世界フィギュア21プレビュー2

前回のプレビュー1で女子シングルを見ましたので、今回は男子シングルです

男子も女子と同様に、スコア並べて上から見る、みたいなスタイルにはしていません。

今シーズンはまともな国際試合がこれまでありませんでしたので。

というわけで、雑多にみていきいます

 

 ●優勝争いはやっぱり二人?

過去の優勝経験者で出場している、というか現役で男子シングルを滑っているのは二人、ネイサンチェン選手と羽生結弦選手のみです。二人とも今シーズン、昨シーズン以前と比べて力が落ちている、という様子は見えません。一方で、三番手以下で一気にトップを伺う力を見せている選手がいるか? というとそれも見えない。320点台あるいはそれ以上の勝負になった場合、争えるのはこの二人しかいません。他の選手とは実績ベースで20点の差があります。

どちらが勝つかは、わかりませんが、流れ的にはネイサンチェン選手な雰囲気を感じたりしてます。そして逆に、ネイサンチェン選手にはフィギュアスケートに限りませんが、各競技で割と見かける、世界大会でよく勝つのだけどオリンピックに縁のない選手、になってしまう可能性も感じていたりします。

 

●表彰台争いは?

表彰台争いは候補がたくさんいるように感じています。エントリーを見ると、300点やワールド表彰台実績のある選手としては、ボーヤンジン選手、宇野昌磨選手、ミヒャルコリアダ選手、ヴィンセントゾー選手といます。グランプリファイナル表彰台でよければ、ケビンエイモズ選手にチャジュンファン選手あたりもいます。実績から見るとチャンスがあるのはこの辺まででしょうか

 

●新興勢力の表彰台の芽は?

新興勢力でやはり気になるのは鍵山優真選手選手でしょうか。昨シーズンの四大陸選手権で270.61表彰台。 今シーズンはHK杯で275.87 全日本は278.79 この水準だと表彰台は厳しいですが、もうひと伸びして一気に300点表彰台、という芽もあるんでしょうか

イタリアのダニエルグラスル選手は ルッツ、フリップ、ループと三種類の四回転を飛ぶ、不思議構成な18歳 この選手も非公式では280点台まで出しています。

新興勢力と呼ぶには少し年齢を積んできて20代になってますが、ランビエール組のラトビア、デニスヴァシリエフス選手やイタリアの22歳、マッテオリッツォ選手もいます。このあたりは8位入賞くらいが目標でしょうか

 

●ベテランも戦うよ

 17歳の鍵山選手も出場しますが、一方で、33歳、イスラエルのアレクセイビシェンコ選手もエントリーです。一時期休養していた中国のハンヤン選手も5年ぶりの世界選手権出場になります。かつては4位が2回の実績もあるチェコのミハルブレジナ選手も30歳になりましたが元気にエントリー。ジェイソンブラウン選手も、平昌オリンピックに出場できませんでしたが、その後も活躍を続け今回もエントリーしてきています。遅咲き29歳、カナダのキーガンメッシングのエントリーも見られます。

 

 ●三枠争いは日米は当確、他は厳しい? 露や中にチャンスがあるか?

 現在三枠持っている日米は今回も三枠は固いでしょう。アメリカは、ネイサンチェン、ヴィンセントジョー、ジェイソンブラウンの三選手。この三人で合計13より大きなポイントになる可能性は全然見えません。日本も羽生結弦宇野昌磨、鍵山優真の三選手。何なら三人足しても13まで行かないんじゃないか、くらいの安泰さを感じます。

他の三枠候補。中国はボーヤンジン選手とハンヤン選手の二人。ボーヤンジン選手が3位表彰台でハンヤン選手の10位、というのはあり得るようには感じます

ロシアはミヒャルコリアダと17歳のエフゲニーセメネンコ選手。セメネンコ選手はロステレコム杯で260.78のスコアを出していました。コリヤダ選手3位表彰台にセメネンコ選手10位、という芽はあるにはあるでしょうか。

他は厳しい印象です。イタリアのマッテオリッツォ、ダニエルグラスル両選手で、6位7位の合計13、というのがまったくなくはないかなあ、とは思いますが、難しいかなあ

 

 ●二枠は、現在一枠の国にチャンスがある?

 現在二枠以上持っているのは、上記の五か国以外ではチェコのみです。ただ、チェコはエントリーが一人。枠を持っていてもミニマムスコアを持っているのが一人しかいない、という状態でした。

一人出場で2枠確保するには十位以内に入ることが求められます。上位は激戦で大変ですが、フランスのケヴィンエイモズ選手、韓国のチャジュンファン選手、イスラエルのアレクセイビシェンコ選手、カナダのキーガンメッシング選手あたりは二枠欲しいところでしょうか。ジョージアのモリスクビテラシビリ選手、ラトビアのデニスバシリエフス選手あたりもチャンスはあるように感じますが、今回の大会で補欠のエントリーがいない国ですので、枠が増えてもほとんど意味がないかもしれません。

 

今シーズン唯一のまともな国際大会

オリンピックのプレシーズンで、枠の配分を決めることもあり、やりたかったんだろうな、というのは感じつつ、大丈夫なんだろうか、と心配な部分はやはりあります

ロステレコム杯のような、フィギュアクラスターを発生させることなく、無事に終わってくれることを祈りたいと思います

(無事だったかどうかがわかるのは終わって二週間三週間経ってからなんでしょうが・・)