マライアベル Mariah Bell 19-20

1996年4月18日生まれ

シニア6シーズン目

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シーズン獲得賞金:$18,000

世界ランキング:14位

シーズンランキング27位

シーズンベストスコア 212.89(13位)  Internationaux de France

ショートプログラムシーズンベスト 70.25 Internationaux de France

フリーシーズンベスト 142.64 Internationaux de France

ショートプログラム楽曲: Rader/Work Bitch

フリープログラム楽曲: Hallelujah

スピンレベル4率 15/18=83.3%

ステップレベル4率 4/6=66.7%

スピンオールレベル4 1/3

スピンステップオールレベル4 0/3

ジャンプ回転不足率  2/30=6.67%

ジャンプ回転不足なし試合 1/3

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/3

 

 ●マライアベル選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Nebelhorn Trophy 1 205.13 68.45 36.81 31.64 136.68 70.20 66.48
GP Internationaux de France 3 212.89 70.25 37.70 32.55 142.64 73.39 69.25
GP Rostelecom Cup 3 205.67 67.11 34.75 33.36 138.56 68.80 69.76

シニア6シーズン目のベテランマライアベル選手。ランキング上位にいる主要選手たちの中では最年長になります。ただ、そうはいっても、シーズン中はまだ23歳という年齢だったんですけどね。

初戦はチャレンジャーシリーズネーベルホルン杯。昨シーズン初めて200点を突破したマライアベル選手ですが、今シーズンは初戦から205点を出して優勝。実はこれがチャレンジャーシリーズ初優勝だったりします。

グランプリ2戦も200点を安定して出してきます。フランス杯はショート70点に乗せ、フリーは初の140点台でパーソナルベストの212.89 3位表彰台です。

ロステレコム杯も205点の3位。グランプリ2戦ともに表彰台に乗ったのは初めてです。

全米選手権は225点まで出して過去最高位の2位。世界選手権の代表権を得ます。

四大陸選手権はスキップしたため、結果的にそのままシーズン終了。今シーズンは国際試合3試合の登場にとどまりました。

 

 ●マライアベル選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Nebelhorn Trophy 1 205.13 107.01 98.12 68.07 23.77 15.17
GP Internationaux de France 3 212.89 111.09 101.80 71.96 24.85 14.28
GP Rostelecom Cup 3 205.67 103.55 103.12 64.83 24.42 14.30

要素別では技術点の方がやや高めになっています。まあ、210点出すためにはそれくらいの技術点を出すのはほぼ必須ではあるのでそうなるでしょう。

PCSはロステレコム杯が一番高くて103.12まで出しました。これは今シーズンの全選手中9番目のスコアです。5項目平均8.5を超えるあたりのスコアです。

ジャンプは70点に乗った程度なのでそれほど高くはありません。

スピンは24点台後半まで出ているのでそれなりの値です。紀平選手、宮原選手と同じあたりになります。

ステップはネーベルホルン杯で15.17 15点台に乗るのは1流感のある選手だけになってきて、今シーズン9位のスコアです。

 

 ●マライアベル選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Nebelhorn Trophy 1 62.78 59.21 61.93 60.97 68.64 62.42
Internationaux de France 3 64.89 60.23 66.29 64.55 64.62 64.84
Rostelecom Cup 3 62.93 59.82 54.76 63.13 64.71 65.71

偏差値で見ると200点台だと60前半。210点台で60台半ばになってきます。

全体的にバランス取れていますが、ややジャンプが弱いかな、という風に見えます。ジャンプの基礎点偏差値は60前後です。ジャンプのGOEで偏差値60台後半まで出たフランス杯がパーソナルベストになっていて、やはりジャンプの出来が結果を支配するんだなあ、というのがここでも見えます。

スピンは偏差値60台半ば。ステップは60台後半まで出ます。PCSは60台半ば。

全体的にバランス取れているなあ、という風に見えます。

 

 

