ボーヤンジン 金博洋 Boyang Jin 19-20

1997年10月3日生まれ

シニア5シーズン目

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シーズン獲得賞金:$28,000

世界ランキング:9位

シーズンランキング:3位

シーズンベストスコア 268.31(8位) ロンバルディア

ショートプログラムシーズンベスト 101.09 ロンバルディア

フリーシーズンベスト 176.10 中国杯

ショートプログラム楽曲: First Light

フリープログラム楽曲 :The Path of Silence / Yellow Moon

スピンレベル4率 34/36=94.4%

ステップレベル4率 8/12=66.7%

スピンオールレベル4 4/6

スピンステップオールレベル4 2/6

ジャンプ回転不足率  8/60=13.3%

ジャンプ回転不足なし試合 2/6

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 1/6

 

 ●ボーヤンジン選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Lombardia Trophy 1 268.31 101.09 60.44 40.65 167.22 87.12 80.10
IC Shanghai Trophy 3 232.17 70.71 33.96 37.75 161.46 85.12 77.34
GP Skate America 6 224.98 74.56 36.32 39.24 150.42 77.20 75.22
GP Cup of China 1 261.53 85.43 45.71 40.72 176.10 93.80 83.30
GPF Grand Prix Final 5 241.44 80.67 40.10 40.57 160.77 85.35 77.42
4CC Four Continents 4 267.67 95.83 54.23 41.60 171.84 88.72 83.12

ボーヤンジン選手、今シーズンはロンバルディア杯からスタートしました。

初戦のショートから会心の出来。101.09は現行ルールになってから初の100点越えです。フリーはそれほど伸びませんでしたが、268.31のスコアで圧勝します。

2戦目は上海の招待試合。主演、ボーヤンジン、なはずの大会でしたがショートから転倒1も含む大崩れで70.71の5位スタート。フリーで巻き返すも総合3位に終わってしまいました。

グランプリシリーズは、鮮烈なシニアデビューのシーズン以外は、実はあまり強くないのですが、今シーズンもスケートアメリカではスコアが伸びず224.98 これは結局今シーズンのワーストスコアになります。1戦目6位だとほぼファイナルないな、という流れなのですが、二戦目は中国での試合。先輩ハンヤン選手の復帰戦としても注目された試合で、ショートではそのハンヤン選手に上を行かれて2位スタート。フリーは四回転2本、トリプルアクセル2本を決め、176.10 フリーのシーズンベストを出して逆転優勝。実はこれがグランプリシリーズ初優勝となりました。

1戦目6位からの2戦目優勝でも、普通は届かないのですが、今シーズンはこれでファイナル進出となりました。シニアデビューシーズン以来2度目のファイナル。

ただ、ファイナルではショートフリー共に四回転、特にルッツが決まらず241.44という平凡なスコアで5位に終わりました。

例年、年が明けてからが強いという印象のボーヤンジン選手。

四大陸選手権は、顔触れを見ると唯一羽生選手に対抗できるかな、という立ち位置で、ショートプログラムは実際に2位につけます。フリーは羽生選手の次の滑走順。ノーミス演技ならチャンスはあるかも、という展開でしたが、サルコウトーループと二つ2回転になり、優勝の目は消えました。結果、4位。3年連続の表彰台には届きませんでした。

 

シニアに上がってから、調子の悪いシーズンでもシーズン後半の取りたい試合1試合にはしっかり合わせてくる選手でしたので、世界選手権が楽しみだったのですが、直前に中止となり、シーズン終了となりました。

 

 ●ボーヤンジン選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Lombardia Trophy 1 268.31 147.56 120.75 109.47 24.20 13.89
IC Shanghai Trophy 3 232.17 119.08 115.09 83.86 22.84 12.38
GP Skate America 6 224.98 113.52 114.46 77.45 22.78 13.29
GP Cup of China 1 261.53 139.51 124.02 102.37 23.76 13.38
GPF Grand Prix Final 5 241.44 125.45 117.99 90.75 23.13 11.57
4CC Four Continents 4 267.67 142.95 124.72 105.68 23.68 13.59

