大きな大会ではなく、いわゆるB級大会ですが、日本から多くの選手が参加しました
話題になっていたのは紀平選手であるとか、国際大会初優勝の本田紗羅選手といったところでした
ただ、紀平選手にとっては世界選手権へ向けての調整段階の一幕でしかなく、しっかり滑れれば好調ですね、滑れなくてもまあ調整段階で今は一度調子を下げておく時期、という感じであり、さして重要な試合でもないです。本田沙羅選手の初優勝というのも、血筋もあって話題として取り上げやすいですが、メンバー的にはそりゃあまあ、勝つよね、という形ですし、それほど予想からはずれるような事柄でもありませんでした
そんななかで、シニア男子で山本草太選手が優勝しました。メンバー的には優勝したこと自体は驚きではないのですが、勝ち方が、点の出方が、ついに、ようやく、やっと、ここまで来たか、という感じで、非常にうれしく思えるものでした。
Event | TSS | TES | PCS | Deduction | Date |
Asian Open Figure | 57.92 | 25.37 | 32.55 | 0 | 2018/8/4 |
Finlandia Trophy | 72.16 | 37.07 | 35.09 | 0 | 2018/10/5 |
NHK Trophy | 74.98 | 38.58 | 36.40 | 0 | 2018/11/9 |
Challenge Cup | 82.24 | 45.24 | 38.00 | 1 | 2019/2/22 |
今シーズンの山本選手の国際試合のショートプログラムの成績一覧。
技術点、演技構成点、共にベストスコアでした。これが、トリプルアクセルで転倒があったにもかかわらず技術点はベストスコア、ということでまず驚かされます。
Event | TSS | TES | PCS | Deduction | Date |
Asian Open Figure | 141.00 | 70.40 | 70.60 | 0 | 2018/8/5 |
Finlandia Trophy | 133.63 | 62.71 | 70.92 | 0 | 2018/10/6 |
NHK Trophy | 138.42 | 62.64 | 75.78 | 0 | 2018/11/10 |
Challenge Cup | 171.63 | 91.93 | 79.70 | 0 | 2019/2/23 |
フリーも同様に、技術点、演技構成点共にベストスコア。
Event | Total | FS | FS TES | FS PCS | SP | SP TES | SP PCS |
Asian Open Figure | 198.92 | 141.00 | 70.40 | 70.60 | 57.92 | 25.37 | 32.55 |
Finlandia Trophy | 205.79 | 133.63 | 62.71 | 70.92 | 72.16 | 37.07 | 35.09 |
NHK Trophy | 213.40 | 138.42 | 62.64 | 75.78 | 74.98 | 38.58 | 36.40 |
Challenge Cup | 253.87 | 171.63 | 91.93 | 79.70 | 82.24 | 45.24 | 38.00 |
当然トータルスコアはベストスコアです。
試合ごとに点数が伸びてきているのが分かります。アジアンオープンフィギュアに続いて今シーズン二勝目。B級大会ではありますが、優勝した、というのはランキングを上げるためには重要なことです。
Elements | BaseValue | GOE | Scores | -5~+5 | |||
1 | 4T | 9.50 | 2.66 | 12.16 | 2.857 | ||
2 | 3A | 8.00 | -4.00 | 4.00 | -5.000 | ||
3 | FCSp4 | 3.20 | 0.70 | 3.90 | 2.429 | ||
4 | CSSp4 | 3.00 | 0.90 | 3.90 | 3.000 | ||
5 | 3Lz+3T | 11.11 | x | 1.06 | 12.17 | 1.714 | |
6 | StSq3 | 3.30 | 1.12 | 4.42 | 3.286 | ||
7 | CCoSp4 | 3.50 | 1.19 | 4.69 | 3.429 | ||
TES | 41.61 | 3.63 | 45.24 |
ショートプログラムの要素別の得点
トリプルアクセルが転倒ですが、4Tは成功してGOEは平均2.86ほど付きました
スピンはすべてレベル4
Elements | BaseValue | GOE | Scores | -5~+5 | |||
1 | 4T | 9.50 | 3.23 | 12.73 | 3.429 | ||
2 | 3A+2T | 9.30 | 1.76 | 11.06 | 2.286 | ||
3 | 3A | 8.00 | 2.24 | 10.24 | 2.714 | ||
4 | StSq3 | 3.30 | 0.99 | 4.29 | 3.143 | ||
