マカールイグナトフ Makar Ignatov 19-20

2000年6月21日生まれ

シニア1シーズン目

Instagram

シーズン獲得賞金:$9,000

世界ランキング:35位

シーズンランキング:22位

シーズンベストスコア 252.87(15位) Rostelecom Cup

ショートプログラムシーズンベスト 87.54 Rostelecom Cup

フリーシーズンベスト 165.33 Rostelecom Cup

ショートプログラム楽曲::In This Shirt

フリープログラム楽曲 : Troy サウンドトラックより

スピンレベル4率 11/30=36.7%

ステップレベル4率 0/10=0.00%

スピンオールレベル4 0/5

スピンステップオールレベル4 0/5

ジャンプ回転不足率  3/50=6.00%

ジャンプ回転不足なし試合 1/5

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/5

 

 ●マカールイグナトフ選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
CS Nebelhorn Trophy 1 220.51 65.28 34.53 31.75 155.23 87.73 67.50
IC Denis Ten Memorial 2 214.99 72.80 37.50 36.30 142.19 71.19 71.00
GP Rostelecom Cup 3 252.87 87.54 50.79 36.75 165.33 85.31 80.02
GP NHK Trophy 7 222.45 78.47 42.71 36.76 143.98 72.70 72.28
CS Golden Spin 3 229.22 72.66 35.36 37.30 156.56 83.76 72.80

イグナトフ選手は今シーズンがシニアデビューになっています。昨シーズンは試合出場がほとんどありませんでした。

初戦はチャレンジャーシリーズネーベルホルン杯から。ショートで四回転サルコウが回転不足の転倒、コンビネーションは3T-3Tになり65.28という、なかなか厳しいシニアデビューだったのですが、フリーを何とかまとめて220.51で優勝します。

2戦目は亡くなったデニステンさんの名を冠して今シーズン作られたデニステンメモリアル。この試合は214.99 スコア伸ばせず2位に終わりました。

グランプリシリーズは2戦。一戦目がロステレコム杯。ここがイグナトフ選手の今シーズンのハイライトとなりました。ショートプログラムから4回転2本を決めて87.54のパーソナルベストで3位発進。フリーも四回転二本を含めジャンプをほぼミスなくまとめて165.33のパーソナルベスト。トータル252.87と250点に乗せて3位表彰台となりました。

翌週に連戦でNHK杯。表彰台に乗ればいきなりシニアデビューシーズンにファイナル進出、というのが懸かる試合になります。ショートプログラム、四回転二本までは決めてくるのですがトリプルアクセルでまさかのダウングレードでの転倒。この結果5位で折り返すと、フリーはジャンプが四本GOEマイナスになるなどスコアを伸ばせず、トータル222.45で7位。シニアデビュー即ファイナルはなりませんでした

グランプリファイナルで行われたチャレンジャーシリーズ最終戦ゴールデンスピンに出場し、ここでは3位表彰台を確保します。

 

年末にはロシアの国内選手権へ挑みます。ショートプログラムは88.88で首位。このまま行ければシーズン後半のチャンピオンシップの出場権を得るチャンスだったのですが、フリーで170点台を出した3人に逆転されての4位。ヨーロッパ選手権も補欠で切符を得られずという形になりました。

 

 ●マカールイグナトフ選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
CS Nebelhorn Trophy 1 220.51 122.26 99.25 92.81 18.92 10.53
IC Denis Ten Memorial 2 214.99 108.69 107.30 79.49 19.40 9.80
GP Rostelecom Cup 3 252.87 136.10 116.77 105.95 19.84 10.31
GP NHK Trophy 7 222.45 115.41 109.04 88.49 16.31 10.61
CS Golden Spin 3 229.22 119.12 110.10 90.18 18.78 10.16

要素別を見ると、基本的にはTESの方がPCSより高く出ます。PCSはロステレコム杯は116.77まで出しました。他は110点前後まで。5項目平均7.5で112.5点になりますが、その前後くらいのスコアを持っているということになります。

