アレクサンドルサマリン Alexander Samarin 19-20

1998年6月15日生まれ

シニア3シーズン目

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シーズン獲得賞金:$37,000

世界ランキング:7位

シーズンランキング:4位

シーズンベストスコア 265.10(10位) フランス杯

ショートプログラムシーズンベスト 98.48 フランス杯

フリーシーズンベスト 172.97 タリンホステルカップ

ショートプログラム楽曲: Blues for Klook

フリープログラム楽曲 : Persecution / Good News

スピンレベル4率 40/42=95.2%

ステップレベル4率 9/14=64.3%

スピンオールレベル4 6/7

スピンステップオールレベル4 3/7

ジャンプ回転不足率  7/70=10.0%

ジャンプ回転不足なし試合 2/7

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/7

 

 ●アレクサンドルサマリン選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Nepela Memorial 4 218.45 79.56 39.41 41.15 138.89 61.69 78.20
IC Shanghai Trophy 2 246.36 84.66 44.08 40.58 161.70 79.18 83.52
GP Internationaux de France 2 265.10 98.48 55.13 43.35 166.62 85.40 83.22
GP Rostelecom Cup 1 264.45 92.81 51.20 42.61 171.64 84.86 86.78
GPF Grand Prix Final 4 248.83 81.32 39.82 41.50 167.51 84.43 83.08
ECC Europe Championships 10 220.43 74.77 35.80 39.97 145.66 70.44 76.22
IC Tallink Hostels Cup 1 255.86 82.89 43.06 39.83 172.97 91.13 82.84

サマリン選手は昨シーズンヨーロッパ選手権2位と躍進してからの今シーズンというながれでした。

シーズン初戦はチャレンジャーシリーズのネペラメモリアル。ここで218.45という、ちょっと苦しいシーズン初戦となりました。

二戦目はジャパンオープンの裏で行われていた上海の招待試合。スコアは246.36まで戻ってきました。

本格シーズンインのグランプリ2戦では本領発揮。フランス杯ではショートで98.48というパーソナルベストを出し、グランプリシリーズ過去最高位の2位に入ります。

間一週置いてのグランプリ二戦目はロステレコム杯。ロシア勢三人の激しい優勝争いとなりますが、ショートフリー共に1位でグランプリシリーズ初優勝、同時にファイナル初進出を決めました。

 

残念ながらここから、ショートプログラムのジャンプがしっかり決まらなくなっていきます。グランプリファイナルは四回転2本で大幅減点のショートで81.32と出遅れて総合4位。ファイナル表彰台とはなりませんでした。

年末のロシア選手権もショート8位スタートの出遅れからフリー巻き返すも3位で表彰だに上るのがやっと。初優勝のチャンスだったのですが、戴冠なりませんでした。

 

フェルナンデスさん引退により、誰が勝っても初優勝のヨーロッパ選手権もサマリン選手にとって初のビッグタイトルのチャンスの舞台。ここでもショートで2本の四回転が決まらず13位発進からの総合10位にとどまります。

 

もう一戦、国際B級大会に出場し255点とまずまずのスコアは出しますが、ここでシーズン終了となりました。

 

 ●アレクサンドルサマリン選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Nepela Memorial 4 218.45 101.10 119.35 63.16 24.19 13.75
IC Shanghai Trophy 2 246.36 123.26 124.10 85.21 24.04 14.01
GP Internationaux de France 2 265.10 140.53 126.57 102.82 24.29 13.42
GP Rostelecom Cup 1 264.45 136.06 129.39 98.61 24.64 12.81
GPF Grand Prix Final 4 248.83 124.25 124.58 87.78 24.30 12.17
ECC Europe Championships 10 220.43 106.24 116.19 70.68 23.61 11.95
IC Tallink Hostels Cup 1 255.86 134.19 122.67 100.32 22.29 11.58

サマリン選手は技術点と演技構成点が拮抗している試合が多いです。演技構成点は120点台が多いでしょうか。一番いい時でロステレコム杯の129.39 これは今シーズンの全体で6位の数値です。ジャンプのイメージが強いサマリン選手ですが、PCSも上位にいます。

ジャンプの出来は良い悪い大きく差がやはり出るようです。一番良かったのはフランス杯の102.82で100点に乗せました。ただ、ジャンプでこのスコアは全体9位。実はPCSよりもベストスコア順位が低かったりします。

