エリザベータトゥクタミシェワ Elizaveta Tuktamysheva 19-20

1996年12月17日生まれ

シニア9シーズン目

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シーズン獲得賞金:$18,000+4,000スイスフラン

世界ランキング:16位

シーズンランキング:11位

シーズンベストスコア 221.15(9位) ゴールデンスピン

ショートプログラムシーズンベスト 73.66 ロンバルディアトロフィー

フリーシーズンベスト 148.29 ゴールデンスピン

ショートプログラム楽曲: Drumming SONG

フリープログラム楽曲: You Don’t Love Me 他

スピンレベル4率 21/30=70.0%

ステップレベル4率 2/10=20.0%

スピンオールレベル4 0/5

スピンステップオールレベル4 0/5

ジャンプ回転不足率  2/50=4.00%

ジャンプ回転不足なし試合 4/5

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/5

 

 ●トゥクタミシェワ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Lombardia Trophy 2 214.38 73.66 41.90 31.76 140.72 76.48 64.24
CS Finlandia Trophy 2 212.53 72.66 39.72 32.94 139.87 72.31 67.56
GP Skate America 3 205.97 67.28 36.42 30.86 138.69 74.39 64.30
GP Cup of China 3 209.10 65.57 34.71 31.86 143.53 77.03 66.50
CS Golden Spin 1 221.15 72.86 41.58 32.28 148.29 80.93 67.36

トゥクタミシェワ選手は今シーズン国際試合は5試合出場して5試合とも200点超えをしています。

まずはチャレンジャーシリーズ2戦でシーズンイン。ロンバルディア杯、フィンランディア杯と210点台のスコアで2位。上にいたのは方やシェルバコワ選手、もう一方はコストルナヤ選手でした。

グランプリ2戦は200点台で3位表彰台。ショートプログラムが70点台に乗せられず、少し伸びなかったでしょうか。この二戦も勝ったのはシェルバコワ選手。二位はテネル選手に宮原選手。

トゥクタミシェワ選手はチャレンジャーシリーズの出場が多い傾向があるのですが、今シーズンも最大の三戦に出場しました。ゴールデンスピンがシーズンベストの221.15で優勝。昨シーズンはグランプリファイナルがあったため、チャレンジャーシリーズは2戦で済ませていましたが、二年ぶりに3試合に出て、今シーズンのチャレンジャーシリーズの総合チャンピオンとなりました。シーズン獲得賞金の欄の4000スイスフランは、このチャレンジャーシリーズの賞金です。

その後、ロシア選手権はフリーが伸びず4位止まり。展開としては、ノーミスだった表彰台があったのですが、自身も回転不足4つの演技になり、チャンピオンシップの派遣はなし。ここでシーズン終了となりました。

 

 ●トゥクタミシェワ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Lombardia Trophy 2 214.38 118.38 96.00 83.31 20.95 14.12
CS Finlandia Trophy 2 212.53 112.03 100.50 78.92 19.80 13.31
GP Skate America 3 205.97 110.81 95.16 78.41 21.55 10.85
GP Cup of China 3 209.10 111.74 98.36 77.97 21.14 12.63
CS Golden Spin 1 221.15 122.51 99.64 87.49 21.94 13.08

トゥクタミシェワ選手の要素別は、意外とPCSが伸びておらず、はっきりとTES寄りの得点傾向となっています。

PCSは一番いい時で100点に乗る程度。これは、シーズン後半のトゥルソワ選手並み、ということになっています。

スピンは21点前後、良くて22点に近づく、という水準ですが、これはトップ選手の中ではかなり低い方になります。

ステップはずいぶん点がばらけていますが、良い時で14点台。14点台まで乗れば、悪いわけではないですが、とても良いというほどでもないです。トップ層は15点台まで出してきます。

ジャンプはやはりばらつきが出ていますが、良い時は80点台後半まで伸ばしてきます。80点台後半というのは、トゥルソワ選手が崩れた時はこの辺まで落ちてくる、という水準です。紀平梨花選手もこれくらいの位置。コストルナヤ選手も一番低い水準だと80点台後半ですので、トゥクタミシェワ選手のジャンプの獲得点数はトップ水準にあると言えそうです。

 

 ●トゥクタミシェワ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 2 65.30 68.86 65.18 51.62 63.90 61.03
Finlandia Trophy 2 64.79 64.38 68.40 47.81 60.24 63.99
Skate America 3 63.01 66.35 62.69 53.61 49.11 60.48
Cup of China 3 63.86 66.88 60.63 52.25 57.16 62.58
Golden Spin 1 67.14 68.97 72.27 54.91 59.20 63.42