5 | FCSSp4 | 3.00 | 0.84 | 3.84 | 2.714 | ||
6 | 3Lz+3T | 10.10 | -0.24 | 9.86 | -0.429 | ||
7 | 3F | 5.83 | x | 1.17 | 7.00 | 2.286 | |
8 | 3Lz | 6.49 | x | 1.53 | 8.02 | 2.571 | |
9 | FCCoSp3 | 3.00 | 0.60 | 3.60 | 2.143 | ||
10 | 3Lo+1Eu+3S | 10.67 | x | 1.57 | 12.24 | 3.143 | |
11 | ChSq1 | 3.00 | 1.50 | 4.50 | 3.000 | ||
12 | CCoSp4 | 3.50 | 1.05 | 4.55 | 2.857 | ||
TES | 75.69 | 16.24 | 91.93 |
フリーはほぼノーミス。ショートで転倒したトリプルアクセルは2本とも成功しています。
今シーズン、国際大会で4Tを決めたのはこの試合が始めて。3Aの加点はこのフリーの2.24が最高、3A-2Tのコンビネーションで加点が付いたのも初めて。高難度ジャンプがしっかり決まりました。
また、4Tが入ったことで、構成中に2Aがなくなり、3連続ジャンプがこれまで2A起点だったのですが、3Lo-1Eu-3Sとここの難度も上げてGOE平均+3を超えるものを決めました。
さらにはコレオシークエンスの加点も過去最高、ステップもショートフリー共にGOEが+3平均を超えていて、これも初めてのことです。
ショートフリー合わせてスピンが6つありますが、レベル4が5つにレベル3が1つ、というのもこれまでの最高です
ジャンプ、スピン、ステップ、すべてこれまでで最高の演技をした、ということになります
世界ジュニアへの出発当日の大けがから3年。繰り返す大けがを乗り越えてようやくここまでたどり着いてくれました
これで、ジュニア時代の232.42という自己ベストも上回り、復活というか、新生山本草太が現れてきた、と言っていいかと思います
Event | Name | Total | SP | FS |
GP Helsinki | Yuzuru HANYU | 297.12 | 106.69 | 190.43 |
Four Continents Championships | Shoma UNO | 289.12 | 91.76 | 197.36 |
Rostelecom Cup | Yuzuru HANYU | 278.42 | 110.53 | 167.89 |
Skate Canada | Shoma UNO | 277.25 | 88.87 | 188.38 |
NHK Trophy | Shoma UNO | 276.45 | 92.49 | 183.96 |
Lombardia Trophy | Shoma UNO | 276.20 | 104.15 | 172.05 |
Grand Prix Final | Shoma UNO | 275.10 | 91.67 | 183.43 |
Autumn Classic | Yuzuru HANYU | 263.65 | 97.74 | 165.91 |
Challenge Cup | Sota YAMAMOTO | 253.87 | 82.24 | 171.63 |
Four Continents Championships | Keiji TANAKA | 251.54 | 83.93 | 167.61 |
Rostelecom Cup | Kazuki TOMONO | 238.73 | 82.26 | 156.47 |
Ondrej Nepela Trophy | Keiji TANAKA | 221.92 | 77.53 | 144.39 |
Skate Canada | Kazuki TOMONO | 220.83 | 81.63 | 139.20 |
JGP Cup of Austria | Koshiro SHIMADA | 220.45 | 74.78 | 145.67 |
今シーズンの国際試合での日本人選手で220点以上のスコアを並べました
253.87というのは、四大陸選手権の田中刑事選手のスコアを上回り、日本人選手の中では三番目となりました。この上はもう、羽生・宇野の二巨頭しかいません
今回のフリーの技術点は91.93という好スコアでした。今シーズンの中ではこれは全体で十番目の成績です。これより上のスコアを出したのは4人だけ
宇野昌磨(四大陸、スケートカナダ、NHK杯、グランプリファイナル)
ネイサンチェン(グランプリファイナル、スケートアメリカ、フランス杯)
ボーヤンジン(四大陸)
もう、技術点で山本選手の上にいるのは、世界のメダリストだけ、というスコアです
プログラムコンポーネントが79.70と、まだ70点台でここは上位選手との大きな差になっているのですが、次はここを上げていくこと、というのが望まれるところなんでしょうか。そして二種類目の四回転。
世界の表彰台が見えてきそうです
Sota YAMAMOTO FS Challenge Cup 2019
画質がもうちょっとよければなあ・・・