FIBA ワールドカップアジア二次予選 突破条件

バスケットボールの日本男子は弱い

そう、言われ続けてきて何年経つでしょう

そんな中で東京オリンピックが近づいてきました。様々なごたごたを片付けてきた日本バスケットボール界ですが、まだ、開催国としての出場権をもらえていません。女子は、開催国枠があろうとなかろうとあんまり関係ないレベルにありますが、男子はそうもいかない

その男子に、開催国枠を与える条件が、ワールドカップベスト16相当の実力を示すことである、と言われています。

 

そのワールドカップの、まず予選が各地で行われています。ワールドカップの出場枠は合計32. そのうち、アジアオセアニアに7チームが割り当てられています。この予選が大分佳境に入ってきていて、アジア予選は2月に二試合を残すのみ、となっているのですが、日本男子は出場権が取れるかどうかの瀬戸際にいる、とされています。ただ、この、出場権がどうすれば取れるのか、という点がいまいち、細かいところまでしっかり報道されている情報が見えてきません。その辺を今回は見てみたいと思います。

 

まず、現状を整理します。

アジア予選は一次予選をすでに終え、二次予選の最中です。二次予選には12チームが進出していて、その12チームが6チームづつ二つのグループに分かれています。一次予選の結果は持ち越しで二次予選が行われています。各グループの上位3チームと4位のチームのうち上位の成績のチームがワールドカップの出場権を得ます。

 

 

 

得点

失点

得失点

1

ニュージーランド*

9

1

941

708

233

2

韓国*

8

2

891

781

110

3

中国**

6

4

852

689

163

4

レバノン

6

4

806

705

101

5

ヨルダン

5

5

865

809

56

6

シリア

2

8

660

91

-251

 

 

 

得点

失点

得失点

1

オーストラリア*

9

1

900

582

318

2

イラン

7

3

716

640

76

3

日本

6

4

795

707

88

4

フィリピン

5

5

793

814

-21

5

カザフスタン

4

6

693

789

-96

6

カタール

2

8

638

847

-209

 

各グループの情勢はこうなっています。

*のついた三チームは出場権獲得済みです。ここで、話がややこしくなることが一つあります。中国がワールドカップに開催国であり、ワールドカップには開催国枠で出場権をすでに獲得しています。したがって、出場権争いには中国の順位が考慮されない、という形になります。ただ、中国との対戦結果は考慮されます。中国のいる組は、中国を除いた上位三チームが出場権を獲得し、中国を除いた四番目のチームが、もう片方のグループの四番目のチームと成績を比べて、どちらかよい方のチームがワールドカップの出場権を得る、という形になります。

 

さて、日本が出場権を得るためにはどのような条件になるのでしょうか?

まず、自分たちのグループで3位以内に入ればその時点で出場権獲得です。一方、5位以下になると、その時点で出場権は得られなくなります。4位の場合は別のグループとの比較です。

 

ではまず、5位以下になる可能性を考えてみます。残りは二試合。日本が五位以下になるためには、五位のチームに追いつかれる必要がありますが、その条件としては、日本が二連敗しカザフスタンが二連勝する事が最低必要です。また、四位のチームにも追いつかれないといけないのですが、四位のフィリピンは五位のカザフスタンとの直接対決があるので、カザフスタンが二連勝するためには、フィリピンがそこで負ける必要があります。そうなると、フィリピンは残りのもう一試合で勝つことが日本に追いつくためには最低必要です。この段階で三チームが勝率というか勝ち点で並びます。

勝ち点で並んだ場合は、まず当該チームの直接対決の成績で決めるのですが、日本、フィリピン、カザフスタンは、最終的に並んだ場合は、いずれも二勝二敗で三竦み状態で差が出ません。

その場合は次に、当該チーム同士の試合の得失点で決めます。日本はフィリピン、カザフスタンとの四試合をすべて終わっていて、その四試合の得失点は+20です。この+20をフィリピン、カザフスタンの両チームが上回ると、日本は五位になってしまうわけですが、これは不可能です。三チームの当該チーム同士の得失点は合計ゼロになるはずですので、二チームともが日本を上回る、ということはありえません。