ジャンプの点が高く出ています。ロステレコム杯では105.95まで出ました。このスコアは今シーズン全体で9位という高いものです。二番目のスコアネーベルホルン杯だと92.81ですと全体の20位台。低くはないですがトップを争うには少し遠くなります。100点を超えたのは一度だけ。ロステレコム杯がフロックと言われないためには、来シーズン、また高いスコアを出して、実力であると証明することが求められます。

 

スピンは19,84が最高。トップは27点出すスピンで、20点まで届かないというのはかなり低いと言わざるを得ません。

ステップ系要素も10.61がベストでこれも低いと言わざるを得ません。コレオがないジュニアではこのスコアを出すことが不可能なので、これより上にいるのはシニアの選手だけなのですが、それでも全体で100位に入れないようなスコアです。

 

基本的にジャンプで点を取る選手で、他はまだまだ、という立ち位置です。

 

 ●マカールイグナトフ選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
Nebelhorn Trophy 1 54.15 60.62 59.46 45.32 45.90 46.63
Denis Ten Memorial 2 52.74 54.79 54.15 46.82 42.45 51.51
Rostelecom Cup 3 62.40 63.66 69.96 48.19 44.86 57.25
NHK Trophy 7 54.64 60.42 54.46 37.17 46.27 52.56
Golden Spin 3 56.37 56.18 64.78 44.88 44.15 53.21

250点に乗ったロステレコム杯はトータルスコア偏差値が62.40に達しました。他は55前後。

ジャンプは基礎点段階で60前後。GOEは悪い時は50台前半ですが、一番いいロステレコム杯では69.96とほとんど70というところまで出しました。ジャンプはいい時は一級品です。

スピンは一番良くても偏差値48.19と平均割れ。ステップも46.27が最高で平均割れ。ちょっと厳しいです。

PCSはシニアデビュー戦こそ50割れでしたが、他は50を超えてきて、ジャンプを決めまくったロステレコム杯では50台後半まで出ています。

 

250点を超える選手で、スピンステップが平均割れ、というのはなかなか見ない光景でした。

 

マカールイグナトフ スケート偏差値

レーダーチャートは極端な右寄りで、左下方面は凹んでいます。

ジャンプで稼げれば250点までは出るんだよ、というのを多くの人に知らしめるロステレコム杯でした、というのがここから見えます。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup 1 4S+3T   13.90   2.49 16.39 2.444
Rostelecom Cup 2 4T   9.50   2.04 11.54 2.000
Rostelecom Cup 3 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.556
Rostelecom Cup 4 3A   8.80 x -0.57 8.23 -0.778
Rostelecom Cup 5 CSSp3   2.60   0.37 2.97 1.556
Rostelecom Cup 6 StSq3   3.30   0.14 3.44 0.333
Rostelecom Cup 7 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
Rostelecom Cup   TES   44.80   5.99 50.79  

ショートプログラムの最高基礎点はロステレコム杯の44.80 今シーズン全体で8位の高い基礎点です。

四回転二本入ってコンビネーションの後ろもトリプルトーループがしっかり入っています。スピンも一つレベル3ですが後は4 ステップはレベル3でした。スピンステップのレベル4率が高い選手ではないので、ここが限界値だと思われます。一応、スピンすべてレベル4なら基礎点があと0.4上がりますし、ステップレベル4に出来れば0.6基礎点は上がります。

それ以上基礎点を上げるには、コンビネーションを1.1倍にする、四回転の種類を変える、というところに踏み込むことが求められます。そこに踏み込むよりは、しばらくはこの構成で練度を上げていくのがいいんでしょうか。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy 1 4S   9.70   3.10 12.80 3.143
Nebelhorn Trophy 2 4T   9.50   2.85 12.35 2.857
Nebelhorn Trophy 3 3A   8.00   1.44 9.44 1.857
Nebelhorn Trophy 4 3F+3T   9.50   0.53 10.03 1.000
Nebelhorn Trophy 5 FCSp4   3.20   0.45 3.65 1.571
Nebelhorn Trophy 6 3Lz+3T   10.10   0.71 10.81 1.143
Nebelhorn Trophy 7 3S+1Eu+3S   10.01 x 0.26 10.27 0.714
Nebelhorn Trophy 8 3Lo   5.39 x 0.69 6.08 1.000
Nebelhorn Trophy 9 StSq3   3.30   0.13 3.43 0.286
Nebelhorn Trophy 10 ChSq1   3.00   0.40 3.40 0.714
Nebelhorn Trophy 11 CSSp2   2.30   0.32 2.62 1.286
Nebelhorn Trophy 12 CCoSp2   2.50   0.35 2.85 1.286
Nebelhorn Trophy   TES   76.50   11.23 87.73  