スケート偏差値は、トータルスコアが200点台だと63前後、210点台に乗って65前後になって、220点台で67まで伸びてきます

ジャンプは基礎点、GOEともに高いことが多いです。ゴールデンスピンのようにしっかり基礎点が取れて加点も取れると、偏差値70前後まで来てトータルスコアも伸びるという構図なようです

スピンは弱点。チャレンジャーシリーズレベルの選手まで含めた母集団の中でも偏差値50前後しかありません。

ステップ系要素もあまり伸びておらず、偏差値60に乗るのはたまにといったところ

PCSも、イメージと違って決して高いわけでもなく、偏差値60台前半にとどまっています。

トリプルアクセルを中心としたジャンプの選手、というのが偏差値から見える姿です。

 

トゥクタミシェワスケート偏差値

レーダーチャートは右に膨らむだけでなく、下は凹むというところまでセットです。

スピン、ここまで苦手ですか・・・。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy 1 3A   8.00   -0.80 7.20 -1.143
Lombardia Trophy 2 3F+3T   9.50   1.48 10.98 2.571
Lombardia Trophy 3 FSSp4   3.00   0.60 3.60 2.143
Lombardia Trophy 4 3Lz   6.49 x 1.65 8.14 2.571
Lombardia Trophy 5 LSp4   2.70   0.59 3.29 2.000
Lombardia Trophy 6 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.571
Lombardia Trophy 7 CCoSp3   3.00   0.78 3.78 2.429
Lombardia Trophy   TES   36.59   5.31 41.90  

トゥクタミシェワ選手のショートのシーズン最高基礎点は36.59でした。スピンが一つレベル3ですが、これをレベル4に持ってこられれば37点台に乗る、という構成です。

これより上に持っていくにはコンビネーションジャンプの1.1倍ボーナス化しかありません。基礎点ベースでは37.65というトップスコアを持つコストルナヤ選手や紀平梨花選手とも十分戦えますので、あとは出来栄え勝負となります。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy 1 3A+2T   9.30   -1.28 8.02 -1.714
Lombardia Trophy 2 3A   8.00   0.64 8.64 0.571
Lombardia Trophy 3 3Lz+2A+SEQ   7.36   1.65 9.01 2.857
Lombardia Trophy 4 3F   5.30   1.38 6.68 2.429
Lombardia Trophy 5 FSSp4   3.00   0.48 3.48 1.571
Lombardia Trophy 6 LSp4   2.70   0.32 3.02 1.143
Lombardia Trophy 7 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.429
Lombardia Trophy 8 2A+3T+2T   9.68 x 0.92 10.60 2.286
Lombardia Trophy 9 3Lz   6.49 x 1.18 7.67 2.000
Lombardia Trophy 10 3Lo   5.39 x 0.98 6.37 2.000
Lombardia Trophy 11 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.429
Lombardia Trophy 12 CCoSp4   3.50   0.28 3.78 0.857
Lombardia Trophy   TES   67.62   8.86 76.48  

フリーの最高基礎点は67.62  これはトリプルアクセル無し構成では届かない領域です。

二本飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツ。ちょっともったいないのは、3Lz-2Aのシークエンスでしょうか。これ、シークエンスなので0.8倍されて基礎点が7.36 ここはもし、3Lz-2Loに出来れば7.60の基礎点に出来ます。ここでなくても、どこかで2Loを使えればシークエンスを作らなくてよいのですが、それをしないというのは、それくらいコンビネーションの後ろにループを付けることへの抵抗感があるのでしょうか

もう一つのやり方としては、トリプルサルコウが余っていますので、三連続を1Eu-3Sコースにして、今度は余って出てくる3Tを3Lz-3Tの形で付ける、ということでもさらに基礎点を上げられます。

基礎点67.62だと、トリプルアクセル1本構成のユヨン選手の67.11とあまり差がなくなっていて、アクセル2本の価値があまり生かせてなくてもったいなく見えるんですよね。

トリプルアクセル2本の四回転無し構成では、コストルナヤ選手が70.15まで出しています。紀平選手は69.43まで。四回転投入なしでも、三連続のサルコウ使い化によって、もう一段階基礎点を上げることが計算上可能です。

 