マライアベルスケート偏差値

レーダーチャートはバランス型。ややジャンプの基礎点が低いですが。

軸が50~70と狭い幅になっている、というのもバランス型なことを示しています。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Internationaux de France 1 2A   3.30   0.94 4.24 2.778
Internationaux de France 2 3F!+3T ! 9.50   0.45 9.95 0.889
Internationaux de France 3 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
Internationaux de France 4 3Lz   6.49 x 1.01 7.50 1.778
Internationaux de France 5 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
Internationaux de France 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Internationaux de France 7 FSSp4   3.00   0.56 3.56 1.889
Internationaux de France   TES   31.79   5.91 37.70  

マライアベル選手のショート基礎点最高は31.79 ダブルアクセル組として普通くらいの点数です。コンビネーションをフリップトーループで、1.1倍には単独ルッツ。

ステップがレベル4なら32.39となって、ダブルアクセル組の上位に来る、というくらいの位置です。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Internationaux de France 1 3F+3T   9.50   1.29 10.79 2.444
Internationaux de France 2 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.333
Internationaux de France 3 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.889
Internationaux de France 4 3S   4.30   1.29 5.59 2.889
Internationaux de France 5 2A   3.30   0.75 4.05 2.444
Internationaux de France 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
Internationaux de France 7 3F+2T+2Lo   9.13 x 1.14 10.27 2.111
Internationaux de France 8 3Lz+2T   7.92 x 0.51 8.43 0.778
Internationaux de France 9 FCCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
Internationaux de France 10 3Lz< 5.19 x -0.07 5.12 -0.222
Internationaux de France 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444
Internationaux de France 12 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
Internationaux de France   TES   60.84   12.55 73.39  

フリーの基礎点最高は60.84 これは今シーズン全選手中20位の基礎点です。やはりそれほど高いわけではないです。

ルッツが回転不足なので、これが回転足りた時がプログラムの理想形なのだと思いますが、その場合62.14になります。62点台になると、トリプルアクセル未満のジャンプ構成としてはかなり上位になってきます。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。セカンド三回転を二つではなく、基礎点高いジャンプを二つという方の選択になっています。

 

●平均GOE+3.000以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup SP 3 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
Rostelecom Cup FS 12 LSp4   2.70   1.16 3.86 4.222
Internationaux de France FS 12 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
Internationaux de France FS 3 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.889
Rostelecom Cup FS 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889
Rostelecom Cup FS 3 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
Internationaux de France FS 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
Nebelhorn Trophy FS 3 CCoSp4   3.50   1.26 4.76 3.571
Nebelhorn Trophy FS 6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Internationaux de France FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444
Nebelhorn Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.80 4.80 3.429
Nebelhorn Trophy FS 12 LSp4   2.70   0.92 3.62 3.429
Rostelecom Cup SP 1 2A   3.30   1.08 4.38 3.333
Internationaux de France SP 3 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
Rostelecom Cup SP 5 LSp4   2.70   0.85 3.55 3.222
Rostelecom Cup FS 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Nebelhorn Trophy SP 4 CCoSp4   3.50   1.12 4.62 3.143
Rostelecom Cup FS 9 FCCoSp3   3.00   0.90 3.90 3.111
Nebelhorn Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Internationaux de France SP 5 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000

マライアベル選手が高い評価を受けているのは、まずスピン、次いでステップとコレオが入ってきます。

スピンはチェンジフットコンビネーションスピンとレイバックスピンの二種類の評価が高いです。マライアベル選手が要素に入れているスピンは4種類になるのですが、フライング系のスピンはあまり加点がもらえておらず、フライングではない2種類で多く加点を得ているようです。

ジャンプは、やはりあまり得意ではないのか、シーズン通じてGOE+3以上になったのは、ダブルアクセル1つだけでした。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Internationaux de France FS 7 3F+2T+2Lo   9.13 x 1.14 10.27 2.111

3連続ジャンプは3試合で1つしか入りませんでした。三つ目のループがどうも入ってきません。この7番目の要素の後の8番目に3Lz-2Tがあるので、そこにリカバリーで最後に2Loを付けることもルール的には可能なのですが、それも入っていません。

最後の2Lo一つで1.87点の基礎点があるのですが、無理して取りにはいかない、という方針なように見えます。ジャンプがそれほど得意ではないなら、そういうやり方もあるでしょうか。

 

