ミハルブレジナ Michal Brezina 19-20

1990年3月30日生まれ

シニア11シーズン目

Website Twitter

シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:20位

シーズンランキング:61位

シーズンベストスコア 236.47(33位) Rostelecom Cup

ショートプログラムシーズンベスト 89.27 Europe Championships

フリーシーズンベスト 156.20 Rostelecom Cup

ショートプログラム楽曲:Baby Did a Bad Bad Thing

フリープログラム楽曲 : ビートルズメドレー

スピンレベル4率 18/24=75.0%

ステップレベル4率 5/8=62.5%

スピンオールレベル4 0/4

スピンステップオールレベル4 0/4

ジャンプ回転不足率  1/40=2.50%

ジャンプ回転不足なし試合 3/4

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/4

 

 ●ミハルブレジナ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
IC Shanghai Trophy 4 218.48 74.94 36.26 39.68 143.54 63.68 80.86
GP Skate America 11 213.17 81.11 40.96 40.15 132.06 53.42 78.64
GP Rostelecom Cup 9 236.47 80.27 39.91 41.36 156.20 73.00 83.20
ECC Europe Championships 7 231.25 89.77 48.05 41.72 141.48 61.04 82.44

昨シーズングランプリファイナルまで進み、ベテランの味というか、復活した姿というべきか、を見せてくれたブレジナ選手。今シーズンはなかなかしいシーズンとなってしまいました。

 

初戦は上海の招待試合。ショートからジャンプ決まらず74.94は現行ルールでの最低スコア。フリーも伸びずに218.48に終わりました。まあ、この試合は出場選手も少なく、ランキングポイントにもならない試合ですし、それほど気にしなくてもいいかなというところではありました

ところがグランプリシリーズに入っても今一つ伸びてきません。スケートアメリカはショートこそ81.11でそれなりのスコアでしたが、フリーは3回転予定が2回転位なるジャンプが4つなど、いいところなく132.06と沈んでのトータル213.17  昨シーズンファイナルに進んだ選手とは思えないスコアになってしまいました。

二戦目のロステレコム杯スケートアメリカよりはいくらか戻して、フリーは156.20 最終順位は9位ではありますが、シーズン後半へ向けていくらか調子は上がってきたのかな、という感じはありました。

 

そしてヨーロッパ選手権。フェルナンデスさんの引退により、誰が勝っても初優勝というこの試合。最高順位3位のブレジナ選手も欲しいタイトル、というところでショートプログラムはジャンプ3本しっかり決めて、全要素プラス評価で89.77 首位に立ちます。

フリーは最終滑走で登場。優勝するには183.33という高得点が必要、という状況を直前の滑走者のアリエフ選手が作ったのを耳に入れて演技に入っていくことになりましたが、四回転で二本転倒と崩れてしまい、最終スコアは7位。大魚を逸することになりました。

 

ライバル選手のいないチェコブレジナ選手は、当然のように世界選手権はエントリーしていましたが、中止となり、ヨーロッパ選手権をもってシーズン終了となりました。

 

 ●ミハルブレジナ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
IC Shanghai Trophy 4 218.48 99.94 120.54 62.85 23.40 13.69
GP Skate America 11 213.17 94.38 118.79 56.81 23.98 13.59
GP Rostelecom Cup 9 236.47 112.91 124.56 74.41 24.50 14.00
ECC Europe Championships 7 231.25 109.09 124.16 70.75 23.17 15.17

要素別はTESよりPCSの方が高い点数構成になっています。今シーズンは技術点が伸ばせませんでした。

PCSは120点前後。5項目の平均が8点で120点になるのでいい時はそれを少し超えるくらいになります。

 

ジャンプの得点が伸びませんでした。一番いい試合でロステレコムの74.41 上位は100点を超えますので、ジャンプだけで30点差がついてしまいます。

スピンは24.50がありました。24点台半ばまで出れば上位の方の選手と言えるだけのスコアです。

ステップ系要素では15.17が出ました。これは今シーズン全体で7位の高スコア。ステップ系要素は不調の今シーズンでもしっかりトップクラスのスコアでした。

 