●平均GOE+2.600以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Golden Spin SP 2 3F+3T   9.50   1.70 11.20 3.286
Finlandia Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.250
Cup of China FS 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
Golden Spin SP 6 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.143
Finlandia Trophy SP 6 StSq3   3.30   1.05 4.35 3.125
Finlandia Trophy FS 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Cup of China FS 1 3A+2T   9.30   2.40 11.70 3.000
Golden Spin FS 3 3Lz   5.90   1.77 7.67 3.000
Golden Spin FS 10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000
Golden Spin FS 12 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
Cup of China FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.20 10.88 2.889
Finlandia Trophy FS 3 3Lz   5.90   1.67 7.57 2.875
Lombardia Trophy FS 3 3Lz+2A+SEQ   7.36   1.65 9.01 2.857
Golden Spin SP 4 3Lz   6.49 x 1.65 8.14 2.857
Golden Spin FS 6 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.857
Cup of China SP 4 3Lz   6.49 x 1.69 8.18 2.778
Golden Spin FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.09 10.77 2.714
Golden Spin FS 9 3Lo   5.39 x 1.27 6.66 2.714
Cup of China FS 8 3Lz+2A+SEQ   8.10 x 1.60 9.70 2.667
Cup of China FS 9 3Lo   5.39 x 1.33 6.72 2.667
Finlandia Trophy FS 5 LSp4   2.70   0.72 3.42 2.625

トゥクタミシェワ選手のエテリ組と差がある部分は、加点の伸びなさ、というのがありそうです。今シーズン5試合で平均GOEが最もよかった要素で+3.286 意外と出てません。

一番上に3回転-3回転のコンビネーションが出てくるあたりは、さすが、という感じはあります。3A-2Tも平均GOE+3.000までもってきているものがありますし。

あとは、コレオがうえにいるのもらしい、という気はします。気分的にはもっとつけてしまいたいコレオ。

一方で、スピンがあまり上の方にいません。スピンの加点が多い選手というのが結構いるのですが、トゥクタミシェワ選手は、そうれはなく、ジャンプあるいはコレオ、ステップでの加点が多いという構図になっています。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 1 3A   8.00   -0.80 7.20 -1.143
Lombardia Trophy FS 1 3A+2T   9.30   -1.28 8.02 -1.714
Lombardia Trophy FS 2 3A   8.00   0.64 8.64 0.571
Finlandia Trophy SP 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
Finlandia Trophy FS 1 3A+2T   9.30   1.73 11.03 2.250
Finlandia Trophy FS 2 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
Skate America SP 1 3A   8.00   2.06 10.06 2.556
Skate America FS 1 3A+2T   9.30   1.14 10.44 1.444
Skate America FS 2 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
Cup of China SP 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -4.889
Cup of China FS 1 3A+2T   9.30   2.40 11.70 3.000
Cup of China FS 2 3A   8.00   1.49 9.49 1.667
Golden Spin SP 1 3A   8.00   -0.32 7.68 -0.286
Golden Spin FS 1 3A+2T   9.30   1.44 10.74 1.857
Golden Spin FS 2 3A   8.00   0.32 8.32 0.286

今シーズントリプルアクセルを飛んだのは15回。この15回のうち、回転不足は一つもありませんでした。これは、他のトリプルアクセル使いの選手では達成できていないことで、今シーズンのトゥクタミシェワ選手は唯一無二の存在となっています。

GOEがプラスの成功ジャンプは15本中11本。高い成功率を誇っています。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy FS 8 2A+3T+2T   9.68 x 0.92 10.60 2.286
Finlandia Trophy FS 7 2A+1Eu+2S   5.61 x 0.39 6.00 1.125
Skate America FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 0.84 10.52 2.000
Cup of China FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.20 10.88 2.889
Golden Spin FS 7 2A+3T+2T   9.68 x 1.09 10.77 2.714

3連続ジャンプはダブルアクセル起点。フィンランディア杯ではオイラーサルコウを入れていますが、あとは3T-2Tコースです。多少難易度は低いというのはありますが、5分の5でGOEプラスの成功ジャンプとなっています。3連続ジャンプでGOEプラス率100%というのは珍しいです。

 

●三回転-三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 2 3F+3T   9.50   1.48 10.98 2.571
Finlandia Trophy SP 2 3Fe+3T e 8.44   -0.71 7.73 -1.625
Skate America SP 2 3T+3T   8.40   -1.08 7.32 -2.667
Golden Spin SP 2 3F+3T   9.50   1.70 11.20 3.286