スピンは24点台。決して悪くはないですが、得意というようなスコアでもなく、本人比で普通くらいの要素です。

ステップは一番良くて14.01の上海トロフィー。ファイナル以降の重要な試合では12点前後となっています。14点に乗ったくらいだと、この位置の選手としてはやや苦手側ですし、まして12点を切るようですと、弱点と言える要素となってきます。

 

 ●アレクサンドルサマリン選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Nepela Memorial 4 53.62 49.41 44.21 61.78 61.10 58.82
Shanghai Trophy 2 60.74 60.04 51.11 61.31 62.33 61.70
Internationaux de France 2 65.52 71.68 50.54 62.09 59.54 63.20
Rostelecom Cup 1 65.35 63.90 60.35 63.19 56.66 64.91
Grand Prix Final 4 61.37 61.41 51.67 62.12 53.64 61.99
Europe Championships 10 54.13 56.73 39.42 59.97 52.60 56.90
Tallink Hostels Cup 1 63.16 63.80 62.67 55.85 50.85 60.83

偏差値で表すと、260点台に乗ったフランス杯やロステレコムで、トータルスコア偏差値は65前後となりました。

ジャンプは回転不足が多発すると下がるのでネペラメモリアルのように50を切るということも起きますが、しっかり回り切ればやはり高く、フランス杯では70を超えるスコアとなっています。

ちゃんと回れば基礎点の高いジャンプなのですが、そのジャンプでGOEを稼ぐということがあまり出来ていません。主要大会ではロステレコム杯で偏差値60に乗ったのが最高で、あとは50前後。一番大きな試合であったヨーロッパ選手権ではジャンプのGOEが40を切るという事態になっていて、安定感のなさがうかがわれます。

 

スピンは偏差値60前後。本人比で普通レベルの要素。

ステップは偏差値60に乗ることも多いですが、50台前半に落ち込むことも多く、あまり得意な感じはありません。

一方で、PCSが実は偏差値60台を基本的には出してきています。

 

アレクサンデルサマリン スケート偏差値

レーダーチャートは、PCSとスピンは安定しているけど、あとはバラバラ、という一見してよくわかりにくいチャートです。

ジャンプは基礎点もGOEも上から下まで本当にバラバラ。出来の不安定さが垣間見えます。ただ、フランス杯のように回転まわり切れば高い基礎点があるので、そのジャンプがうまくすべてそろったときには、極めて高い点が出てくるんだろうな、というのは感じられます。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup 1 4Lz+3T   15.70   5.09 20.79 4.333
Rostelecom Cup 2 4F   11.00   -5.50 5.50 -5.000
Rostelecom Cup 3 FCSp4   3.20   0.91 4.11 2.778
Rostelecom Cup 4 3A   8.80 x -1.03 7.77 -1.444
Rostelecom Cup 5 CSSp4   3.00   0.73 3.73 2.333
Rostelecom Cup 6 CCoSp4   3.50   0.95 4.45 2.778
Rostelecom Cup 7 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.556
Rostelecom Cup   TES   49.10   2.10 51.20  

ショートプログラムの最高基礎点は49.10 これは今シーズンの全選手中最高点でした。ネイサンチェン選手も羽生結弦選手も上回ります。

ショートで四回転のルッツフリップ2本立てをしっかり回転足りてこなせたのはサマリン選手だけです。

この構成で得られる加点は全要素GOE満点で22.05あります。つまり技術点満点は71.15となり、トータルスコア満点は121.15です。

ここから基礎点を上げようとするなら、4Lz-3Tを1.1倍に持ってくる、という手はあり、その場合0.77基礎点が上昇します。この時のトータルスコア満点は121.92 ここが現在可能な理論上の上限値となります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Internationaux de France 1 4Lz+3T   15.70   3.61 19.31 3.111
Internationaux de France 2 4F   11.00   -5.50 5.50 -5.000
Internationaux de France 3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
Internationaux de France 4 3Lz   5.90   -2.95 2.95 -4.889
Internationaux de France 5 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.667
Internationaux de France 6 ChSq1   3.00   0.79 3.79 1.222
Internationaux de France 7 3A+2T   10.23 x -1.37 8.86 -1.667
Internationaux de France 8 3Lz+3T   11.11 x -0.76 10.35 -1.222
Internationaux de France 9 3Lo   5.39 x 0.07 5.46 0.222
Internationaux de France 10 CSSp4   3.00   0.47 3.47 1.444
Internationaux de France 11 StSq4   3.90   0.72 4.62 1.667
Internationaux de France 12 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
Internationaux de France   TES   85.43   -0.03 85.40  

