グランプリシリーズ19 男子シングル エントリー

先日の女子シングルに続いて、男子シングルについても、19年グランプリシリーズの全6試合エントリーについてみていきたいと思います。

やはり同じように、18-19シーズンのベストスコアを併記しつつ眺めます。ベストスコアは、ISU公認のものとは限らず、以前に記した、ユニバーシアードや2月3月の一部のB級大会の得点も含むものとして記します。国内大会は国を問わず含めません。

 

Skate America    
Nathan CHEN (USA) 323.42
Boyang JIN (CHN) 273.51
Keegan MESSING (CAN) 267.61
Junhwan CHA (KOR) 263.49
Jason BROWN (USA) 263.42
Michal BREZINA (CZE) 257.98
Dmitri ALIEV (RUS) 250.55
友野一希 (JPN) 238.73
Romain PONSART (FRA) 229.86
Roman SAVOSIN (RUS) 229.28
島田高志郎 (JPN) 220.45
TBD (USA) 0

 

スケートアメリカには当然のように、現世界チャンピオンとしてアメリカからネイサンチェン選手が出てきます。ヴィンセントジョー選手は、シード扱いでネイサンチェン選手と同じ試合に出ることはないため、スケートアメリカには出てきません。アメリカからはジェイソンブラウン選手が参戦です。

日本からは昨シーズン初めてグランプリシリーズの表彰台に乗った友野選手と、今シーズンがシニアデビューになる島田選手が参戦します。島田選手は未確定の地元枠選手を除くと、昨シーズンのベストは最下位という苦しい立場での参戦です。

 

Skate Canada Int.    
羽生結弦 (JPN) 300.97
Mikhail KOLYADA (RUS) 274.37
Matteo RIZZO (ITA) 273.54
田中刑事 (JPN) 258.84
Nam NGUYEN (CAN) 251.97
Andrei LAZUKIN (RUS) 249.33
Roman SADOVSKY (CAN) 233.86
Nicolas NADEAU (CAN) 227.76
Brendan KERRY (AUS) 224.44
Camden PULKINEN (USA) 223.95
Deniss VASILJEVS (LAT) 221.26
Paul FENTZ (GER) 220.57

 

スケートカナダは羽生選手が出ます。もはや自国と呼べそうなくらい滞在期間の長い国になってますが、スケートカナダの出場は3年ぶりです。過去は3回出て2位が3回と勝てていません。相性はよくない、というか、羽生選手はそもそもシーズン序盤は意外と勝ってない、という現実があり、グランプリ2戦2勝は昨シーズンのみです。グランプリシリーズでは、カナダ、中国、アメリカ、フランスでは勝ったことがありません。

昨シーズンの実績見ると、羽生選手に続くのはコリヤダ選手とリッツォ選手ですが、ちょっと羽生選手に勝つイメージはなかなかわきづらいですかね。コリヤダ選手は安定感のある選手でもないですし、二位以下は混戦で、ほとんどの選手に表彰台のチャンスがありそうに見えます。田中選手も久しぶりにグランプリの表彰台のチャンスがあるかもしれません。

 

Internationaux de France  
Nathan CHEN (USA) 323.42
宇野昌磨 (JPN) 289.12
Alexander SAMARIN (RUS) 269.84
Morisi KVITELASHVILI (GEO) 258.02
Sergei VORONOV (RUS) 254.28
Kevin AYMOZ (FRA) 247.47
Tomoki HIWATASHI (USA) 236.79
Daniel SAMOHIN (ISR) 230.54
Anton SHULEPOV (RUS) 230.30
Romain PONSART (FRA) 229.86
Nicolas NADEAU (CAN) 227.76
TBD (FRA) 0

 

フランス杯はネイサンチェン選手の受け持ちで、宇野選手との対決になります。今シーズンはこれがあるので、グランプリ6戦を、ネイサン/羽生/宇野で分け合う、という展開にはなりません。コーチを変えてのシーズン序盤はうまくいかないもの、とは言われますが、宇野選手はどうでしょう? コーチを変えるどころか、初の長期海外滞在になるんじゃないかと思うのですが。生活力がありそうにはあまり見えないですけれど、鈍感力はありそうなので特に問題なく暮らせているでしょうか。いずれにしても、この二人の対決はシーズン序盤の見せ場になってくるところかと思います。

この大会で昨シーズンのジュニアチャンピオンである樋渡選手がグランプリデビュー。どこまで上位に絡んでくるでしょう

 

 

Cup of China    
Vincent ZHOU (USA) 299.01
Matteo RIZZO (ITA) 273.54
Boyang JIN (CHN) 273.51
Keegan MESSING (CAN) 267.61
Junhwan CHA (KOR) 263.49
田中刑事 (JPN) 258.84
Andrei LAZUKIN (RUS) 249.33
Roman SAVOSIN (RUS) 229.28
Camden PULKINEN (USA) 223.95
Chih-I TSAO (TPE) 195.40
Han YAN (CHN) 0
TBD (CHN) 0

 

中国杯はシード選手はヴィンセントジョー選手とボーヤン人選手という、ミスター4回転的な印象の二人が入っています。ボーヤン人選手は実はまだグランプリシリーズの優勝はなく、中国杯は3回出て2位が3回。ケガ、不調、からもだいぶ回復してきたかなと思いますので、そろそろ勝ちたいところなんでしょうか。

シード選手二人が、昨シーズンの印象では、あまり安定感のない選手なので、この大会は意外な選手が優勝する、という構図もあるかもしれません。昨シーズン序盤好調でファイナルにも進んだキーガンメッシング選手、チャジュンファン選手、あるいは、四回転をマスターしてヨーロッパ選手権以降は上位に顔を連ねたマテオリッツォ選手あたりの初優勝の可能性もあります。

ロシアの二人も四回転が当たれば強いですし、調子よかった選手が勝ち、という混戦模様でしょうか。田中選手もチャンスある?