したがって、日本は五位以下になる可能性は、没収試合などの特殊な状況を除くとゼロになります。

 

ですから、日本の四位以内は確定です。では、残り二試合の勝敗がどうなったら何位になるのか、というのを見てみます。

 

日本の残り試合の相手はイランとカタールです。二連勝の場合、イランが残りのもう一試合に勝てば勝敗で日本と並びます。しかしながら日本とイランの直接対決の結果は日本の二勝、ということになるので日本の順位が上になります。

ですから、二連勝の場合は2次予選はグループ2位になることになりまして、2位でワールドカップ出場権を得ます。

 

次に二連敗の場合を考えます。

日本が二連敗した場合、フィリピンが二連勝したら日本の上へ行きます。カザフスタンはこの場合フィリピンに負けることにより二連勝できませんので日本より下になり、日本は4位になります。

フィリピンがカザフスタンに勝ちカタールに負けた場合は、日本とフィリピンが勝敗で並びますが、直接対決でフィリピンが二勝しているのでフィリピンが上に出て日本が四位になります。

フィリピンがカタールに勝ちカザフスタンに負けた場合は、カザフスタンがオーストラリアに勝って二連勝していれば、フィリピン、日本、カザフスタンが勝敗で並び、直接対決がすべて二勝二敗になるので、あとは直接対決の得失点差の比較になります。

日本は+20  カザフスタンは-27で残り一試合、フィリピンは+7で残り一試合。カザフスタンが47点差以上でフィリピンに勝てばカザフスタン三位日本四位フィリピン五位ですが、カザフスタンが46点差以内での勝利であれば日本が三位でワールドカップ出場権を得ます。

一方、カザフスタンがオーストラリアに負けると、フィリピンと日本だけが勝敗で並び、直接対決が上のフィリピンが3位で日本が4位になります

フィリピンがカザフスタンカタールに連敗した場合は、カザフスタンがフィリピンとオーストラリアに連勝すれば、勝ち星で日本に追いつきますが、直接対決で日本が連勝しているので日本が上で3位となり、ワールドカップ出場権を得ます。

 

次に一勝一敗の場合。

フィリピンが二連勝できなければ日本は三位以内に入れます

フィリピンが二連勝した場合、日本と勝敗で並びます。この時、イランが日本、オーストラリアに連敗していれば、日本、イラン、フィリピンの三チームが勝敗で並ぶことになり、直接対決も2勝2敗となります。得失点はフィリピンが-5 日本が+3 イランが+2 という状態で日本vsイランで日本が勝つということになるので、日本が一番上に来て2位となります。

イランが二連敗でなければ、日本とフィリピンだけで勝敗が並び、直接対決に勝るフィリピンが3位で日本が4位となります。

 

というわけで、二連勝以外では四位になる確率がかなりある、というのが見えています。

四位になった場合どうなるか?

別グループの中国を除いた四番目のチームとの比較になります。別グループなので直接対決というものは存在せず、まずはトータルの勝敗、次にトータルの得失点での比較となります。

 

反対側のグループで、中国を除いた四番目のチームになる可能性があるのは、ヨルダンとレバノンです。

日本は4位になった場合、最終成績は7勝5敗か6勝6敗になります。

ヨルダンとレバノンが共に8勝以上になる可能性はありません。

どちらも7勝5敗以上になるには、ヨルダンが中国とニュージーランドに連勝し、レバノンニュージーランドか韓国のどちらかに最低一勝する、というのが条件です。そのうえで、ヨルダンは現在+56の得失点を大きく引き上げて、日本の得失点+88を超えていった場合のみ、日本が7勝目をしていてもワールドカップの出場権を得られない、ということになります。

ヨルダンとレバノンがどちらも6勝6敗以上になるには、ヨルダンが中国とニュージーランドのどちらかに勝つこと、ということだけが求められます。そのうえで、得失点で日本を上回ればよい、ということです。

