チャジュンファン Cha JunHwan 19-20

2001年10月21日生まれ

シニア3シーズン目

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シーズン獲得賞金:$5,000

世界ランキング:10位

シーズンランキング:16位

シーズンベストスコア 265.43(9位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 90.37 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 175.06 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲: Michelangelo 70 / La Muerte del Angel

フリープログラム楽曲 :The Fire Within

スピンレベル4率 19/24=79.2%

ステップレベル4率 3/8=37.5%

スピンオールレベル4 1/4

スピンステップオールレベル4 1/4

ジャンプ回転不足率  16/40=40.0%

ジャンプ回転不足なし試合 0/4

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/4

 

 ●チャジュンファン選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Autumn Classic 4 230.44 84.23 44.58 39.65 146.21 68.31 77.90
GP Skate America 8 219.67 78.98 39.20 39.78 140.69 67.61 75.08
GP Cup of China 6 222.26 69.40 33.90 37.50 152.86 74.86 78.00
4CC Four Continents 5 265.43 90.37 48.49 41.88 175.06 88.78 86.28

昨シーズン前半に大活躍したチャジュンファン選手のシニア三シーズン目。今シーズンは前半大苦戦しました。

チャレンジャーシリーズオータムクラシックではショートフリーで四回転5本に挑み、GOE+の成功ジャンプはなし。230.44という今一つなスコアでスタートしました。

グランプリ二戦もショートから出遅れます。スケートアメリカのショートは四回転1本としますがこれが2回転になり零点。フリーは四回転三本すべて回転を満たせず、219.67と現行ルールの自己ワーストスコアを記録してしまいます。

中国杯はショートから四回転とトリプルアクセルでどちらも回転不足なうえ転倒という痛い出だしで69.40 ショートの70点割れはやはり現行ルールのワーストです。フリーも4回転二つを含めて回転不足4つとてこずって、結局222.26に終わりました。

チャジュンファン選手は昨シーズン結果をある程度出していますので、今シーズンはもう序盤から結果を出し続けなくてはいけない立場でもありません。

年が明けてから調子が上がってくればいい、という立場です。年明けすぐの国内選手権は圧勝で四連覇。日米露とは違い、この水準の力があれば国内選手権は単なる調整試合となります。

それを経ての四大陸選手権。この試合もショートフリー通じて4つの回転不足があり、完璧とはいきませんでしたが、スピンステップオールレベル4で、四回転もショートフリーで3本決め、調子が上がってきているのは感じさせられました。シーズンベストの265.43で5位 世界選手権へいい流れで入っていけそうだったのですが、中止となりシーズン終了となりました。

 

 ●チャジュンファン選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Autumn Classic 4 230.44 112.89 117.55 79.43 21.59 11.87
GP Skate America 8 219.67 106.81 114.86 70.25 23.46 13.10
GP Cup of China 6 222.26 108.76 115.50 74.70 22.30 11.76
4CC Four Continents 5 265.43 137.27 128.16 98.07 24.23 14.97

要素別は四大陸以外の試合では技術点が伸びず演技構成点の方が高くなっています。ある程度しっかり滑った四大陸選手権は技術点が上。しっかり滑ってPCSは128.16まで出ました。これは全体8位の高いスコアです。各要素平均8.5点でPCS合計127.5点になりますので、おおよそ8.5平均くらいは出せていることになります。

ジャンプは四大陸で98.07と100点近いスコアとなりました。100点越えは12人いますので、トップ層ではありませんが、ジャンプもそれなりにしっかり点が取れています。

スピンは24点台。これは普通くらいな数字。トップは27点台ですし、26点台後半を出す選手が結構いますので、2.5~3点ほど、スピンでビハインドを追うことになります。

ステップ系要素は14.97がベスト。これは今シーズン全体で8位のスコアです。

ステップ系要素とPCSが上位にいて、ジャンプもちゃんと飛べた時にはそれなりのところにいますよ、というのが今の位置づけです。

 

