B級大会への派遣(19-20シーズン)

毎年恒例、1月の後半あたりになってから出てくる、2月3月の国際試合、いわゆるB級大会への派遣選手が発表されました。

今年は2試合だけなようですね

 

各種報道見ればいいのですけど、ページ内に記載がないと分かりにくいでしょうからここでも記載します

 

チャレンジカップ 2/20~23

宇野昌磨(S1) 田中刑事(S4) 吉岡希(S19 J5)

紀平梨花(S1) 横井ゆは菜(S5) 吉岡詩果(S10 J5)  千葉百音(S18 J6) 畑崎李果(J4 N1)

 

クープドプランタン 3/13~15

友野一希(S6) 山本草太(S7) 須本光希(S8)

川畑和愛(S3 J2) 坂本花織(S6) 浦松千聖(S15 J7) 吉田陽菜(S19 J3) 山根有加里(J24 N2)

 

名前の横のS,J,Nは、Sはシニア、Jはジュニア、Nはノービスの19年全日本での順位を示します

 

全日本の各カテゴリーの上位選手が派遣される、という形で、その中で希望がなかった選手は入っていない、といういつものスタンスなようです

 

近い時期の試合として四大陸選手権が2/4~9でチャレンジカップの二週間前。世界ジュニアは3/2~8でチャレンジカップの二週間後でクープドプランタンの前週。世界選手権は3/16~22でクープドプランタンの翌週となっています。

 

まず目立つのは、四大陸を辞退した宇野選手の名前があることでしょうか。スイスに拠点を移した宇野選手にとって、ソウルにまで来て試合をするのと、オランダでの試合はずいぶん距離感が違うでしょうから世界選手権前に一戦したい、というのがあるのであれば、四週間前のこの時期のこの場所での試合、というのはちょうどよかったのでしょうか。

紀平梨花選手は、足痛くないの? と聞きたくなるくらいに試合でますね。四大陸もタイトル持ってますし、出なくてよかったんじゃ? と思ったりしていましたが、プラスアルファでB級試合まで入れてきました。まあ、昨シーズンも、出なくていい西日本選手権に出たりしてますし、試合数多めで調整していきたいタイプなようなので、中二週で次の試合、なんてのは苦にしないのでしょうけれど、足は平気なの? というのは心配です。

横井選手はシーズンベストスコア24位、世界ランキング34位という非常に微妙な立場です。おそらくシーズンベストスコアはこの先のチャンピンシップ4大会で誰かに抜かれて25位以下に落ちます。世界ランキングも、B級大会一試合優勝しても、最高でも一瞬25位まで上がることしかできません。なので、24位以内のグランプリ枠1つ確定、というのはどちらのコースでも得られないのですけれど、24位に非常に近いところで二つ、となると、まあ高確率で2枠回って来るのでその状態を作りたい。それに、全日本5位なのに四大陸ももらえなかったので、これ出ないとシーズン後半、国際試合無しで終わってしまうんですよね。なので、出ないという選択肢はなかったでしょう

 

この時期のB級試合、ジュニアの選手は派遣されるとの発表だけがあって、出る試合がジュニアかシニアかよくわからなかったりします。ただ、チャレンジカップの男女のダブル吉岡選手は年齢的にシニア戦でしょうか。千葉選手はまだ年齢的にはシニア戦には出られなかったと思います。ノービスの畑崎選手は、アドバンスドノービスでの出場でしょうか。ノービス組ながら全日本ジュニア四位という次世代のホープチャレンジカップってエキシビジョンやりませんかねえ? 国際舞台でキューティーハニーってのも面白いと思うのですけれど。

昨シーズンは、女子シングルで、シニア紀平梨花、ジュニア横井ゆは菜、アドバンスドノービス本田紗来、男子シングル、シニア山本草太、ジュニア佐藤駿、と主要五部門すべて日本人選手が優勝、というのをやってきたのですが、今シーズンはどうでしょう? (男子のアドバンスドノービスはエントリーなしでした)

 

クープドプランタンは男子はシニアの中堅選手三人。

女子は、川畑選手がエントリーというのはちょっと驚きでした。来シーズンを見据えてシニアの国際試合に出ておきたいところではあるのですが、クープドプランタンは世界ジュニアの翌週。スケジュール的にはだいぶ厳しいのですが、世界ランキングが72位、シーズンベストスコア49位、という状況では来シーズンシニアに上がってもグランプリシリーズの枠がたぶん来ない、という中で、可能性を何とか増やそうという意気込みを感じます。理想は世界ジュニアで200点出して表彰台に乗りつつシーズンベストスコアを20位以内にまでもっていくことでのグランプリ枠確保ですが、それが出来なくてもB級試合1試合足して、世界ランクを30位台くらいにまでもっていけば一枠くらいは何とかとって、NHK杯地元枠で2枠、というコースが狙えます。

