22-23 デニスバシリエフス

1999年8月9日生まれ

シニア7シーズン目

シーズン獲得賞金:$18,000

世界ランキング:9位

シーズンランキング:16位

シーズンベストスコア 254.56(15位) MKジョンウィルソン杯

ショートプログラムシーズンベスト 84.81 ヨーロッパ選手権

フリーシーズンベスト 171.55 MKジョンウィルソン杯

ショートプログラム楽曲:Englishman in New York

フリープログラム楽曲:ドボルザーク交響曲9番

スピンレベル4率 40/42 = 95.2%

ステップレベル4率 5/14 = 35.7%

スピンオールレベル4 5/7

スピンステップオールレベル4 1/7

ジャンプ回転不足率 17/70 = 24.3%

ジャンプ回転不足なし 0/7

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/7

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Ondrej Nepela Memorial 3 214.19 69.66 144.53
GP Skate Canada 10 197.45 69.01 128.44
GP MK John Wilson Trophy 2 254.56 83.01 171.55
IC Latvia Trophy 1 240.58 73.08 167.50
EC Europe Championships 5 236.35 84.81 151.54
IC Tallink Hostels Cup 2 223.99 79.94 144.05
WC World Championships 13 243.15 82.37 160.78

バシリエフス選手ははやシニア7シーズン目です。昨シーズンヨーロッパ選手権で表彰台に乗り、今シーズンは更なる飛躍を目指します。

 

初戦はオンドレイネペラ杯から。ジャンプ決まらずショートは60点台にとどまります。フリーもスコアは伸びずトータル214.19で初戦は終わりました。

グランプリは2戦。スケートカナダから。ここでもショートはジャンプ全滅で60点台です。今度はフリーもジャンプボロボロでトータル200点にも乗らず10位で終わりました。

2戦目はMKジョンウィルソン杯。メンバー的に混戦かなと思いつつ、バシリエフス選手は今シーズン悪すぎるのであまり絡んでこないだろう、とも思っていたのですが、ショートで4回転は転倒したものの後の2つのジャンプは決めて83.01で3位スタート。フリーも4回転をGOEマイナスながら降りて他のジャンプもほぼミスなく決めて171.55までスコアを伸ばしてトータル254.56 グランプリシリーズ7シーズン目、12戦目にして初の表彰台となりました。

 

地元ラトビアのB級大会を1つこなして年が明けてヨーロッパ選手権へ。ここはショートで4回転を外して安全策。84.81で3位発進。2年連続の表彰台を目指すフリー。4回転は不発。次のトリプルアクセルもセカンドが1回転半になり、その後コレオでまさかの零点。どうもいろいろとうまくいかず151.54でトータル236.35に終わり5位。2年連続の表彰台はなりませんでした。

 

2月にB級大会タリンホステルカで一調整入れて、3月の世界選手権へ。ショートでやはりジャンプ決まらず82.37 11位スタートで第3グループに入りますが、フリーはそれほど悪い演技でもなかったのですが、160.78まででトータル243.15 最終順位は13位で終わりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Ondrej Nepela Memorial 214.19 99.20 115.99 72.80 -10.77 25.12 12.05
Skate Canada 197.45 83.21 115.24 61.33 -12.58 23.04 11.42
MK John Wilson Trophy 254.56 127.05 128.51 84.18 3.29 25.42 14.16
Latvia Trophy 240.58 112.58 130.00 74.15 -2.55 26.12 14.86
Europe Championships 236.35 110.56 125.79 75.20 0.01 25.81 9.54
Tallink Hostels Cup 223.99 104.94 123.05 77.40 -11.33 25.10 13.77
World Championships 243.15 117.20 125.95 81.41 -4.69 27.00 13.48

トータルスコアはスケートカナダで200点を割りましたが、次の試合では250点超え。だいぶばらつきがあります。254.56で今シーズン15位です。

技術点は127.05まで出しました。100点割れも2試合あります。

PCSは最高で130.00まで出ました。ISU公認試合で128.51まで。1項目平均8.5程度まで出ています。130.00で今シーズン7位のPCSです。全試合で技術点をPCSが上回りました。