 ●チャジュンファン選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Autumn Classic 4 56.68 59.59 44.79 53.66 52.22 57.73
Skate America 8 53.93 52.12 47.79 59.50 58.03 56.09
Cup of China 6 54.59 58.86 40.30 55.88 51.70 56.48
Four Continents 5 65.60 61.17 64.95 61.91 66.86 64.16

シーズン前半はトータルスコア55前後と伸びませんでしたが、四大陸選手権で65まで持ってきました。

ジャンプは基礎点は偏差値60前後。GOEがシーズン前半苦労していて偏差値50に届いていませんでしたが、四大陸では65付近まで来ました。

スピンは一番いい時で偏差値61.91なので、ほかの要素よりやや弱めです。

ステップ系要素はしっかり演じると60台後半の偏差値が出ました。四大陸選手権はショートフリーレベル4が揃いましたので、それが効いています。

PCSも65前後。

どの要素も偏差値60を超えて、得意なものは60台後半まで出すということで、上位層にいる選手だなというのが見えます。

 

 

チャジュンファン スケート偏差値

レーダーチャートは、ちゃんと滑った時はバランス型。ただ、それでもジャンプの基礎点偏差値がやや低めです。回転不足に今シーズンは苦しんでいたため、ジャンプの基礎点がしっかり確保しきれませんでした。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic 1 4S+3T< 13.06   -2.13 10.93 -2.429
Autumn Classic 2 4T   9.50   -0.95 8.55 -0.857
Autumn Classic 3 CSSp4   3.00   0.72 3.72 2.286
Autumn Classic 4 3A   8.80 x 1.76 10.56 2.143
Autumn Classic 5 FCSp4   3.20   0.58 3.78 1.571
Autumn Classic 6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.429
Autumn Classic 7 CCoSp2   2.50   0.45 2.95 1.714
Autumn Classic   TES   43.36   1.22 44.58  

ショートプログラムでは四回転二本に挑戦した構成の時の43.36が基礎点最高でした。トップは49.10ですので、同じ四回転二本でも、まだだいぶ差があります。

この構成、着氷まではしているのであと少しというところまで来ていました。コンビネーションの後ろが回転不足なのですが、これが回転足りれば0.84基礎点が上がります。あとはステップで0.6 スピンで1.0 レベル4をそろえた時には基礎点を上げることができます。したがって、この構成であと2.44基礎点を上げて45.80までは持っていくことができます。

中身いじって基礎点を上げることを目指すよりも、まずこの構成をしっかり演じられるようにする、という方向をたぶん目指すことになるのだろうと思います。

実際には今シーズン、ショートでの4回転二本構成は、このオータムクラシックのみで、グランプリシリーズ以降は4回転一本構成でした。チャジュンファン選手がショートで四回転二本構成にするのは、実はほかの選手よりハードルが高くなっています。他の選手は3回転-3回転のコンビネーションを入れると3Lz-3Tで基礎点10.1で、4T-2Tに上げられれば基礎点10.8なので、基礎点が上がります。しかしチャジュンファン選手は3Lz-3Loなので基礎点10.8 セカンドが2回転だと基礎点は上がりません。セカンドに3回転を付ける自信がない場合は、3Lz-3Loにしておいた方が無難なわけです。したがって、四回転二本目を入れる場合はコンビネーションの二つ目3回転が必須となる分、他の選手より四回転二本投入のハードルが高くなっています。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
Four Continents 2 4S   9.70   3.05 12.75 3.111
Four Continents 3 3Lz+3Lo   10.80   1.18 11.98 2.111
Four Continents 4 FCSp4   3.20   0.50 3.70 1.556
Four Continents 5 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Four Continents 6 3A+2T< 9.04   -0.69 8.35 -0.667
Four Continents 7 3A< 7.04 x -0.37 6.67 -0.444
Four Continents 8 3F<+1Eu+3S< 9.00 x -0.67 8.33 -1.667
Four Continents 9 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
Four Continents 10 3Lo   5.39 x 1.19 6.58 2.333
Four Continents 11 CSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
Four Continents 12 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 3.000
Four Continents   TES   77.07   11.71 88.78  

