ジェイソンブラウン Jason Brown 19-20

1994年12月15日生まれ

シニア7シーズン目

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シーズン獲得賞金:$31,000

世界ランキング:6位

シーズンランキング:6位

シーズンベストスコア 274.82(5位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 94.71 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 180.11 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲: I Can't Go On Without You

フリープログラム楽曲 : Schindler's List

スピンレベル4率 23/24=95.8%

ステップレベル4率 7/8=87.5%

スピンオールレベル4 3/4

スピンステップオールレベル4 3/4

ジャンプ回転不足率  6/40=15.0%

ジャンプ回転不足なし試合 2/4

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 2/4

 

●ジェイソンブラン選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
GP Skate America 2 255.09 83.45 39.23 44.22 171.64 80.94 90.70
GP NHK Trophy 5 231.27 73.73 32.45 43.28 157.54 72.16 87.38
CS Golden Spin 1 242.39 79.44 37.79 42.65 162.95 78.05 85.90
4CC Four Continents 2 274.82 94.71 48.81 45.90 180.11 87.53 92.58

ジェイソンブラウン選手は今シーズンはスケートアメリカから始動。いつもより遅めの初戦となりました。まずまずの出来で255.09 2位表彰台です。これで、シニアに上がってから7シーズン続けてグランプリシリーズの表彰台に乗っています。

ファイナルがかかった2戦目のNHK杯。ここで残念ながらショートからジャンプで二つの転倒。まさかの8位発進でフリーで巻き返すも総合順位5位。4位でファイナルが見えていたのですが2シーズンぶりのファイナル進出はなりませんでした。

ファイナルの裏で行われていたチャンレジャーシリーズの最終戦ゴールデンスピンに出場します。ここでもショートのコンビネーションで転倒し70点台となりますが、フリー巻き返して優勝。実はゴールデンスピン2連覇だったりします。

 

年が明けての全米選手権。ショート100点越えは、まあ全米なんでね、という注釈付きにはなりますが、いい出来だったのは事実で、ショートフリートータルすべて、ネイサンチェン選手に次ぐ2位でシーズン後半のチャンピオンシップの出場権を確保しました。

 

四大陸選手権はフリーノーミスの94.78 シーズンベストの3位で折り返します。

フリーは最終滑走。表彰台に乗るにはパーソナルベストが必要という状況で、四回転こそ入りませんでしたが、その他はミスなくまとめて、180.11 現行ルールで初めてフリー180点に乗せて、トータル2位表彰台。チャンピオンシップのメダル獲得となりました。

 

この出来なら世界選手権のメダルも、という可能性が感じられたのですが中止。シーズン終了となりました。

 

 ●ジェイソンブラウン選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
GP Skate America 2 255.09 120.17 134.92 76.84 27.35 15.98
GP NHK Trophy 5 231.27 104.61 130.66 63.16 26.52 14.93
CS Golden Spin 1 242.39 115.84 128.55 72.93 26.81 16.10
4CC Four Continents 2 274.82 136.34 138.48 92.09 27.63 16.62

ジェイソンブラウン選手は、技術点より演技構成点の方が高い選手です。2位表彰台だった四大陸選手権でもTESよりPCSの方が上になっています。

PCSは四大陸で138.48 各要素平均9点で合計135点ですので、平均9点を少し超えたくらいのスコアになります。138.48は全体で4位のスコアです。

ジャンプは一番いい四大陸で92,09 100点まで届きません。ミスが出ると70点台、悪いと60点台にまで落ち込みます。ジャンプだけで見ると普通の選手です。

スピンの27.63は全体の2位でシニア選手中トップ。ステップ系要素の16.62は全体トップです。

スピンステップPCSは世界の頂上におり、ネイサンチェン選手、羽生結弦選手を向こうに回しても、この分野は勝っています、とはっきり言えるものを持つ数少ない選手です。

 

 ●ジェイソンブラウン選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Skate America 2 62.96 46.62 66.64 71.65 71.63 68.26
NHK Trophy 5 56.89 48.49 45.98 69.06 66.67 65.68
Golden Spin 1 59.73 49.40 56.40 69.96 72.20 64.40
Four Continents 2 67.99 52.73 73.82 72.52 74.65 70.42

