20-21シーズン地方大会エントリー

普段の年ならチャンレジャーシリーズも始まり、ジュニアグランプリシリーズはすでに後半という時期ですが、今年は国際大会はいまだ全滅のままです

そんな中で、全日本選手権へとつながる地方大会のエントリーが揃いましたので見ていくことにします

 

今シーズンは二つの特徴があるように感じます

一つ目は、国際大会での海外派遣が実質的になくなっているので、メンバーが豪華です

いつもの年なら国際大会に派遣されていて地方大会に出ないような選手が、今シーズンは顔をそろえています

もう一つは、え? シニアに上がるの? というジュニア世代の選手がいつもより多いように感じます。

これは、ジュニアグランプリシリーズがないことだったり、世界ジュニアの開催も怪しいからであったりするんでしょうか?

 

エントリー発表から少し遅れていましたが、各地区からの上の大会への進出人数も発表されました。

毎年のことですが、男子は地区大会が予選としての意味をなしていないですね。

上位大会への進出人数の方がエントリー人数より多い、という地区がほとんどです

シニアジュニア問わず

日本の男子は世界の頂点を争う選手が複数いますし、その跡を継ぎそうな選手も出てきたということで、層がだいぶ厚くなったなあという印象を一見受けるのですが、この地区大会レベルまで見ると、まだまだ競技人口が足りず、厚みが足りない、というのを感じます

 

面白かったのは関東選手権

シニアの男子はエントリー二人

鍵山優真選手と佐藤駿選手

こんなところで一騎打ちしてます

まあ、東日本への進出枠は3ありますし、鍵山選手は全日本シードですし、意味はないんですが、エントリーがその2人しかいないというのがなんとも面白い

この二人がシニアに上がらなかったらエントリーゼロになるところでした

こういうの、最もハイレベルな地区大会、と言うんでしょうか?

例年なら、鍵山選手はジャパンオープンに呼ばれそうな立ち位置なんですが、今シーズンは状況が特殊だったから呼ばれなかったんでしょうか? 集客力の足しには結構なるような気がするんですけどね。関東選手権とジャパンオープンは日程丸被りではありますが、シードなので関東選手権に鍵山選手は出る必要はありません。もしかしたら試合数が少なそうな今シーズン、実戦経験を優先して、フリーのみのジャパンオープンを選ばず、関東選手権を選んだということがあったりするでしょうか?

 

男子は、ジュニアからシニアに上がった目玉は間違いなくこの二人なわけですが、昨シーズンの全日本ジュニア3位の本田ルーカス剛史選手はジュニアでエントリーしています。実はジュニアグランプリへの派遣も経験していませんし、今シーズンは世界ジュニア狙いですかね。ただ、近畿選手権とジャパンオープンは日程がかぶっていて、ジャパンオープンの方にも本田ルーカス選手は名前があります。全日本ジュニアはシード権持っているので、近畿選手権はエントリーだけで、実際には出場しないものと思われます

 

あと、大学進学した三宅星南選手、木科雄登選手もジュニアでのエントリーでした

この辺も世界ジュニア狙いでしょうか

男子は今シーズン、世界ジュニア枠が3つある一方で、チャレンジャーシリーズもないし、グランプリシリーズはイレギュラーだしで、この辺の位置の選手は19歳でも世界ジュニアを狙う、というのが妥当なのかもしれませんね

 

男子で気になっていたのが島田高志郎選手。しっかり東京選手権にエントリーです。帰国してるんですかね。ランビエール門下生なわけですが、この先全日本までのスケジュールをどうするつもりなんでしょう? 日本に居続けるしかないのかな。また、所属が東京で東日本の扱いなんだ、というのもちょっと気になるところでした。島田選手が東日本に入ることで、東京の大学生たちの全日本への道が1枠分狭くなる、というようなことのようにも見えたりします

あとは、山本草太選手が中部選手権のエントリーでした。今シーズンは拠点を関西に戻したと聞きましたが、よくよく考えれば大学は中京大学なままなわけで、大学での登録になるので、中部選手権にエントリーで当然ですかね。まあ、中部だろうと近畿だろうと、西日本には変わりないですし、ブロックの通過メンバーがエントリー数より多いのも変わらないので、大勢に影響はないですけれど

 

