40 6.00 カタール
ウルグアイ 1.60 3.50 6.50 エクアドル
日本 6.00 3.60 1.61 チリ

ブラジルの初戦勝ちは鉄板、という見立て。まあ、ホームブラジルがボリビアに勝てなかったらブーイングじゃすまない事態ですしこうなるんですかね。それに次ぐのはウルグアイとチリなようです。日本は勝ち目ないよと。まあ、そりゃあ・・・

パラグアイ-カタールはここまでパラグアイに偏るような気は、アジアカップを見ると思わないんですけど、コパアメリカで賭ける人がアジアカップは見てないだろう、というオッズ設定というならわかる気はします。最近のパラグアイってどうなんでしょう。パッとしないイメージなんですけど

 

 

コパアメリカの開幕は6月15日、日本の初戦は6月18日朝です

 

 

 

 

女子ワールドカップ2019オッズ

女子ワールドカップ2019オッズ

 

6月はサッカーの国際大会が行われるシーズンです。

今年は女子ワールドカップが行われます。開幕は日本時間6月8日、現地フランスでは6月7日金曜日です。

各国、合宿に入り準備期間も終盤になってきたこの時期に、大会優勝オッズなどを見ていきます。

 

  William Hill Bet365
フランス 3.75 4.50
アメリカ合衆国 4.33 4.50
ドイツ 6.50 6.50
イングランド 6.50 7.00
オランダ 11.00 15.00
日本 11.00 15.00
オーストラリア 15.00 15.00
スペイン 15.00 26.00
スウェーデン 17.00 26.00
ブラジル 17.00 26.00
カナダ 21.00 21.00
ノルウェー 34.00 34.00
イタリア 41.00 51.00
中国 51.00 67.00
韓国 51.00 101.00
ニュージーランド 51.00 126.00
スコットランド 51.00 151.00
アルゼンチン 81.00 401.00
チリ 101.00 501.00
ナイジェリア 151.00 501.00
カメルーン 151.00 751.00
南アフリカ 201.00 501.00
ジャマイカ 201.00 1001.00
タイ 201.00 1501.00

すべての国でbet365の方が倍率が高い不思議。買うならbet365からですね

トップオッズがついたのは開催国フランス。日本はWilliam Hillでもbet365でも5番目タイ、という位置づけです。

 

次はグループリーグ1位オッズです

以下はbet365で見ていきます

 

グループA

フランス 1.20 ノルウェー 6.50 韓国 13.0 ナイジェリア 34.0

グループB

ドイツ 1.22 スペイン 5.50 中国 13.0 南アフリカ 67.0

グループC

オーストラリア 1.90 ブラジル 2.37 イタリア 7.00 ジャマイカ 81.0

グループD

イングランド 1.61 日本 2.50 スコットランド 17.0 アルゼンチン 67.0

グループE

オランダ 1.90 カナダ 2.20 ニュージーランド 11.0 カメルーン 41.0

グループF

アメリカ 1.22 スウェーデン 4.33 チリ 34.0 タイ 151.0

 

各グループ上位2チームと、3位の中から4チームが決勝トーナメントへ進みます。

4番手のチームのオッズが一番高いのはグループAでナイジェリアの34.0倍。3番手のチームのオッズが一番高いのはグループCでイタリアが7.00倍。このあたりのグループは、上位2チームに入るのはややハードルが高い、という見立てでしょうか。ただ、もっとも高いオッズはグループAのフランスで1.20倍だったりします。

日本はグループ中2番手で2.50倍 3番目のスコットランドが17.0倍で、グループ3位中では5番目のオッズですので、グループ2位以内に入る可能性は比較的高い、と見えますが、イングランドよりは弱く1位にはならない、とみられているようです。

日本は最終戦イングランドですので、二勝同士で突破が決まった状態で対戦して、手抜きドロー、みたいな展開が一番ありがたいわけですが、そんなに甘くはないですかね

 

 

次に、初戦の各対戦のオッズを見てみます。

  左勝ち ドロー 右勝ち  
フランス 1.12 7.50 21.00 韓国
ドイツ 1.28 5.50 9.50 中国
スペイン 1.18 6.50 15.00 南アフリカ
ノルウェー 1.22 6.00 12.00 ナイジェリア
豪州 1.57 3.80 6.00 イタリア
ブラジル 1.05 13.00 26.00 ジャマイカ
イングランド 1.22 6.00 13.00 スコットランド
アルゼンチン 21.00 7.50 1.12 日本
カナダ 1.16 6.50 17.00 カメルーン
ニュージーランド 10.00 5.50 1.28 オランダ
チリ 19.00 6.50 1.16 スウェーデン
米国 1.03 15.00 34.00 タイ

初戦の勝ちが固いのは、アメリカ、ブラジルで、次いでフランスと日本が1.12倍と信用されています。女子の場合は日本も普通に何の違和感もなく強豪国扱いですからね。

 

日本の初戦は6月11日、AM1:00からです