ジャンプの基礎点は最大でも84.18とあまり伸びていません。加点の方も二桁のマイナスの試合が3試合もあり、余りだせませんでした。

スピンはスケートカナダの23点台がありますがそれ以外は25点以上と安定して高いです。国別対抗戦では27.00 今シーズン2位のスピンでした。

ステップ系要素は14点台が2試合あります。ラトビア杯はB級大会ではありますが、14.86は今シーズン8位の高評価になります。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Ondrej Nepela Memorial 52.76 50.29 39.10 66.91 54.56 57.36
Skate Canada 48.04 42.94 36.50 59.84 51.50 56.84
MK John Wilson Trophy 64.15 57.58 59.36 67.93 64.82 65.92
Latvia Trophy 60.21 51.15 50.95 70.31 68.22 66.94
Europe Championships 59.01 51.83 54.64 69.26 42.37 64.06
Tallink Hostels Cup 55.53 53.23 38.30 66.84 62.92 62.18
World Championships 60.93 55.80 47.86 73.30 61.51 64.17

偏差値で見るとトータルスコアは60前後。MKジョンウィルソン杯では60台半ばまで出しています。

ジャンプの基礎点は50前後。いい時でも50台後半くらいまでです。加点の方はあまり取れておらず30台が3試合見えますが、いい時は60近くまでは出ます。

スピンは偏差値70前後とかなり高い評価を受けています。

ステップ系要素はヨーロッパ選手権で沈みましたが60台の力はあります。

PCSも60台の力があります。

 

22-23シーズン デニスバシリエフス選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは左寄りですが、左下も凹むことがあります。右側は伸びないです。右上伸びなくても右下伸びるという選手も結構いるのですが、決まらない4回転が入るので加点も伸びないという形になります。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○MKジョンウィルソン杯 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
2 3A   8.00   1.60 9.60 1.889
3 CCSp3   2.80   0.72 3.52 2.556
4 3Lz+3T   11.11 x 1.18 12.29 1.889
5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.556
6 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
7 FSSp4   3.00   1.03 4.03 3.444
  TES   39.47   2.98 42.45  

ショートの最高基礎点は39.47でした。4回転サルコウ入れましたがアンダーローテーション。1.1倍はルッツからの3-3 スピンステップでレベル3があって40点に届いていないです。スピンステップオールレベル4なら1.0基礎点上がって40.47に。4回転サルコウまわり切れば1.94基礎点さらに上がって42.43まではこの構成で出ます。

上記の構成でノーミスのスピンステップオールレベル4でGOE満点取ると技術点は62.01となりPCS加味して112.01満点となります。

 

○MKジョンウィルソン杯 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Sq q 9.70   -3.33 6.37 -3.444
2 3A+2T   9.30   1.37 10.67 1.667
3 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.667
4 ChSq1   3.00   1.50 4.50 2.889
5 3A   8.00   1.94 9.94 2.556
6 FSSp4   3.00   1.07 4.07 3.556
7 3Lz+3T   11.11 x 1.10 12.21 1.778
8 3F   5.83 x 1.29 7.12 2.444
9 3Lz+1Eu+2S   8.47 x 1.18 9.65 1.889
10 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.333
11 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
12 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
  TES   74.21   10.39 84.60  

フリーは74.21の基礎点がありました。4回転は1本。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツ。セカンド3回転はありますが、3連サルコウは2回転、シークエンスアクセルも無しです。サルコウが3回転になれば77.51にまで基礎点は上がります。2番目の要素でシークエンスアクセルにすればさらに2.0基礎点があがって79.51にまではなります。

上記の構成でサルコウが3回転の時、GOE満点で技術点は111.71となりPCS加味して211.71満点となります。

 

