マッテオリッツォ Matteo Rizzo 19-20

1998年9月5日生まれ

シニア2シーズン目

Twitter Instagram

シーズン獲得賞金:$14,000

世界ランキング:8位

シーズンランキング:8位

シーズンベストスコア 248.53(20位) 上海トロフィー

ショートプログラムシーズンベスト 87.76 上海トロフィー

フリーシーズンベスト 160.77 上海トロフィー

ショートプログラム楽曲: LaLaLandより

フリープログラム楽曲 : Galicia Flamenca

スピンレベル4率 26/36=72.2%

ステップレベル4率 7/12=58.3%

スピンオールレベル4 0/6

スピンステップオールレベル4 0/6

ジャンプ回転不足率  14/60=23.3%

ジャンプ回転不足なし試合 0/6

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/6

 

 ●マッテオリッツォ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Lombardia Trophy 3 227.38 71.76 35.36 37.40 155.62 75.82 79.80
CS Nepela Memorial 2 232.70 75.87 37.72 39.15 156.83 76.13 80.70
IC Shanghai Trophy 1 248.53 87.76 46.69 41.07 160.77 77.27 83.50
GP Skate Canada 6 223.78 70.12 31.59 39.53 153.66 73.82 79.84
GP Cup of China 3 241.88 81.72 42.54 40.18 160.16 79.00 82.16
ECC Europe Championships 5 237.01 79.07 39.89 39.18 157.94 78.78 80.16

マッテオリッツォ選手はシーズン序盤から今シーズンは試合を重ねました。

チャレンジャーシリーズから2試合。ただ、スコアは今一つ伸びず。四回転、それもループの投入を試みていたのですが、この二試合ではしっかり決められません。

三戦目は10月に入って上海での招待試合。ここでも四回転のループは決まらなかったのですが、全体は程よくまとめて248.53 結果的にこれがシーズンベストになるわけですがこのスコアで優勝。上海の招待試合でボーヤンジン選手に勝ってしまうという、なんというか、あらら、という感じの試合でした。

グランプリシリーズ2戦。ここからは四回転ループを要素から外しました。スケートカナダはショートで四回転回転不足のコンビネーション1つ目で転倒と散々で、フリーいくらか巻き返しましたが6位に終わります。

中国杯はまずまずの出来で、中国勢2人に次ぐ3位表彰台。なんだか中国の試合に相性の良い今シーズンでした。ISU公認スコアとしては、この241.88が結果的に今シーズンのベストとなりました。

イタリア選手権では2年連続の2位。グラスル選手が上を行った模様。世界選手権の枠は、リッツォ選手自身が昨シーズン7位に入って2つに増やしているので問題ありません。

ヨーロッパ選手権ショートプログラム、コンビネーションでミスが出て7位。最終グループ入りを逃しましたが、フリーで巻き返して5位フィニッシュ。二年連続の表彰台は鳴りませんでした。

 

世界選手権中止により、このヨーロッパ選手権をもって、リッツォ選手の今シーズンは終了ということになりました。

 

 ●マッテオリッツォ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Lombardia Trophy 3 227.38 111.18 117.20 75.21 21.17 14.80
CS Nepela Memorial 2 232.70 113.85 119.85 76.26 22.71 14.88
IC Shanghai Trophy 1 248.53 123.96 124.57 88.05 23.52 12.39
GP Skate Canada 6 223.78 105.41 119.37 72.32 19.99 13.10
GP Cup of China 3 241.88 121.54 122.34 85.05 22.21 14.28
ECC Europe Championships 5 237.01 118.67 119.34 83.26 22.95 12.46

要素別でみると、今シーズンはすべての試合でTESよりPCSの方が高いという結果になりました。

PCSは120点前後。各要素平均8点ほどとなります。

ジャンプで得た点数は上海トロフィーの88.05が最高。世界ランキング一桁の選手からすると、これは低めの点数です。

スピンは22点台が多く、上海トロフィーのみ23点台。これもやはりあまり伸びていないです。

ステップ系要素は14点台を出しています。ネペラメモリアルの14.88は今シーズンの10位のスコア。ステップは高評価です。

 

 ●マッテオリッツォ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 3 55.90 55.40 47.63 52.35 66.06 57.51
Nepela Memorial 2 57.26 56.89 46.05 57.16 66.44 59.12
Shanghai Trophy 1 61.29 60.58 53.61 59.69 54.68 61.98
Skate Canada 6 54.98 55.65 43.55 48.66 58.03 58.83
Cup of China 3 59.60 55.45 59.79 55.60 63.60 60.63
Europe Championships 5 58.35 56.04 56.42 57.91 55.01 58.81

