世界フィギュア19プレビュー4

世界フィギュアのプレビューも4話目になりましたが、これが最終です

プレビュー2で女子シングルに関してみたのと同じように、ここでは男子シングルで、今シーズンのプロところなんかを見ながら考えていきます

 

まずは、羽生結弦選手から.

例によって、左から三列目は要素の順番、一番右はジャッジのつけた+5~-5の平均値です

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 6 StSq4   3.90   1.64 5.54 4.143
Autumn Classic FS 2 4T   9.50   3.99 13.49 4.286
GP Helsinki SP 1 4S   9.70   4.30 14.00 4.333
GP Helsinki SP 6 StSq3   3.30   1.51 4.81 4.444
GP Helsinki SP 7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.556
Rostelecom Cup SP 1 4S   9.70   4.30 14.00 4.333
Rostelecom Cup SP 2 3A   8.00   3.31 11.31 4.111
Rostelecom Cup SP 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.222
Rostelecom Cup SP 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.333
Rostelecom Cup FS 2 4T   9.50   4.34 13.84 4.444

羽生選手は今シーズン3試合しか出ていないのですが、GOEが平均4.0を超えた要素が10個もありました。ジャンプで5つ、スピンで2つ、ステップで3つ

出場は3試合だけですので、要素数は57 GOEが+4以上の要素率が17.5%もある、というのはとてつもないことかと思います。

特にジャンプでGOE+4以上というのは難しく、それも4回転で出しているのですが、今シーズン4Tを含む要素でGOE+4以上を出したのは全選手の中で羽生結弦選手の2回だけ、4Sを含む要素でGOE+4以上を出したのも、やはり全選手の中で羽生結弦選手の2回だけです。もっと言ってしまえば、4回転を含む要素でGOEが+4を超えたのは、羽生結弦選手の4回だけになります。

ジャンプだけが得意な選手、ということであれば、それもまだわかるのですが、スピンでもきっちり点を取り、さらにステップでも3回GOE+4を超えるスコアを出しています。スピンは3試合で6回ですから、確率5割でGOEが+4以上になるわけです。そのうえでPCSまで高いわけですから、もう非の打ちようがありません

強いて言えば、今シーズン、まだ万全のフリー演技というのは見ることができていないな、というのはあるでしょうか。上記のGOEが+4を超える要素というのはほとんどがショートプログラムのものになっています。完成したフリー演技が見られたら、もう誰も太刀打ちできないところまで行ってしまうでしょうか

 

 

次は宇野選手。宇野選手は、ちょっと変なデータがありまして。宇野選手は今シーズン、3A以上の難易度のジャンプを含まないジャンプ要素、つまり3回転以下のジャンプだけで構成される要素がほとんどありません。5試合で7回しかありませんでした。ところが、この、3回転以下のジャンプのみで構成される要素、つまり、宇野選手のジャンプ要素の中で最も難易度が低そうなこの要素の成功率が低いんです

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 10 3S+3T   9.35 x 0.34 9.69 0.857
Skate Canada FS 10 3S+3T   9.35 x -2.15 7.20 -4.889
NHK Trophy FS 10 3S   4.73 x -1.17 3.56 -2.778
Grand Prix Final FS 10 3S+3T   9.35 x -0.31 9.04 -0.667
Four Continents  SP 2 3S+3T   8.50   -0.86 7.64 -1.889
Four Continents  FS 3 3Lo   4.90   0.91 5.81 1.889
Four Continents FS 10 3S+3T   9.35 x 0.49 9.84 1.111

通常の試合ではフリーで一本だけ、ケガで悩まされた四大陸選手権だけショートで1本、フリーで2本、そういった構成が入ってきているのですが、これが七分の四で失敗ジャンプになっています。成功した場合でも、加点が小さい。

あれだけ難しいジャンプをバンバン決めておいて、なぜこれが飛べない・・・、という感じではあるのですが、こういうジャンプはあまり練習をしていない、というのが一つ理由としてあるんでしょうかね。また、最後のジャンプ要素、というのは体力的に厳しい部分もあるのかもしれません