ボーヤンジン選手は技術点優位型です。PCSは120点前後。5項目の平均は8点ほどです。

ジャンプのベストスコアは109.47 これは全選手中5位のスコアです。さすが四回転時代の第二幕を切った選手なだけあります。

スピンは一番いい時で24点台、標準的には23点台。それほど良くはありませ。トップは27点台なので、スピンのスコアで3~4点負けることになります。ぎりぎりの勝負になるとここで不利になる部分ではありますが、四回転一本多く成功させれば補えるくらいとも言えます。

ステップ系要素は13点台。これもトップは16点台なので少し差があります。

 

 ●ボーヤンジン選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 1 66.33 65.64 70.51 61.81 61.76 59.67
Shanghai Trophy 3 57.12 63.33 43.07 57.56 54.63 56.23
Skate America 6 55.29 60.20 41.14 57.38 58.93 55.85
Cup of China 1 64.61 64.02 64.79 60.44 59.35 61.65
Grand Prix Final 5 59.48 65.12 48.19 58.47 50.81 57.99
Four Continents 4 66.17 64.19 68.60 60.19 60.34 62.07

偏差値換算すると、260点台のトータルスコアなロンバルディア杯、四大陸は60台後半にまでなりました。

ジャンプは基礎点が60台。いい時で偏差値65に達します。ジャンプのGOEはばらつきが大きく、崩れた時は50を切って平均以下、いい時は60台後半から70にまで乗せて来る力があります。

スピンは偏差値60前後。ステップはいい時には偏差値60に乗ってきます。トップ層とは差がありますが、苦手と言えるほど悪い偏差値でもないです。ただ、ファイナルのように崩れるとステップは偏差値50、全選手の普通くらいまで落ち込むこともあるようです。

PCSも偏差値60台にのってくるようになっています。

 

 

 

ボーヤンジン スケート偏差値

ジャンプのイメージの強いボーヤンジン選手ですが、レーダーチャートは意外とバランスが取れています。ジャンプがうまくいかないときはジャンプGOEが著しく凹む、というのはありますが、ある程度うまくいけば割とバランス型。今シーズンは世界選手権が結局ありませんでしたが、そういう、一発当てたい試合で一発当てた時には、バランスにプラスしてジャンプのGOEが突出するという、高得点選手に求められるチャートの形になっていくようです。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy 1 4Lz+3T   15.70   3.45 19.15 3.000
Lombardia Trophy 2 4T   9.50   3.04 12.54 3.286
Lombardia Trophy 3 FCSp4   3.20   0.77 3.97 2.429
Lombardia Trophy 4 3A   8.80 x 2.56 11.36 3.143
Lombardia Trophy 5 CSSp4   3.00   0.72 3.72 2.429
Lombardia Trophy 6 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Lombardia Trophy 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Lombardia Trophy   TES   47.60   12.84 60.44  

ショートプログラムの最高基礎点は47.60 今シーズンの全選手の中で3位の構成です。

ルッツがあり、セカンド三回転が入り、スピンステップレベル4 これがここに載せたロンバルディア杯だけでなく、四大陸選手権でも出した、ボーヤンジン選手の現在の最高構成です。

この構成で全要素GOE満点取ると、加点は21.30入ります。すなわち、技術点満点は68.90です。トータルの満点は118.90 110点に乗せるにはPCSもかなり高いものが必要とされるのでちょっと苦しいですが、105点くらいまでは、PCSで42~43点まで伸ばせば、十分届きそうな領域です。ノーミスで普通に100点を超える、という構成にボーヤンジン選手はなっています。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Grand Prix Final 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -4.889
Grand Prix Final 2 4T+2T   10.80   1.36 12.16 1.556
Grand Prix Final 3 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
Grand Prix Final 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.49 14.29 1.667
Grand Prix Final 5 ChSq1   3.00   0.50 3.50 1.000
Grand Prix Final 6 FCSp4   3.20   0.46 3.66 1.444
Grand Prix Final 7 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
Grand Prix Final 8 3Lz+3T   11.11 x 1.69 12.80 2.778
Grand Prix Final 9 3F   5.83 x 0.83 6.66 1.778
Grand Prix Final 10 StSq3   3.30   0.57 3.87 1.778
Grand Prix Final 11 CSSp4   3.00   0.64 3.64 2.111
Grand Prix Final 12 CCoSp4   3.50   0.60 4.10 1.778
Grand Prix Final   TES   86.34   -0.99 85.35  

