前回ショートプログラムがありましたので、当然次はフリープログラムが来ます。
対象とする大会はトータルスコアの時と同じです。
左から二番目のJ/Sはジュニアかシニアかの区分け。ショートプログラムのスコアはTSSの欄です。TESは技術点、PCSは演技構成点です。Deductionは減点。
J/S | Event | Name | Nation | TSS | TES | PCS | Deduction | |
1 | S | Nebelhorn Trophy | Alina ZAGITOVA | RUS | 158.50 | 83.54 | 74.96 | 0.00 |
2 | S | World Championships | Alina ZAGITOVA | RUS | 155.42 | 81.16 | 74.26 | 0.00 |
3 | S | NHK Trophy | Rika KIHIRA | JPN | 154.72 | 87.17 | 67.55 | 0.00 |
4 | S | World Team Trophy | Elizaveta TUKTAMYSHEVA | RUS | 153.89 | 82.15 | 71.74 | 0.00 |
5 | S | Four Continents | Rika KIHIRA | JPN | 153.14 | 82.74 | 70.40 | 0.00 |
6 | S | World Championships | Rika KIHIRA | JPN | 152.59 | 82.63 | 70.96 | 1.00 |
7 | S | World Team Trophy | Bradie TENNELL | USA | 150.83 | 79.64 | 71.19 | 0.00 |
8 | S | Grand Prix Final | Rika KIHIRA | JPN | 150.61 | 78.21 | 72.40 | 0.00 |
9 | J | World Junior Championships | Alexandra TRUSOVA | RUS | 150.40 | 86.96 | 64.44 | 1.00 |
10 | S | World Championships | Evgenia MEDVEDEVA | RUS | 149.57 | 76.60 | 72.97 | 0.00 |
11 | S | World Championships | Elizabet TURSYNBAEVA | KAZ | 148.80 | 78.97 | 69.83 | 0.00 |
12 | S | Grand Prix Final | Alina ZAGITOVA | RUS | 148.60 | 75.90 | 72.70 | 0.00 |
13 | S | Ondrej Nepela Trophy | Rika KIHIRA | JPN | 147.37 | 81.05 | 66.32 | 0.00 |
14 | S | UNIVERSIADE | Elizabet TURSYNBAEVA | KAZ | 147.20 | 80.12 | 68.08 | 1.00 |
15 | J | World Junior Championships | Anna SHCHERBAKOVA | RUS | 147.08 | 80.79 | 66.29 | 0.00 |
16 | J | JGP Armenia Cup | Alexandra TRUSOVA | RUS | 146.81 | 85.27 | 61.54 | 0.00 |
17 | J | Amber Cup | Alexandra TRUSOVA | RUS | 146.70 | 86.26 | 61.44 | 1.00 |
18 | S | World Team Trophy | Kaori SAKAMOTO | JPN | 146.70 | 74.80 | 71.90 | 0.00 |
19 | S | GP Helsinki | Alina ZAGITOVA | RUS | 146.39 | 74.28 | 72.11 | 0.00 |
20 | S | World Championships | Kaori SAKAMOTO | JPN | 145.97 | 72.71 | 73.26 | 0.00 |
21 | S | Skate America | Satoko MIYAHARA | JPN | 145.85 | 75.00 | 70.85 | 0.00 |