 

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 9 3A+1Eu+3F 15.18 x -0.16 15.02 -0.143
Skate Canada FS 9 3A+1Eu+3F 15.18 x -2.74 12.44 -3.444
NHK Trophy FS 9 3A+1Eu+3F 15.18 x 2.17 17.35 2.667
Grand Prix Final FS 9 3A+1Eu+3F 15.18 x -1.26 13.92 -1.667
Four Continents FS 9 3A+1Eu+3F 15.18 x -1.03 14.15 -1.000

また、宇野選手のフリーの大きな見せ場として、3A-1Eu-3Fという三連続のコンビネーション、というのが以前からよく見られました。これの成功率も今シーズン低くて五分の一しかありません。これがきれいに決まると非常に印象がいいのですが、今シーズンあまりよくない。

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 1 4S   9.70   -2.13 7.57 -2.143
Skate Canada FS 1 4S< 7.28   -0.10 7.18 -0.222
NHK Trophy FS 1 4S< 7.28   -0.63 6.65 -0.778
Grand Prix Final FS 1 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -5.000

さらに、四回転の中で確か一番最後に取り入れたジャンプだったと思うので、あまり得意ではない種類なのかもしれないですが、四回転サルコウの成功率が今シーズンの国際大会ではゼロです。

なんだかひどいところばかり取り上げてしまっている感じですが、宇野選手はこんな状態の中で、今シーズン5試合、最低点でも275点を出しています。今シーズンの最低スコアが最も高いのが宇野選手です。この宇野選手が、すべてを揃えたときにどんな演技になるのか、どんな点数が出るのか、楽しみです

 

 

次はネイサンチェン選手。ネイサンチェン選手は4回転を何でも飛ぶというイメージですが、今シーズンの国際試合3試合で飛んだ4回転は3種類だけです。ルッツフリップにトーループ。3試合で四回転が入る要素は15回あり成功は9回と6割ありました。

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America SP 2 4F< ! 8.25   -3.07 5.18 -3.667
Skate America FS 2 4Lz   11.50   0.49 11.99 0.222
Skate America FS 7 4T+3T   15.07 x 1.22 16.29 1.333
Skate America FS 8 4T+2T+2Lo   13.75 x 2.31 16.06 2.222
France de Patinage SP 2 4F< ! 8.25   -4.13 4.12 -5.000
France de Patinage SP 4 4T+3T   15.07 x 2.04 17.11 2.111
France de Patinage FS 1 4F ! 11.00   1.89 12.89 1.556
France de Patinage FS 2 4T   9.50   3.53 13.03 3.778
France de Patinage FS 7 4T+3T< 13.92 x -0.54 13.38 -0.444
Grand Prix Final SP 2 4F   11.00   3.77 14.77 3.444
Grand Prix Final SP 4 4T+COMBO 10.45 x -4.75 5.70 -5.000
Grand Prix Final FS 1 4F   11.00   4.40 15.40 3.889
Grand Prix Final FS 2 4Lz< 8.63   -4.32 4.31 -5.000
Grand Prix Final FS 3 4T   9.50   -2.44 7.06 -2.667
Grand Prix Final FS 7 4T+3T   15.07 x 3.26 18.33 3.333

15回のうち、ルッツが2回、フリップが5回、あとはトーループで8回です。

ルッツの成功率は二分の一、フリップは五分の三ですがエッジ不正の!が付きながらギリギリ加点、というのが一つ含まれるので本当の成功は二回です。トーループは八分の六成功しています。グランプリファイナルは優勝こそしましたが、ショートで大きなミスはありましたしフリーも万全の演技ではありませんでした。全米選手権ではお化けスコアが出てまして、まあ、演技としていいものだったのは確かではあるものの、さすがに国内参考記録感はあります。

世界選手権、というのはすでに持っているタイトルであるという現実はありますが、羽生選手に勝って取ったものではない、という部分もある。そういった条件下でどこまでこの試合へのモチベーションがあるか?合わせてきているでしょうか?

