グランプリファイナル進出条件 男子シングル(5戦終了時)

グランプリシリーズも5戦が終了して残り1戦となりました
男子シングルではファイナル進出確定者が四名出ました。
二戦二勝の羽生結弦選手、宇野昌磨選手に、二位二回でミヒャルブレジナ、二位と三位でセルゲイボロノフ、の四名です
ブレジナ選手がまさかここにきて二戦二位に入ってくるとは全く思っていませんでした

 

残りの二枠は、現在ポイント5位6位の二名と、6位のポイントを上回る可能性のある選手に限られました。
現在の6位は、二戦して2位と5位のキーガンメッシング選手。
したがって、理論上、初戦6位以内で最終フランスの出場権を持っている選手、までが可能性があります

 

ファイナル進出の可能性が理論上あるのは以下の選手です

チャ・ジュナン(KOR) 3位、3位 合計点497.96
キーガンメッシング(CAN) 2位 5位 合計点485.92
ネイサンチェン(USA) 優勝 280.57
アレクサンドル・サマリン(RUS) 4位 248.78
ボーヤンジン(CHN) 5位 227.28
ドミトリーアリエフ(RUS) 5位 219.52
ジェイソンブラウン(USA) 6位 234.97

以上7選手が残り2枠を争っている形になります

 

では、この7選手がファイナルに進出する条件を検討していきます

まず、二試合終わっている選手の側から見ます

 

チャ・ジュナン選手は3位二回で、初のファイナル進出の可能性を残します
現在ポイント5番目ですので、二人以上が彼を上回らなければファイナル進出です
条件は以下になります

① ネイサンチェンが5位以内
② サマリンが2位以内
③ ボーヤンジンが優勝
④ ドミトリーアリエフが優勝

以上①~④のうち、二つ以上が満たされた場合、ファイナルに進出できません
条件のうち、➂と④が同時に満たされることはありません。①は、まず確実に満たされるでしょう。したがって②がまず一つポイントで、サマリンが2位以内に入ってこないこと、というのが重要です。また、チャ・ジュナンから見ると、ネイサンチェンが順当に優勝してくれることが望ましくて、ここにきてボーヤンジン復活優勝、なんてされると、ファイナル進出できなくなる可能性が極めて高くなる、という情勢なことがわかります。
サマリン次第でファイナル進出できるかも、というのがチャ・ジュナンの置かれた立場です


なお、補欠の一番手には、上記のうち二つが満たしても残ります。つまり①と②だけが満たされた場合は、補欠の一番手になる、ということになります。現在、羽生結弦選手のファイナル出場は不透明な情勢ですので補欠の一番手に残ればファイナルに出場できる可能性を割と高く残す、という風にも見て取れます。そのためには、ネイサンチェン選手が二位以内に入ってくれれば、②から④のうち、最大でも一つしか満たせませんので、補欠の一番手に残れる、という風にも見ることができます。
チャ・ジュナン選手としては、ネイサンチェン選手にしっかり頑張ってもらうこと、がファイナル進出のカギになります

 

ポイント6位のキーガンメッシングは非常に苦しくなりました
条件は以下になります

① ネイサンチェンが6位以内
② サマリンが3位位以内
③ ボーヤンジンが優勝か、二位で258.64以上
④ ドミトリーアリエフが優勝か、二位で266.40以上
⑤ ジェイソンブラウンが優勝

以上①~⑤のうち、どれか一つが満たされたらファイナル進出できません

欠場、以外で①が満たされないはまずありえないので、実質的にはキーガンメッシングのファイナル進出はないでしょう。
また、万が一ネイサンチェンが欠場したとしても、サマリンもボーヤンジンもアリエフもジェイソンブラウンも優勝してはいけない、というのはあまりにも厳しすぎる条件な気がしますので、まあ、ないでしょう。
一応、ダニエルサモーヒンやデニスバシリエスフといって、いくらか実績のある選手はいるので、可能性はゼロではないですけど
というわけで、ネイサンチェンが欠場したうえで、よほどのことが起こらないと、キーガンメッシングのファイナル進出はない、という情勢です
ただ、補欠1番手までなら可能性があります。羽生選手がファイナルを欠場する、他の誰かでもいいわけですが、ファイナル欠場者が一人出れば、補欠1番手に出場権は回ってきます。グランプリファイナルではよくある状況です。そこまで考えると、上記①~⑤のうち一つだけなら満たしても大丈夫、ということになります。すなわち、①が満たされるのは仕方ないけれど、②~⑤がどれも満たされなければ補欠1番手で残れます。キーガンメッシングとしては、それを祈るしかないでしょう