フリーの最高基礎点は77.07 基礎点順に付けると20位台になりますので、それほど高い順位ではありません。四回転は二本構成ですので、基礎点勝負というよりは出来栄え勝負でもっと上げていきたい、ということになるかと思います。

この試合は結局回転不足が三つの要素で4つありました。なので、この構成で得られる基礎点のポテンシャルはもっと高いです。

回転不足がすべて解消されたとき、基礎点は81.20まで上がります。6番目の要素のコンビネーションはセカンドがダブルトーループですが、これはトリプルトーループにすることが可能です。そこまでできればさらに基礎点は上がって84.10となります。そこまで持ってくれば、フリーの基礎点が8位にまでなってきます。

四回転二本の構成ですが、男子では特に希少なセカンド3Lo持ちなため、3Aと3Lo二本という高いレベルのエイトトリプル+4回転二本で、2回転が一本もなくなるというハイレベル構成を作ることができます。

ただ、実際にはこれらは理論上の計算に過ぎず、セカンドルーパーにたまにいるのですが、チャジュンファン選手はセカンド3Tを昨シーズンも今シーズンもしっかり決めることができた試合というのはありません。なので、いまのところ、ノーミスした時の基礎点マックスは81.20と見ることになると思います

 

なお、シーズン序盤は4回転三本構成に挑戦していました。これができるようになると、さらに基礎点は上がっていきます。

 

●平均GOE+2.600以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
Four Continents FS 9 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
Skate America SP 7 CCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
Four Continents FS 5 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Autumn Classic FS 12 CCoSp3   3.00   0.96 3.96 3.143
Four Continents SP 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.111
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
Four Continents FS 2 4S   9.70   3.05 12.75 3.111
Autumn Classic FS 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
Autumn Classic FS 9 ChSq1   3.00   1.40 4.40 3.000
Four Continents FS 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 3.000
Skate America SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
Cup of China SP 7 CCoSp3   3.00   0.86 3.86 2.889
Four Continents SP 3 CSSp4   3.00   0.90 3.90 2.778
Skate America SP 3 CSSp4   3.00   0.77 3.77 2.667
Cup of China FS 9 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667

評価が高い要素はスピンにコレオ、ステップです。スピンはCCoSpが上の方にいます。

四回転もGOE+3以上に入ってきているのですが、それ以外のジャンプのGOEはあまり伸びていないようです。

四回転2本で上位と戦っていくには、平均GOEが+3.5以上の要素が一シーズン通じてない、という状態だと少々苦しいでしょうか。ただ、調子の上がってきた四大陸では、GOE+3以上の要素が多数出てきています。

 

●4回転フリップ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic FS 1 4F< 8.80   -0.70 8.10 -0.714
Skate America FS 1 4F< 8.80   -4.40 4.40 -5.000

今シーズン四回転フリップに挑戦しましたが、回転が足りたジャンプはありませんでした。オータムクラシックでは回転不足ながら着氷。スコア8.10あれば、トリプルフリップと比べればおつりが来ますので、失敗とは言い切れませんが、四回転フリップの認定はありませんでした。

グランプリ2戦目以降は封印されています。

 

●一つ目サルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 1 4S+3T< 13.06   -2.13 10.93 -2.429
Autumn Classic FS 2 2S   1.30   0.00 1.30 0.000
Skate America SP 1 2S*   0.00   0.00 0.00  
Skate America FS 2 4S   9.70   -4.57 5.13 -4.667
Cup of China SP 1 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Cup of China FS 2 4S< 7.76   -3.43 4.33 -4.333
Four Continents SP 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.111
Four Continents FS 2 4S   9.70   3.05 12.75 3.111