 ●ミハルブレジナ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Shanghai Trophy 4 53.63 50.41 41.88 59.31 60.82 59.54
Skate America 11 52.28 42.08 50.46 61.12 60.34 58.48
Rostelecom Cup 9 58.22 53.43 50.44 62.75 62.28 61.98
Europe Championships 7 56.89 48.85 54.75 58.59 67.80 61.73

トータルスコアは210点台だと偏差値50代前半。230点台で50台後半まで出ています。

ジャンプは基礎点から偏差値50前後。加点も50前後であまり稼げていません。

スピンは偏差値60台に乗っていてしっかり稼げています。

ステップは良い時は60台後半まで出て、はっきりと得意分野です。

PCSは60前後です。

 

 

ミハルブレジナ スケート偏差値

レーダーチャートは左より。ステップがよくてPCSも割と稼ぐけどジャンプが伸びない、という構図でした。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup 1 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Rostelecom Cup 2 3F+3T   9.50   1.59 11.09 2.889
Rostelecom Cup 3 FSSp4   3.00   0.86 3.86 2.778
Rostelecom Cup 4 3A   8.80 x -2.29 6.51 -2.778
Rostelecom Cup 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Rostelecom Cup 6 CCSp4   3.20   0.78 3.98 2.444
Rostelecom Cup 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Rostelecom Cup   TES   41.60   -1.69 39.91  

ショートプログラムの最高基礎点は41.60 全体の20位台半ばの基礎点です。

四回転一本で1.1倍はトリプルアクセル。3回転ジャンプはルッツではなくフリップを選択しています。スピンステップはレベル4 ここから基礎点を上げるには、後半にコンビネーションを持ってくることが必要になってきます。あるいはフリップをルッツに変えれば基礎点は0.6上がって42.20にまではなります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup 1 4S   9.70   -1.94 7.76 -2.000
Rostelecom Cup 2 3A+2T   9.30   1.60 10.90 2.000
Rostelecom Cup 3 3F+2T   6.60   0.68 7.28 1.444
Rostelecom Cup 4 FSSp4   3.00   0.81 3.81 2.778
Rostelecom Cup 5 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Rostelecom Cup 6 FCCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.444
Rostelecom Cup 7 3Lz   5.90   1.69 7.59 2.889
Rostelecom Cup 8 3A   8.80 x 1.94 10.74 2.333
Rostelecom Cup 9 3F   5.83 x -0.08 5.75 -0.111
Rostelecom Cup 10 2Lo   1.87 x 0.07 1.94 0.444
Rostelecom Cup 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
Rostelecom Cup 12 CCoSp3   3.00   0.90 3.90 3.000
Rostelecom Cup   TES   63.80   9.20 73.00  

フリーの最高基礎点は63.80 これは全体で80位台のスコアになっており、低めな基礎点と言わざるを得ません。

四回転は1本 二本飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルフリップ

やりたかった構成からすると、ループが2回転になっていることと、スピンステップのレベル3というのがうまくいかなかった部分でしょうか。それらがすべて入ると基礎点は4.62上がって68.42になります。それでもまださほど高い基礎点ではありません。

あとはトリプルトーループも入っていないので、セカンド2Tのどちらかが3Tのつもりだったとすると2.9基礎点が上がって71.32 これで基礎点70点台には突入します。

 

四回転が一本しかないのは男子ではもう少数派ではあるのですが、それはそれで一つのスタイルとしてはありなんだろうと思います。ただ、ブレジナ選手は3連続ジャンプが構成に入っていません。この試合だけでなく、今シーズン、一度も三連続がありませんでした。昨シーズンは3連続はありましたが、2T-2Loをつけて、2Tがリピートで零点になったりしていました。3Sが余っているので3つ目3Sも入れられるし、2連続で3Tを使えば、3連続は2T-2Loにも出来るのですが、その辺の調整、工夫というのがないです。