偏差値で見ると、270点台に乗った四大陸選手権で60台後半まで出ました。

ジャンプの基礎点は四大陸選手権で平均を超えましたが、ほかの三試合は平均割れの40台です。ジャンプの構成の低さはやはり弱点です。

ジャンプの加点は、いい時はしっかり得られていて、スケートアメリカで60台後半。四大陸選手権では73.82という高い偏差値を得ました。ジャンプに関しても、出来栄え勝負の部分ではトップクラスなわけです。ジャンプが苦手というべきか、高難度ジャンプが苦手というべきか。

スピンは安定的に偏差値70前後。ステップも同様で、良い時は偏差値75に近い水準になるという極めて高い評価です。

PCSは通常だと60台というのはむしろ低めに感じてしまいますが、四大陸では偏差値70に乗りました。

四大陸選手権はジャンプの基礎点以外はすべて偏差値70台。出来栄えが非常に良かったことが見て取れます。

 

 

ジェイソンブラウン スケート偏差値

レーダーチャートは非常に特徴的。ジャンプ基礎点の右上が凹む形です。こんなチャートは他の選手で見たことがありません。

この形からジャンプで失敗するとNHK杯のように右側ほとんどない、みたいな形になって点数苦しくなります。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 3F   5.30   2.20 7.50 4.111
Four Continents 2 3A   8.00   2.17 10.17 2.667
Four Continents 3 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
Four Continents 4 3Lz+3T   10.10   1.94 12.04 3.333
Four Continents 5 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.222
Four Continents 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
Four Continents 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
Four Continents   TES   37.00   11.81 48.81  

ショートプログラムの基礎点最高は37.00でした。この値は極めて普通のスコアです。これ、一番最後のジャンプを3Lz-3Tにしてるんですが、後半の1.1倍ボーナスがついていないんですね。たぶん、時間経過の関係で後半になるより前に飛んでしまった、ということなのだと思います。他の試合ではこのタイミングのジャンプで1.1倍ついていましたし。

そのため、本来1.1倍に出来ていたら基礎点は38.01にはなるはずでした。

ただ、男子のトップ選手は、ショートにはまず四回転を入れますので、基礎点40点は普通超えてきます。それと比べるとかなり低い基礎点と言わざるを得ません。

 

この構成で得られる加点はGOEオール満点の時16.4です。なので満点は53.40となります。満点53.40で実際に取った点数が48.81だったわけですから、いかにすごい出来だったのかがよくわかります。

なお、コンビネーションが1.1倍カウントちゃんとされたとしても満点が54.41 この構成で100点を超えるというのはほとんど不可能レベルに近そうなのですが、全米選手権では100点を超えた点数が出ていました。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 3A+2T   9.30   1.83 11.13 2.222
Four Continents 2 2T   1.30   0.04 1.34 0.222
Four Continents 3 3A   8.00   2.17 10.17 2.667
Four Continents 4 3F   5.30   2.12 7.42 4.000
Four Continents 5 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
Four Continents 6 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 2.02 13.79 3.444
Four Continents 7 3F+3T   10.45 x 1.29 11.74 2.444
Four Continents 8 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
Four Continents 9 3Lo   5.39 x 1.40 6.79 2.778
Four Continents 10 FCCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.333
Four Continents 11 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
Four Continents 12 CCSp4   3.20   1.51 4.71 4.667
Four Continents   TES   68.61   18.92 87.53  

フリーの最高基礎点は68.61でした。これもやはり平凡です。

まだ四回転を飛べたことはありませんが、2つ目の要素2Tは4Tを飛びたくて入れています。これが四回転半と飛べた場合は基礎点が8.2上がるので74.81にまでなります。

多くの選手が基礎点80を超えますし、トップは90を超えているところからすると、まだまだ低いですが、まずはその、四回転が入った構成、というのが目指すところなのでしょう。

 

この基礎点68.61の構成の場合、GOE満点で得られる加点は28.85なので、技術点の満点は97.46です。すなわち、この構成で200点を出すのは不可能、という計算になります。

四回転トーループが一本入った場合は加点満点は32.95になって、技術点の満点は107.76になります。これでも、200点に乗せるのは神業レベルが必要そうです。

四回転が入らなかった状態で180点まで乗せた、というこの四大陸選手権はすごかったことがよくわかります。現実的には四回転が一本入ったとして、190点くらいまでが限界でしょうか。

