アレクサンドラトゥルソワ Alexandra TRUSOVA 19-20

2004年6月23日生まれ

シニア1シーズン目

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シーズン獲得賞金:$59,000

世界ランキング:11位

シーズンランキング:4位

シーズンベストスコア 241.02(2位) スケートカナダ

ショートプログラムシーズンベスト 74.95 ヨーロッパ選手権

フリーシーズンベスト 166.62 スケートカナダ

ショートプログラム楽曲: Peer Gynt

フリープログラム楽曲: Game of Thrones

スピンレベル4率 32/33=97.0%

ステップレベル4率 6/11=54.5%

スピンオールレベル4 5/6

スピンステップオールレベル4 3/5

ジャンプ回転不足率  5/57=8.77%

ジャンプ回転不足なし試合 2/5

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/5

 

 ●アレクサンドラトゥルソワ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Nepela Memorial 1 238.69 74.91 42.71 32.20 163.78 98.34 65.44
Others Japan Open 1 160.53       160.53 97.51 63.02
GP Skate Canada 1 241.02 74.40 40.96 33.44 166.62 100.20 67.42
GP Rostelecom Cup 1 234.47 74.21 40.29 33.92 160.26 95.34 66.92
GPF Grand Prix Final 3 233.18 71.45 39.65 32.80 161.73 96.80 65.93
ECC Europe Championships 3 225.34 74.95 40.53 34.42 150.39 85.14 67.25

四回転神トゥルソワ。シニアデビュー。

初戦のチャレンジャーシリーズオンドレイネペラ杯からぶっ放しました、フリー163.78

四回転を三本跳んだ衝撃的なスコア。技術点98.34は、三回転以下の構成の選手では、GOEオール満点でも決して届くことのない領域。新時代の幕開けです。

ジャパンオープンで日本のファンに顔見せ。ここでも160点台を続けます。

スケートカナダではついに、トータルスコアが240点に乗りました。フリーでは技術点100点突破の166.62 もはや誰もかなう者はいないのではないか、と思われました。

ロステレコム杯は一息ついて234.47 さて、エテリ三人衆と紀平梨花、みんなそろっての決戦グランプリファイナル、といったところだったのですが、ショートにトリプルアクセルを投入したものの回転不足での転倒で出遅れると、フリーで160点台に乗せたものの挽回できずに3位に敗れました。

ロシア選手権も3位、ヨーロッパ選手権も3位。スコアがスケートカナダを頂点に下降線をたどって、3人の直接対決で3連敗という形になり、世界選手権も中止となったことで、そのままシーズン終了となりました。

 

 ●アレクサンドラトゥルソワ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Nepela Memorial 1 238.69 141.05 97.64 101.80 25.12 14.13
Others Japan Open 1 160.53 97.51 63.02 77.52 12.23 7.76
GP Skate Canada 1 241.02 141.16 100.86 104.43 24.61 12.12
GP Rostelecom Cup 1 234.47 135.63 100.84 96.63 24.32 14.68
GPF Grand Prix Final 3 233.18 136.45 98.73 98.34 25.25 12.86
ECC Europe Championships 3 225.34 125.67 101.67 85.82 25.18 14.67

要素別。TESとPCSでは、圧倒的にTESが高いという、見るまでもなく印象通りのスコア比率です。ネーベルホルン杯スケートカナダ、141点台。当然、全選手中トップです。

PCSは100点前後にとどまっています。上位は105点を超えてきますし、トップ層は110点まで来ますので、その辺と比べると差があります。シーズン半ば以降調子を落としてしまったことで、シニア一年目の、試合ごとにPCSが上がっていくという構図も見られませんでした。

ジャンプだけで100点を超える、というのは当然全選手中トップですが、スピンも25点台に乗せていて、実はここでも紀平選手より上だったりします。

ステップは一番良くても14.68 そんなに悪くはありませんが、トップ層は15点台出しますので、すごく良いということでもありません。ただ、点数差はそれほどありませんので、足を引っ張るというほどではないです。

 