トゥクタミシェワ選手は意外と3回転-3回転のコンビネーションジャンプの実施が少なくなっています。フリーでは一つもありません。

ショートでは、感触の良い時はフリップから、悪い時はトーループ二つ、という選び方になっているのでしょうか。成功率は2/4 でもなくて、中国杯ではおそらく3Tにしたかったけどやめて2Tというのがあるので、成功率は40%です。

上位選手の中では、デールマン選手と並ぶ、3T-3Tを好む選手で、トゥクタミシェワ選手の3T-3T、結構好きではあるのですが、基礎点的にはちょっと不利ですし、エテリ組と戦うには、フリップあるいはルッツからのコンビネーションというのが求められてしまうと思われます。

 

ジャンプはトリプルアクセルが目立つのですが、それ以外は案外点を取れてないなと思う部分もあります。ただ、シーズン通じてのジャンプの回転不足率は4.00%と極めて低いです。この低い回転不足率をトリプルアクセル込みで成し遂げているのは本当にすごいことです。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Lombardia Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.571
Lombardia Trophy FS 7 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.429
Lombardia Trophy FS 11 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.429
Finlandia Trophy SP 6 StSq3   3.30   1.05 4.35 3.125
Finlandia Trophy FS 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Finlandia Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.250
Skate America SP 6 StSq3   3.30   0.61 3.91 1.889
Skate America FS 6 StSq2   2.60   0.41 3.01 1.667
Skate America FS 10 ChSq1   3.00   0.93 3.93 1.889
Cup of China SP 6 StSq3   3.30   0.75 4.05 2.222
Cup of China FS 6 StSq3   3.30   0.71 4.01 2.111
Cup of China FS 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
Golden Spin SP 6 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.143
Golden Spin FS 6 StSq3   3.30   0.92 4.22 2.857
Golden Spin FS 10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.000

コレオシークエンスは平均GOE+3を超えるスコアが目立ちます。もうちょっとほしい気もするのですけど、去年とやってること同じに見えないでもない、ところが気分的にはちょっと厳しいかな。昨シーズンの方が全体的に成績が良かったので、あの、煽る感じが、自信をもって長めにやっていて、それも曲の雰囲気とあっていたので、よかったかも。結局、途中で曲戻してましたしね。

ステップは、レベル4入ったのがロンバルディア杯だけなんですね。そこがもう少し頻度高くレベル4取れると、ショートフリーで基礎点だけで1.2上がってくるので、この先の点の積み増し要素になって来るかと思います。

 

24歳になったトゥクタミシェワ選手。今シーズンは、昨シーズンに輪をかけてロシアのレベルが上がり、また、大変なシーズンになってきてしまいました。

入れ替わり激しいロシアの数少ないベテラン、というだけでなく、世界的に見ても、ソチオリンピック以前の世界を知っている数少ない選手かと思います。

国籍がロシアじゃなければ・・・、というのは言っても仕方ないことではあるのですが、ほかの国ならヨーロッパ選手権なり世界選手権なりで、常に見ていられるのですが、ロシアだとそれがなかなか苦しい・・・。

 

今シーズン、フリーの曲を途中で昨シーズンのものに戻しました。最初に使っていた曲は、トゥクタミシェワ選手には、ちょっとポップな感じが強いかな、とも感じていました。トゥクタミシェワ選手にはレトロ感が混ざっていたり、怪しい感じが混ざっていたりする方が似合うように感じています。そういう点で、昨シーズンの曲はあっていたかな、と感じていました。終盤、The Great Gatsbyの曲でコレオシークエンスに入っていて、観客を煽って煽って煽って、そのままスピン二つに突入していってエンド、というあの流れは好きでした。

 

トリプルルッツからダブルアクセルのシークエンス、というのも最近はほとんどトゥクタミシェワ選手しか見せてくれない技ですかね。あのシークエンスダブルアクセルにつなげていく流れ、ルッツじゃなくてもいいのですが、結構好きなので、基礎点的には割と損な選択なのですが、希少な存在なので、あれも、続けていってほしいな、と思ったりします。

 

ロシア選手権では四回転トーループにも挑戦していました。点を伸ばすには四回転の前に、スピンだったりステップのレベル4化だったり、3連続にサルコウ投入だったり、いろいろできることはあります。ただ、それはそれとして、点を取るためにはみんな同じようなところに最後行きついてしまう、というようなところを突き抜けて、多少損でも、変わったことをやる、ほかの人のやらないことをやる、そんな構成で末永く演じて行ってもらえたらうれしく思います。