 

あとは、最終戦に出場する選手のファイナル進出条件を考えます

まずは、初戦優勝のネイサンチェン選手
5位以内に入れば、他の選手の結果に寄らず、ファイナル進出は確定です
6位の場合は、以下の条件が必要です

① サマリンが3位以内
② ボーヤンジンが優勝する
③ ドミトリーアリエフが優勝する
④ ジェイソンブラウンが優勝する

以上の①から④のどれかが満たされるとファイナル進出できません
まあ、順当にいけばネイサンチェンが優勝しなかったらこの四人の誰かが優勝するんじゃない? という感じなので、さすがにこの条件は苦しそうです
ただ、出れば5位には入るでしょう、普通に考えて。

 

では次。
終戦に出場する選手の中で、初戦の成績がネイサンチェンに次いで良いのは、初戦四位のアレクサンドルサマリン選手です
サマリンは優勝すれば、他の選手の結果に寄らずファイナル進出確定できます
二位の場合は、多少条件が出てきます

① ネイサンチェンが5位以内
② ボーヤンジンが優勝
③ ドミトリーアリエフが優勝

以上①から➂のうち二つが満たされるとファイナル進出できなくなります
つまり、自分が二位の場合、ボーヤンジンかドミトリーアリエフが優勝者の場合は、ファイナルに進出できなくなる可能性が高い、ということです
ネイサンチェン一位の自分二位、というのがサマリンにとって、ファイナル進出という観点では望まれることです
ただ、補欠の1番手までなら②か➂まで満たされても入ってくることができます。2位に入れば、少なくとも補欠の1番手にまでならなることができる、ということになります

サマリンは三位になった場合は、ファイナル進出は出来ません
ネイサンチェンが7 位以下など、無茶な条件をいくつか満たせば補欠の1番手にはなりますが、考えても仕方ない、というレベルです
最低限二位に入ることが必要です


次は初戦5位のボーヤンジン選手が可能性を残しています
優勝した場合、他の選手の結果によらずファイナル進出出来ます
二位の場合は、かなり厳しいですが、可能性がゼロではない、ということで、ここに一つ並べてみます。二位の場合は順位点でキーガンメッシング選手と並びます。まず、合計得点でキーガンメッシング選手の上に行かないとファイナルには入れませんが、そのために必要な点数は258.64です。これに届かない場合、2位ではファイナル進出できません
これを上回った場合

① ネイサンチェンが6位以内
② サマリンが優勝
③ ドミトリーアリエフが優勝
④ ジェイソンブラウンが優勝

以上のうちどれかを満たすとファイナル進出がなくなります

まあ、①はどう考えても満たされるでしょうから、ボーヤンジン選手は2位ではファイナルに基本的には進めません。ただし、②から④が成り立たなければ、258.64を上回っていれば補欠の一番手にはなれます。羽生選手の欠場の可能性を考えると、258.64を上回っての2位、というのがボーヤンジン選手にとって、一つ、ファイナルへの可能性を残すポイントになってきます

同じ初戦5位のドミトリーアリエフ選手も、ボーヤンジン選手とほぼ同条件です。違ってくるのは、初戦の得点が低いせいで、2位の場合の基準点266.00に上がるというところにあります。そのうえで、上記のボーヤンジン選手のところで上げた条件のうち、アリエフ→ボーヤンジン、と書き換えたうえで、どれも満たされなければファイナル進出、一つだけ満たした場合補欠の1番手です
ボーヤンジン選手と比べると、実績でやや劣りますし、基準点も上がってますので、2位で補欠の1番手に入る、というのもなかなか苦しい情勢に見えます


最後に、ジェイソンブラウン選手も可能性を残しています
必須条件は優勝です
そのうえで、以下が条件となってきます

① ネイサンチェンが5位以内か6位で45.60以内の点差
② サマリンが二位

以上の①と②のどちらかを満たすと、ファイナル進出出来ません。
実質的には①は、ほぼ確実に満たされるので、ジェイソンブラウン選手のファイナル進出は実質的には厳しいです。ただ、補欠の一番手までなら、①を満たしても②さえ満たさなければ入れますので、可能性はなくはない、という感じです
ただ、これまでの流れを見ていると、優勝すること自体がかなり厳しいなあ、というのは感じざるを得ないところではあります


終戦のポイントは、サマリンがどこに入ってくるか、というのが結構大きそうです
また、ファイナル出場権という観点では、羽生選手がどうするか、というのが一つのポイントで、そう考えた場合、補欠の一番手に残っておくことも大事だったりします。