フリーの最高基礎点は86.34 これは全選手中4位の基礎点構成。やはり四回転時代第二幕の扉を開いた選手ですので、ショートもフリーも高い基礎点構成を持っています。

四回転はルッツとトーループで合計三本。今シーズンはサルコウも構成に入れていたのですが、ファイナルのこの時には入っていませんでした。

二回飛ぶジャンプは四回転トーループトリプルアクセル。高い基礎点のものが入っています。3回転のジャンプの使い方も、3連続最後にサルコウが入り、セカンド3Tもあり、基礎点高くなるようにしっかり使われています。セカンドループがないので3Loは余ってますが、一つ目にループを飛ぶ余地はもうないのでしかたありません。

強いて言えば、1.1倍部分の構成はやや弱いかな、というのはあります。多くの選手が1.1倍に3連続を入れるのですが、ボーヤンジン選手はかなり早い段階で入れている。この構成、割とシンプルに、難しい順に飛んでいるという流れです。トリプルアクセルからの3連続を1.1倍のところに入れれば、基礎点が0.48上がりはします。ただ、ショートでもそうなのですが、ボーヤンジン選手は、コンビネーションジャンプのリカバリーがしやすいように意図的に組んでいるように見えるので、0.48基礎点を上げるよりも、先にコンビネーションを入れておいて、うまくいかなかったら後の方でもう一回試みる、という風にしているのでしょう。4回転トーループのコンビネーションも、トリプルルッツからのコンビネーションも、うまくいかなかったら次の要素でリカバリーコンビネーションに出来るように組まれています。

 

なお、上海トロフィーでは結果的にうまくいきませんでしたが、4Sも入れた四回転4本構成を試みようとしていました。それがうまくいけば、基礎点91.76の全要素GOE満点で加点が40.5入る、技術点満点が132.26の構成でした。ボーヤンジン選手の現時点でのマックススコアはそのあたりになります。PCS加味して、しっかり滑れば200点には問題なく乗ってきます。現行ルールで国際試合での300点はまだありませんが、ポテンシャルとしては、実績のある要素をしっかりこなすだけでそこまで問題なく達するだけのものがあります。

 

●平均GOE+2.600以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 2 4T   9.50   3.04 12.54 3.286
Lombardia Trophy FS 1 4Lz   11.50   3.91 15.41 3.286
Cup of China SP 3 3A   8.00   2.63 10.63 3.222
Cup of China SP 6 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
Lombardia Trophy SP 4 3A   8.80 x 2.56 11.36 3.143
Lombardia Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Cup of China FS 1 4Lz   11.50   3.45 14.95 3.111
Lombardia Trophy SP 1 4Lz+3T   15.70   3.45 19.15 3.000
Lombardia Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Cup of China SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
Cup of China FS 7 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Cup of China FS 10 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.778
Grand Prix Final FS 8 3Lz+3T   11.11 x 1.69 12.80 2.778
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
Lombardia Trophy FS 4 4T+2T   10.80   2.66 13.46 2.714
Grand Prix Final SP 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
Shanghai Trophy FS 10 StSq4   3.90   0.91 4.81 2.600
Shanghai Trophy FS 12 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.600

評価の高い要素はジャンプが多いです。4T、4Lz、3Aと上から並んでいます。ステップも+3までは取れてきています、スピンは1種類、CCoSp チェンジフットコンビネーションスピンの評価が高くなっています。

4Tも4Lzも3Aも上の方の評価にいるとうことは、全部が同じプログラムにそろったときにはすごい加点がついて高スコアが出る、ということです。そういう試合をシーズンに一回、世界選手権なりオリンピックになり、合わせてくれば、世界のメダルが取れるという形です。

 

