22-23 チャジュンファン

2001年10月21日生まれ

シニア6シーズン目

シーズン獲得賞金:$72,000

世界ランキング:3位

シーズンランキング:3位

シーズンベストスコア 296.03(2位) 世界選手権

ショートプログラムシーズンベスト 101.33 国別対抗戦

フリーシーズンベスト 196.39 世界選手権

ショートプログラム楽曲:マイケルジャクソンメドレー

フリープログラム楽曲:No Time to Die:ジェームズボンド

スピンレベル4率 43/48 = 89.6%(国際大会:38/42 = 90.5%)

ステップレベル4率 14/16 = 87.5%(国際大会:12/14 = 85.7%)

スピンオールレベル4 5/8(国際大会:5/7)

スピンステップオールレベル4 4/8(国際大会:4/7)

ジャンプ回転不足率 10/80 = 12.5%(国際大会: 9/70 = 12.9%)

ジャンプ回転不足なし 2/8(国際大会 2/7)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 2/8(国際大会 2/7)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Ondrej Nepela Memorial 2 226.32 80.81 145.51
CS Finlandia Trophy 1 253.20 91.06 162.14
GP Skate America 3 264.05 94.44 169.61
GP NHK Trophy 3 254.76 80.35 174.41
NC Korean Championships 1 271.21 101.04 170.17
4CC Four Continents 4 250.14 83.77 166.37
WC World Championships 2 296.03 99.64 196.39
WT World Team Trophy 1 289.15 101.33 187.82

昨季オリンピック5位まで上がっていったチャジュンファン選手。今季国際大会に出場する選手の中では、昨シーズンのオリンピックの順位は上から2番目だったわけで、これはそろそろワールドの表彰台もあるかも、という位置にいてのシーズンスタートでした。

 

チャレンジャーシリーズは2試合出場。9月のオンドレイネペラ杯は220点台とスコア伸びませんでした。翌週フィンランディア杯に続けて出場。今度はショートはしっかりジャンプ決まって91.06と90点台に乗せます。フリーはアクセルが2本決まらず162.14に留まりましたがトータル253.20とまずまずのスコアで優勝しました。実はチャレンジャーシリーズ初優勝だったりします。

 

間1週おいてグランプリシリーズはスケートアメリカから。ショートは不安定なトリプルアクセルが決まらないながらも94.44まで出して僅差の2位スタート。フリーノーミスなら優勝のチャンスもあったのですが、トリプルアクセル2本が決まらず169.61でトータルは264.05までで最終順位は3位。グランプリシリーズ4回目の表彰台、4回目の3位となりました。

2戦目はNHK杯。優勝すればファイナル、2位でも高確率でファイナル進出がありそうというシチュエーションです。しかしショートから4回転サルコウで転倒、次のコンビネーションも決まらず80.35の6位スタート。上2人とは10点以上差がありますのでファイナルは少々苦しい状態となります。フリーは前半良かったのですが、やはり今回もトリプルアクセルがしっくりいかない。それでも174.41まで出してトータル254.76と追い上げて最終的には3位となりました。

 

韓国選手権は楽勝。4大陸は昨シーズン優勝しているのでスキップするかとも思われたのですが出てきました。ショートではコンビネーションを転倒。83.77は5位スタート。2位までは2.93差なので十分射程圏、1位は8.13差なので多少相手のミス待ちとなるでしょうか。逆転を狙うフリーは4回転トーループで転倒、アクセルも1つ1回転半になりスコア伸びず166.37 トータル250.14は結局4位で終わりました。

 

いまいちスコアが伸び切らない今シーズンなのですが、そのまま世界選手権へ。昨季の実績の割には注目は集まっていない立場でした。シーズンベストは出場選手中7位。ここでショートプログラムを今シーズン初のノーミス。全要素全ジャッジ+2以上のスピンステップオールレベル4で99.64 100点まであとわずかに迫るスコアで3位に入ります。2位とは0.74差、1位とは4.99差あります。フリーは2人残して登場。183.34以上で表彰台を確定できるという状況ですがパーソナルベストは182.87 オリンピックを超える演技が必要になります。このフリーを序盤からいい滑り、鬼門のトリプルアクセルも2本しっかり決め、マイナス要素無し、196.39まで出してトータル296.03 表彰台を確定させて残り2人を待ちます。最終的には2位。チャンピオンシップ初メダル、韓国男子としても初メダルを獲得しました。