フリーの最高基礎点は76.50 これは全体で28位なので、すごく高いというほどでもありません。

四回転は二種類で二本。トリプルアクセルは一本構成。二本飛ぶジャンプは3回転のサルコウトーループという、ちょっと不思議な構成です。トリプルトーループを2本というのはそれなりに見かけますが、トリプルサルコウ二本というのは、女子でもあまりない選択ですが、男子のトップ選手ではほぼ皆無と言っていい構成かと思います。

 

また、1.1倍のジャンプが要素二つしかありません。これは、この日にたまたま少しジャンプのタイミングが早くなって後半にならなかった、ということではなく、シーズン通じて1.1倍のジャンプ要素は2つだけでした。

 

全体として体力的な問題があったのでしょうか。来シーズン、1.1倍ジャンプを増やす。四回転あるいはトリプルアクセルを2回飛ぶジャンプにしていく、など、手持ちのカードの使い方だけで基礎点を上げらえる部分はまだたくさんあります。

なお、ロステレコム杯以降は、二回飛ぶジャンプがサルコウからルッツに変わっていました。この辺はシーズン進んで体力的な自信がいくらかついて、難度を上げたというのがあるんでしょうか。

 

また、スピンレベル2というのが二つ入っていたりしますので、ここも基礎点を上げられる部分になります。

 

●平均GOE+2.200以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Rostelecom Cup FS 3 3A   8.00   2.74 10.74 3.444
Rostelecom Cup FS 2 4T   9.50   3.26 12.76 3.333
Nebelhorn Trophy FS 1 4S   9.70   3.10 12.80 3.143
Rostelecom Cup FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.000
NHK Trophy FS 3 3A   8.00   2.40 10.40 2.889
Nebelhorn Trophy FS 2 4T   9.50   2.85 12.35 2.857
Golden Spin FS 3 3A   8.00   2.24 10.24 2.714
Golden Spin FS 1 4S   9.70   2.52 12.22 2.571
Rostelecom Cup SP 3 FCSp4   3.20   0.82 4.02 2.556
Rostelecom Cup SP 1 4S+3T   13.90   2.49 16.39 2.444
Denis Ten Memorial SP 3 FCSp4   3.20   0.77 3.97 2.429
Denis Ten Memorial FS 3 3A   8.00   1.92 9.92 2.429
Golden Spin SP 7 CCoSp3   3.00   0.72 3.72 2.429
NHK Trophy SP 3 FCSp4   3.20   0.69 3.89 2.333
Denis Ten Memorial SP 1 4S+3T   13.90   2.33 16.23 2.286
Golden Spin SP 6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.286
Golden Spin FS 2 4T   9.50   2.28 11.78 2.286
Rostelecom Cup FS 5 FCSp4   3.20   0.69 3.89 2.222

評価の高い要素は当然のようにジャンプです。

上からトリプルアクセル、四回転トーループ、四回転サルコウ、と言ったところが入っています。

スピンは、FCSp フライングキャメルスピンは得意なようで、レベル4で高めなGOEを得ています。

 