偏差値に直すと、今シーズンのスコアはほとんど50台でした。240点台後半まで出た上海トロフィーのみ偏差値60に乗っています。

ジャンプは基礎点で50台半ば。加点もあまり稼いでいなくて50割れも目立ちます。

スピンも本人比普通くらいの要素で偏差値50代後半です。

高評価なのはステップとPCS ステップはいい時は偏差値60台後半まで伸びていました。PCSも偏差値60前後。この二つが得意側な位置づけです。

 

マッテオリッツォ スケート偏差値

レーダーチャートで表すと、ステップが飛び出ているように見えるでしょうか。

ヨーロッパ選手権はステップも伸びておらず、失敗したんだなというのも見えます。

ジャンプのGOEが凹んでしまっていることが多いです。ここがもう少し高い水準に来ることが、250点台260点台を出していくのに求められるのだろうと思います。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy 1 4T+3T   13.70   1.90 15.60 1.200
Shanghai Trophy 2 3A   8.00   -0.53 7.47 -0.600
Shanghai Trophy 3 FSSp4   3.00   0.80 3.80 2.400
Shanghai Trophy 4 CCSp4   3.20   0.64 3.84 2.200
Shanghai Trophy 5 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
Shanghai Trophy 6 CCoSp3   3.00   0.80 3.80 2.600
Shanghai Trophy 7 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.600
Shanghai Trophy   TES   40.69   6.00 46.69  

ショートプログラムの最高基礎点は40.69 今シーズン全体で30位台ですので普通くらいの構成です。

四回転一本で1.1倍には三回転のルッツ。スピンステップのレベル3を4に出来れば1.1基礎点が上がって41.79にまではなります。これくらいの基礎点があれば、しっかり滑れば技術点50点に乗って、演技構成点がリッツォ選手ならミスしなければ40点台出ますので、ショート90点台で折り返すことが可能です。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy 1 4Lo< 8.40   -3.08 5.32 -3.400
Shanghai Trophy 2 4T< 7.60   -1.27 6.33 -1.800
Shanghai Trophy 3 3A+2T   9.30   1.33 10.63 1.600
Shanghai Trophy 4 3Lz!+2T ! 7.20   -0.39 6.81 -0.600
Shanghai Trophy 5 CCSp4   3.20   0.53 3.73 1.400
Shanghai Trophy 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.200
Shanghai Trophy 7 3A   8.80 x -0.27 8.53 -0.600
Shanghai Trophy 8 3F+1Eu+3S 11.11 x 0.71 11.82 1.400
Shanghai Trophy 9 3Lz   6.49 x 1.38 7.87 2.200
Shanghai Trophy 10 FSSp4   3.00   0.80 3.80 2.400
Shanghai Trophy 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Shanghai Trophy 12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.800
Shanghai Trophy   TES   74.20   3.07 77.27  

フリーの最高基礎点は74.20 これも今シーズン全体で30位台の構成ですので普通くらいです。

上海トロフィーの時期はチャレンジプログラムでやっていたようで四回転ループが冒頭に入っています。まだ、四回転ループは飛べていませんので、ちゃんとこなせばこれができる、というプログラムではありません。

2回飛ぶジャンプは3Aと3Lzになっています。4回転1種類で2本飛ぼうとすると、この構成から3Lzが1本減ってしまうので、あまりお得ではなく、4回転を2本飛ぶには2種類にしたいという考え方は妥当なところではあるのですが、今のところうまくいっていません。

昨シーズンから四回転が入り始めて、まだ1本だけですので、何とか2本入れていきたい、というのが本人の中の一番の課題とされているのかな、と思われます。

 

なお、4Loを構成に入れていない最高基礎点は、スケートカナダの72.95でした。スケートカナダ以降、4Loは外していますが、冒頭に3Loを入れていますので、4Loをしゅうとくして飛ぶんだ、ということは想定されたままなようです。

 

●平均GOE+2.800以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Shanghai Trophy SP 7 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.600
Lombardia Trophy FS 7 3A   8.80 x 2.72 11.52 3.429
Nepela Memorial FS 6 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.286
Europe Championships FS 12 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.222
Shanghai Trophy FS 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.200
Lombardia Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Lombardia Trophy FS 6 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Nepela Memorial SP 7 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Cup of China SP 2 3A   8.00   2.51 10.51 3.111
Lombardia Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Nepela Memorial FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Shanghai Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Cup of China SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Cup of China FS 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Europe Championships FS 3 3A+3T   12.20   2.40 14.60 3.000
Europe Championships FS 7 3A   8.80 x 2.29 11.09 3.000
Cup of China SP 1 4T   9.50   2.85 12.35 2.889
Cup of China FS 1 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
Cup of China FS 2 4T   9.50   2.71 12.21 2.889
Europe Championships SP 7 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Europe Championships FS 1 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
Lombardia Trophy FS 3 3A+2T   9.30   2.24 11.54 2.857
Shanghai Trophy FS 12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.800

