卓球 201910世界ランキングと東京オリンピック選考ポイント(女子)

卓球の世界ランキングが10月度版に更新されました。女子は上位陣のランキング順位に変動はありません。中国選手が上位6位までを占め、7位に伊藤美誠選手、8位石川佳純選手、9位に平野美宇選手の順です。8位と9位の間というのは、結構意味として大きな差があって、8位までならどんな大会でも準々決勝まで上位8選手と当たらないけれど、9位以下は上位8人の誰かに勝たないとベスト8い上がれない、ということで、トーナメント戦において、一つシード階層が変わってきます。なので、平野選手はその点でちょっとだけ上二人よりも苦しむ組み合わせになりがちです。まあ、卓球の場合、ランキングが全然下でもなんだか強い中国選手、というのが山ほどいるのであまり影響ないような気がしたりもしますけれど。

 

さて、今現在、日本人選手にとっては、世界ランキングそのものよりも、東京オリンピックに選考されるためのポンと、の方が重要だったりします。そちらの方を見ていきたいと思います。

 

9月にはランキングポイントに影響するような主な大会は二つありました。チャレンジシリーズのプラスグレードの大会がパラグアイで行われ、もう一つ、アジア選手権インドネシアで行われています。その辺の結果をまず見てみます。

 

 

チャレンジプラス(PAR)

アジア選手権(INA)

伊藤美誠

出場無し

出場無し

平野美宇

出場無し

ベスト8(900)

石川佳純

出場無し

ベスト8(900)

佐藤瞳

出場無し

ベスト16(720)

加藤美優

出場無し

ベスト16(720)

早田ひな

優勝(1100)

出場無し

芝田沙希

出場無し

ベスト32(540)

橋本帆之香

準優勝(880)

出場無し

 

上位選手の中で伊藤美誠選手のみ9月は出場無し。他の選手はチャレンジシリーズかアジア選手権かどちらかに出場しています。成績は、なんというか、上からランキングをそのまま反映したような形になりました。早田選手はパラグアイのチャレンジプラスの試合で優勝。今季チャレンジシリーズで3勝目、大きくポイントを稼ぎました。チャレンジプラスでの優勝は、アジア選手権のベスト8よりもポイントが大きく、9月に稼いだポイントは早田選手が最大です。

 

では、9月終了時点での東京オリンピック選考ポイントを見ていきます。

 

 

当月ポイント

先月ポイント

8番目

7番目

伊藤美誠

10865

10865

900

900

平野美宇

10175

10175

900

900

石川佳純

9855

9855

900

900

加藤美優

7195

7015

550

675

佐藤瞳

7135

7135

720

720

早田ひな

6625

5975

540

540

芝田沙希

5720

5720

675

675

橋本帆乃香

5115

4575

450

540

 

上位3選手は獲得ポイントを伸ばせませんでした。ランキングポイントの8番目でも900あるので、それより高いポイントを得ないと、総ポイントが増やせない、という状態にあり、獲得ポイントを増やすのも容易ではありません。

加藤美優選手がアジア選手権ベスト16のポイントを得て佐藤選手を上回り4番手に上がりました。それでも3番手の石川佳純選手との差は2660ポイントと大きなものがあります。

増加ポイント最大は650ポイント増加させた早田選手。3位石川選手との差は3230ポイント、2位平野選手とは3550ポイント。まだまだかなり大きな差です。

 

10月は、1週目からワールドツアーがスウェーデンで行われ、2週目はツアーのプラチナ大会がドイツで行われます。3週目にチャレンジシリーズがポーランドである一方で、ワールドカップが中国で開催されます。

大きな大会が複数あるので、ここで差が詰まる可能性がある一方、加藤選手以下の選手はここで大きなポイントを得ないと、ほとんど東京オリンピック出場は絶望的になる、という瀬戸際の時期になってきました。

 

スウェーデンオープンでは一回戦から予選勝ち上がりの早田選手が平野選手と、同じく予選勝ち上がりの佐藤選手が伊藤選手とぶつかる、という場面があり、下位選手はここで勝てれば直接上位を叩ける(上位選手のポイント増加を阻める)という場面だったのですが、結果は順当にランキング上位の平野選手伊藤選手が勝ち。さらに2回戦で平野選手伊藤選手の直接対決、という場面もあったのですが、ここもランキング上位の伊藤選手の勝ち、となりました。結果的にスウェーデンオープンでポイントをしっかり伸ばせたのは、オリンピックポイント首位の伊藤美誠選手のみ、ということになり、差が広がる形となりました。

 

2週目のプラチナプラスのドイツオープンには、オリンピックポイント上位8選手はすべてエントリーで、伊藤石川平野佐藤4選手は本選から、それ以外の選手は予選からとなっています。

3週目のポーランドで行われるチャレンジシリーズには芝田早田橋本3選手がエントリーで3選手とも本線から出場です。

また同じ週のワールドカップには石川平野2選手がエントリーしています。

ワールドカップは優勝で2550ポイント、レギュレーションの関係で中国選手は2名しか出てこないこの大会は、大きくポイントを稼ぐチャンスです。現在二番手三番手の平野石川遼選手は、伊藤選手との差をここで一気に詰める、あるいは逆転する可能性があります。