アリーナザギトワ Alina Zagitova  19-20

 2002年5月18日生まれ

ジュニア3シーズン目

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シーズン獲得賞金:$25,000

世界ランキング:2位

シーズンランキング:32位

シーズンベストスコア 217.99(10位) NHK杯

ショートプログラムシーズンベスト 79.60 Grand Prix Final

フリーシーズンベスト 154.41 Japan Open

ショートプログラム楽曲: Me voy

フリープログラム楽曲: Cleopatra

スピンレベル4率 19/21=90.5%

ステップレベル4率 5/7=71.4%

スピンオールレベル4 1/3

スピンステップオールレベル4 2/3

ジャンプ回転不足率  10/37=27.0%

ジャンプ回転不足なし試合 0/3

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/3

 

 

 ●アリーナザギトワ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
Others Japan Open 2 154.41       154.41 80.08 74.33
GP Internationaux de France 2 216.06 74.24 38.32 36.92 141.82 68.85 72.97
GP NHK Trophy 3 217.99 66.84 31.15 35.69 151.15 77.31 73.84
GPF Grand Prix Final 6 205.23 79.60 43.14 36.46 125.63 57.84 68.79

ザギトワ選手の今シーズンは三試合とジャパンオープン、という少ない登場数でした。ファイナル後に休養ということでしたので、まあしかたないんでしょうけれど。

ジャパンオープンは順調な仕上がりを感じさせる出来でした。フリーだけで154.41というのは、昨シーズンの世界選手権155.42に近いスコアです。ただ、結局、今シーズンのフリーのシーズンベストはこのジャパンオープンとなってしまいました。

グランプリ2戦は、あまりいい出来とはいいがたいですが、それでも表彰台に二戦とも上ります。フランス杯ではフリーで崩れ141.82 NHK杯はショートから崩れて66.84 2本そろわないグランプリシリーズでした。

そして問題のグランプリファイナル。ショートプログラムは79.60の好スコアを出します。これより上のスコアを今シーズン出したのは、コストルナヤ選手と紀平梨花選手のみ。つまり、トリプルアクセル無しの最高峰というスコアです。ところが、フリーでまたも崩れます。フリーは最終滑走でした。直前に滑走したコストルナヤ選手のスコアは聞こえてはいたでしょう。それが影響したのかどうか。フリー125.63というのはザギトワ選手では考えられないスコアでした。

その後、ロシア選手権に出ることなく休養を発表します。引退か、とのほうどうもありましたが、引退じゃない! と強く否定。そういえば、ソトニコワさんも最近まで引退はしてなかったな、なんてことも思ったりしてしまうのですが、引退はしていません。

 

 ●アリーナザギトワ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
Others Japan Open 2 154.41 80.08 74.33 57.98 12.96 9.14
GP Internationaux de France 2 216.06 107.17 109.89 64.16 27.66 15.35
GP NHK Trophy 3 217.99 108.46 109.53 67.80 26.07 14.59
GPF Grand Prix Final 6 205.23 100.98 105.25 59.71 26.71 14.56

要素別は、フリーだけのジャパンオープンは別として、他は、TESよりPCSの方が高く出ています。高いPCSなのでわかる気はするのですが、そうはいってもTESがもっと伸びないと四回転勢とは勝負できないわけで、やはり今シーズンは技術面の安定性のなさが苦戦を招いていたように見えます。

フランス杯で得たPCSの109.89は今シーズンの全選手中2番目のスコアです。この辺はさすがと言えます。

ジャンプで得た得点はフリーだけのジャパンオープンで57.98あるのに、グランプリファイナルで59.71しかないわけで、これではやはり苦しいです。

スピンはフランス杯の27.66が最高。これは今シーズンの全選手中2位のスコアです。上にいるのは何とジュニアのワリエワ選手だったりします。

ステップもフランス杯の15.35が最高でした。これは全選手中7位のスコア。ザギトワ選手基準で言えば、まあそれなりというくらいでしょうか。

 

 ●アリーナザギトワ選手のスケート偏差値

PCS

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step  
Internationaux de France 2 65.75 58.55 56.66 73.86 69.46 70.15
NHK Trophy 3 66.28 58.55 63.06 68.59 66.02 69.91
Grand Prix Final 6 62.81 57.39 51.68 70.72 65.89 67.10

偏差値換算するとこうなります。

ジャンプの基礎点が偏差値60に満たないという水準。ザギトワ選手でこういう50代の偏差値はなんだか違和感があります。加点の方もNHK杯こそ63ありますが、あとは50台ですし、グランプリファイナルに至っては偏差値51.68と全選手中の普通程度でしかありませんでした。