○平均GOE3.400以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Championships SP 5 StSq3   3.30   1.32 4.62 4.000
World Championships FS 6 FSSp4   3.00   1.20 4.20 4.000
World Championships SP 7 FSSp4   3.00   1.20 4.20 4.000
Europe Championships SP 7 FSSp4   3.00   1.16 4.16 3.889
World Championships FS 12 FCCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
Tallink Hostels Cup FS 6 FSSp4   3.00   1.10 4.10 3.800
Latvia Trophy FS 6 FSSp4   3.00   1.20 4.20 3.800
Latvia Trophy FS 11 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.800
World Championships FS 10 CCoSp4   3.50   1.30 4.80 3.778
Latvia Trophy SP 7 FSSp4   3.00   1.10 4.10 3.600
Europe Championships SP 5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.556
MK John Wilson Trophy SP 5 StSq3   3.30   1.23 4.53 3.556
MK John Wilson Trophy FS 6 FSSp4   3.00   1.07 4.07 3.556
World Championships FS 11 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.444
MK John Wilson Trophy SP 7 FSSp4   3.00   1.03 4.03 3.444
Ondrej Nepela Memorial FS 6 FSSp4   3.00   1.02 4.02 3.429
Tallink Hostels Cup SP 7 FSSp4   3.00   1.00 4.00 3.400
Tallink Hostels Cup SP 5 StSq3   3.30   1.10 4.40 3.400

評価の高い要素はスピンです。FSSp フライングシットスピンが特に得意です。FSSpの+4.000は今シーズン全体で2位。国別対抗戦除けば1位の高い評価です。

ステップも高評価が結構あります。

ジャンプが1つもない、というのも特徴でしょうか。

 

○4回転サルコウ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial SP 1 4S<< F 4.30   -2.15 2.15 -5.000
Ondrej Nepela Memorial FS 1 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -4.857
Skate Canada FS 1 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -5.000
MK John Wilson Trophy SP 1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
MK John Wilson Trophy FS 1 4Sq q 9.70   -3.33 6.37 -3.444
Latvia Trophy SP 1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Latvia Trophy FS 1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Europe Championships FS 1 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -4.889
Tallink Hostels Cup SP 1 4S<< <<  4.30   -2.15 2.15 -5.000
Tallink Hostels Cup FS 1 4S< F 7.76   -3.88 3.88 -5.000
World Championships SP 1 4S< 7.76   -3.10 4.66 -4.000
World Championships FS 1 4Sq q 9.70   -4.71 4.99 -4.667

今シーズン4回転サルコウは12回飛びましたが転倒5回、それ以外でダウングレード4回、アンダーローテーション1回で、基礎点満額入ったのは2回、GOEプラスの成功はありませんでした。昨シーズンは1本決まっているのですが、それでもまだ4回転は飛べるとはいいがたい状態です。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Ondrej Nepela Memorial FS 9 3Lz+1Eu+2S   8.47 x -0.47 8.00 -0.857
Skate Canada FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x -0.25 11.52 -0.444
MK John Wilson Trophy FS 9 3Lz+1Eu+2S   8.47 x 1.18 9.65 1.889
Latvia Trophy FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 1.77 13.54 2.600
Europe Championships FS 9 3Lz+1Eu+2S   8.47 x 0.42 8.89 0.556
Tallink Hostels Cup FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x 0.79 12.56 1.400
World Championships FS 9 3Lz+1Eu+2S   8.47 X 0.51 8.98 0.556

3連続ジャンプはすべての試合で入りました。9番目の要素でルッツから。3つ目が2回転になったものが4回あります。3つ目が3回転になりGOEもプラスだったのは2回だけでした。

全体の基礎点があまり高くありませんので、こういうところでしっかり稼いでおきたいところのようにも感じます。

 

今期はグランプリシリーズ初表彰台となりました。しかしながら他はあまり伸びずに終わりました。ランビエール先生の一番弟子。スピンのうまさは先生譲りにも思いますが、4回転も先生譲りで決まってくればいいのになあ、と思います。

4回転無しで完成度の高い滑りを見たい気もしますが、今シーズンはとにかくショートもフリーも4回転を入れ続けました。1本づつでも入って完成度高く滑れば、今のヨーロッパならチャンピオンになるチャンスも十分ある。来期こそは、4回転込みで完成度の高い演技を見られればと思います。