フリーの最古基礎点は85.43 これは全体5位の基礎点です。

ショートと違って、ルッツフリップ両方四回転が入る選手というのは他にもいますし、4回転3本+トリプルアクセル、という構成は、十分すごいはすごいですが、スペシャルな構成とまでは言えません。

また、三連続が入っていませんね。それを入れられればもう少し基礎点は上がります。

意外な構図なのですが、2回飛ぶジャンプは3回転のルッツとトーループです。4回転は3種類を1回づつ。また、4回転のフリップはあるのに3回転のフリップは構成にありません。3回転のループのところをフリップにすれば、基礎点はあがります。

細かくいじれジャンプの種類を増やすことなく基礎点はまだまだ上げられる余地はあるのですが、それよりも今は成功率を上げていくこと、というのを目指しているという段階なのでしょうか。

 

●平均GOE+2.800以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup FS 1 4Lz+3T   15.70   5.42 21.12 4.556
Rostelecom Cup SP 1 4Lz+3T   15.70   5.09 20.79 4.333
Internationaux de France SP 1 4Lz+3T   15.70   4.44 20.14 3.889
Shanghai Trophy FS 11 StSq4   3.90   1.30 5.20 3.400
Internationaux de France FS 3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
Internationaux de France FS 1 4Lz+3T   15.70   3.61 19.31 3.111
Nepela Memorial SP 3 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
Internationaux de France SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Rostelecom Cup FS 4 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
Tallink Hostels Cup FS 3 3Lz+1Eu+3F   11.70   1.77 13.47 3.000
Tallink Hostels Cup FS 8 3Lz+2A+SEQ   8.10 x 1.77 9.87 3.000
Internationaux de France SP 7 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
Rostelecom Cup FS 12 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
Grand Prix Final SP 7 StSq2   2.60   0.74 3.34 2.889
Grand Prix Final FS 8 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.889
Shanghai Trophy SP 4 3A   8.80 x 2.40 11.20 2.800
Shanghai Trophy SP 5 CSSp4   3.00   0.90 3.90 2.800
Shanghai Trophy FS 1 4Lz+2T   12.80   3.07 15.87 2.800
Tallink Hostels Cup SP 6 CCoSp3   3.00   0.80 3.80 2.800
Tallink Hostels Cup SP 7 StSq2   2.60   0.69 3.29 2.800
Tallink Hostels Cup FS 11 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.800

サマリン選手の中で評価の高い要素というのは、恐ろしいことに4Lz-3Tだったりします。ロステレコム杯フリー冒頭の4Lz-3Tの平均GOEは4.556 驚異的な値であり、一つの要素で獲得した得点として21.12は過去最高です。

この4Lz-3Tの高評価は、一度たまたまあっただけではなく、GOE+4以上が2回、+3以上が4回と、高確率で高い評価を得ています。現在存在するこの世で一番難しいジャンプ構成が、一番評価が高くなる、という不思議な構図です。

 

●四回転ルッツ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 1 4Lz<+COMBO 9.20   -4.60 4.60 -5.000
Nepela Memorial FS 1 4Lz   11.50   1.84 13.34 1.714
Shanghai Trophy SP 1 4Lz   11.50   0.00 11.50 -0.200
Shanghai Trophy FS 1 4Lz+2T   12.80   3.07 15.87 2.800
Internationaux de France SP 1 4Lz+3T   15.70   4.44 20.14 3.889
Internationaux de France FS 1 4Lz+3T   15.70   3.61 19.31 3.111
Rostelecom Cup SP 1 4Lz+3T   15.70   5.09 20.79 4.333
Rostelecom Cup FS 1 4Lz+3T   15.70   5.42 21.12 4.556
Grand Prix Final SP 1 4Lz   11.50   -4.93 6.57 -4.000
Grand Prix Final FS 1 4Lz+3T   15.70   2.63 18.33 2.000
Europe Championships SP 1 4Lz< 9.20   -3.81 5.39 -4.111
Europe Championships FS 1 4Lz   11.50   -0.16 11.34 -0.111
Tallink Hostels Cup SP 1 4Lz< 9.20   -1.84 7.36 -2.000

今シーズンサマリン選手は、四回転のルッツを単独で7回、コンビネーションで6回飛びました。単独は回転不足が3回、GOEマイナスは6回で、GOEがプラスになった成功ジャンプは1回だけでした。