22 | S | World Championships | Satoko MIYAHARA | JPN | 145.35 | 75.18 | 70.17 | 0.00 |
23 | S | UNIVERSIADE | Mai MIHARA | JPN | 144.76 | 75.40 | 69.36 | 0.00 |
24 | S | Grand Prix Final | Elizaveta TUKTAMYSHEVA | RUS | 144.67 | 78.06 | 66.61 | 0.00 |
25 | S | World Championships | Bradie TENNELL | USA | 143.97 | 75.69 | 68.28 | 0.00 |
26 | S | NHK Trophy | Satoko MIYAHARA | JPN | 143.39 | 71.89 | 71.50 | 0.00 |
27 | S | NHK Trophy | Elizaveta TUKTAMYSHEVA | RUS | 142.85 | 76.21 | 66.64 | 0.00 |
28 | S | Skate America | Kaori SAKAMOTO | JPN | 142.61 | 75.41 | 67.20 | 0.00 |
29 | S | Rostelecom Cup | Alina ZAGITOVA | RUS | 142.17 | 68.68 | 73.49 | 0.00 |
30 | S | Four Continents | Mai MIHARA | JPN | 141.97 | 74.64 | 67.33 | 0.00 |
31 | S | Challenge Cup | Rika KIHIRA | JPN | 141.90 | 77.42 | 64.48 | 0.00 |
32 | J | Junior Grand Prix Final | Alena KOSTORNAIA | RUS | 141.66 | 74.37 | 67.29 | 0.00 |
33 | S | Grand Prix Final | Kaori SAKAMOTO | JPN | 141.45 | 74.45 | 68.00 | 1.00 |
34 | S | European Championship | Sofia SAMODUROVA | RUS | 140.96 | 72.44 | 68.52 | 0.00 |
35 | J | Junior Grand Prix Final | Alexandra TRUSOVA | RUS | 140.77 | 79.41 | 62.36 | 1.00 |
36 | S | Lombardia Trophy | Elizaveta TUKTAMYSHEVA | RUS | 140.38 | 72.30 | 68.08 | 0.00 |
37 | S | GP Helsinki | Kaori SAKAMOTO | JPN | 140.16 | 72.96 | 67.20 | 0.00 |
38 | S | Four Continents | Elizabet TURSYNBAEVA | KAZ | 139.37 | 75.97 | 64.40 | 1.00 |
39 | S | World Team Trophy | Sofia SAMODUROVA | RUS | 138.84 | 73.86 | 64.98 | 0.00 |
40 | S | World Team Trophy | Rika KIHIRA | JPN | 138.37 | 70.67 | 69.70 | 2.00 |
41 | S | France de Patinage | Rika KIHIRA | JPN | 138.28 | 72.23 | 66.05 | 0.00 |
42 | S | Nebelhorn Trophy | Mai MIHARA | JPN | 138.28 | 72.92 | 65.36 | 0.00 |
43 | S | World Championships | Sofia SAMODUROVA | RUS | 138.16 | 71.87 | 66.29 | 0.00 |
44 | S | Autumn Classic | Bradie TENNELL | USA | 137.15 | 68.51 | 68.64 | 0.00 |
45 | S | Skate Canada | Evgenia MEDVEDEVA | RUS | 137.08 | 66.52 | 70.56 | 0.00 |