●冒頭のサルコウジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 1 4S< 7.76   -3.88 3.88 -5.000
Nebelhorn Trophy FS 1 4S   9.70   3.10 12.80 3.143
Denis Ten Memorial SP 1 4S+3T   13.90   2.33 16.23 2.286
Denis Ten Memorial FS 1 4S   9.70   2.13 11.83 2.143
Rostelecom Cup SP 1 4S+3T   13.90   2.49 16.39 2.444
Rostelecom Cup FS 1 4S   9.70   2.91 12.61 3.000
NHK Trophy SP 1 4S+3T   13.90   1.94 15.84 2.000
NHK Trophy FS 1 4S   9.70   -2.08 7.62 -2.111
Golden Spin SP 1 2S* * 0.00   0.00 0.00  
Golden Spin FS 1 4S   9.70   2.52 12.22 2.571

持っている四回転は二種類。一つはサルコウです。ショートでもフリーでも冒頭に入れています。今シーズン10回飛んで2回転になったのが1回、回転不足が1回、それ以外でGOEマイナスが1回 あとの7回は成功ジャンプです。成功率は7割あります。

ショートでは気分良く飛べたらコンビネーションにする、という形になっているんでしょうか。コンビネーションにしたときにはしっかり4-3で3回ともGOEで+2以上付くジャンプを決めています。

 

●一つ目トーループ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 2 3T+3T   8.40   0.59 8.99 1.286
Nebelhorn Trophy FS 2 4T   9.50   2.85 12.35 2.857
Denis Ten Memorial SP 2 4T   9.50   -2.28 7.22 -2.429
Denis Ten Memorial FS 2 4T   9.50   -2.09 7.41 -2.286
Rostelecom Cup SP 2 4T   9.50   2.04 11.54 2.000
Rostelecom Cup FS 2 4T   9.50   3.26 12.76 3.333
NHK Trophy SP 2 4T   9.50   1.63 11.13 1.667
NHK Trophy FS 2 4T   9.50   2.04 11.54 2.111
Golden Spin SP 2 4T+2T   10.80   -0.19 10.61 -0.429
Golden Spin FS 2 4T   9.50   2.28 11.78 2.286

四回転トーループはショートでもフリーでも2つ目に入れています。10回飛んで3回転になったのが1度、それ以外のGOEマイナスが3度で成功ジャンプは6回です。成功率は6割。ただGOEマイナスでも転倒ではないので、それほど痛くはないのかな、とは思います。

これくらい成功率があり、失敗しても軽いGOEマイナスというくらいなら計算できるジャンプになっているな、と感じられます。

 

●アクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 4 3A   8.80 x -0.64 8.16 -0.571
Nebelhorn Trophy FS 3 3A   8.00   1.44 9.44 1.857
Denis Ten Memorial SP 4 1A* * 0.00 x 0.00 0.00  
Denis Ten Memorial FS 3 3A   8.00   1.92 9.92 2.429
Rostelecom Cup SP 4 3A   8.80 x -0.57 8.23 -0.778
Rostelecom Cup FS 3 3A   8.00   2.74 10.74 3.444
NHK Trophy SP 4 3A<< <<  3.63 X -1.65 1.98 -5.000
NHK Trophy FS 3 3A   8.00   2.40 10.40 2.889
Golden Spin SP 4 3A   8.80 x 1.28 10.08 1.286
Golden Spin FS 3 3A   8.00   2.24 10.24 2.714

トリプルアクセルもショートフリーで1回づつのジャンプ。また、フリーでも単独で飛ぶジャンプになっています。

10回飛んで、シングルになったのが1回、ダウングレードが1回、それ以外のGOEマイナスが2回で成功ジャンプは6回。GOEマイナスは軽微ですし、単独で飛んでいる限りは基本的にはちゃんと飛べる、というようには見えるのですが、ショートでは5回飛んでGOEプラスの成功ジャンプが1回だけなんですね。逆にフリーはすべて成功でGOEプラスを得ている。体力的あるいは心理的な理由で、ショートでのトリプルアクセルに苦しんでいたのでしょうか? たまたま、な可能性もありますが、数値上の傾向として、そういったものがはっきり出ていました。

 