●4回転ルッツ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 1 4Lz+3T   15.70   3.45 19.15 3.000
Lombardia Trophy FS 1 4Lz   11.50   3.91 15.41 3.286
Shanghai Trophy FS 1 4Lz   11.50   -1.92 9.58 -1.800
Skate America FS 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -4.889
Cup of China SP 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -5.000
Cup of China FS 1 4Lz   11.50   3.45 14.95 3.111
Grand Prix Final FS 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -4.889
Four Continents SP 1 4Lz+3T   15.70   0.99 16.69 0.889
Four Continents FS 1 4Lz   11.50   2.46 13.96 2.111

四回転ルッツは基本的にショートフリーどちらも冒頭に飛ぶ、という構成です。9回飛んでGOEマイナスは4回。プラスの成功ジャンプは5回です。ただ、この外数に、4回転にならなかった要素、というのが二つあるので、実際の成功率は5/11となり5割を切ります。

転倒だけでも3回あり、この要素の成否で10点差がつくので影響度が大きいです。

 

●単独のサルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 2 2S   1.30   0.10 1.40 0.857
Shanghai Trophy FS 2 2S   1.30   0.00 1.30 0.000
Four Continents FS 2 2S   1.30   0.06 1.36 0.444

今シーズン、四回転サルコウを飛ぼうとしたと思われる試合は3試合あったのですが、すべて2回転になってしまいました。四回転サルコウは昨シーズンも一度も成功がありませんでした。以前は飛べていましたし、実績のないジャンプではないのですが、現在装備している三種類の中では一番苦手で、うまく跳べていないようです。

 

●一つ目トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 2 4T   9.50   3.04 12.54 3.286
Lombardia Trophy FS 4 4T+2T   10.80   2.66 13.46 2.714
Lombardia Trophy FS 7 4T   10.45 x 1.90 12.35 1.857
Shanghai Trophy SP 2 4T+3T   13.70   -0.63 13.07 -0.400
Shanghai Trophy FS 4 4T+2T   10.80   1.27 12.07 1.400
Shanghai Trophy FS 7 4T   10.45 x -4.75 5.70 -4.800
Skate America SP 2 4T+3T   13.70   2.44 16.14 2.556
Skate America FS 2 4T+2T   10.80   1.36 12.16 1.444
Skate America FS 4 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Cup of China SP 2 4T+2T   10.80   1.22 12.02 1.222
Cup of China FS 2 4T+2T   10.80   2.44 13.24 2.556
Cup of China FS 3 2T   1.30   -0.02 1.28 -0.222
Grand Prix Final SP 2 4T+3T   13.70   -0.41 13.29 -0.222
Grand Prix Final FS 2 4T+2T   10.80   1.36 12.16 1.556
Grand Prix Final FS 3 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
Four Continents SP 2 4T   9.50   2.17 11.67 2.222
Four Continents FS 4 2T   1.30   0.04 1.34 0.222
Four Continents FS 7 4T+2T   11.88 x 2.04 13.92 2.111

四回転のトーループはショートで一回、フリーで二回が基本構成です。

2回転になってしまったのが2回、回転不足が1回、あとは回転は足りていますが、転倒3含めてGOEマイナスが6 成功率は2/3程度です。

今シーズンは結局、ショートフリーで3本そろったのがロンバルディア杯だけでした。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 4 3A   8.80 x 2.56 11.36 3.143
Lombardia Trophy FS 3 3A+1Eu+3S< 11.94   -2.08 9.86 -2.571
Lombardia Trophy FS 8 3A< 7.04 x -0.90 6.14 -1.286
Shanghai Trophy SP 4 3A   8.80 x -4.00 4.80 -5.000
Shanghai Trophy FS 3 3A+1Eu+3S   12.80   0.53 13.33 0.800
Shanghai Trophy FS 8 3A   8.80 x 1.87 10.67 2.400
Skate America SP 4 3A< 7.04 x -3.20 3.84 -5.000
Skate America FS 3 3A+1Eu+3S   12.80   1.37 14.17 1.667
Skate America FS 8 3A< 7.04 x -1.28 5.76 -2.000
Cup of China SP 3 3A   8.00   2.63 10.63 3.222
Cup of China FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.26 14.06 1.556
Cup of China FS 7 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Grand Prix Final SP 3 3A   8.00   1.83 9.83 2.333
Grand Prix Final FS 4 3A+1Eu+3S   12.80   1.49 14.29 1.667
Grand Prix Final FS 7 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.778
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 0.11 8.91 0.222
Four Continents FS 3 3A+1Eu+3S   12.80   2.06 14.86 2.444
Four Continents FS 8 3A   8.80 x 1.71 10.51 2.111