坂本選手は、ポイントが必要な選手ではないですし、四大陸でシーズン終わるという手もあるのではないかと思うのですが、元々試合数多い選手ですし。これこそ失うもののない試合なので、トリプルアクセル跳びに行くという手もあるんでしょうか。最近その話題とんと聞かなくなっているので、まったくその水準に達していないという可能性もありますが・・・。

浦松選手は全日本ジュニアからの選手ですが、年齢的にはおそらくシニアカテゴリーへ出てくると思われます。

吉田陽菜選手は年齢的にはジュニアカテゴリーになるはずです。今シーズンジュニアデビューでジュニアグランプリ、と思ったのですがケガのせいなのか、選考会で漏れたのかエントリーなく、ジュニアとしての国際大会デビューになります。日本はトリプルアクセル他にもいたのか、と言ってもらえる結果を出せるかどうか。

 

男子は友野選手は四大陸出るのでB級は出ないかなあ、と思ったのですが、世界選手権時期の試合入れてきました。3月に国際試合に出る癖、というのは持っておいていいものと思いますが、それよりなにより、ミスター代役繰上りとして、四大陸の表彰台を狙っていただければと思っております。

本草太選手は、世界ランキングを上げてグランプリ2試合を確保したいところなのですが、実はB級試合に出てもランキング上がりません。今シーズン、チャレンジャーシリーズで2試合2位になっているため、B級試合で優勝しても、そのポイントは加算されないためです。というわけで、経験、以外の価値が実は生めないのですが、せっかくなので今シーズン中にショートフリーで四回転五本、を完成させていただけると、来シーズンの世界選手権争いの過酷度がさらに上がって面白いことになるかと思われます。

須本選手は世界ランク37位。この大会で優勝出来れば、日本人選手の中で、島田高志郎選手と山本草太選手を上回ることができます。シーズンベストスコアは55位で、こちらの系統でグランプリ枠を取るのは絶望的ですので、世界ランクは少しでも上げたいところです

 

 

こういったB級試合は、エントリーする選手だけでなく、しない選手も気になったりします。

男子では佐藤駿選手がエントリーなし。世界ジュニア優先ですかね。チャレンジカップでシニアの試合に出てから世界ジュニアへ、というスケジュールは組みにくいし、世界ジュニアの翌週というのも、川畑選手はやるつもりなようですが、常識的には厳しい。川畑選手との大きな違いとして、佐藤駿選手は、シーズンベストスコア10位をすでに持っているので、グランプリ枠1枠は確定的というのがあります。世界ジュニアで表彰台に乗ればあわせて2枠取れる可能性が極めて高いですので、そちらを目指すというのが自然な流れかと思われます。

島田高志郎選手もエントリーなし。全日本10位はB級試合派遣もなしですかねえ・・・。世界ランク35位の島田選手は優勝すれば20位台まで上昇出来てチャンスが広がるところなのですが・・・。

ジュニアでトップ6に入ると派遣される傾向があるのですが、壺井選手はケガとして、本田ルーカス選手や木科選手あたりは経験積むのに行っておくといいと思うのですが・・・。

 

女子はジュニア組はトップ6すべて派遣。シニアで7位の新田谷凜選手はケガがあるのと、引退表明してるので最後の試合は国内ということで出ないんですかね。

宮原知子選手もエントリーなし。去年は四大陸無しコースでハバリアンオープンに出ていたのですが、今シーズンはB級なしの世界選手権直行でしょうか。ジャンプの調整時間が必要そうでしたので、それはそれで妥当な選択な気もします。ちなみに、今シーズンのハバリアンオープンは四大陸選手権と日程丸被りなためでしょうか、日本からの派遣はなしなようですね。

 

8位の本田真凜選手も立ち位置的にはB級試合に出た方がいい位置です。シーズンベストスコアは44位とあまり高くありません。世界ランクは31位。優勝しても過去の戦績の関係であまりポイントは稼げませんが、それでも30位以内にまで一旦上げることができます。また、来シーズンにはここで取ったポイントが残るので価値がある。

ただ、たぶん、本人の意思ではなくメンバーに入れてもらえなかったのかな、とも思われます。優先権は全日本の順位の上の方からで、シニアの試合に出るのは各試合3人までで、ジュニア枠から1人分は入れる、となると、川畑選手を最初からシニア計算すると、本田選手まで順番が回ってこない計算です。島田選手と合わせて、ちょっともったいないなという印象です

 

 

B級試合への派遣については、ちょっと言いたいこともあるのですがその辺は改めて別の機会にします