チャジュンファン選手は四回転のサルコウをショートフリーで1本づつ入れています。トーループと比べてサルコウの方が得意なタイプなはずなのですが、今シーズンの成功率は低く、グランプリシリーズまでの3試合では、すべて失敗ジャンプ扱いです。

四大陸選手権ではしっかり二本成功。四大陸で上位に戻ってきた一つの要因になっています。

 

●一つ目トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 2 4T   9.50   -0.95 8.55 -0.857
Autumn Classic FS 3 4T< 7.60   -2.89 4.71 -3.714
Skate America FS 3 1T   0.40   -0.04 0.36 -1.000
Cup of China FS 1 4T< 7.60   -0.87 6.73 -1.222
Four Continents FS 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000

四回転トーループはショート四回転2本構成の時にはショートにも入りますが、ショート四回転一本の時はフリーで一本だけの投入になります。

これは5回飛んで2本成功。四大陸ではサルコウと合わせて、ショートフリーで3本飛んだ四回転がすべて成功ジャンプとなっていました。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 4 3A   8.80 x 1.76 10.56 2.143
Autumn Classic FS 6 3A+1Eu+3S   12.80   0.80 13.60 1.000
Autumn Classic FS 7 3A+2T< 9.94 x -1.28 8.66 -1.429
Skate America SP 4 3A   8.80 x 1.49 10.29 1.889
Skate America FS 6 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.111
Skate America FS 7 3A   8.80 x 1.26 10.06 1.444
Cup of China SP 4 3A< 7.04 x -3.20 3.84 -5.000
Cup of China FS 6 3A+2T   9.30   1.14 10.44 1.444
Cup of China FS 7 3A   8.80 x 1.49 10.29 1.778
Four Continents SP 4 3A< 7.04 x -0.82 6.22 -1.222
Four Continents FS 6 3A+2T< 9.04   -0.69 8.35 -0.667
Four Continents FS 7 3A< 7.04 x -0.37 6.67 -0.444

トリプルアクセルはショートフリーで合計三本入れている要素です。これが残念ながら成功率が低い。

12回飛んで、回転不足3回、セカンドの回転不足2回を含め、GOEマイナスは5回。成功率は半分を少し超える程度です。四大陸では三本すべてマイナス。これが三本決まっていれば表彰台でした。

トリプルアクセルはそれなりに高難度のジャンプではあるのですが、四回転の本数が増えると、どんどん後ろの方に追いやられるジャンプでもあります。早い要素順で飛んでいれば成功率が高いという選手も、四回転が増えて、トリプルアクセルに咲く練習時間が削られたうえで、体力を消耗した後半に回ってきて飛ばないといけない。しかも、二本飛ぶことになることの多いジャンプなのでコンビネーションもつけなくてはいけなくなったりする。そういった条件でも高い成功率にしていくことが上位で勝負するためには求められてきます。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic FS 6 3A+1Eu+3S   12.80   0.80 13.60 1.000
Skate America FS 6 3A+1Eu+3S   12.80   1.71 14.51 2.111
Cup of China FS 8 3F+1Eu+3S< 10.16 x -0.08 10.08 -0.222
Four Continents FS 8 3F<+1Eu+3S< 9.00 x -0.67 8.33 -1.667

3連続ジャンプは、四回転三本構成を試していた序盤はトリプルアクセルから、シーズン後半は昨シーズン同様のトリプルフリップからで1.1倍ボーナスタイム投入、というものでした。

トリプルアクセルから飛んだ2回は成功、フリップからの2回は減点ジャンプになっています。

ジャンプ自体の難しさと、飛ぶ順番による体力消耗度合いと。どちらが成功率に影響を与える度合いが強いのかは場合に寄るのでしょうが、ここでは順番の方が影響を与えているようです。

男子としてはシニアに早く上がっていて、体力面で心配が、という声もオリンピックシーズンや昨シーズンもあったようですが、今シーズンもその辺の影響が少しこういうところに見えているように感じます。