 

 

ベストスコア4番手はロシアのミヒャルコリアダ選手。波の激しい選手なのですが、それはつまりいい演技をした時の点はすごく出る、ということではあります

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Ondrej Nepela Trophy SP 4 3A   8.80 x 0.64 9.44 0.857
Ondrej Nepela Trophy FS 3 3A   8.00   3.20 11.20 4.143
Finlandia Trophy SP 4 3A   8.80 x 0.67 9.47 0.750
Finlandia Trophy FS 3 3A   8.00   3.60 11.60 4.500
GP Helsinki SP 4 3A   8.80 x 3.43 12.23 4.222
GP Helsinki FS 6 3A   8.00   1.14 9.14 1.556
GOLDEN SPIN SP 4 3A   8.80 x 2.56 11.36 3.143
Europe Championships SP 4 3A   8.80 x 1.37 10.17 1.667
Europe Championships FS 3 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000

コリアダ選手のうまく決まった3Aは素晴らしいものがあります。フィンランディア杯のフリーで飛んだ単独のトリプルアクセルでついたGOEは+4.5 これは、トリプルアクセルでついたGOEとしては全選手中最高です。またGOEで+4以上をトリプルアクセルで3回出しているのはコリヤダ選手のみです。

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Ondrej Nepela Trophy SP 1 4T+3T   13.70   3.42 17.12 3.571
Ondrej Nepela Trophy FS 1 4T+3T   13.70   2.85 16.55 3.000
Ondrej Nepela Trophy FS 7 4T   10.45 x -4.56 5.89 -4.714
Finlandia Trophy SP 1 4T   9.50   -3.96 5.54 -4.125
Finlandia Trophy FS 1 4T   9.50   0.32 9.82 0.625
GP Helsinki SP 1 4T   9.50   -1.76 7.74 -1.889
GP Helsinki FS 2 4T   9.50   -4.21 5.29 -4.333
Rostelecom Cup FS 2 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.000
GOLDEN SPIN SP 1 4T+2T   10.80   2.85 13.65 3.000
GOLDEN SPIN FS 2 4T+3T   13.70   3.23 16.93 3.429
Europe Championships SP 1 4T+3T   13.70   2.99 16.69 3.000
Europe Championships FS 2 4T   9.50   3.12 12.62 3.222

もう一つ、4T-3Tのコンビネーションジャンプを飛ぶ、という選手は今やかなりの数いますが、そのなかで、オンドレイネペラ杯のショートプログラムコリヤダ選手が出したGOE+3.571というのは、4回転を含むコンビネーションジャンプについたGOEとして全選手中最高です。

決まればいい点出るんです。でも、なかなか決まらない。それも、大きな大会では今一つ決まらない。今大会はどうでしょう?

 

 

ベストスコア5番目はISU非公認ですがユニバーシアードで270点台をたたき出したマテオリッツォ選手

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 1 4T   9.50   -4.75 4.75 -5.000
Finlandia Trophy FS 1 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -5.000
Skate America FS 1 4T< 7.13   -2.34 4.79 -3.222
NHK Trophy FS 1 4T< 7.13   -3.57 3.56 -5.000
Europe Championships FS 1 4T   9.50   3.26 12.76 3.222
UNIVERSIADE SP 1 4T   9.50   2.28 11.78 2.429
UNIVERSIADE FS 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000

リッツォ選手は、まだ四回転はトーループを一種類だけです。それも、シーズン前半はフリーの冒頭に一本入れるだけでかつ成功はなし。それがシーズン後半になって四大陸選手権でようやく成功。さらにユニバーシアードではショートフリーと一本づつ入れてどちらも成功しました。これがシーズン後半になって上位に顔を出すようになってきた原動力です。世界選手権でも上位に入ってくるには、ショートフリーどちらも4回転を決めること、が最低必要条件になってくるかと思われます

 