今シーズンのジャンプに関しては、四回転がとか、トリプルアクセルがとか、そういう問題でなく、普通の3回転水準のジャンプでしっかり加点が得られていなかった、というのが問題だったように見えます。

スピンは偏差値70台が出ていてさすがのスコア。PCSも偏差値70に乗ります。ステップ系要素は70までは乗りませんでしたが、60台後半の高い偏差値です

ジャンプがやはり問題なんですね。

 

 

アリーナザギトワスケート偏差値

レーダーチャートは当然の左寄り。下にも伸びてます。というか、右側の凹み方が・・・、と見るべきなのでしょうか。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Grand Prix Final 1 3Lz+3Lo   10.80   1.94 12.74 3.222
Grand Prix Final 2 2A   3.30   0.94 4.24 2.889
Grand Prix Final 3 FCSp4   3.20   1.33 4.53 4.222
Grand Prix Final 4 3F   5.83 x 1.82 7.65 3.556
Grand Prix Final 5 LSp4   2.70   0.93 3.63 3.444
Grand Prix Final 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Grand Prix Final 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.333
Grand Prix Final   TES   33.23   9.91 43.14  

ショートプログラムの基礎点最高は33.23をグランプリファイナルで出しました。これは今シーズンの全選手中8位です。トップのコストルナヤ選手、紀平梨花選手は37.65 その差は4.42ポイント。ちょっと厳しいですが、全く話にならないほどの差にはなっていません。

トリプルアクセル無しでこれよりも高い基礎点を取る方法は後ただ一つ。ルッツループを後半の1.1倍のところに持っていくこと。これしかありません。

それができれば、0.55基礎点を上げることができるので、33.78となります。ここがトリプルアクセル無し構成の限界です。実はその位置にシェルバコワ選手がいたりしました。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open 1 3Lz+3Lo   10.80   2.19 12.99 3.667
Japan Open 2 2A+3T   7.50   1.20 8.70 2.889
Japan Open 3 3S   4.30   1.17 5.47 2.778
Japan Open 4 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
Japan Open 5 FCSp4   3.20   1.10 4.30 3.444
Japan Open 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
Japan Open 7 3Lz   6.49 X 2.28 8.77 3.889
Japan Open 8 3F+2T+2Lo   9.13 X 1.21 10.34 2.111
Japan Open 9 3F   5.83 X 1.59 7.42 3.000
Japan Open 10 CCoSp3   3.00   0.86 3.86 2.889
Japan Open 11 StSq3   3.30   1.41 4.71 4.222
Japan Open 12 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
Japan Open   TES   63.35   16.73 80.08  

フリーの基礎点最高は、ジャパンオープンのものになってしまってますが、63.35でした。これは全選手中11位の基礎点です。これより上の基礎点の選手は、トリプルアクセルあるいは四回転を構成に入れています。

トップのトゥルソワ選手は基礎点88.40なので実に25.05の基礎点差があります。ちょっとこれだと、三つ四つミスが出てくれるのを待つよりない、というくらいに差があります。

コストルナヤ選手は70.15なので、その差は6.80差。ショートフリー合わせてコストルナヤ選手とは11.22の差があります。PCSで合計6点、GOEで合計6点上に行けば逆転できる差、なのではありますが、コストルナヤ選手相手にそれを実現するのは、ちょっと厳しいですね確かに。

2回飛ぶジャンプはルッツとフリップ。3連続を3Sの構成にしようとしても、すでに2Aを2回飛んでいるので、単独3Sを抜いて余らせた部分に入れるジャンプがありません。

これより基礎点を上げるには、ステップスピンをレベル4にすればまだ上がりますので、その分の1.1は計算可能です。そこまで行くと64.45にはできます。コストルナヤ選手とフリーの基礎点差5.70 トータル10.12の差。

さらにトリプルアクセル抜きの究極型を目指すなら、横井ゆは菜選手のような、1.1倍はすべてコンビネーション、という手があります。その場合、さらに0.91基礎点を上げることができます。そこまで行くと、フリーの基礎点は65.36となります。コストルナヤ選手とのフリーの基礎点差4.79ポイント。ショートも後半ルッツループにすればトータルのコストルナヤ選手との基礎点差は8.66ポイント差にまで縮まります。

そこまで行けば、まだ勝負になるような気もします。

 