 

そして、久しぶりに、ハンヤン選手がエントリーしています。オリンピックを最後に試合から離れていましたので、そのままフェイドアウトしてしまうのかな、と思っていた中での子のエントリーなのでうれしく思いますが、まだ、本当に出てくれるのか心配な気分もあります。

 

 

Rostelecom Cup    
Vincent ZHOU (USA) 299.01
宇野昌磨 (JPN) 289.12
Alexander SAMARIN (RUS) 269.84
Morisi KVITELASHVILI (GEO) 258.02
Michal BREZINA (CZE) 257.98
Nam NGUYEN (CAN) 251.97
Dmitri ALIEV (RUS) 250.55
友野一希 (JPN) 238.73
Vladimir LITVINTSEV (AZE) 230.84
Deniss VASILJEVS (LAT) 221.26
Alexei KRASNOZHON (USA) 211.47
TBD (RUS) 0

 

ロステレコム杯は宇野選手とヴィンセントジョー選手の激突です。昨シーズン終盤はジョー選手の方がだいぶ上にいた印象ですが、今シーズンはどうでしょう。その辺は、シーズン序盤からどの程度合わせていくか、によってだいぶ異なってくるので、この試合の勝ち負けだけで力関係は全然測れない、という現実はあるかと思いますけれど

 

ロシアがここはサマリン選手とアリエフ選手なんですね。ロシアのトップはコリヤダ選手、安定感ないけれど、というイメージで外から見ているのですけれど、ロシアとしてはサマリン選手の方が信用度高いんでしょうか? あんまりその辺関係なくエントリー入れてるのかもしれませんけれど。シード選手なので、周りとの兼ね合いで動かざるを得ないとかもありますし、女子もザギトワ選手ではなくてメドベージェワ選手でしたし。

 

友野選手の二戦目はここ。全日本へ向けてこの辺で高い得点を出しておきたい時期でしょうか。

 

 

NHK Trophy    
羽生結弦 (JPN) 300.97
Mikhail KOLYADA (RUS) 274.37
Jason BROWN (USA) 263.42
Sergei VORONOV (RUS) 254.28
本草 (JPN) 253.87
Kevin AYMOZ (FRA) 247.47
Tomoki HIWATASHI (USA) 236.79
Roman SADOVSKY (CAN) 233.86
Artur DMITRIEV (RUS) 225.31
Alexei BYCHENKO (ISR) 220.5
Conrad ORZEL (CAN) 212.94
TBD (JPN) 0

 

NHK杯は羽生選手の受け持ちになってます。2年ぶりのエントリー、3年ぶりの出場・・・、してくれるはず。

コリヤダ選手は4年連続出ていたロステレコムではなしにNHK杯に回ってきました。

他には、日本が割と好きそうな、ジェイソンブラウン選手、セルゲイボロノフ選手、アレクセイビシェンコ選手あたりが来日します。

 

日本からもう一人は山本草太選手。昨シーズンもNHK杯に出ていて、ノーミス演技なら表彰台に乗ってたんじゃ、というスコアだったのですが、今回も表彰台チャンスはありそうなメンバーに見えます。昨シーズンはポイントをかなり稼いでランキングもかなり上がってきたので、今シーズンもグランプリシリーズで活躍して、ランキングを20位前後まで上げて、来シーズンは確実にグランプリ2枠をとってさらに上へ、というところまで行ってもらえたらと思います

 

NHK杯は地元枠で日本はもう一人エントリーできます。

グランプリ1試合なのは山本草太選手と島田高志郎選手。ただ、山本草太選手はその1試合が、通常の枠でNHK杯に充てられているので、地元枠で山本選手という可能性はありません。

グランプリエントリーがない選手の中ではシニアとしては強化指定Bに山隈太一郎選手、中村優選手、須本光希選手あたりが入っています。このあたりの中から誰かひとり、ということになるでしょうか。

 

 

 

全6戦、延べ72選手のエントリーですが、その国別の枠は以下になっています

ロシア15 米国12 日本11 カナダ9 フランス5 中国4 イタリア2 ラトビア2 ジョージア2 イスラエル2 韓国2 チェコ2 オーストラリア1 ドイツ1 台湾1 アゼルバイジャン1

18のフル枠を抑えた国はありません。

女子よりは偏りが少なく、出場選手の出身国の幅も広くなっています。イメージとしては、男子の方が競技人口が少なくて少数国に偏りがちに思えるのですけれど、この辺の違いは何なんでしょうね?

 

今年のグランプリファイナルは12月5日からイタリア、トリノでの開催となります。

シーズン中盤の山場、どんな形で迎えることになるでしょう