Event   Name Nation Elements  BaseValue GOE Scores
Finlandia Trophy FS Mikhail KOLYADA RUS TES 59.96 15.14 75.10
Skate America FS Nathan CHEN USA TES 84.01 15.04 99.05
Skate Canada FS Shoma UNO JPN TES 87.91 13.83 101.74
Skate Canada FS Keegan MESSING CAN TES 69.04 14.86 83.90
NHK Trophy FS Shoma UNO JPN TES 79.74 14.44 94.18
France de Patinage FS Jason BROWN USA TES 56.34 13.94 70.28
GOLDEN SPIN FS Jason BROWN USA TES 64.14 14.38 78.52
Four Continents FS Shoma UNO JPN TES 86.63 17.85 104.48
Four Continents  FS Keegan MESSING CAN TES 75.43 15.66 91.09
UNIVERSIADE FS Matteo RIZZO ITA TES 76.20 18.86 95.06

今シーズンのフリー演技で加点の合計が高い方から10件を今大会エントリー選手から上げたものが上記の表ですが、マテオリッツォ選手のユニバーシアードの演技が加点最大でした。まあ、ちょっと、採点基準の甘さ、というのがないとは言いませんが、それだけの演技ができる選手ではあるので、もう一段階大きな舞台で、再びその演技をしてもらえたらなと思います。

 

 

 

ボーヤンジン選手は四大陸選手権で今シーズンのベストスコアを出しています

ここでは、四大陸選手権のジャンプ要素を全て並べました

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents SP 1 4Lz   11.50   -2.46 9.04 -2.111
Four Continents SP 2 4T+2T   10.80   1.49 12.29 1.556
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Four Continents FS 1 4Lz   11.50   -2.14 9.36 -1.889
Four Continents FS 2 4T+2T   10.80   0.81 11.61 0.889
Four Continents FS 3 3A+1Eu+3S   12.80   1.60 14.40 1.889
Four Continents FS 6 4T   9.50   1.76 11.26 1.889
Four Continents FS 7 3A   8.80 x 2.40 11.20 3.111
Four Continents FS 8 3Lz+3T   11.11 x 0.67 11.78 1.111
Four Continents FS 9 3F   5.83 x 0.76 6.59 1.444

ジャンプ要素のうち最も簡単という扱いなのはフリーの最後に入るトリプルフリップですが、それ以外は3回転-3回転、あるいはトリプルアクセル以上の難度となっています。ボーヤンジン選手は4回転の種類はここにあるルッツとトーループだけではなくサルコウも本来飛べます。ただ、今シーズンはグランプリヘルシンキで1本跳んで転倒したのみで、あとは構成に入れていません。これを3Fの代わりに入れるようなことをしてきた場合、上記のリストでいえば4Lzのミスを小さく抑えたらジャンプ要素がすべて10点以上のスコアに出来る、という計算になります。4回転を3種類入れれば原理的にはボーヤンジン選手だけでなく他の選手も当然可能です。

フリーのすべてのジャンプ要素で10点以上、というのは平昌オリンピックでネイサンチェン選手が成し遂げていますが、ショートフリーすべてにおいて10点以上、というのはまだいないはずです。

 

 

ヴィンセントゾー選手も四大陸選手権でベストスコアを出しました

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents SP 1 4Lz+3T   15.70   3.78 19.48 3.222
Four Continents SP 2 4S   9.70   1.94 11.64 2.000
Four Continents SP 4 3A   8.80 x 1.71 10.51 2.111
Four Continents FS 1 4Lz+3T< 14.65   0.49 15.14 0.444
Four Continents FS 2 4S< 7.28   -0.52 6.76 -0.778
Four Continents FS 3 3F   5.30   1.36 6.66 2.556
Four Continents FS 4 4T< 7.13   -0.51 6.62 -0.778
Four Continents FS 6 3A+2T   10.23 x -1.37 8.86 -1.778
Four Continents FS 7 3A   8.80 x 2.06 10.86 2.556
Four Continents FS 10 3Lz+1Eu+3F   12.87 x 0.34 13.21 0.444