 

韓国は今季初めて国別対抗戦へ出場します。男子の大黒柱。好調継続でショートはノーミス。101.33とついにショート100点クラブの仲間入りです。フリーは自身の滑りで国の順位が決まるというシチュエーション。やはりアクセルが・・・、というミスは出ましたが187.82と全体1位のスコアで韓国総合2位に大貢献してシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Ondrej Nepela Memorial 226.32 111.40 115.92 77.56 -3.65 22.50 14.99
Finlandia Trophy 253.20 124.73 128.47 81.87 4.43 24.06 14.37
Skate America 264.05 132.90 132.15 89.35 3.61 24.85 15.09
NHK Trophy 254.76 130.27 125.49 92.95 -2.13 24.71 14.74
Korean Championships 271.21 135.14 137.07 88.80 5.66 25.17 15.51
Four Continents 250.14 125.01 127.13 86.81 -2.33 24.85 15.68
World Championships 296.03 160.69 135.34 97.60 21.52 25.51 16.06
World Team Trophy 289.15 150.24 138.91 90.01 18.06 25.73 16.44

トータルスコアは初戦の226.32はありますが、それ以外は250点以上は確保しました。世界選手権は296.03まで出して今シーズン2位のスコアになります。

技術点は130点前後がシーズン中盤まででしたが、世界選手権は160.69まで出しました。今シーズン3位の高い技術点です。

PCSは130点前後が多かった中で世界選手権では135.34を出して1項目平均9点台に、国別は138.91まで出しました。シーズン3位の高評価となります。

ジャンプの基礎点も世界選手権で97.60まで出しています。これは全体12位です。4回転はフリーでも2本までですので突出した値にはなりませんが、2本でもここまで出せるとも言えます。

ジャンプの加点は4大陸まではプラスとマイナスを行ったり来たり程度でしたが、世界選手権で21.52と20点超えまで出しています。シーズン2位の高加点です。

スピンは24点台が多かったですが、国別対抗戦では25.73にまで達しました。シーズン5位にあたります。

ステップ系要素も国別の16.44が最高です。シーズン3位の評価です。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Ondrej Nepela Memorial 56.18 53.34 49.36 58.01 68.85 57.31
Finlandia Trophy 63.77 56.10 61.00 63.31 65.84 65.89
Skate America 66.82 60.89 59.82 65.99 69.34 68.41
NHK Trophy 64.21 63.20 51.55 65.52 67.64 63.85
Korean Championships 68.84 60.54 62.78 67.08 71.38 71.77
Four Continents 62.90 59.26 51.26 65.99 72.20 64.97
World Championships 75.84 66.17 85.63 68.24 74.05 70.59
World Team Trophy 73.90 61.31 80.64 68.98 75.90 73.03

トータルスコアは50台の偏差値から始まって60台が標準で、世界選手権以降70台中盤まで出ました。

ジャンプの基礎点は60前後が標準ですが世界選手権で60台後半の偏差値が出ています。

ジャンプの加点は60前後でしたが、世界選手権と国別対抗戦は偏差値80台と異常値水準です。

スピンは60台後半、ステップ系要素は70台半ばまで出ました。

PCSは70台に乗ってきました。

全体的に満遍なくスコアは稼ぎますが、ジャンプの基礎点がやや低く、全体の出来栄えで勝負している姿が浮かび上がります。

 

22-23シーズン チャジュンファン選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは右上凹みの右下伸び。基礎点ほどほどだけど加点を大きく稼ぐ、というスタイルです。ただ、ほどほどの基礎点のまま基礎点もほどほどという試合もシーズン中盤までは多く、その時は左寄り構造になります。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○世界選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   4.02 13.72 4.111
2 3Lz+3Lo   10.80   1.94 12.74 3.333
3 FCSp4   3.20   0.78 3.98 2.333
4 3A   8.80 X 2.17 10.97 2.889
5 CSSp4   3.00   0.73 3.73 2.556
6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   42.90   12.14 55.04  

ショートプログラムの最高基礎点は42.90 8試合中ナショナル含め5試合でこの基礎点を出していました。4回転はサルコウ1本でルッツループを入れて、1.1倍はトリプルアクセルです。42.90はシーズン14位の基礎点です。