 ●アレクサンドラトゥルソワ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Nepela Memorial 1 71.91 75.30 81.99 65.45 63.94 62.11
Skate Canada 1 72.54 81.31 71.95 63.76 54.86 64.22
Rostelecom Cup 1 70.76 79.36 63.00 62.79 66.43 64.21
Grand Prix Final 3 70.41 78.81 67.35 65.88 58.20 62.82
Europe Championships 3 68.28 73.38 58.57 65.64 66.38 64.75

偏差値に直すとこうなっています。スケートカナダのジャンプ基礎点は偏差値80超え。もう、次元が違います。GOEの方はオンドレイネペラ杯で偏差値80超え。ただ、徐々に下がっていってしまってますね。GOEの方が調子を反映しているはずなので、そう考えると、シーズン中盤以降、だいぶ調子を落としてしまったな、というのが見て取れます。

 

 

アレクサンドラトゥルソワ スケート偏差値

 レーダーチャートはこうなります。当然、右に偏った形です。

ジャンプのGOEのばらつきがずいぶん大きいなというのも見えます。すべてはジャンプ次第、なのですが、構成をどうするかでも変わってくるはず。ただ、ヨーロッパ選手権のように、基礎点から低めでGOEも低い、となると、トップ層の中ではきつくなってきます。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Grand Prix Final 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
Grand Prix Final 2 3F   5.30   1.82 7.12 3.444
Grand Prix Final 3 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
Grand Prix Final 4 3Lz+3T   11.11 x 1.60 12.71 2.667
Grand Prix Final 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222
Grand Prix Final 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
Grand Prix Final 7 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.333
Grand Prix Final   TES   35.51   4.14 39.65  

トゥルソワ選手はグランプリファイナルでショートプログラムトリプルアクセルを投入しました。これがシーズン最高の基礎点構成で35.51ありました。ただ、トリプルアクセルは回転不足、ステップもレベル3でした。全選手の最高点はコストルナヤ選手の37.65 理論上、トゥルソワ選手がトリプルアクセルの回転が足りていてステップもレベル4なら37.71になりますので、その上へ行くことができます。

トゥルソワ選手の場合、もう一段階上まで行けます。コンビネーションをルッツループにすることでさらに0.77上乗せして38.48にまでなります。ここが限界値です。

なお、トリプルアクセル無し構成では、トゥルソワ選手は33.78の基礎点を持っています。これは、トリプルアクセル無し構成の最高基礎点となっています。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Skate Canada 1 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Skate Canada 2 4Lz   11.50   2.79 14.29 2.333
Skate Canada 3 4T+3T   13.70   3.12 16.82 3.222
Skate Canada 4 2A   3.30   0.90 4.20 2.778
Skate Canada 5 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.444
Skate Canada 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.333
Skate Canada 7 4T+1Eu+3S   15.73 x 1.76 17.49 1.889
Skate Canada 8 3Lz+3Lo   11.88 x 1.43 13.31 2.556
Skate Canada 9 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.889
Skate Canada 10 FCSp3   2.80   0.84 3.64 3.000
Skate Canada 11 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.556
Skate Canada 12 FCCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
Skate Canada   TES   88.40   11.80 100.20  

フリーの最高基礎点は88.40ありました。当然、全選手中最高点です。衝撃の4回転4本構成。サルコウこそ転倒しましたが、4本すべて回転は足りているとして基礎点満額得ています。4回転からの3連続ジャンプを1.1倍ボーナスタイムに入れる女子選手、なんてのは他にいません。これで、スピン1つとステップはレベルを取りこぼしていますので、オールレベル4なときは89.40まで基礎点が上がることになります。

ここに、トリプルアクセルが加わるととてつもないことになるわけですが、そんな日が来るんでしょうか。

 