ヴィンセントゾー選手もボーヤンジン選手と同じで、ショートフリー合わせて最も簡単とされるジャンプ要素が3Fであり、他のジャンプは3Lzからのコンビネーションか3A以上となっています。ゾー選手は四大陸選手権の時点で4回転は3種類組み込んでいます。フリーで4回転をどれか一つ複数回にして3Fをなくすか、コンビネーションを4Lz-3Tと入れずに3F-3Tにでもすれば、理論的にはショートフリー、すべてのジャンプ要素で10点以上、ということを行えるチャンスがあります。

 

 

270点以下のベストスコアの選手の中から一人、ジェイソンブラウン選手を取り上げます。

ジェイソンブラウン選手は今シーズン5試合合計20の要素でGOE+4.0以上の評価を受けました。これは全選手中最多ですし、1試合当たり4つもGOE+4.0以上の要素がある、というのも最多です。

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 1 3F   5.30   2.33 7.63 4.286
Autumn Classic SP 6 CCSp4   3.20   1.41 4.61 4.286
Skate Canada SP 1 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
Skate Canada SP 6 CCSp4   3.20   1.37 4.57 4.333
France de Patinage SP 1 3F   5.30   2.50 7.80 4.556
France de Patinage SP 6 CCSp4   3.20   1.37 4.57 4.333
France de Patinage SP 7 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
France de Patinage FS 4 FCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
France de Patinage FS 5 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.667
GOLDEN SPIN SP 1 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
GOLDEN SPIN SP 6 CCSp4   3.20   1.54 4.74 4.714
GOLDEN SPIN SP 7 StSq4   3.90   1.64 5.54 4.143
GOLDEN SPIN FS 4 FCSp4   3.20   1.34 4.54 4.286
GOLDEN SPIN FS 5 ChSq1   3.00   2.20 5.20 4.429
GOLDEN SPIN FS 11 StSq3   3.30   1.39 4.69 4.286
GOLDEN SPIN FS 12 CCoSp4   3.50   1.54 5.04 4.429
Four Continents Championships SP 1 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
Four Continents Championships SP 6 CCSp4   3.20   1.42 4.62 4.444
Four Continents Championships SP 7 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
Four Continents Championships FS 5 ChSq1   3.00   2.21 5.21 4.222

ジャンプが苦手、という印象があるのですが、意外にもショートプログラム冒頭の3Fでは5試合すべてで+4.0以上の評価を受けています。フランス杯で得た3Fの平均GOE+4.556というのは、これまでの全選手のジャンプ要素の中で最高評価となっています

同じフランス杯ではコレオシークエンスでGOE+4.667を得ていますが、これも全選手のコレオシークエンスの中でこれまでの最高評価です。全選手のコレオシークエンスの中で2番目の評価は、ゴールデンスピンでのジェイソンブラウン選手の+4.429ですし、コレオシークエンスのジェイソンブラウン選手の評価は極めて高いものになっています

さらに、ステップシークエンスで4回、GOE+4以上を出していて、その中でもフランス杯のショートプログラムではレベル4でGOE平均+4.333を叩き出しました。これは、レベル4のステップとしてはネイサンチェン選手のグランプリファイナルのショートプログラムのスコアと並んで、全選手中最高値です

また、スピンでも3種類すべてで1度以上はGOE+4以上を出しています。

これだけあれもこれもそろっているのに、なかなか上位に出てこられなくなってしまっているジェイソンブラウン選手。足りないのはあとは高難度ジャンプだけです。四回転が、四回転サルコウがきまってくれれば、と言いたいところなのですが、実はさらにその一つ手前、トリプルアクセルの成功率も今一つ高くなく、四大陸選手権でも3本のうち2本は回転不足でした。ブライアンオーサー先生の下で、なんとか高難度ジャンプを身に着けてもらって、上位に顔をのぞかせてもらえたらと思います

 

 

以上、今シーズンの上位選手のプロトコルから見た、今大会の見どころでした