トリプルアクセルもショートフリーで合わせて3回飛ぶ要素です。

合計18回ある要素で、転倒2、回転不足は3回と、コンビネーションの後ろに回転不足があったもの1回 それら含めてGOEマイナスは5回。成功率は13/18で7割ほどです。

三連続はすべてトリプルアクセルからの三つ目3Sですが、これの成功率は5/6 安定的に稼げる要素になっています。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Lombardia Trophy FS 5 ChSq1   3.00   0.90 3.90 1.857
Lombardia Trophy FS 10 StSq4   3.90   0.94 4.84 1.857
Shanghai Trophy SP 6 StSq3   3.30   0.77 4.07 2.400
Shanghai Trophy FS 5 ChSq1   3.00   0.50 3.50 1.000
Shanghai Trophy FS 10 StSq4   3.90   0.91 4.81 2.600
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
Skate America FS 5 ChSq1   3.00   0.71 3.71 1.333
Skate America FS 10 StSq4   3.90   0.61 4.51 1.667
Cup of China SP 6 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
Cup of China FS 5 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.889
Cup of China FS 10 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.778
Grand Prix Final SP 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
Grand Prix Final FS 5 ChSq1   3.00   0.50 3.50 1.000
Grand Prix Final FS 10 StSq3   3.30   0.57 3.87 1.778
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
Four Continents FS 5 ChSq1   3.00   0.79 3.79 1.444
Four Continents FS 10 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.444

ステップはGOE+2台が多く、いい時には+3にのります。コレオシークエンスが今一つ評価が伸びておらず、GOE+1台 それも1台前半なことが多いです。コレオシークエンスは力を入れれば、もう1点くらいトータルスコアを上げる力がありそうに見えます。

ステップレベル4率は66.7%で2/3 上位選手でもこれくらいの確率の選手は多く、標準的くらいの位置です。

 

スピンレベル4率は94.4%ありました。ここが実は昨シーズンと比べて大きく伸びたところです。昨シーズンは7割程度でした。レベル4が取れていれば、加点がやや弱くても、大きく足を引っ張る要素にはなりません。

 

四大陸選手権ではスピンステップオールレベル4で回転不足もなし、ついでに全要素GOEプラスというクリアーな評価を受けていました(4回転が二つ2回転になりましたが)。

 

 

中国男子初、という枕詞で作実績を数々上げてきたボーヤンジン選手。世界の表彰台も経験している選手からすると、今シーズンの結果は今一つだった、というべきか、ちゃんと勝負する気になる試合が中止になってしまったので本領を発揮する場自体がなかったというべきか、そんなシーズンでした。

うわっ、四回転のルッツ跳んでる、ちゃんと飛んでる、しっかり降りてる。本物だこれ、という衝撃から早くも4年半がたちました。シニアデビューから2シーズンほどは言われていて、最近言われていないこと。宇野選手と同い年で、シニアデビューも同期。ジュニア最終年の世界ジュニア1位2位。結構いいライバル関係にあったんですよね。四大陸や世界選手権で先に表彰台に乗ったのはボーヤンジン選手。四大陸を先に獲ったのもボーヤンジン選手でした。世界選手権最高位は宇野選手が上ですし、オリンピックの表彰台も宇野選手が乗りました。

二人とも、持っているタイトルは四大陸まで。グランプリファイナル、世界選手権、オリンピック。世界のタイトルはまだ持っていません。

 

ネイサンチェン選手、羽生結弦選手の二強状態の男子フィギュア界ですが、ボーヤンジン選手は宇野選手と並んで、300点を出す力があり、上二人を脅かすことのできる数少ない選手です。サルコウまで取り戻しての4回転3種類4本体制を整えれば、来シーズン、300点復帰して、世界の頂点を伺うチャンスも出てくるのではないかと期待されます。