 

●ルッツループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic FS 8 3Lz+3Lo<< <<  8.36 x -1.42 6.94 -2.429
Skate America SP 2 3Lz+3Lo   10.8   1.43 12.23 2.444
Skate America FS 8 3Lz+1Lo   7.04 x -1.01 6.03 -1.667
Cup of China SP 2 3Lz+3Lo   10.8   1.26 12.06 2.111
Cup of China FS 3 3Lz+3Lo< 9.82   -2.44 7.38 -4.111
Four Continents SP 2 3Lz+3Lo   10.8   1.43 12.23 2.444
Four Continents FS 3 3Lz+3Lo   10.8   1.18 11.98 2.111

チャジュンファン選手は男子では希少なセカンドループを持つ選手です。

ショートプログラムで4回転1本構成の時には3Lz-3Loが構成に入りますし、フリーでも入ってきます。フリーで4回転3本構成に挑戦していた時には1.1倍ルッツループというなかなか難しい要素となっていました。

成功率は5割。四大陸選手権ではショートフリー共に成功させていました。セカンドのループが1回転になってしまうと大きなミスですが、セカンドが回転不足でも基礎点は9.82あります。セカンドが最初からトーループの時は10.1の基礎点でそれほど差はありません。回転不足はGOEにもやや悪影響が得るので、その分も考えなくてはいけませんが、成功率5割あれば、トーループではなくループに賭けるのはお得な選択に見えます

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Autumn Classic SP 6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.429
Autumn Classic FS 5 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.000
Autumn Classic FS 9 ChSq1   3.00   1.40 4.40 3.000
Skate America SP 6 StSq3   3.30   0.94 4.24 2.889
Skate America FS 5 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.222
Skate America FS 9 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.111
Cup of China SP 6 StSq2   2.60   0.63 3.23 2.222
Cup of China FS 5 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.444
Cup of China FS 9 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.667
Four Continents SP 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
Four Continents FS 5 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
Four Continents FS 9 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444

ステップ系要素は、シーズン前半はGOE+2台だったのですが、四大陸選手権では+3台で、かつ、ステップレベル4でした。レベル4で+3台のGOEがあると、得意要素と言えます。

ただ、レベル4率自体は高くないので、安定してこれが出せるかどうか、というあたりはたぶん課題になっているのだろうと思われます。

 

 

スピンはレベル4率が79.2% あまり高くありません。四大陸選手権ではスピンステップオールレベル4でしたので、ちゃんと滑ればレベル4を取る力があるのだろうと思います。昨シーズンもレベル4率は高くないながら、グランプリファイナルと四大陸ではすぴのーるレベル4 安定していなくて調子に左右されるけれど、レベル4を並べる力はある、ということかと思われます。

 

 

韓国男子として昨シーズン初めてグランプリファイナルの表彰台に乗ったチャジュンファン選手。今シーズンは苦しみました。平昌オリンピックがあるせいか、15歳でシニアに上がり、すでにシニア3シーズン目ではありますが、まだ18歳。ようやく高校卒業年齢という位置です。世界ジュニアにずっと出ていたら、優勝するチャンスもあったのではないかと思いますが、早くシニアに上がってそのままシニアで戦う道を選びました。

オーサー先生が好きそうなトータルバランスの取れた選手。ただ、得点バランスが良いだけに、点数を上げていくには全体を伸ばしていかなくてはならず、なかなか苦労しているようです。

まだ18歳ですし、ライバルの少ない国なので、この先しばらくは世界の舞台に常に顔を出す選手としてやっていくことになると思います。平昌には16歳で出場しました。北京、26年、30年と来てもまだ28歳。あと3回、もしかしたら4回、オリンピックの可能性がある。羽生選手、ジェイソンブラウン選手、あるいはメドベージェワ選手をまじかに見続けてトレーニングを重ねていったときに、どんな選手になっていくのか楽しみに思います。