●平均GOE+3.200以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup SP 1 2A   3.30   1.23 4.53 3.778
Nepela Memorial SP 2 3F   5.30   2.01 7.31 3.714
Skate Canada SP 1 2A   3.30   1.18 4.48 3.667
Skate Canada SP 4 3Lz+3Lo   11.88 x 2.19 14.07 3.667
Rostelecom Cup SP 2 3F   5.30   1.89 7.19 3.667
Nepela Memorial SP 1 2A   3.30   1.19 4.49 3.571
Skate Canada SP 7 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.556
Skate Canada SP 6 StSq2   2.60   0.85 3.45 3.444
Grand Prix Final SP 2 3F   5.30   1.82 7.12 3.444
Grand Prix Final FS 3 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.444
Europe Championships SP 4 3Lz+3T   11.11 x 1.94 13.05 3.444
Europe Championships SP 5 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
Europe Championships FS 2 4T+3T   13.70   3.26 16.96 3.444
Skate Canada FS 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.333
Rostelecom Cup FS 6 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
Grand Prix Final SP 7 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.333
Nepela Memorial SP 5 FCSp4   3.20   1.02 4.22 3.286
Nepela Memorial SP 7 LSp4   2.70   0.86 3.56 3.286
Nepela Memorial FS 3 4T   9.50   3.23 12.73 3.286
Skate Canada FS 3 4T+3T   13.70   3.12 16.82 3.222
Rostelecom Cup SP 7 LSp4   2.70   0.89 3.59 3.222
Grand Prix Final SP 5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222
Grand Prix Final FS 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
Europe Championships SP 6 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
Europe Championships FS 6 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222

トゥルソワ選手は、実は平均GOEが4.0に達した要素がシーズン通じてありません。出来栄え勝負ではなく基礎点勝負なスタンス。ただ、トゥルソワ選手の中でGOEが高くなる要素、というのは、やはりジャンプなようです。上の方には比較的難易度の低めなジャンプが並びます。そんな中、GOEも3台前半になってくると、四回転要素もいます。4T-3Tのコンビネーションで平均GOE+3.444  驚異的な数字です。

 

●四回転のルッツ、フリップ、サルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial FS 1 4Lz   11.50   3.22 14.72 2.857
Japan Open FS 1 4S   9.70   1.52 11.22 1.667
Japan Open FS 2 4Lz   11.50   2.96 14.46 2.444
Skate Canada FS 1 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Skate Canada FS 2 4Lz   11.50   2.79 14.29 2.333
Rostelecom Cup FS 1 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Rostelecom Cup FS 2 4Lz   11.50   3.45 14.95 2.778
Grand Prix Final FS 1 4F   11.00   3.30 14.30 2.889
Grand Prix Final FS 3 4Lz   11.50   3.78 15.28 3.444
Europe Championships FS 1 4Lz   11.50   -5.75 5.75 -4.889

トゥルソワ選手の場合、四回転の要素を全て並べるとリストがかなり長くなったので、四回転の中でもさらに二つに分けました。

ルッツは6回飛んで回転不足なし、成功ジャンプは5回と、かなり成功率が高いです。ただ、ロシア選手権で転倒して、ヨーロッパ選手権でも転倒と、シーズン後半決まらなくなってきました。

フリップはグランプリファイナルで投入して成功ですが、ヨーロッパ選手権では投入を見送ったようです。ロシア選手権で回転不足の転倒に終わったことが影響しているかもしれません。

サルコウは3回飛んで回転不足1、転倒2、成功ジャンプはジャパンオープンのみ。グランプリファイナルでもおそらく飛ぼうとしましたが2回転になっていたりと、シーズン通してしっかり決まるところまでたどり着けず、ヨーロッパ選手権では投入されませんでした。

こうしてみると、ルッツは飛べるジャンプであるけれど、他はまだまだ不安が大きいというように見えます。

 