46 | S | World Championships | Mariah BELL | USA | 136.81 | 69.15 | 67.66 | 0.00 |
47 | S | Bavarian Open | Satoko MIYAHARA | JPN | 136.77 | 71.75 | 65.02 | 0.00 |
48 | S | Skate Canada | Mako YAMASHITA | JPN | 136.76 | 71.67 | 65.09 | 0.00 |
49 | S | France de Patinage | Bradie TENNELL | USA | 136.44 | 71.50 | 64.94 | 0.00 |
50 | S | Grand Prix Final | Sofia SAMODUROVA | RUS | 136.09 | 72.82 | 63.27 | 0.00 |
51 | S | NHK Trophy | Mariah BELL | USA | 135.99 | 71.42 | 64.57 | 0.00 |
52 | S | UNIVERSIADE | Stanislava KONSTANTINOVA | RUS | 135.66 | 68.46 | 67.20 | 0.00 |
53 | S | World Team Trophy | Mariah BELL | USA | 135.17 | 68.80 | 67.37 | 1.00 |
54 | S | GP Helsinki | Stanislava KONSTANTINOVA | RUS | 135.01 | 73.57 | 61.44 | 0.00 |
何点まで拾うかちょっと迷いましたが、135点以上で拾いました。これで54例。ショートプログラム70点以上が53例なのとほぼ同じ数字になります。全体的に、ショートの2倍よりはやや小さくなる、というのが女子のフリーのスコアの傾向なようです
160点以上はなし。ショートプログラムで80点以上が3人で5例ありましたから、上位だけはフリーでショートの2倍を超える、ということもなく、女子のフリーはショートの2倍よりやや小さくなる、というのがこの辺でも出ています。
150点以上は5人で9例。
そのうち4例が紀平選手だったりしますが、1位2位のスコアはザギトワ選手でした。ベストスコアがチャレンジャーシリーズのネーベルホルン杯というのはちょっと残念な感じがしますが、2番目のスコアは世界選手権のフリーでした。この二試合の演技構成点、74.96および74.26というのが、今シーズンの全選手の中での1位2位でもあります。ザギトワ選手は今シーズン国際試合に6試合出ていますが、フリーをノーミスで滑ったのはネーベルホルン杯と世界選手権の2試合だけです。この二試合では基礎点が64.94あります。
紀平選手はNHK杯の154.72がベストスコア。この試合の技術点87.17というのが、今シーズンの全選手の中での最高の技術点になります。今シーズン国際試合には8試合出ていますが、フリーで本当の意味でのパーフェクトはNHK杯のみです。この時の基礎点が68.75ありました。紀平選手とザギトワ選手では、ノーミス時の技術点の基礎点が3.81差があるわけです。基礎点が68.75あった試合はもう一試合世界選手権がありますが、この時は二つ目のトリプルアクセルが決まりませんでした。次に基礎点が高かったのはオンドレイネペラ杯の68.35ですが、この時はスピンでレベルの取りこぼしが出ています。四大陸選手権はフリーで好演技での逆転優勝ですが、トリプルアクセル1本ですので、基礎点派66.95どまりです。あとの4試合は回転不足があったり構成自体を下げていたりで、ザギトワ選手の64.94よりも基礎点で劣ります。パーフェクト演技をしたザギトワ選手に勝つには、最低でもトリプルアクセルが2本必要。3本跳べれば勝ち、というのが今の力関係のように見えます。
トゥクタミシェワ選手が国別対抗戦の演技で4番目のスコアです。この時の基礎点は65.71 3連続ジャンプが入らなかったので、2T一本分損しています。基礎点だけならグランプリファイナルの方が66.54と、より高いスコアでした。ただ、この時もステップがレベル3なので、基礎点時点から満額取れてはいません。とはいえ、そういった多少のミスがあって、基礎点段階ではザギトワ選手の上に出ることができる数少ない選手の一人です。紀平選手と比べると、紀平選手は3A、3Lzが2本の構成なのに対して、トゥクタミシェワ選手は3Lz,3Tが2本の構成なので、ジャンプ構成が弱く、そこが差になっていますが、紀平選手が3A一本構成にした場合はほぼ差がなくなります。