評価の高い要素は、上の方にステップが多くいます。GOE+3付近にはコレオシークエンスもいて、ステップ、コレオは評価が高めなものが多いです。

ジャンプからはトリプルアクセルが上の方に入ってきています。あとは四回転トーループ。難易度高くても、早い要素順で飛ぶと集中していていいジャンプが入ることもあるようです。

あとはトリプルループもいます。これは、四回転にしたいけど今はまだ三回転、ということで冒頭にいるのでその影響でしょう。

GOEが+4以上の評価の要素はなし。四回転を増やしてスコアを上げていくか、GOEを高めてスコアを上げていくか。両方あるのが当然いいわけですけれど、どちらも上げていく余地は十分ありそうです。

 

●単独のループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 2 4Lo<< <<  4.90   -2.45 2.45 -4.857
Lombardia Trophy FS 1 4Lo< 8.40   -3.36 5.04 -4.143
Nepela Memorial FS 1 4Lo< 8.40   -2.69 5.71 -3.143
Shanghai Trophy FS 1 4Lo< 8.40   -3.08 5.32 -3.400
Skate Canada FS 1 3Lo   4.90   1.26 6.16 2.444
Cup of China FS 1 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889
Europe Championships FS 1 3Lo   4.90   1.40 6.30 2.889

ループで四回転を飛ぼうとしている稀有な選手です。今シーズン四回転ループを挑んだ選手は5人だけ。ただ、リッツォ選手はすべて回転が足りず、四回転ループの認定はなりませんでした。

グランプリシリーズに入ってからは三回転にしていますが、冒頭に残しているあたりが、練習で成功率上がったら入れる、という意志の表れにも見えます。

 

●一つ目トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 1 4T+2T   10.80   2.47 13.27 2.571
Lombardia Trophy FS 2 2T   1.30   0.05 1.35 0.571
Nepela Memorial SP 1 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Nepela Memorial FS 2 2T   1.30   0.13 1.43 0.857
Shanghai Trophy SP 1 4T+3T   13.70   1.90 15.60 1.200
Shanghai Trophy FS 2 4T< 7.60   -1.27 6.33 -1.800
Skate Canada SP 1 4T< 7.60   -3.47 4.13 -4.556
Skate Canada FS 2 4T< 7.60   -3.04 4.56 -3.889
Cup of China SP 1 4T   9.50   2.85 12.35 2.889
Cup of China FS 2 4T   9.50   2.71 12.21 2.889
Europe Championships SP 1 4T   9.50   -0.54 8.96 -0.444
Europe Championships FS 2 4T< 7.60   -3.80 3.80 -5.000

四回転トーループはショートフリーで一回づつ入れています。12回飛んで2回転になったのが2回、回転不足5回、回転足りてのGOEマイナスが1回なので、成功ジャンプは4回。まだ確率は1/3です。

2回とも成功させた中国はいやコンビネーションで成功させた上海トロフィーではトータルで好成績を上げました。四回転トーループの成否が全体の出来と強く相関しているように見えます。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 5 3A   8.80 x -4.00 4.80 -5.000
Lombardia Trophy FS 3 3A+2T   9.30   2.24 11.54 2.857
Lombardia Trophy FS 7 3A   8.80 x 2.72 11.52 3.429
Nepela Memorial SP 2 3A   8.00   -2.56 5.44 -3.143
Nepela Memorial FS 3 3A+2T   9.30   1.76 11.06 2.143
Nepela Memorial FS 7 3A   8.80 x 0.64 9.44 0.714
Shanghai Trophy SP 2 3A   8.00   -0.53 7.47 -0.600
Shanghai Trophy FS 3 3A+2T   9.30   1.33 10.63 1.600
Shanghai Trophy FS 7 3A   8.80 x -0.27 8.53 -0.600
Skate Canada SP 2 3A   8.00   2.06 10.06 2.444
Skate Canada FS 3 3A+3T   12.20   1.60 13.80 2.000
Skate Canada FS 7 3A   8.80 x -2.51 6.29 -3.111
Cup of China SP 2 3A   8.00   2.51 10.51 3.111
Cup of China FS 3 3A+3T   12.20   1.94 14.14 2.444
Cup of China FS 7 3A< 7.04 x -3.20 3.84 -5.000
Europe Championships SP 2 3A   8.00   2.06 10.06 2.444
Europe Championships FS 3 3A+3T   12.20   2.40 14.60 3.000
Europe Championships FS 7 3A   8.80 x 2.29 11.09 3.000