3連続を入れられるようにすれば、それだけで4回転一本増やすくらいの基礎点の増加が見込めそうなところもあるので、ある意味で伸びしろはあります。

 

●平均GOE+2.800以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Europe Championships SP 5 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
Europe Championships FS 5 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.444
Europe Championships FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444
Rostelecom Cup FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
Skate America SP 5 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.222
Europe Championships FS 4 FSSp4   3.00   0.94 3.94 3.111
Shanghai Trophy SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Shanghai Trophy FS 4 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
Skate America FS 4 FSSp4   3.00   0.90 3.90 3.000
Rostelecom Cup SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Rostelecom Cup SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Rostelecom Cup FS 12 CCoSp3   3.00   0.90 3.90 3.000
Europe Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Skate America SP 4 3A   8.80 x 2.40 11.20 2.889
Rostelecom Cup SP 2 3F+3T   9.50   1.59 11.09 2.889
Rostelecom Cup FS 5 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Rostelecom Cup FS 7 3Lz   5.90   1.69 7.59 2.889
Europe Championships SP 3 FSSp4   3.00   0.86 3.86 2.889
Europe Championships SP 4 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Shanghai Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.33 4.33 2.800

評価の高い要素はステップです。ステップもコレオもどちらも評価は高め。

スピンもFSSp フライングシットスピンの評価が高めです。

シーズンベスト230点台の選手の中では、高評価の要素が多い選手です。

 

●一つ目サルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy SP 1 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Shanghai Trophy FS 1 4S   9.70   -2.91 6.79 -2.600
Skate America SP 1 4S   9.70   -3.05 6.65 -3.111
Skate America FS 1 4S   9.70   -2.77 6.93 -2.778
Rostelecom Cup SP 1 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Rostelecom Cup FS 1 4S   9.70   -1.94 7.76 -2.000
Europe Championships SP 1 4S+2T   11.00   2.22 13.22 2.222
Europe Championships FS 1 2S   1.30   0.02 1.32 0.111
Europe Championships FS 2 4S   9.70   -4.85 4.85 -5.000
Europe Championships FS 3 4S<+REP 5.43   -3.88 1.55 -5.000

ブレジナ選手の持っている四回転はサルコウジャンプです。ショートフリーで1本筒が基本構成ですが、ヨーロッパ選手権ではフリーで2本を試みました。

結果的に10本飛んで2回転になったのが1回、回転不足1回、それ以外の転倒が3回にGOEマイナス4回で、成功ジャンプは1回だけとなりました。その一回がヨーロッパ選手権のショートだったことで、ヨーロッパ選手権のショートは高得点で首位に立てた、ということなような気がします。

 

シーズン通じて四回転がほとんど決まらなかったことが、今シーズンの不調の要因というか、不調だったから決まらなかったというか、どちらの表現が適切かわかりませんが、点が出なかったのはここから直結しています。

 

 ●アクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy SP 4 3A   8.80 x -2.93 5.87 -3.800
Shanghai Trophy FS 2 3A+2T   9.30   1.07 10.37 1.400
Shanghai Trophy FS 8 1A   1.21 x -0.11 1.10 -0.800
Skate America SP 4 3A   8.80 x 2.40 11.20 2.889
Skate America FS 2 3A+2T   9.30   0.00 9.30 0.000
Skate America FS 8 2A   3.63 x 0.38 4.01 1.111
Rostelecom Cup SP 4 3A   8.80 x -2.29 6.51 -2.778
Rostelecom Cup FS 2 3A+2T   9.30   1.60 10.90 2.000
Rostelecom Cup FS 8 3A   8.80 x 1.94 10.74 2.333
Europe Championships SP 4 3A   8.80 x 2.29 11.09 2.889
Europe Championships FS 8 3A+2T   10.23 x 1.83 12.06 2.222