●平均GOE+3.500以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Internationaux de France SP 7 CCoSp4   3.50   1.60 5.10 4.444
Internationaux de France SP 5 LSp4   2.70   1.20 3.90 4.333
Grand Prix Final SP 7 CCoSp4   3.50   1.50 5.00 4.333
Japan Open FS 11 StSq3   3.30   1.41 4.71 4.222
NHK Trophy FS 11 StSq3   3.30   1.37 4.67 4.222
Grand Prix Final SP 3 FCSp4   3.20   1.33 4.53 4.222
Internationaux de France FS 12 FCCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.111
Internationaux de France FS 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
Japan Open FS 7 3Lz   6.49 X 2.28 8.77 3.889
Internationaux de France SP 3 FCSp4   3.20   1.23 4.43 3.889
Internationaux de France SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
Internationaux de France FS 10 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 3.889
Japan Open FS 12 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
NHK Trophy FS 5 FCSp4   3.20   1.19 4.39 3.778
Grand Prix Final SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Japan Open FS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.19 12.99 3.667
Internationaux de France FS 5 FCSp4   3.20   1.23 4.43 3.667
NHK Trophy SP 3 FCSp4   3.20   1.19 4.39 3.667
NHK Trophy FS 10 CCoSp3   3.00   1.11 4.11 3.667
NHK Trophy FS 12 FCCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.667
NHK Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.556
NHK Trophy FS 7 3Lz   6.49 X 2.11 8.60 3.556
Grand Prix Final SP 4 3F   5.83 x 1.82 7.65 3.556

評価の高い要素はやはりスピン。割とよくある構図です。後はステップも上の方に見かけるのですが、レベル3だったりして、得点としては伸びていなかったりしますけれど。

ジャンプは、ルッツが上の方にいますね。

 

●ルッツループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open FS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.19 12.99 3.667
Internationaux de France SP 1 3Lze+3Lo< 8.64   -1.15 7.49 -2.333
Internationaux de France FS 7 3Lz!<+3Lo< 9.50 x -1.21 8.29 -2.556
NHK Trophy FS 1 3Lz+3Lo   10.80   2.02 12.82 3.333
Grand Prix Final SP 1 3Lz+3Lo   10.80   1.94 12.74 3.222
Grand Prix Final FS 1 3Lz+3Lo<< <<  7.60   -2.36 5.24 -3.889

今シーズンはルッツループを6回飛んでいるのですが、回転不足2、ダウングレード1と、成功率は50%にとどまりました。ただ、実際にはNHK杯のショートもルッツループを入れようとしたけれど、ルッツがうまくいかずにコンビネーション回避というのがあったので、成功率は5割に満たない計算です。

今のザギトワ選手は、ノーミスでやっと勝負になるか、という立ち位置なので、冒頭ルッツループでミスをすると、もうあとはズルズルいってしまう、というのも精神的には仕方ないのかなという感じもしますので、とても重要なジャンプです。

成功した時には、平均GOEが+3を超える高い評価を得るんですけどね。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open FS 8 3F+2T+2Lo   9.13 X 1.21 10.34 2.111
Internationaux de France FS 8 3F+2T+2Lo   9.13 x 1.14 10.27 2.222
NHK Trophy FS 8 3F<+2T+2Lo 7.96 X -0.30 7.66 -0.667
Grand Prix Final FS 8 3F<+2T+2Lo 7.96 x -0.79 7.17 -1.889

3連続ジャンプも成功率50%。1つ目のフリップで回転不足になってしまうと、基礎点の減点が大きく、やはりつらいです。

成功したジャンプは平均GOEが+2を超えており、悪くない評価です。

 

●セカンド三回転トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open FS 2 2A+3T   7.50   1.20 8.70 2.889
Internationaux de France FS 2 2A+3T< 6.66   0.29 6.95 0.778
NHK Trophy FS 2 2A+3T   7.50   1.14 8.64 2.778
Grand Prix Final FS 7 3Lz<+3T< 8.89 x -1.28 7.61 -2.667

ルッツループだけでなく、三回転トーループをセカンドに付ける要素もやはりあります。

ただ、これも四回飛んで回転不足が2回なので成功率50%。ファイナルだけ要素順で後半のルッツに付けているのは、2つ目の要素のダブルアクセルでミスをしてのリカバリーのためです。

コンビネーションの成功率が50%だと、やはり上位での戦いはちょっと厳しくなります。

 

●単独の3回転ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open FS 3 3S   4.30   1.17 5.47 2.778
Japan Open FS 7 3Lz   6.49 X 2.28 8.77 3.889
Japan Open FS 9 3F   5.83 X 1.59 7.42 3.000
Internationaux de France SP 4 3F   5.83 x 1.82 7.65 3.333
Internationaux de France FS 1 3Lz!< 4.72   -2.23 2.49 -4.667
Internationaux de France FS 3 3S   4.30   1.11 5.41 2.556
Internationaux de France FS 9 3F   5.83 x 1.29 7.12 2.333
NHK Trophy SP 1 3Lz   5.90   -0.25 5.65 -0.333
NHK Trophy FS 3 3S   4.30   1.04 5.34 2.444
NHK Trophy FS 7 3Lz   6.49 X 2.11 8.60 3.556
NHK Trophy FS 9 3F   5.83 X 1.59 7.42 3.000
Grand Prix Final SP 4 3F   5.83 x 1.82 7.65 3.556
Grand Prix Final FS 3 3S< 3.44   -0.24 3.20 -0.556
Grand Prix Final FS 9 3F   5.83 x 0.61 6.44 1.333

