グランプリシリーズも5戦が終了して残り1戦となりました
ファイナル進出確定はここまでで三名です
アリーナ・ザギトワ、宮原知子、エリザベータ・トゥクタミシェワの三人
二戦終わった中で可能性を残す、上位6番手までの選手は、坂本花織、ソフィア・サムドゥロワ、山下真瑚の三名ですが、二戦して2位、7位の山下選手は、実質的には可能性はほとんどありません
最終フランス戦を残す選手の中で、ファイナル進出の可能性があるのは、初戦で5位以内だった選手です。これがまた、今回、多数います
初戦の結果を併記して列挙します
紀平梨花 優勝 224.31
スタニスラバ・コンスタンティノワ 2位 197.57
エフゲニア・メドベージェワ 3位 197.91
三原舞依 4位 204.20
ブラッディ・テネル 4位 192.89
アレクシア・パガニーニ 4位 182.50
ロリーヌ・ルカヴァリエ 5位 172.41
あくまで数値上のものですが、7選手がファイナルに進む可能性を持って最終戦に出場する、ということになります
ここから、各選手の、ファイナル進出の条件を見ていきます
まず、待つ立場の坂本花織選手
5戦目の結果を受けて、かな希望が見える状況になってきました
彼女がファイナルに進出する条件は以下のようなものになります
① 紀平梨花が四位以内
② コンスタンティノワが二位以内か三位で213.75以上
③ メドベージェワが優勝か二位で213.41以上
④ 三原舞依が優勝
⑤ テネルが優勝
⑥ パガニーニが優勝
以上①~⑥のうち、三つ以上が満たされた場合、ファイナル進出がなくなります
ぱっとみて、①は高確率で満たされてしまうのは仕方ないですが、②から⑥のうち二つ、というのは結構難しい条件です。そういうことが起きる可能性が高まるのは、紀平選手が失敗して三位か四位あたりになった場合、というのが考えられます。坂本選手の立場からすると、紀平選手にはきちんと滑って、優勝するか、悪くても二位に入ってもらうこと、というのが望ましいです。
紀平選手とメドベージェワ選手が、二人でハイレベルな優勝争いしている限りにおいては、コンスタンティノワが高得点の三位にならないと、坂本選手の上には来ないので、ファイナル進出は問題なく出来る。
逆に、優勝スコアが210点を下回るところまで下りてきて、三原選手やテネル選手が勝ちました、という状況になった場合は、コンスタンティノワが二位に入ってこない限り、①~⑥を三つ満たす、という状況にならないので、やはりファイナルに進出できます
坂本選手として困るのは、紀平選手が四位以内に残りつつ、コンスタンティノワが二位に入って、➂から⑥の誰かが優勝する、という絵柄です。それ以外は、なんだかんだでファイナルに進めそう、という展開になってきました
待つ立場ではサムドゥロワ選手の方は、坂本選手と比べて、苦しい状況になってきています
彼女のファイナル進出条件は次のようになります
① 紀平梨花が四位以内
② コンスタンティノワが二位以内か三位で199.14以上
③ メドベージェワが優勝か二位で198.80以上
④ 三原舞依が優勝
⑤ テネルが優勝
⑥ パガニーニが優勝
以上①~⑥のうち、二つ以上が満たされた場合、ファイナル進出出来なくなります
坂本選手より、一つ序列が下なので、条件が一つ少なくなるという苦しさもありますが、合計点数の低さがそれに拍車をかける形です
紀平選手が優勝してくれれば、④~⑥が一気に消えるので、あと②と➂さえ満たさなければよいのですが、基準点が200点以下なので、メドベージェワ二位とかコンスタンティノワ三位の場合に、必要な点数を満たす可能性がかなり高くなっています。
そのあたりがかなり苦しいです
さらに言えば、紀平選手が優勝しなかった場合、かなりの高確率で②から⑥の誰かが優勝しますので、その場合も紀平選手が四位以内に残っていたらファイナルに進めないわけです
状況は厳しい、と言えるでしょう
二戦終わった選手の中では山下選手が六番目ですので、ファイナル進出の可能性を残しはするのですが、紀平選手が9位以下とか、かなり無茶苦茶な条件をすべて満たしたとき、しかあり得ないという形になっているので省略します
さて、次に、六戦目に出場する各選手について考察します
まずは初戦優勝の紀平選手
当然ですが、一番有利な立場にいます
4位以内に入ればその時点で自力でファイナル進出確定します
5位の場合はちょっと大変です
① コンスタンティノワが3位以内
② メドベージェワが2位以内
③ 三原舞依が優勝
④ テネルが優勝
⑤ パガニーニが優勝
⑥ ルカヴァリエが優勝して、点差が51.90以上
以上の①から⑥のいずれかが満たされた時点で、ファイナル進出がなくなります
ようするに、優勝してもよい、という選手がほとんどいなくて、しいて言えば、ソツコワか本田真凛くらいしか選択肢がなくなる、ということになります
まあ、5位じゃダメってことですね
紀平選手は、4位までに入りましょう、というシンプルなお話でした
次いで初戦2位のコンスタンティノワがいます
初戦2位なら結構チャンスがありそうなのですが、案外大変です
2位以内に入れば他の選手の結果によらずファイナル進出が決まります
3位の場合は二試合して2位と3位、という選手が三人出ることになるので、それらの選手の上に行くか下に行くかでだいぶ状況が変わってきます