 

こうしてみると、日本がヨルダンより下になる可能性、というのはかなり低いように見えます。ヨルダンは2次予選ここまで4戦全敗です。レバノンは中国とは一勝一敗ですが、韓国とニュージーランドには負けています。

ヨルダンとレバノンにとって有利な条件は、残り二試合がホームであること。日本が不利な条件は残り二試合がアウェーであること。

 

 

話が込み入っていてわかりにくいので、少しまとめましょう

 

Ⅰ 日本二連勝 → ワールドカップの出場権を獲得

 

Ⅱ 日本がイランに勝ちカタールに負け 7勝5敗

Ⅱ-1 フィリピンがカタールカザフスタンのどちらかに負ける → ワールドカップ出場権獲得

Ⅱ-2 フィリピンが連勝し、イランが最終戦のオーストラリアに負ける → ワールドカップ出場権獲得

Ⅱ-3 フィリピンが連勝し、イランが最終戦に勝つ → 4位になって別グループと比較

 

Ⅲ 日本がイランに負け、カタールに勝ち 7勝5敗

Ⅲ-1 フィリピンがカタールカザフスタンのどちらかに負ける → ワールドカップ出場権獲得

Ⅲ-2 フィリピンが連勝する → 4位になって別グループと比較

 

Ⅳ 日本が二連敗する  6勝6敗

Ⅳ-1 フィリピンが二連勝する → 4位になって別グループと比較

Ⅳ-2 カザフスタンが二連勝する →  カザフスタンがフィリピンに47点差以上で勝ち、フィリピンがカタール戦に勝っている場合以外はワールドカップ出場権獲得

Ⅳ-3 カザフスタンが一勝一敗以下でフィリピンが一勝一敗 → 4位となって別グループと比較

Ⅳ-4 カザフスタンが一勝一敗でフィリピンが二連敗 → 3位でワールドカップ出場権獲得

 

3位以内に入る条件はこんな感じで大体わかる気がします

4位になったときの条件がまためんどくさいわけですが・・・

 

日本がワールドカップの出場権を得られない条件って、結局どんなときか、だけ考えると

 

 

日本が残り二試合を一勝一敗でグループ内の条件で4位になった場合は、

ヨルダンが中国とニュージーランドに連勝して、日本との32点の得失点差を詰めたうえで、レバノンが韓国とニュージーランドに連勝、もしくは一勝一敗で残り二試合の得失点が日本より13点悪いところまでに抑えた場合

 

日本が残り連敗の場合は、

ヨルダンが中国とニュージーランドに連勝か、一勝一敗で日本との32点の得失点差を詰めたうえで、レバノンが韓国とニュージーランドのどちらかに勝つか、連敗でも残り二試合の得失点が日本より13点悪いところまでに抑えた場合

 

 

なんとなくですが、残り二連敗でもワールドカップの出場権を得られるんじゃ・・・、という感じに見えます。一勝一敗ならほぼ確実。イランに負けてもカタールに勝てれば、別グループの4番目との比較で劣る、ということにはほぼならないでしょう

イランに勝てば、もうほとんど決まりです。

 

なお、次のイラン戦に勝った場合、ヨルダンが中国に負けるか、フィリピンがカタールに負けると、最終節を待たずに、ワールドカップ出場権獲得が決まります。

 

 

まあ、ここまでの展開が、ほとんどマンガみたいな、崖っぷちスタートで始まってそこから連勝、という形で来ているので、出来ればイランにも勝ち、ヨルダンも中国に勝って最終節まで獲得権を得られない可能性を残しての試合で、完勝して出場権獲得、というきれいな形で終えて欲しいんですが、どうなるでしょう

 

 次節、アウェーのイラン戦は2月21日

 最終節、アウェーのカタール戦は2月24日です

最後の最後にカタールに負ける、というどこかのサッカーのような展開にならないことを願います