 

●平均GOE+4.000以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Golden Spin FS 12 CCSp4   3.20   1.54 4.74 4.714
Four Continents FS 12 CCSp4   3.20   1.51 4.71 4.667
NHK Trophy FS 12 CCSp3   2.80   1.28 4.08 4.556
Four Continents FS 8 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
Skate America SP 1 3F   5.30   2.35 7.65 4.333
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
Four Continents FS 11 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
Skate America FS 11 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
NHK Trophy FS 11 StSq3   3.30   1.37 4.67 4.222
Four Continents SP 5 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.222
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.222
Golden Spin SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.143
Golden Spin FS 11 StSq4   3.90   1.64 5.54 4.143
Skate America FS 2 3F   5.30   2.20 7.50 4.111
Skate America FS 12 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
Four Continents SP 1 3F   5.30   2.20 7.50 4.111
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
Skate America SP 7 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
Skate America FS 8 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Golden Spin SP 5 CCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
Golden Spin FS 8 ChSq1   3.00   2.10 5.10 4.000
Four Continents FS 4 3F   5.30   2.12 7.42 4.000

ジェイソンブラウン選手は今シーズン国際試合は4試合しか出ていませんが、平均GOE+4以上の評価の要素を集めると、これだけ長いリストになりました。

上の方にはスピンが並びます。CCSp チェンジフットキャメルスピン。平均GOE+4.714は、このスピンの今シーズンの中での最高評価です。

コレオシークエンスやステップも高評価がたくさんあります。四大陸ではショートフリーのステップコレオがすべて平均GOE+4.333以上。ステップのGOE+4.333は全体で2位、コレオシークエンスのGOE+4.556も全体の2位です。

ジャンプは苦手、と思いきや、単独のトリプルフリップは平均GOE+4以上を連発しています。単独のトリプルフリップを飛ぶ選手、というのはそれほど多いわけではないですが、平均GOE+4.000以上を出しているのはジェイソンブラウン選手のみです。

 

●単独のトーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
NHK Trophy FS 2 3T   4.20   1.08 5.28 2.667
Golden Spin FS 2 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -5.000
Four Continents FS 2 2T   1.30   0.04 1.34 0.222

今シーズン、四回転トーループを何とか飛ぼうとしてきていますが、成功はありません。回転が足りたものもなく、回転不足の4T扱いもなく、ダウングレードから、3回転や2回転になったもののみでした。

気持ち的には、ジェイソンブラウン選手が無理に四回転飛ばなくてもよい、と思ったりもするのですが、四回転がないと全米を勝ち抜いてチャンピオンシップの試合に、次のオリンピック二、と出てくるのが大変なのも確かなので、何とか一本だけでも飛べるようになってもらえたらいいなと思います。

 

アクセルジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America SP 2 1A* * 0.00   0.00 0.00  
Skate America FS 1 3A+2T   9.30   1.14 10.44 1.333
Skate America FS 3 3A   8.00   1.94 9.94 2.444
NHK Trophy SP 2 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
NHK Trophy FS 1 3A+2T   9.30   0.34 9.64 0.444
NHK Trophy FS 3 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000
Golden Spin SP 2 3A   8.00   1.92 9.92 2.571
Golden Spin FS 1 3A+2T   9.30   2.24 11.54 2.714
Golden Spin FS 3 3A   8.00   1.92 9.92 2.143
Four Continents SP 2 3A   8.00   2.17 10.17 2.667
Four Continents FS 1 3A+2T   9.30   1.83 11.13 2.222
Four Continents FS 3 3A   8.00   2.17 10.17 2.667

四回転がなくてもトリプルアクセルがしっかり決まれば、この選手は上位で戦うことは出来ます。

ただ、トリプルアクセルの成功率がそれほど高くないという現実がシーズン前半にはありました。

スケートアメリカのショートはシングルアクセルになって零点。NHK杯は転倒二つです。

ゴールデンスピン以降はショートフリーで3回とも成功させてGOEも+2台。これが決まってくれると、全体の出来が良いので、すごく印象の良いプログラムになります。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America FS 7 3F+2T+2Lo   9.13 x 1.21 10.34 2.222
NHK Trophy FS 6 3Lz!+1Eu+3S ! 11.77 X 0.67 12.44 1.222
Golden Spin FS 6 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.53 13.30 2.571
Four Continents FS 6 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 2.02 13.79 3.444