つまり、3位の場合は点数が大事です
基準点としては、一つ目は213.74、二つ目は199.14です
さらに、他の選手の結果が影響してきます
① 紀平梨花が4位以内
② メドベージェワが2位以内
③ 三原舞依が優勝
④ テネルが優勝
⑤ パガニーニが優勝
以上①から⑤のうち、213.74以上取っていれば三つ、199.14から213.74の間なら二つ、199.14より低ければ一つが成り立ったところで、ファイナル進出がなくなります
こうしてみると、199.14より低い点なら3位になってもほとんど可能性がない、という状況に陥ります。紀平選手の五位の時の条件と同じで、優勝してもよい、という選手がほとんどいなくなってしまう、という形になりますので
逆に、213.74を超えていれば、3位でもかなりの確率でファイナル進出です。213.74を超えてファイナルに進出できない、という条件を満たすには、紀平梨花4位、自分3位、メドベージェワ2位で、三原/テネル/パガニーニの誰かが優勝、という、四連単が当たらないといけないわけで、極めて可能性が低くなります
199.14から213.74の間の時は厳しいですかね。紀平梨花が優勝したらメドベージェワが表彰台から落ちないといけない。メドベージェワが優勝なら、紀平梨花が5位以下まで落ちないといけない。他の誰かが優勝なら、その両方を満たさないといけない。そんなのむり! という感じです
コンスタンティノワは紀平/メドベージェワのどちらかには勝って2位に入るか、213.74という高スコアでの3位を目指さないといけない、というなかなか難しい状況になっています
続いて、初戦三位のメドベージェワ
彼女がどこまで調子を戻してきているのか? というのが他の選手のファイナル進出条件にもかなり影響してきます
優勝すればファイナル進出確定です。問題は二位の場合です
二戦終わって二位と三位、という選手がすでにいますので、やはりそことの比較がまず出てきます。基準点は、一つ目が213.41、二つ目は198.80です
そのうえで、他の選手の結果に左右されます
① 紀平梨花が四位以内
② コンスタンティノワが優勝
③ 三原舞依が優勝
④ テネルが優勝
⑤ パガニーニが優勝
以上①から⑤のうち、198.80から213.41の場合は二つ、198.80に届かない場合は一つが成立した場合、ファイナルに進出できません
メドベージェワが二位の場合、コンスタンティノワが三位になると、二戦の結果が二位と三位で並ぶのですが、初戦の点数がメドベージェワの方が良いため、二戦目にメドベージェワの方が順位が上ならば、必ず合計得点はメドベージェワの方が良くなります
そういったこともあって、メドベージェワは二位でも213.41を超える点数を出すことができれば、他の選手の結果に寄らずファイナル進出です
問題は198.80から213.41の間の場合です。この場合、優勝が紀平梨花ならばファイナルへ進めますが、それ以外の②から⑤の誰かが優勝した場合、紀平梨花が四位以内に残るとファイナルに進出できなくなります。上にいるのが紀平梨花かそれ以外か、というのが彼女にとっては重要、ということになります
初戦四位の選手が三人います。
日本の三原舞依、アメリカのブラッディ・テネル、スイスのアレクシア・パガニーニです
先日、五戦目が始まる前に、残り二戦を残してる選手に、スイスのパガニーニがいるけれど、実績から考えるとファイナル進出はないので検討から外します、などということを書き記しました。ところが、五戦目ロシアで四位に入り、最終戦でファイナル進出の可能性を残しました。
ファイナル進出の可能性は現段階でも低いは低いですが、それでも、最終戦に可能性を残したわけですから、五戦目前の筆者の記述は、失礼であったと言わざるを得ません。
パガニーニ選手には大変失礼なことを申しました。申し訳ありません。
さて、この三選手のファイナル進出条件はシンプルです。
優勝する事。これが、必要にして十分な条件です。
二位でも可能性は計算上のこりますが、優勝していい選手がほとんどいないとか、めちゃくちゃな条件をたくさん満たさないといけませんので、考える必要性が感じられない水準になります。
後もう一人、初戦五位のルカヴァリエ選手も優勝すれば可能性を残します
優勝したうえで、下記の条件が必要です
① 紀平梨花が4位以内か、5位で点差が51.90以内
② コンスタンティノワが3位以内
③ メドベージェワが2位以内
以上①から➂のどれも満たさないことがファイナル進出条件です
まあ②と➂は回避できる可能性はありますが、①がなかなか厳しいですね。一応、紀平選手の不安定さというのはあるので、6位以下まで沈んでいく可能性はありますけど
というわけで、順当にいくと残り3枠は、紀平選手が有力、坂本選手もかなり有利でメドベージェワ選手は実力を出せば入ってきそう、というこの三人になる可能性が高いです。
ただ、コンスタンティノワが頑張れば残れますし、サムドゥロワも展開次第では残ることもあり得ます。三原、テネルの二選手は、実績から考えると優勝する可能性がそれなりにあるので、チャンスはありそうです
実力者がそろう最終第六戦
単純な、その試合の勝負だけでなく、いろいろな条件でファイナル進出選手が変わってくる、というなかなか面白いことになってきています