11月に入り、東京オリンピック代表選考の一つの山場、最後のツアープラチナ大会を終了しました。この段階で、一つの決着がつきました
10月末からの3大会について、男子のランキング上位選手の結果をまず示します。
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BLRオープン |
Team WC |
AUTオープン |
出場無し |
4勝(1000) |
ベスト16(900) |
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出場無し |
欠場 |
初戦敗退(675) |
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丹羽考希 |
出場無し |
1勝(250) |
ベスト8(1125) |
森園政崇 |
出場無し |
出場無し |
予選ベスト64(340) |
吉村和弘 |
出場無し |
出場無し |
予選128(225) |
神巧也 |
出場無し |
出場無し |
予選決勝(450) |
吉村真晴 |
出場無し |
1勝(250) |
ベスト32(675) |
宇田幸矢 |
準優勝(680) |
出場無し |
出場無し |
男子ではチームワールドカップに水谷選手が出場予定だったものがけがのため欠場。その影響からかチームとしてもグループリーグからイングランドに敗れたりしていましたが、個人では結局張本選手の4勝が最高で、誰もポイントを伸ばすことは出来ませんでした。
ベラルーシのチャレンジシリーズは宇田選手のみが出場し準優勝。上位選手の出場話でした。
ワールドツアーのプラチナグレードのオーストリアオープンでは丹羽選手が久しぶりに気を吐いてベスト8まで勝ち上がり大き目なポイントを獲得しました。
今シーズンのワールドツアー最後の大会が終わった段階で、各選手のポイントは以下のようになりました。
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当月ポイント |
先月ポイント |
8番目 |
7番目 |
10975 |
10975 |
1125 |
1125 |
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8425 |
8425 |
900 |
900 |
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丹羽考希 |
8365 |
7960 |
720 |
750 |
森園政崇 |
5195 |
5195 |
450 |
450 |
神巧也 |
5055 |
4945 |
450 |
540 |
吉村和弘 |
4830 |
4830 |
360 |
540 |
宇田幸矢 |
4740 |
4400 |
360 |
540 |
吉村真晴 |
4725 |
4390 |
360 |
450 |
4000ポイント以上持っている選手をリストアップしています。
張本選手と水谷選手がポイントを増やせませんでした。丹羽選手がプラチナ大会ベスト8のポイントを加えて水谷選手のすぐ背後まで迫ってきました。その差60ポイント。
4番手以下はすでに上位2人に入って東京オリンピックの代表権を取る、という可能性はなくなっています。問題は上位3人が最後どうなっていくか。
さて、現在3番手の丹羽選手はこの先残す試合はワールドカップとチャレンジプラスグレードのカナダの試合の2試合です。ツアーファイナルはツアーランクが18位で終わってしまったので、15位までプラス開催地(中国)の連盟推薦の枠の中に入ることができませんでした。ベスト8まで残った先日のオーストリアの試合で、ベスト4まで勝ち進んでいれば、13位にまであがってファイナルの出場権を得ることができたのですが・・・
辞退者が3名ほど出ればファイナルに出場できますので、まだそうなる可能性はありますが、基本的には出場権はなく、残りは2試合です
この残りの2試合はどちらも優勝したとして、2550ポイント、1100ポイントが得られます。この、最大までポイントを得たとすると下記のようになります
8365+2550+1100-720-720=10575
現在10975ポイントを持つ張本選手を上回ることができません。したがって、ツアーファイナルの出場権を持つ選手が3人以上辞退する、といったことが起きないと考えた場合、現時点で張本選手がポイント2位以内にはいって、オリンピックの代表になることが実質的に確定した、と言えます
もう一つ、2番手の水谷選手。こちらも大変です。オーストリアオープンで初戦敗退し、ツアーランク下位だった中国選手が決勝まで勝ち上がってしまい、ツアーランクが16位まで下がってしまいました。
ツアーファイナルに出られない場合、残りは二試合で、T2ダイヤモンドのシンガポールと、チャレンジプラス格のカナダです。この二試合だけだとどちらも優勝しても最終ポイントは9625ポイントで張本選手に全然及びません
ただ、大会が中国で行われるので、今回は主催国の出場選手がすでにいるため、水谷選手は16番目滑り込みという形でファイナルの出場権は回って来るようです
8425+1000+1100+2550-900-900=11275
ここまで稼げれば、張本選手の現在のポイント10975を上回ることができます。
しかしながら、張本選手は次にT2ダイヤモンドの試合にエントリーしています。この大会は一勝もできなくても出場すれば400ポイントが得られます。つまり、T2ダイヤモンドの試合に張本選手が出場した段階で、結果によらず11375ポイントに到達しますので、水谷選手がどうやっても張本選手のポイントを超えることができなくなります
以上のことから、張本選手は、ツアーファイナルに辞退者が出ないと仮定した場合には現段階でオリンピック代表になる条件を満たしている、というだけでなく、ファイナルに辞退者が出て、水谷選手も丹羽選手も出場することになったとしても、それ以前にT2ダイヤモンドの試合に出場しさえすれば、ポイント2番手以内が確定しますのでオリンピック出場権を得る条件がそろいます
というわけで、出場しさえすればいい、というところまで来ましたので、現段階で実質的に張本選手は東京オリンピック代表が確定しました
残りは1枠。水谷選手と丹羽選手の一騎打ちです
現在のポイントは水谷選手8425ポイント、丹羽選手8365ポイントで60ポイント差にまで縮まっています。ただ、水谷選手は出場すればそれだけで最低400ポイントはボーナスでプラスされるT2ダイヤモンドの出場権があります。丹羽選手にはありません。これを加味すると、二人の差は460ポイントにまで広がります。
丹羽選手は残り二試合。ワールドカップとチャレンジプラスの試合でその差を埋める必要があります。ワールドカップは20人出場でベスト16でも1020ポイント。現在8番目のポイントが720の丹羽選手はベスト16止まりでも300ポイント加算できますので差は160ポイントに縮められます。ベスト8なら1275なので555ポイント加算して、逆に95ポイントのリードになります。ベスト4まで行けば1530ポイントで一気に810ポイント加算して350ポイントのリードに出来ます
12月のチャレンジプラスの試合は優勝しても1100ポイント。水谷選手は8番目のポイントが900ありますので200ポイントしか増やすことができません。そのため、T2ダイヤモンドで初戦敗退し、ワールドカップで丹羽選手がベスト4まで進むようなことがあると、水谷選手はファイナルでポイントを稼いで再度逆転を狙わないといけない、ということになります。
以上、卓球男子の東京オリンピック選考レースの現状でした