150点越えを北米選手で唯一、国別対抗戦でブレイディテネル選手が出しました。テネル選手は3Aはなく、セカンド3Loもない構成の基礎点63.13から79.64の技術点を出し、150.83と150点に乗せました。
もう一人の150点超えがジュニアからトゥルソワ選手。彼女は、転倒1がありながら150点越えというスコアを出しています。彼女は構成難易度が高すぎるせいもありノーミス試合は一度もないのですが、ベストスコアを出した世界ジュニアでは基礎点が78.71という恐ろしい値になっています。紀平選手の一番高い基礎点で68.75ですから、基礎点段階で10点上にいるわけです。ザギトワ選手比では14点近い差です。回転不足の4Lz1本に4Tが2本、3Lz2本で1.1倍ボーナスの3Lz-3Lo付き。なんなんでしょうこれ・・・。彼女は国際試合4試合すべてで基礎点が70点を超えています。3試合は78点台の基礎点。しかも、ジュニアカテゴリーのため、コレオシークエンス抜きでこの基礎点です。コレオの3.0を加えると基礎点が80点超えます。ノーミスで滑られたら誰も勝てません。トゥルソワ選手はこのベストスコアの時を含め、技術点で85点を超えた試合が3試合もあります。技術点85点越えを複数回出しているのは彼女だけです。単純計算で、コレオシークエンスでGOE+3くらい出すと90点に乗ってしまうというとてつもない水準にいます。あとは、シニアに上がってもあの滑りを続けられるのかどうか、というのが問われます。
145~150点のスコアは8人が13回出しています。
この領域にベストスコアがあるのは、メドベージェワ選手、トゥルシンバエワ選手、シェルバコワ選手と坂本選手宮原選手という5人までです。
メドベージェワ選手は今シーズンいまいち振るわなかったのですが、最後の世界選手権で何とか意地を見せての三位表彰台。フリーのベストスコアは当然この試合で149.57を出しました。技術点は76.60とそれほど極端によいスコアではありませんでした。基礎点は61.81 ダブルアクセルで回転不足があり、その分基礎点が低いのと、二回跳ぶジャンプが3Fと3Loとなっていて、3Lzがないあたりも基礎点の低さにつながっていますし、1.1倍ボーナスジャンプが2A-3T,3F,2Aというのは、かなり控えめです。トゥルソワ選手とは基礎点段階で17点ほど差がついてしまうのですが、来シーズンどう戦っていきましょう
トゥルシンバエワ選手は今シーズン年が明けてから一気に飛躍しました。初めて四回転に公式戦で挑んだ四大陸選手権で139.37の好スコアを出し、フリー1位だったユニバーシアードは147.20 世界選手権ではさらにそれを上回っての148.80を記録しています。世界選手権では4回転を決めたので、さぞかし高い基礎点なのかと思いきや、64.79ということで、ザギトワ選手より低いですし、他の3A以上のジャンプがない選手と比べてもそれほど大きな差は出せていません。2回跳ぶジャンプが3Sと3Tの予定で、かつ、3Tが一つ抜けてしまった、ということで基礎点が意外と伸びませんでした。基礎点が一番高かったのはユニバーシアードで69.41ありました。レベル取りこぼしなく、予定のジャンプ要素をすべて回り切れば、紀平選手の68.75の上まで行けるわけです。4Sが入ることの他に、コンビネーションジャンプ三つがすべて1.1倍ボーナスタイムということも効いています。彼女は世界選手権で2位表彰台に立ちましたが、PCSのスコアは69.83でした。こちらの面でまだ伸びしろがある状態でいます。
ジュニアの二番手シェルバコワ選手が147.08のスコアを世界ジュニアで出しています。ただ、彼女は今シーズン国際大会は4試合出て、世界ジュニア以外では132.21が最高でした。145点以上を3回出しているトゥルソワ選手と比べると、ベストスコアだけでなく安定度の点でかなり見劣りする状態です。ベストの時のフリーのジャンプ構成は4Lzが入り、3Lzと3Fが2回跳ぶジャンプで、セカンド3Loあり、1.1倍ボーナスタイムに3連続含むコンビネーション二つという、やはり超高難度構成で基礎点が70.01でした。ステップがレベル3で取りこぼし。基礎点が70点を超える構成を今シーズン組んだのは、トゥルソワ選手以外では、シェルバコワ選手のこの世界ジュニアの構成のみでした。