単独三回転は、流石に成功率50%ということはないですが、それなりにミスも出ています。

ジャパンオープンこそGOEマイナスがありませんが、フランス杯、NHK杯、グランプリファイナル、いずれもGOEマイナスの単独三回転があります。この辺も、ザギトワ選手っぽくないように感じます。

 

●ステップシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Japan Open FS 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
Japan Open FS 11 StSq3   3.30   1.41 4.71 4.222
Internationaux de France SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
Internationaux de France FS 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
Internationaux de France FS 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
NHK Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.556
NHK Trophy FS 6 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
NHK Trophy FS 11 StSq3   3.30   1.37 4.67 4.222
Grand Prix Final SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Grand Prix Final FS 6 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
Grand Prix Final FS 11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000

ステップはさすがに高めなGOEが確保されていますが、GOE+4を超えた時に限ってレベル3だったりもしました。レベル4の時はすべて平均GOE+3台でした。

一方で、意外と伸びていないのがコレオシークエンス。NHK杯こそGOEが+3を超えましたが、他は+2台です。

フリーのステップとコレオは、どちらかがジャンプをすべて終わった後、どちらかはジャンプの1.1倍に入る少し前、という位置に置かれることが多く、たいていの選手はジャンプが終わった後の要素の方が高評価になります。ザギトワ選手もそれと同じ傾向ではあるのですが、コストルナヤ選手らと出来栄え勝負するには、この後に1.1倍ジャンプを控えている位置のコレオシークエンスでも、高いGOEを得る必要が出ています。

 

 

昨シーズン、苦しみながらも世界選手権に優勝し、獲るものすべて獲り終えたザギトワ選手。今シーズンにはどんなモチベーションで臨むのだろう? そんな風に思っていたら、シーズン途中で休養を宣言してしまいました。

仕方ないんじゃないかな、と思います。

女子シングルの歴代のオリンピックチャンピオンの中で、オリンピックを取った後に、まともにグランプリシリーズに出場していた選手はいません。

ソトニコワさんはソチの翌シーズンは休養、2シーズン後にロステレコム杯に出ましたが、その後ロシア選手権に出たのを最後に試合に出ることはなくなりました。

キムヨナさんはバンクーバーの翌シーズンの国際試合は世界選手権のみ、その次は休養、プレオリンピックシーズンもグランプリシリーズに出ることはなく世界選手権のみ出て、ソチシーズンも国際試合はゴールデンスピンに出たのみで臨みます。

トリノ荒川静香さんはそのまま引退。ソルトレイクのサラヒューズさんも、翌シーズンに全米選手権と自国開催の世界選手権のみ出て引退します。長野のタラリピンスキーさんも金メダル即引退です。

それ以前の時代にはグランプリシリーズ自体がありません。

金メダル獲得後も試合に出ていた選手も、活動は限定的でした。基本的には自国開催の試合、というのが多く、次のオリンピックにまで出たキムヨナさんも、明らかにいろいろなしがらみで試合に出ているという感じで、バンクーバー以前のモチベーションというのが感じられませんでした。

 

金メダルを取った後も試合に出続ける、というのは特に女子シングルでは非常に稀です。

昨シーズン、シーズン通じて試合に出続け、最終的にしっかり勝った、というのはものすごいことだったと思います。

そうして、獲るもの全部獲った上での今シーズンです。まだ、ギリギリのところで最高難度の構成を組んでノーミスで滑ればまだ勝負可能な領域ではあります。でも、獲るもの獲った後に、そのレベルで滑る重圧を受け続けて、かつ跳ね返すことの難しさ。

 

この後、競技会に戻ってくる姿を見ることができるのか?

ロシア以外の国であれば、オリンピックシーズンだけ戻ってきて、オリンピックにだけ合わせる、ということもできるでしょう。

しかし、ロシアではそれも難しい。

ロシアで2大会続けてオリンピックに出た女子シングルの選手は、スルツカヤ選手にまでさかのぼります。

 

来シーズン、あるいはその次、北京オリンピックシーズン

また、その姿を見ることができることを願ってやみません