●四回転トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial FS 2 4T+3T   13.70   2.66 16.36 2.714
Nepela Memorial FS 3 4T   9.50   3.23 12.73 3.286
Japan Open FS 3 4T+3T   13.70   0.81 14.51 0.889
Japan Open FS 7 4T+1Eu+3S   15.73 X -0.41 15.32 -0.444
Skate Canada FS 3 4T+3T   13.70   3.12 16.82 3.222
Skate Canada FS 7 4T+1Eu+3S   15.73 x 1.76 17.49 1.889
Rostelecom Cup FS 3 4T+3T   13.70   1.63 15.33 1.889
Rostelecom Cup FS 7 4T+1Eu+3S   15.73 x 2.44 18.17 2.556
Grand Prix Final FS 7 4T+1Eu+3S   15.73 x 2.71 18.44 2.889
Grand Prix Final FS 8 4T< 8.36 x -3.80 4.56 -5.000
Europe Championships FS 2 4T+3T   13.70   3.26 16.96 3.444
Europe Championships FS 7 4T<< <<  4.62 x -2.10 2.52 -5.000

四回転のトーループは1試合で2本、高難度コンビネーションまでつけて飛ぶジャンプです。単純に成功率獲ると、12回飛んで、回転不足1、ダウングレード1 その二つは転倒で、それ以外にGOEマイナスが1つあるので、9回は成功ジャンプとなります。成功率75%はかなり高いと言ってよいです。

ただ、これもやはりシーズン後半に成功率が落ちて行っています。グランプリシリーズまでは2本飛んでコンビネーションも含めて転倒することもなく着氷していたのですが、ファイナルでは2本目のトーループは転倒。載ってませんがロシア選手権では1本が2回転となり、ヨーロッパ選手権も2本目がダウングレードの転倒。

四回転の成功率の低下が、シーズン後半に苦しんだことにそのまま直結して見えます。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Grand Prix Final SP 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

トリプルアクセルもグランプリファイナルで投入されましたが、回転不足なうえの転倒、ということで実践ではまだ決まっていない状態です。

 

●セカンドループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 4 3Lz+3Lo   11.88 x 1.77 13.65 3.143
Nepela Memorial FS 7 3Lz+2Lo   8.36 x -0.83 7.53 -1.286
Japan Open FS 8 3Lz+3Lo< 10.80 X -0.59 10.21 -0.889
Skate Canada SP 4 3Lz+3Lo   11.88 x 2.19 14.07 3.667
Skate Canada FS 8 3Lz+3Lo   11.88 x 1.43 13.31 2.556
Rostelecom Cup FS 8 3Lz+3Lo   11.88 x -2.95 8.93 -4.889
Europe Championships FS 8 3Lz+3Lo   11.88 x 1.43 13.31 2.444

トゥルソワ選手は四回転だけでなく、ルッツループまでもっています。7回飛んで、ループが回転不足になったのが1回、ループが2回転になったのが1回、転倒が1回とあります。成功率は4/7と見るのが良いでしょうか。

フリーではほとんど入れてくるのですがショートプログラムではその日の調子で決めているのでしょうか、セカンドジャンプはトーループにしてくることもあります。セカンドトーループの組み合わせの場合は4分の4成功しています。

 

●単独三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 2 3F   5.30   0.85 6.15 1.429
Lombardia Trophy FS 9 3Lz   6.49 x 1.42 7.91 2.286
Skate America SP 2 3F   5.30   1.82 7.12 3.444
Skate America FS 9 3Lz   6.49 x 1.52 8.01 2.667
Cup of China SP 2 3F   5.30   1.59 6.89 3.000
Cup of China FS 9 3Lz! ! 6.49 x 0.34 6.83 0.444
Grand Prix Final SP 2 3F   5.30   1.82 7.12 3.444
Grand Prix Final FS 9 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 3.000
Europe Championships SP 2 3F   5.30   1.59 6.89 3.111
Europe Championships FS 9 3Lz   6.49 x 1.85 8.34 3.222