坂本選手が国別対抗戦で146.70のベストスコア、その前の世界選手権の145.97もそれに次ぐスコアです。ただ、この二試合は、出来としては今一つな部分がありました。国別対抗戦は基礎点61.63 ステップがレベル3 世界選手権は基礎点56.95 フリップが1回転になったのがあまりにも痛かったです。基礎点56.95から、よく145点までもって来たなという印象ですが、彼女の世界選手権で得たPCS73.26というスコアは、今シーズンザギトワ選手のみが上回ることができたもので、PCSの高さで140点台後半までもって来たという構図です。基礎点が最も高かったのはスケートアメリカとグランプリファイナルの62.23 2回跳ぶジャンプがフリップとトーループ。上位選手の中では見劣りする構成になっています。紀平選手とは基礎点段階で6.52の差がついてしまいますので、来シーズンはトリプルアクセルを飛ばせる、という中野先生の言葉は、その辺を意識したものになってきているかと思われます。
宮原選手がその下で145点台を二つ並べています。ベストはスケートアメリカの方で、この時の基礎点は61.91 ステップがレベル3でした。世界選手権は同じ構成でステップもちゃんとレベル4 になり62.51の基礎点。基礎点段階では坂本選手より上です。二回跳ぶジャンプは3Lzと3T 構成の面では3A以上の超人たちよりは落ちますが、セカンドループ勢よりやや劣るくらいで、セカンドトーループの常人クラスのなかではしっかりトップの構成です。150点まで届かなかったのは、どうしてもどの試合もジャンプでミスが出てしまうことと、意外と伸び切らなかったPCSのためでしょうか。PCSがNHK杯こそ71.50ありましたが、世界選手権では70.17で全体の5番目。PCSで紀平選手坂本選手の下になってしまうと、ちょっと苦しい感じです。75+150=225点くらいまでなら勝負出来て、今シーズンの水準なら2位争いまでは出来たところなのですが、ちょっと残念でした。
140~145点のスコアは10人が15回出しています。トゥクタミシェワ選手と坂本選手が3回づつ。三原選手が2回だしています。
というわけで日本人選手の中で4番手として三原選手。ユニバーシアードの144.76がベストスコア。ISU公認試合では四大陸選手権の141.97がベストです。145点以上を複数回出している坂本宮原両選手、150点以上を4回出した紀平選手と比べると、少し差があります。基礎点が一番高かったのは四大陸選手権の時で61.72 冒頭のコンビネーションジャンプが回転不足でした。三原選手は今シーズン国際試合5試合のフリーすべてで回転不足あるいは回転が抜けての2回転というジャンプがありました。見た目にはきれいな演技でミスが全くなく印象が良いのですが、技術点が低く出てしまう、というのがこういうところであります。回転不足が起きたのはコンビネーションジャンプの二つ目の3T、回転が抜けるのは最後のサルコウジャンプ、と決まっていました。改善しどころがはっきりしているので、来シーズンはそこを改良していくと宮原選手坂本選手の得点領域に近づくことができます。あとはPCS ユニバーシアードの69.36が最高。ISU公認試合だと四大陸選手権の67.33が最高。これだとPCSで5点くらい差がついてしまうので、ここの向上も求められます。こうやって見ると、トータルバランスでちょっとづつ日本の三強と差があるんだなあ、というのが見て取れてしまいます。
ジュニアの三番手でコストルナヤ選手がここにいます。ジュニアグランプリファイナルの141.66がベストスコア。技術点は74.37まで伸びていますが、基礎点を見ると59.23しかありません。ジュニアカテゴリーのため、コレオシークエンスの3.0分がシニア選手より少ないため60点にも乗らない基礎点となっています。また、二回跳ぶジャンプがフリップとトーループになっていて構成的にもトップよりは弱いのも事実です。一方で、演技構成点はジュニア選手中随一で、ジュニアグランプリファイナルでは67.29というスコアを出しています。
サムドゥロワ選手は140.97のヨーロッパ選手権優勝フリーがベストスコアです。これはロシアの選手の中では7番手のベストスコア。基礎点も61.11どまりでした。ヨーロッパ選手権ではステップがレベル3でした。演技構成点も68.52が最高で、上位と比べるとやや見劣りするのも現実です。
135~140点のスコアは10人が17回だしています。ここの中で、マライアベル選手、山下真瑚選手、コンスタンティノワ選手が新たに入ってきます。
マライアベル選手は北米選手の中ではブレイディテネル選手に次ぐ2番目のスコアです。世界選手権136.81 NHK杯135.99 国別対抗戦135.17と3回、この付近のスコアを出しています。一番基礎点が高かったのはNHK杯の59.91 今シーズンは7回国際大会に出場していますが、一度も基礎点が60点に届きませんでした。