●セカンド三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 2 3F+3T< 8.66   -0.21 8.45 -0.286
Nebelhorn Trophy FS 1 3F+3T   9.50   1.06 10.56 1.857
Internationaux de France SP 2 3F!+3T ! 9.50   0.45 9.95 0.889
Internationaux de France FS 1 3F+3T   9.50   1.29 10.79 2.444
Rostelecom Cup SP 2 3F+3T   9.50   -2.65 6.85 -5.000
Rostelecom Cup FS 1 3F+3T   9.50   -0.23 9.27 -0.444

セカンド三回転は、ショートフリー共にフリップ-トーループのコンビネーションです。6回飛んで回転不足1、転倒1、それ以外のGOEマイナス1 成功率は50%と見るか、わずかな減点ならよしとして66.7%と見るか。

 

●単独三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 5 3Lz   6.49 x 1.53 8.02 2.571
Nebelhorn Trophy FS 2 3Lo   4.90   -0.39 4.51 -0.857
Nebelhorn Trophy FS 4 3S   4.30   0.95 5.25 2.143
Nebelhorn Trophy FS 10 3Lz! ! 6.49 x 0.24 6.73 0.571
Internationaux de France SP 4 3Lz   6.49 x 1.01 7.50 1.778
Internationaux de France FS 2 3Lo   4.90   1.12 6.02 2.333
Internationaux de France FS 4 3S   4.30   1.29 5.59 2.889
Internationaux de France FS 10 3Lz< 5.19 x -0.07 5.12 -0.222
Rostelecom Cup SP 4 3Lz   6.49 x 0.93 7.42 1.556
Rostelecom Cup FS 2 3Lo   4.90   0.63 5.53 1.333
Rostelecom Cup FS 4 3S   4.30   0.68 4.98 1.667
Rostelecom Cup FS 10 3Lz! ! 6.49 x 0.17 6.66 0.333

単独三回転はルッツ、ループ、サルコウ、三種類要素に入ってきます。

ルッツはショートフリー1回づつ入って、シーズンで6回飛んで回転不足1、エッジの!付きが2ありますが、GOE+は5になってて、失敗と言えるのは1/6です

ループは3回飛んでGOEマイナスが1つ。サルコウは3回飛んですべてGOEプラスです。ただ、序盤の要素に入っているループもサルコウも、加点はそれほどおおきくはありません。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Nebelhorn Trophy FS 6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Nebelhorn Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.80 4.80 3.429
Internationaux de France SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Internationaux de France FS 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
Internationaux de France FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444
Rostelecom Cup SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.778
Rostelecom Cup FS 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Rostelecom Cup FS 11 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.889

ステップとコレオは平均GOEが+3台あたりにいます。

フリーではステップが先、コレオは終盤にありますが、どちらもGOE+3台です。ステップレベル4が取れれば、ショートフリー合わせて、ステップコレオで15点は普通に取れる、という力があります。

ロステレコム杯のコレオシークエンスGOE+3.889は、今シーズンの全選手中4位タイの高評価です。

 

 

昨シーズン、初めて200点を出して、世界選手権でも1桁順位に入ったマライアベル選手。

今シーズンは、それがフロックなのかどうか? が問われるシーズンだったわけですが、しっかりと結果を出して200点スコアラーの実力を証明しました。

世界選手権も4年連続代表になってきていますし、国際舞台の常連ではあるのですが、意外にも、今シーズンのネーベルホルン杯が主要国際大会での初優勝でした。主要、といってもチャレンジャーシリーズなのですが。

歩みは決して早くないのですが、毎シーズン着実に力を付けて、点数を上げてきています。

ジュニア時代には世界ジュニアどころか、17歳-18歳の、ジュニア最後のシーズンまでジュニアグランプリシリーズにすら出ていなかった選手が、23歳になってグランプリシリーズで2戦連続表彰台に乗るまでになりました。

今シーズンは好調だったので、世界選手権でテネル選手と二人でアメリカ三枠を持って帰る大きなチャンスだったんですけどね。中止ではどうにもなりません

 

来シーズンは、ファイナル初出場やオリンピック3枠、さらには全米選手権初優勝といった、あともうワンステップで取れそうなものを取りに行くシーズンになるわけですが、毎シーズン着実にステップアップしてきたマライアベル選手なら、どれか一つは獲っていきそうに感じています。