三連続ジャンプはスケートアメリカだけフリップからでしたが後はルッツから。すべて加点付きの成功です。

トリプルルッツ起点の三連続、というのもそれほど多くの選手が飛ぶわけでもないですが、+3.444という評価はトリプルルッツ起点の三連続として今シーズンの最高評価です。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
Skate America FS 8 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Skate America FS 11 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
NHK Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.778
NHK Trophy FS 8 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
NHK Trophy FS 11 StSq3   3.30   1.37 4.67 4.222
Golden Spin SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.143
Golden Spin FS 8 ChSq1   3.00   2.10 5.10 4.000
Golden Spin FS 11 StSq4   3.90   1.64 5.54 4.143
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
Four Continents FS 8 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
Four Continents FS 11 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333

ステップとコレオはものすごい評価が並んでいます。どちらも平均GOEが+3台に落ちたのは1度だけ。あとは+4以上を出しています。

また、ステップのレベル4率も極めて高く、レベル3になったのはNHK杯フリーの一回だけ。ここまで高いステップレベル4率を誇る選手は他にいません。

 

●CCSp チェンジフットキャメルスピン

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate America SP 5 CCSp4   3.20   1.19 4.39 3.444
Skate America FS 12 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.111
NHK Trophy SP 5 CCSp4   3.20   1.28 4.48 3.778
NHK Trophy FS 12 CCSp3   2.80   1.28 4.08 4.556
Golden Spin SP 5 CCSp4   3.20   1.28 4.48 4.000
Golden Spin FS 12 CCSp4   3.20   1.54 4.74 4.714
Four Continents SP 5 CCSp4   3.20   1.33 4.53 4.222
Four Continents FS 12 CCSp4   3.20   1.51 4.71 4.667

スピンから一つだけ取り出しました。

チェンジフットキャメルスピン。平均GOE+4.667という高い評価を四大陸選手権で得ました。これはこのスピンの中で今シーズン全選手のトップ評価です。

スピンは今シーズン24回実施で1度だけレベル3があり、あとはすべてレベル4でした。レベル4率100%とはいきませんでしたが、さすが高いレベルで安定しています。

 

 

すっかりベテランの域に入ってきたジェイソンブラウン選手。親日家で国別対抗戦など含め日本の試合に多く出場してくれて、日本でのファンも多く毎シーズン活躍しているように見えるのですが、実は世界の舞台での結果は今一つ出せていませんでした。

グランプリシリーズこそシニアに上がってから毎シーズン表彰台に上がっていますが、ファイナルに進んだのは1度だけ。その1度も6位に終わっています。オリンピックはソチには出場しましたが、平昌は出場ならず。世界選手権の出場も実は3回だけで、隔年での出場になっていて、毎年出ているわけではありません。

そんなブラウン選手ですが、今シーズンは四大陸選手権というチャンピオンシップ大会でのメダル獲得が叶いました。四大陸での表彰台は二度目。前回は3位でしたので、2位は最高位となります。

 

ブラウン選手がシニアに上がったのはソチオリンピックのシーズンでした。ちょうど男子では四回転時代に入っていたころ。羽生選手が、四回転一種類では勝てないと二種類目のサルコウの習得を目指していたころです。

一世代前ならブラウン選手の完成度で圧倒的な強さを世界で誇っていたようにも感じられるのですが、今や四回転二種類では勝てず、三種類で表彰台、勝つには四種類五本という時代になってきました。

時代に合わなかったのかなあ、とも思うのですが、そういって終わってしまうのはあまりにももったいない他の要素の水準の高さがあります。常に世界の舞台にはいてほしい選手。

クリケットクラブのオーサー先生の下に移って2シーズンになるでしょうか。ここには羽生選手をはじめ、四回転を飛ぶ選手が何人もいました。一方で、オーサー先生は、高難度ジャンプばかりを追い求めていくことにはあまり賛成ではないとも聞きます。そういったあたりから、ほかの要素で極めて高い水準にありつつ四回転を飛べるようになりたい、というブラウン選手には、ちょうどいい環境なのではないかなと思います

来シーズン以降、四回転をプログラムに加えて、トータルバランスの整った選手として、世界の舞台に立ち続けてほしいです。