●三連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy FS 7 3S+1Eu+3S   10.01 x 0.26 10.27 0.714
Denis Ten Memorial FS 7 3S+1Eu+2S   6.71 x 0.00 6.71 0.143
Rostelecom Cup FS 7 3Lz+1Eu+1S   7.48 x -0.34 7.14 -0.667
NHK Trophy FS 8 3Lo+1Eu+2S   7.37 X -0.56 6.81 -1.111
Golden Spin FS 7 3Lz+1Eu+2S   8.47 x -0.24 8.23 -0.429

三連続ジャンプは5試合ともしっかり入っていましたが、種類が結構違っています。サルコウからが2回、ルッツからが2回、ループからが1回。三つ目が3回転になったのは一回だけです。

トリプルサルコウが余っていない、ということはないので、ほかの試合で2回転あるいは1回転になっているのは予定ではなく、飛んだ時点でそうせざるを得なかった、ということかと思います。

それも含めると成功ジャンプは5回のうち1回だけ、と捉えられるかもしれません。

 

 

今シーズン、ジャンプの回転不足は5試合で3回だけでした。回転不足率6.00% これはかなり低い水準です。一試合で複数の回転不足は出ない。回転不足以外に抜けて2回転になる、というようなものもいくらかはありますが、それも割と少なくなっています。

この辺でジャンプの基礎点が痛まないことがイグナトフ選手を支えていました。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
Nebelhorn Trophy SP 6 StSq3   3.30   0.40 3.70 1.286
Nebelhorn Trophy FS 9 StSq3   3.30   0.13 3.43 0.286
Nebelhorn Trophy FS 10 ChSq1   3.00   0.40 3.40 0.714
Denis Ten Memorial SP 6 StSq2   2.60   0.47 3.07 1.857
Denis Ten Memorial FS 9 StSq3   3.30   0.13 3.43 0.286
Denis Ten Memorial FS 10 ChSq1   3.00   0.30 3.30 0.429
Rostelecom Cup SP 6 StSq3   3.30   0.14 3.44 0.333
Rostelecom Cup FS 9 StSq3   3.30   0.28 3.58 0.889
Rostelecom Cup FS 10 ChSq1   3.00   0.29 3.29 0.556
NHK Trophy SP 6 StSq3   3.30   0.61 3.91 1.778
NHK Trophy FS 9 StSq3   3.30   0.19 3.49 0.556
NHK Trophy FS 10 ChSq1   3.00   0.21 3.21 0.333
Golden Spin SP 6 StSq3   3.30   0.79 4.09 2.286
Golden Spin FS 9 StSq3   3.30   -0.33 2.97 -1.143
Golden Spin FS 10 ChSq1   3.00   0.10 3.10 0.286

ステップはまだレベル4が取れません。レベル3がほとんどです。GOEも最高で+2.286 ほとんどが+1に満たない水準で+1台になることも少ないです。コレオシークエンスに至っては、最高のGOEでも+0.714 加点がほとんど得られていません。

ステップは苦手なんだな、というのがはっきり出ている採点表です。

 

 

スピンもレベル4率が36.7% かなり低い水準です。FCSp フライングキャメルスピンは得意なようで10回中9回レベル4であり、GOEもそれなりに取れているのですが、ほかの種類のスピンはさっぱりで、20回中レベル4は2回だけ。レベル3も半分ほどしか取れておらず、レベル2あるいは1や1Vも出ており、レベルが全然取れていないという現状があります。

 

 

シニアデビューシーズンから見せ場を作ったイグナトフ選手。シーズンベスト250点越えでISUシーズンベストは14位 来シーズンのグランプリシリーズもおそらく2枠回って来るでしょう。

ただ、見せ場は作ったのですが、スコアを見ると、スピンやステップといったジャンプ以外の要素では上位と差がある、というよりシニア全体の平均まで達していないという姿が見えました。

ジャンプも、持っている要素を生かし切った構成にまでたどり着いていない。それらを合わせて考えると、まだまだ伸びしろがたくさんある段階で250点に達してきた、ということになります。

来シーズン以降、そういった伸びしろを生かして、さらなる点数の上積みがされていくことが期待されます。