4回転は1本だけどセカンドループ持ち。この構成は3Lz+3Loのところを4T+2Tに変えても基礎点は全く同じになります。つまり、4回転2本あってもセカンドが2回転だとセカンドループの3-3と変わらないわけです。4回転2本入れるならセカンド3回転にしないとあまり価値がない、とも言えます。この構成持っていると、コンビネーションで安定して3回転を付けられるようにならないと、4回転2本構成にはしづらいです。

この構成はGOE満点の時、技術点61.50となります。PCS加味すると111.50満点です。

 

○世界選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   4.16 13.86 4.333
2 4T   9.50   3.53 13.03 3.556
3 3Lz+3Lo   10.80   1.52 12.32 2.556
4 3F! ! 5.30   -0.08 5.22 0.000
5 FCSp4   3.20   1.05 4.25 3.222
6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
7 3A+2A+SEQ   12.43 X 1.94 14.37 2.556
8 3A   8.80 X 1.14 9.94 1.444
9 3Lz+1Eu+3S   11.77 X 1.18 12.95 1.778
10 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.667
11 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.889
12 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
  TES   85.40   20.25 105.65  

フリーの最高基礎点は85.40でした。今シーズン7位の基礎点です。4回転は2種類2本。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツです。

セカンドジャンプでループを飛んでいるので、実は3Tが余っています。なので3A+2Aを3A+3Tにすることも可能です。しかし、おそらくセカンド3Tが苦手なのでしょう。もう5年ほど3Tを回転不足なしに決めたことがありません。少しもったいない部分のように感じます。また、ショートでもそうでしたが、フリーでもここにトーループサルコウを2本にして4回転3本にしようとする場合、セカンドが2回転だと価値が低いです。セカンド3Tが付けられないなら、オイラーサルコウかシークエンスアクセルを付ける必要がおそらくあります。セカンドループ持ちだけにハードルが上がるという悩ましいところ。

この構成はGOE満点の時に技術点121.10まで出ますので、PCS加味すると221.10満点となります。

 

○平均GOE3.600以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Championships FS 12 ChSq1   3.00   2.36 5.36 4.556
World Championships FS 1 4S   9.70   4.16 13.86 4.333
World Team Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.73 5.63 4.333
World Team Trophy FS 12 ChSq1   3.00   2.29 5.29 4.333
World Team Trophy SP 7 CCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.333
Korean Championships SP 6 StSq4   3.90   1.64 5.54 4.286
Skate America FS 12 ChSq1   3.00   2.14 5.14 4.222
World Championships SP 1 4S   9.70   4.02 13.72 4.111
World Team Trophy FS 1 4S   9.70   4.02 13.72 4.111
Skate America SP 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
World Team Trophy FS 6 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
Skate America SP 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.889
Skate America FS 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.889
Four Continents FS 6 StSq4   3.90   1.50 5.40 3.889
Ondrej Nepela Memorial FS 12 ChSq1   3.00   2.00 5.00 3.857
Four Continents FS 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.778
World Team Trophy SP 1 4S   9.70   3.60 13.30 3.778
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
World Championships SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Four Continents FS 12 ChSq1   3.00   1.93 4.93 3.778
Finlandia Trophy FS 12 ChSq1   3.00   1.92 4.92 3.750
Korean Championships FS 1 4S   9.70   3.49 13.19 3.714
Korean Championships FS 12 ChSq1   3.00   1.90 4.90 3.714
World Championships FS 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667

評価の高い要素としてはコレオとステップが目立ちます。世界選手権の平均GOE+4.556は今シーズン5位のコレオですが、国別対抗戦除けば2位に相当する高い評価です。

驚きは4回転サルコウの高評価の量。平均+4.000超えが4つあります。世界選手権の+4.333は今シーズン最高の4回転サルコウですし、他の選手の最高は+3.667なのですが、それを上回る評価をチャジュンファン選手1人で7回超えています。現役最高のサルコウジャンパーです。

 