コンビネーションの方は6回すべてGOEプラスの成功ジャンプです。

これはおそらく、生存バイアスみたいなもので、ルッツを飛んでうまくいったらコンビネーションを付ける、という方針になっていて、逆に、コンビネーションになっているときは成功ジャンプになる、ということかと思われます。そうやって考えると、四回転ルッツ全体として成功率は5割程度、と見るのがいでしょうか。

 

●四回転のフリップとループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 2 4F   11.00   -3.52 7.48 -3.143
Shanghai Trophy SP 2 4F!<+COMBO 8.80   -4.40 4.40 -5.000
Shanghai Trophy FS 2 4F!< 8.80   -3.52 5.28 -3.800
Internationaux de France SP 2 4F! ! 11.00   0.00 11.00 0.000
Internationaux de France FS 2 4F   11.00   -5.50 5.50 -5.000
Rostelecom Cup SP 2 4F   11.00   -5.50 5.50 -5.000
Grand Prix Final SP 2 4F<+2T 10.10   -3.02 7.08 -3.444
Grand Prix Final FS 2 4F   11.00   -3.46 7.54 -3.111
Tallink Hostels Cup FS 1 4Lo   10.50   -1.05 9.45 -0.800

ルッツと比べると四回転のフリップは成功率が下がります。8回飛んで回転不足が3回、転倒3含めてGOEのマイナスが7回。プラスはなくGOE0が一回あるだけです。まだ、ちゃんと飛べているとはいいがたいジャンプです。

そして、ちょっと驚いたのは、国際B級大会で四回転ループを要素に入れてきました。回転はしっかり足りて着氷。GOEはわずかにマイナスですが、十分に合格レベルのジャンプになっています。

四回転の中でもループは飛ぶ選手が少なく、今シーズン試みたのも5人だけ。回転不足なく着氷したのは4人だけなのですが、その中の一人にサマリン選手もなりました。

意外にも、サルコウがまだないのですが、サマリン選手はこれで4回転5種類完備に一番近い選手になってきたように感じます。

 

●四回転のトーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy FS 3 4T   9.50   1.58 11.08 1.400
Internationaux de France FS 3 4T   9.50   3.12 12.62 3.222
Europe Championships SP 2 4T<+COMBO 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Europe Championships FS 2 4T   9.50   -0.27 9.23 -0.222
Tallink Hostels Cup SP 2 4T+2T   10.80   0.00 10.80 0.200
Tallink Hostels Cup FS 2 4T   9.50   1.27 10.77 1.400

四回転のトーループは意外と本数少なく6回のみの実施でした。回転不足が1 転倒1 GOEプラスの成功ジャンプは4回で成功率2/3です。実際には四回転トーループを飛ぼうとして2Tになった3Tになった、というものが他にあるので、成功率は半分程度になります。成功率自体はルッツと変わりません。同じ四回転なら、基礎点の高いルッツやフリップを優先しよう、という戦略なのでしょうか。それほど成功率が変わらないのなら、そういうやり方もあるんだろうな、と思われます。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 4 3A   8.80 x 1.12 9.92 1.286
Nepela Memorial FS 7 3A   8.80 x -4.00 4.80 -5.000
Shanghai Trophy SP 4 3A   8.80 x 2.40 11.20 2.800
Shanghai Trophy FS 7 3A+2T   10.23 x 1.33 11.56 1.800
Internationaux de France SP 4 3A   8.80 x -2.17 6.63 -2.778
Internationaux de France FS 7 3A+2T   10.23 x -1.37 8.86 -1.667
Rostelecom Cup SP 4 3A   8.80 x -1.03 7.77 -1.444
Rostelecom Cup FS 5 3A   8.00   0.46 8.46 0.444
Rostelecom Cup FS 7 3A+2T   10.23 x 0.57 10.80 0.667
Grand Prix Final SP 4 3A   8.80 x 1.83 10.63 2.222
Grand Prix Final FS 5 3A+2T   9.30   1.94 11.24 2.444
Grand Prix Final FS 7 3A+2T*   8.80 x 1.37 10.17 1.667
Europe Championships SP 4 3A   8.80 x 1.71 10.51 2.222
Europe Championships FS 5 3A   8.00   -0.91 7.09 -1.222
Europe Championships FS 7 3A+REP   6.16 x -4.00 2.16 -5.000
Tallink Hostels Cup SP 4 3A   8.80 x 1.87 10.67 2.400
Tallink Hostels Cup FS 5 3A+2T   9.30   1.33 10.63 1.600
Tallink Hostels Cup FS 7 3A   8.80 x 2.13 10.93 2.600