トリプルアクセルはショート1本フリー2本が基本構成です。ヨーロッパ選手権では四回転サルコウを入れようとした関係か、フリーでも1本んだけになっています

11本飛んで、1回転半が1回、その他GOEマイナスが2回で、成功率は8/11 なかなか高確率です。トリプルアクセルは計算できるジャンプになっています。ヨーロッパ選手権のフリーも、四回転二本入れて優勝を狙いに行くのではなく、トリプルアクセル二本構成なら2位まで行けたんじゃ、と思ったりもしますが、2位じゃダメなんですか? ダメなんです、という気分だったんでしょうかね。ショート首位なんだから勝ちに行くのは正しい選択だったとは思うのですが、数値計算すると、2位までなら堅実構成なら行けたんじゃ・・・、というのは感じてしまいます。

 

●セカンド三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy SP 2 3F+3T   9.50   -0.53 8.97 -1.000
Shanghai Trophy FS 3 3F+3T   9.50   1.41 10.91 2.600
Skate America SP 2 2F+3T   6.00   0.72 6.72 1.778
Rostelecom Cup SP 2 3F+3T   9.50   1.59 11.09 2.889

 ブレジナ選手はセカンド三回転もあまり飛んでいません。今シーズンは4回。フリーでは4試合で1本しかありませんでした。成功率は3/4 フリーの3Tは余っているジャンプですので、これはもっと入れていってほしいと思います。

 

三連続も上記してますが、シーズン通じて一本もなかった、というのは痛いです。

 

ただ、ジャンプの回転は、今シーズンのジャンプ要素40回のうち1回だけ。極めた回転不足率は低いです。ジャンプの抜けで1回転や2回転になることは多いのですが、着氷したけど回転不足、ということはほとんどないので、見た目の印象と採点結果の乖離が小さい選手です。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Shanghai Trophy FS 5 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.600
Shanghai Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.33 4.33 2.800
Skate America SP 5 StSq3   3.30   1.08 4.38 3.222
Skate America FS 5 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
Skate America FS 11 ChSq1   3.00   1.36 4.36 2.556
Rostelecom Cup SP 5 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Rostelecom Cup FS 5 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Rostelecom Cup FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.333
Europe Championships SP 5 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
Europe Championships FS 5 StSq4   3.90   1.28 5.18 3.444
Europe Championships FS 11 ChSq1   3.00   1.64 4.64 3.444

ステップ系要素の評価は高いです。平均GOEが+3台で並びます。特にヨーロッパ選手権ではステップ二つレベル4で、ステップコレオすべて平気GOE+3台ということで、ステップ系要素の得点が非常に伸びました。世界のトップクラスのスコアをマークしています。

 

スピンはレベル4率が75.0% それほど悪くはないですがトップクラスは90%超えていきますので、そこと比べるとまだ足りない水準です。75%程度だと、スピンオールレベル4 の試合というのがなかなか作れないので、どの試合見てもここで取りこぼしたね、というのが出てきます。近い点数の選手が230点台240点台だと結構多いので、ここをきっちりとってればあと一つ順位が上だった、みたいなことも起こるので、ちょっともったいない部分ではあります。

 

 

今シーズンで30歳になったベテラン。年齢的にはこの上の現役選手は、ロシアのボロノフ選手やイスラエルのビシェンコ選手くらいです。

昨シーズンはグランプリファイナルに進出しショート3位。初の表彰台も、というところまで迫りましたが結果4位でした。今シーズンもヨーロッパ選手権でショート首位。不調なシーズンですが見せ場は作ってくれました。

チェコといえばトマシュベルネル選手、という時代がしばらくあって、それと入れ替わるようにして出てきた選手でした。シニアデビューから二シーズン続けて世界選手権4位。あと一歩のところで世界の表彰台まで届かずにここまで来ています。

現実的には四回転がサルコウ1本、という今の状況で世界の表彰台に上るのはちょっと苦しくなってきていますが、それでも昨シーズンのファイナルや今シーズンのヨーロッパ選手権のように、一発チャンスはまだある。

年齢的には北京オリンピックが最後、というのが順当なコースかと思いますが、そこまで、輝きを見せ続けて行っていただけたらと思います。