○4回転サルコウ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial SP 1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Ondrej Nepela Memorial FS 1 4S   9.70   -2.91 6.79 -3.143
Finlandia Trophy SP 1 4S   9.70   0.97 10.67 1.125
Finlandia Trophy FS 1 4S   9.70   3.23 12.93 3.375
Skate America SP 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.889
Skate America FS 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.889
NHK Trophy SP 1 4S< < F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
NHK Trophy FS 1 4S   9.70   3.19 12.89 3.222
Korean Championships SP 1 4S   9.70   3.10 12.80 3.143
Korean Championships FS 1 4S   9.70   3.49 13.19 3.714
Four Continents SP 1 4S   9.70   2.49 12.19 2.556
Four Continents FS 1 4S   9.70   3.74 13.44 3.778
World Championships SP 1 4S   9.70   4.02 13.72 4.111
World Championships FS 1 4S   9.70   4.16 13.86 4.333
World Team Trophy SP 1 4S   9.70   3.60 13.30 3.778
World Team Trophy FS 1 4S   9.70   4.02 13.72 4.111

今季8試合、ショートフリー共に冒頭でとんだ4回転サルコウ。16回飛んで2回転倒がありました。それ以外のGOEマイナスが1度。後の13回は成功ジャンプです。成功率が高く、評価も高い得意の4回転サルコウです。

 

○4回転トーループを含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial SP 2 4T+2T   10.80   0.95 11.75 1.143
Ondrej Nepela Memorial FS 2 4T   9.50   1.71 11.21 1.714
Finlandia Trophy SP 2 4T+2T   10.80   1.43 12.23 1.500
Finlandia Trophy FS 2 4T   9.50   0.79 10.29 0.875
Skate America FS 2 4T   9.50   0.68 10.18 0.889
NHK Trophy FS 2 4T   9.50   2.71 12.21 2.778
Korean Championships FS 2 4Tq F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
Four Continents FS 2 4Tq F 9.50   -4.75 4.75 -5.000
World Championships FS 2 4T   9.50   3.53 13.03 3.556
World Team Trophy FS 2 4T   9.50   3.12 12.62 3.333

トーループはフリーで2つ目の要素に入れています。シーズン序盤はショートに入れることを試みていましたが、グランプリシリーズから入れませんでした。

フリーで跳んだ8回中2回が転倒。後の6回は成功ジャンプです。ショートは2回コンビネーションで入れてGOEプラスですが、セカンドが2回転になっているのが成功なのかどうかはわかりません。

 

○アクセルから始まる要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial SP 4 3A   8.80 x 1.60 10.40 2.000
Ondrej Nepela Memorial FS 8 1A   1.21 x -0.37 0.84 -3.286
Ondrej Nepela Memorial FS 9 3A+1Eu<<+2S <<  10.23 x -2.40 7.83 -3.000
Finlandia Trophy SP 4 3A   8.80 x -0.27 8.53 -0.250
Finlandia Trophy FS 8 3A<+1Eu+3S< 11.37 x -2.24 9.13 -3.500
Finlandia Trophy FS 9 A   0.00 x 0.00 0.00  
Skate America SP 4 3A   8.80 x -2.29 6.51 -2.778
Skate America FS 8 3A< F 7.04 x -3.20 3.84 -4.889
Skate America FS 9 3A+1Eu+3S<< <<  10.78 x -2.86 7.92 -3.333
NHK Trophy SP 4 3A   8.80 X 1.83 10.63 2.222
NHK Trophy FS 8 3A<+1Eu+3S< 11.37 X -2.19 9.18 -3.444
NHK Trophy FS 9 3A   8.80 X -2.17 6.63 -2.778
Korean Championships SP 4 3A   8.80 x 2.08 10.88 2.714
Korean Championships FS 8 3A+2A+SEQ   12.43 x -0.80 11.63 -0.714
Korean Championships FS 9 1A<< <<  0.00 x 0.00 0.00  
Four Continents SP 4 3Aq q 8.80 x -1.03 7.77 -1.222
Four Continents FS 7 1A   1.21 x -0.49 0.72 -4.333
Four Continents FS 8 3A+2A+SEQ   12.43 x 1.14 13.57 1.444
World Championships SP 4 3A   8.80 X 2.17 10.97 2.889
World Championships FS 7 3A+2A+SEQ   12.43 X 1.94 14.37 2.556
World Championships FS 8 3A   8.80 X 1.14 9.94 1.444
World Team Trophy SP 4 3A   8.80 X 2.29 11.09 2.778
World Team Trophy FS 7 3A+2A+SEQ   12.43 X 2.17 14.60 2.778
World Team Trophy FS 8 1A   1.21 X 0.00 1.21 0.111