山下選手は表彰台に乗ったスケートカナダでの136.76がベスト。この時に基礎点が61.12と60点台に乗っていますが、3Loで回転不足とステップがレベル3 まだもう一伸びある水準です。また、シニアデビューシーズンの今シーズンはPCSがそれほど伸びませんでした。緒戦のアジアンオープンでは57.04というジュニア扱いみたいなスコアで始まっていて、ベストスコアのスケートカナダでも65.09に抑えられています。PCSが60点台後半、出来れば70点にまで伸びてくれば、技術点で多少伸びなくてもグランプリシリーズくらいなら上位で争えるのですが、60点前後のPCSだとちょっと苦しくなります
ロシアのコンスタンティノワ選手は、ユニバーシアードの135.66がベストスコアでした。ISU公認大会ではグランプリシリーズのヘルシンキ大会で135.01を出しています。ロシア選手の中では8番目のスコアです。ヨーロッパ選手権には出場しましたが、132.96とあまりいいスコアは出ていません。ちょっとこれだと世界選手権には選びにくかっただろうなあ、というスコアでした。
最後に、135点以上のスコアを出した16選手の、構成の特徴、点の取り方の特徴を見てみます。
下記表は左から、ベストスコア、四回転があるか、トリプルアクセルがあるか、コンビネーションの二つ目にトリプルループがあるか、2回跳ぶ3回転以上のジャンプはなにか、一番いい基礎点は何点だったか、一番いい演技構成点は何点だったか、というものです。PCS以外は一番いい基礎点の時の構成でどうだったか、を見ます。また、それらは合計点でベストスコアが出た試合かどうかは無関係とします。
TSS | 4Lz/S/T | 3A | 2ndLo | Jump | Base Value | PCS | |
Alina ZAGITOVA | 158.50 | Lz-Lo | 3Lz 3F | 64.94 | 74.96 | ||
Rika KIHIRA | 154.72 | 2 | 3A 3Lz | 68.75 | 72.40 | ||
Elizaveta TUKTAMYSHEVA | 153.89 | 1 | 3Lz 3T | 66.54 | 71.74 | ||
Bradie TENNELL | 150.83 | 3Lz 3T | 63.13 | 71.19 | |||
Alexandra TRUSOVA | 150.40 | 4Lz 4T2 | Lz-Lo | 4T 3Lz | 78.71 | 64.44 | |
Evgenia MEDVEDEVA | 149.57 | S-Lo | 3F 3Lo | 61.81 | 72.97 | ||
Elizabet TURSYNBAEVA | 148.80 | 4S | 3S 3T | 69.41 | 69.83 | ||
Anna SHCHERBAKOVA | 147.08 | 4Lz | F-Lo | 3Lz 3F | 70.01 | 66.29 | |
Kaori SAKAMOTO | 146.70 | 3F 3T | 62.23 | 73.26 | |||
Satoko MIYAHARA | 145.85 | 3Lz 3T | 62.51 | 71.50 | |||
Mai MIHARA | 144.76 | 3Lz 3T | 61.72 | 69.36 | |||
Alena KOSTORNAIA | 141.66 | 3F 3T | 59.23 | 67.29 | |||
Sofia SAMODUROVA | 140.96 | 3F 3T | 61.71 | 68.52 | |||
Mariah BELL | 136.81 | 3Lz 3F | 59.91 | 67.66 | |||
Mako YAMASHITA | 136.76 | 3Lz 3T | 61.12 | 65.09 | |||
Stanislava KONSTANTINOVA | 135.66 | 3Lz 3F | 62.28 | 67.20 |
4回転があると基礎点で70点前後、4回転が三本もあると70点台後半まで行きます。3Aまでだと60点台後半。3Aがないとセカンドループを入れてあれこれ手を尽くしても64.94のザギトワ選手が最高でそこまで。セカンドループもないと60点台前半で、あとはどれだけミスなく滑っているかで差がついている、という状態なようです。
4回転3本がシニアに上がってくることを考えると、それに勝つには、最低でもトリプルアクセルはないと話にならない、という感じになりそうですね、という感想になる今シーズンでした。