さて、女子

女子です、メンバーがやたら豪華なのは。そして、もうシニアに上がったの? が多いと感じたのは

紀平選手と宮原選手は日本にいませんかね。シードですしブロック大会へのエントリーはなし。樋口新葉選手もシードでエントリーなし

他は、国際大会派遣がなく、川畑選手以外はシードもないので必然的に地区大会へエントリーする必要があります

 

というわけでオリンピアンの坂本花織選手もブロック大会からエントリー。今シーズン復帰の三原舞依選手もいます。昨シーズンはケガで全日本を欠場した白岩優奈選手もいて、近畿選手権は豪華メンバーです。この辺のレベルの選手がいるわけですが、西日本選手権への進出枠は9 普通の選手にとってはかなり厳しい近畿選手権です。ジュニアから河辺愛菜選手が上がってきて、岩野桃亜選手もシニアでエントリー。トリプルアクセル持ちのベテラン細田采花選手もいますし、全日本経験者が西日本にも進めない、なんて事態もありそうです。

近畿選手権はジャパンオープンとスケジュール被っているので、坂本選手はジャパンオープン呼べなかった感じなんでしょうか

 

中部選手権では本郷理華選手が復帰しました。確か二シーズン前はカナダを拠点にしていましたが、今シーズンは日本で活動ですかね。昨シーズン休養していましたが、今シーズンどこまで調子を戻しているでしょう?

中部では荒木菜那選手がシニアに上がってきました。それもあってやはりメンバーに厚みがありますが、西日本への進出枠は14あるので、そこまでは主要メンバーは問題なく進むのではないかと思われます

問題は、西日本から全日本への進出枠が11しかないこと

グランプリレベルの坂本花織、三原舞依、白岩優奈、横井ゆは菜、山下真瑚、そこに復帰した本郷理華、さらに全日本常連の新田谷凜、松田悠良、九州から竹野比奈、とここまでですでに9人います。

この外数で、シニアに上がった強化指定選手の河辺愛菜、岩野桃亜、昨シーズンからシニアで全日本12位の三宅咲綺、とここですでに定員オーバーの12人目です。

他にもグランプリ出場経験のある大庭雅選手、上にも上げましたが細田采花選手などなど実力のある面々がいます。

西日本選手権が大変過酷なものになりそうです

 

東では、関東選手権に吉岡詩歌選手がシニアでエントリーしています。昨シーズン全日本で10位に入った高校三年生がシニアを選びました。世界ジュニアを目指す道もあったと思うのですが。西の河辺愛菜選手、岩野桃亜選手もそうですが、今シーズンは、高校生年齢で、シニアに上がってすぐにグランプリシリーズの枠をもらえそうにはない、という立ち位置の選手でもシニアに上がる選手が結構いました。全日本出場経験のある北海道・東北の渡辺倫果選手も高校三年生でシニアを選びました。

その辺のメンバーと比べると実績はやや落ちますが、本田望結選手も高校一年生にしてシニアを選んでいます。そして、本田望結選手は、今シーズンから西から東へ移って、東京選手権へのエントリーです

東京選手権には本田真凜選手もエントリーしました。所属は二シーズン前から東に移って東京だったと思いますが、東京選手権へ出場するのは初めてでしょうか。シードながらエントリーした川畑和愛選手や、実力者永井優香選手と三つ巴、あるいは松原星選手や、かつての全日本ノービスのチャンピオンで今シーズンからシニアに上がった青木祐奈選手あたりも割って入って来るかもしれません。

東日本は、全日本への進出枠は9

今シーズンは西と比べるといくらか楽ではあるかな、という気はします

 

ジュニアは、北海道東北が東日本への進出枠が13で一番多いんですね。だいぶ意外です。

まあ、東日本から全日本ジュニアが7人なので厳しいのですけれど

その上、全日本ジュニアから全日本への枠は実質6 世界ジュニアは2枠で、ジュニアグランプリシリーズは中止。

こういう情勢を見ると、高校三年生くらいになると、シニアを選んでしまおうか、と思う部分が出るのは自然でしょうかね。全日本選手権に出るには、全日本ジュニア経由よりもシニアの地方大会経由の方が圧倒的にハードルが低いですから基本的に。

 

西日本の女子のシニアは、今シーズン熾烈だなあ、というのが一番の感想でした