今季鬼門だったのがアクセルジャンプです。ショートでは単独、フリーは2回、単独とコンビネーションで跳びます。ショートは8回飛んでGOEマイナスが3回。転倒はないので良くはないですが極端に悪いというほどでもないです。一方フリーは16回のうち、半回転になって零点が1回、1回転半が4回、転倒が1回、コンビネーションでダウングレード有が2回、コンビネーションでアンダーローテーションが2回、それ以外のGOEマイナスが2回ということで、GOEプラスの成功要素は4回のみ、成功率25%でした。ただ、世界選手権はショートフリーすべて成功。大事な試合にしっかり合わせたとも言えます。

 

○セカンドループの要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial FS 10 3Lzq+2Lo q 8.36 x -0.83 7.53 -1.429
Finlandia Trophy FS 10 3Lzq+3Lo< 10.80 x -2.26 8.54 -3.875
Skate America SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.01 11.81 1.667
Skate America FS 3 3Lz+3Lo   10.80   1.43 12.23 2.222
NHK Trophy SP 2 3Lz+3Loq q 10.80   -2.53 8.27 -4.111
NHK Trophy FS 3 3Lz+3Lo   10.80   0.34 11.14 0.556
Korean Championships SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.18 11.98 2.143
Korean Championships FS 4 3F+3Lo   10.20   1.48 11.68 2.857
Four Continents SP 2 3Lzq+3Lo<< F 7.60   -2.95 4.65 -5.000
Four Continents FS 3 3Lz!+3Lo ! 10.80   0.25 11.05 0.444
World Championships SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.94 12.74 3.333
World Championships FS 3 3Lz+3Lo   10.80   1.52 12.32 2.556
World Team Trophy SP 2 3Lz+3Lo   10.80   1.18 11.98 2.000
World Team Trophy FS 3 3Lz+3Lo   10.80   1.69 12.49 2.889

チャジュンファン選手はセカンドループの持ち主です。今シーズンセカンド3Loを構成に入れた男子は4人だけ、GOEプラスの成功させたのは2人だけ、ISU公認試合で成功させたのはチャジュンファン選手1人だけです。

そんなセカンド3Loをショートフリーで1度づつ基本的には入れてきます。今季14回飛ぼうとしてセカンド2回転になったのが1回、転倒1回、アンダーローテーション1回、それ以外のGOEマイナスが1回でGOEプラスの成功ジャンプが8回あります。セカンドループで成功率5割を超えるというのは驚異的です。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial FS 9 3A+1Eu<<+2S <<  10.23 x -2.40 7.83 -3.000
Finlandia Trophy FS 8 3A<+1Eu+3S< 11.37 x -2.24 9.13 -3.500
Skate America FS 9 3A+1Eu+3S<< <<  10.78 x -2.86 7.92 -3.333
NHK Trophy FS 8 3A<+1Eu+3S< 11.37 X -2.19 9.18 -3.444
Korean Championships FS 10 3Lzq+1Eu+3S q 11.77 x -1.30 10.47 -2.143
Four Continents FS 9 3Lzq+1Eu+3Sq q 11.77 x -1.94 9.83 -3.000
World Championships FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 X 1.18 12.95 1.778
World Team Trophy FS 9 3Lzq+1Eu+3S q 11.77 X -1.60 10.17 -2.667

成功率低いのが3連続ジャンプ。シーズン前半はトリプルアクセルから、後半はトリプルルッツからなのですが、トリプルアクセルからは全滅、ルッツからでもGOEプラスは1度だけでした。ただし、その1度を世界選手権に持ってきています。

 

着実に一歩一歩階段を上って、今期はついに世界選手権の表彰台にまでたどり着きました。後は頂点だけ。来期はもうそれを見据えてのシーズンになるのだろうと思いますが、その前に。実はグランプリシリーズの優勝はまだなく、韓国男子としてもグランプリシリーズの優勝は誰もありません。来期はシード選手としてグランプリシリーズにも入れますので、まずシーズン前半に、そこで歴史を塗り替えていただければと思ったりします。