トリプルアクセルは一試合に3本飛ぶのが標準です。回転不足は1回だけですが、転倒は2回、GOEマイナスはそれを含めて6回あり、成功率は2/3 四回転よりは成功率高いですが、まだ、安心してみていられるというところまでは達していません。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 8 3F+1Eu+3S< 10.16 x -1.27 8.89 -2.286
Nepela Memorial FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 1.06 12.17 2.000
Shanghai Trophy FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 0.71 11.82 1.400
Skate Canada FS 8 3F!+1Eu+3S< 10.16 x -1.59 8.57 -2.889
Cup of China FS 8 3F+1Eu+2S   7.81 x 0.83 8.64 1.556
Europe Championships FS 8 3F+1Eu+3S   11.11 x 0.91 12.02 1.778

3連続ジャンプはフリップからの3つ目サルコウ型。サルコウの回転不足が二つ、サルコウを2回転にしたもの1つなので、成功率は5割でしょうか。

ただ、大きなミスになっていることはなく、それなりの得点は常に確保できています。この辺は、四回転やトリプルアクセルよりも、計算できる要素になっています。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Lombardia Trophy FS 6 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Lombardia Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Nepela Memorial SP 7 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.143
Nepela Memorial FS 6 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.286
Nepela Memorial FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Shanghai Trophy SP 7 StSq3   3.30   1.21 4.51 3.600
Shanghai Trophy FS 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.200
Shanghai Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Skate Canada SP 7 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.444
Skate Canada FS 6 StSq3   3.30   0.66 3.96 2.000
Skate Canada FS 11 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
Cup of China SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Cup of China FS 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
Cup of China FS 11 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.222
Europe Championships SP 7 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.889
Europe Championships FS 6 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.556
Europe Championships FS 11 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.333

ステップとコレオは、シーズン序盤はGOE+3台が並んでいたのですが、グランプリシリーズに入ってからは+2台が多くなっています。フリーでは終盤にあるコレオシークエンスより、中盤のステップの方が評価が高くなる傾向です。

レベル4率は50%を超えていてまずまずです。

 

スピンはレベル4率70%台前半。トップに来る選手は90%台なことが多いのと比べると見劣りします。加点がやや弱くてもレベル4を取れていればそれほど足を引っ張る要素にはならないのですが、リッツォ選手くらいの水準の選手で、スピンレベル4が取れないと、その部分は弱点となるはずですので、この辺の強化もしていきたいところのように見えます。

 

 

女の子と手をつなげるペアやアイスダンスがあるのに、シングルを選ぶ奴なんていないよ、という理由でトップ選手が全然いなかったと噂のイタリアから、初めて出てきた世界の上位で戦う男子シングル選手です。

初めてちゃんと見たのはオリンピックの団体戦だったと記憶していますが、イタリアの男子でしょー・・・、と思っていたら、思いのほかいい演技で驚いたのを覚えています。

当時はまだジュニアが主戦場で、チャレンジャー-ジュニアグランプリ-ヨーロッパ選手権-オリンピック-世界ジュニア-世界選手権という、理論上出られる試合全部出る、みたいなすごいスケジュールで転戦していました。世界ジュニア銅メダリスト。

シニア参戦というか、ジュニア卒業した昨シーズンは、グランプリシリーズ初表彰台、ヨーロッパ選手権初表彰台、さらにはユニバーシアード優勝と大躍進し、世界選手権も7位。イタリア男子初、という枕詞が常について回る位シーズンを過ごしていました。

それを経ての今シーズン。シニア二シーズン目、と呼んでいいのか微妙ではありますが、二年目のジンクス的に少し苦しんだシーズンだったかな、と感じました。

 

今シーズンの成績だけ見ると、普通の選手です。250点乗ってないですし。ISU公認のシーズンベストは25位。上位24位に入っていませんので、シーズンベストからのグランプリ優先枠はもらえない、という位置づけです。まあ、世界ランク8位ですし、ヨーロッパ選手権も5位にいる選手が2枠もらえないってことはないでしょうけれど。

 

イタリア男子はリッツォ選手の登場から急激にレベルが上がりました。いまではグラスル選手も続いていて、世界選手権は2枠ないと大変なことになるところでした。

女子でコストナー選手がもう一回オリンピックに出てあのレベルを保っていてくれれば、団体戦メダルのチャンスもある、というくらいにまで上がってきてます。

四回転、もう一種類増やすのがループ、というのはあまりない選択です。オリンピックまでに2種類入って、全体の出来栄えも上げることができるようになると面白い存在になってくるでしょうか。