トリプルアクセルは18回実施。回転不足はないですが、GOEマイナスは転倒2回を含めて6回あり、成功率は2/3になっています。

成功率2/3だと、ショートフリーで3回飛んだら1回失敗する、という確率なので、これもあんまり安定感のあるジャンプとは言えません。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Europe Championships FS 3 3Lz+1Eu+3F   11.70   0.76 12.46 1.111
Tallink Hostels Cup FS 3 3Lz+1Eu+3F   11.70   1.77 13.47 3.000

今シーズンサマリン選手は7試合出ているのですが、3連続ジャンプは2回しか実施されませんでした。

ルッツからの3連続で最後にフリップを入れるというもの。2回入って2回とも成功です。

この構成はヨーロッパ選手権以降に入れられたものです。それ以前はフリーの三つ目の要素は四回転トーループでした。その構成の時に三連続をどこに入れようとしていたのか、いまひとつわからないです。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nepela Memorial SP 7 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.714
Nepela Memorial FS 6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
Nepela Memorial FS 11 StSq4   3.90   0.86 4.76 2.143
Shanghai Trophy SP 7 StSq4   3.90   0.91 4.81 2.600
Shanghai Trophy FS 6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 2.000
Shanghai Trophy FS 11 StSq4   3.90   1.30 5.20 3.400
Internationaux de France SP 7 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
Internationaux de France FS 6 ChSq1   3.00   0.79 3.79 1.222
Internationaux de France FS 11 StSq4   3.90   0.72 4.62 1.667
Rostelecom Cup SP 7 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.556
Rostelecom Cup FS 6 ChSq1   3.00   0.86 3.86 1.667
Rostelecom Cup FS 11 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Grand Prix Final SP 7 StSq2   2.60   0.74 3.34 2.889
Grand Prix Final FS 6 ChSq1   3.00   0.93 3.93 1.778
Grand Prix Final FS 11 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.667
Europe Championships SP 7 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Europe Championships FS 6 ChSq1   3.00   0.50 3.50 1.000
Europe Championships FS 11 StSq4   3.90   0.45 4.35 1.333
Tallink Hostels Cup SP 7 StSq2   2.60   0.69 3.29 2.800
Tallink Hostels Cup FS 6 ChSq1   3.00   1.00 4.00 1.800
Tallink Hostels Cup FS 11 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.800

ステップはレベル4率64.3% GOEはプラス3を超えたことが1度ありますが、多くの場合+2台になります。コレオシークエンスは+1台が多いです。

 

スピンは加点はそれほど取れていないのですが、レベル4率は95.2%と高い水準にあります。加点は取れた方が当然望ましいですが、レベル4をすべてしっかり取れていれば、それほど足を引っ張る要素とまではならないように感じます。

 

 

昨シーズンヨーロッパ選手権2位 世界選手権にも出場し、躍進のシーズンだったサマリン選手。それを受けての今シーズンも、グランプリシリーズまでは順調でした。

ところがファイナル以降は不振。ヨーロッパ選手権で10位に終わったことで、最終的に中止にはなりましたが、世界選手権の出場権は得ることができませんでした。

ロシア男子は今のところ世界の枠は2つしかありません。

世界ランキングで上を行くアリエフ選手がいますし、今シーズンはケガで試合に出られなかったコリヤダ選手もいます。そのほかにも近い水準の力を持った選手が多数いる。

そういったなかで、高い基礎点を持つサマリン選手は一発の魅力があります。一方で、不安定さを抱えている。選考会と世界の舞台。二つでともに結果を出すことができるか? と問われたときに、一発当たるけど二発は・・、という部分があることは否めません。

 

ただ、やはり、あの四回転ルッツは、世界の舞台にいてくれないと寂しいというか物足りないというか。それ自体が強烈な個性なので、一発当たるかどうか? というのは毎試合楽しみにしていたい。

 

いつか、もう少しジャンプの成功率が上がったら、ショートで、後半4Lz-3Tで、一要素得点記録の更新、なんてのもしてほしいと思ったりします。(フリーで4Lz-1Eu-3Fなんてのも見てみたい)。