トゥルソワ選手の単独三回転を並べると、シーズン通じてもこれしかありません。

これは全勝。ルッツは5分の5、フリップも5分の5、GOEプラスになっています。一つだけ、中国杯でルッツのエッジに!がついていて、加点が小さくなっています。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Nepela Memorial FS 6 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.571
Nepela Memorial FS 11 StSq4   3.90   0.86 4.76 2.000
Japan Open FS 6 ChSq1   3.00   0.71 3.71 1.333
Japan Open FS 11 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.222
Skate Canada SP 6 StSq2   2.60   0.85 3.45 3.444
Skate Canada FS 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.333
Skate Canada FS 11 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.556
Rostelecom Cup SP 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.778
Rostelecom Cup FS 6 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
Rostelecom Cup FS 11 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.444
Grand Prix Final SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
Grand Prix Final FS 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
Grand Prix Final FS 11 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.333
Europe Championships SP 6 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.222
Europe Championships FS 6 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.222
Europe Championships FS 11 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.333

コレオシークエンスが入ることで、シニアに上がるとステップ系要素の配点が少し上がりますし、演技の中での時間の割り当ても少し増えます。そういう部分もあってか、シーズン序盤のコレオシークエンスは、GOEが低めでした。ただ、グランプリシリーズ以降は、コレオシークエンスでも平均GOEが+3を超えるところまでたどり着いています。

ステップも、シーズン序盤はレベル3、あるいはレベル2なんていう姿が散見しましたが、ヨーロッパ選手権ではショートフリー共にレベル4をとりました。この辺のステップ系要素は、シーズン序盤よりも後半の方が点が取れるようになってきていて、ある種の成長が見られます。

 

 

今シーズン、それこそ鳴り物入りでシニアデビューしたトゥルソワ選手。その期待にたがわぬ活躍ぶりでシーズン序盤は無敵の強さを示していました。フリーでは160点台を連発。スケートカナダでは166点までもってきてのトータル240点台。このままPCSまで伸びて行ったらだれも手が付けられなくなるのではないか、というくらいの勢いだったのですが、そうはうまくはいかなかったようです。

 

トゥルソワ選手はエテリ組の3人の同期の中でも一番誕生日が遅く、6月の終わりまでは15歳です。6月23日生まれですので、スケート年齢でいうと、同期の中の一番遅い時期の生まれになります。日本の学齢でいえば、コストルナヤ選手やシェルバコワ選手よりも一年下になり、この3月に中学校を卒業した、という位置です。

 

このあたりの年齢の選手の、特にフィギュアスケートという競技においての、「成長」というのを、どう見るのがいいのかは難しく感じます。体が「成長」することにより、いろいろなバランスが崩れてしまい、ジャンプが決められなくなることも確かにあるのでしょう。一方で、精神的な成長により、演技の安定感が増していく、ということもあるでしょう。

大きな大会に対するプレッシャーの受け止め方、というのも変わってくる。勢いだけで行けるうちはよいですが、自分が受けに回る側になった時にどうか。それは、年齢をある程度増すことで、プレッシャー耐性の面で「成長」して、つよくなるのかもしれない。

 

今シーズン、序盤と終盤で、出せた点数を見ると序盤の方がよかった、というのは確かにありました。技術的には、ステップはある程度成長したのかと思いますが、ジャンプの面では序盤の方が飛べていたのかもしれない。

ただ、シニアを一シーズンこなすことで、世界選手権はありませんでしたが、それでも、精神的な学び、それこそ、「成長」を得ることはあったのではないかと思います。

 

オリンピックまではあと2シーズンあります。エテリ組はシニアに上がって2シーズンまでは勝てるけれど、3シーズン目にはほしいタイトルが取れなくなる。リプニツカヤさんはシニアのグランプリシリーズに出るようになった2シーズン目に、オリンピックの団体戦に勝ち、3シーズン目から一勝もできなくなった。メドベージェワ選手は2シーズン世界選手権連覇したけれど、3シーズン目のオリンピックが取れなかった。ザギトワ選手は1シーズン目にオリンピックを取り、2シーズン目に世界選手権を獲ったけれど、3シーズン目は途中から休養を選びました。

 

北京オリンピックは、トゥルソワ選手にとってシニア3シーズン目にあります。ジャンプがすべて決まれば、四回転神トゥルソワ選手には誰も勝てません。

来シーズン、そして、3シーズン目、17歳で迎えることになるオリンピックシーズン。トゥルソワ選手はどうなっていっているでしょうか・・・。