代表選考基準など 感想

フィギュアスケートのシーズンが始まりません

地方のローカル大会に地元選手限定、という条件で試合は始まってますが、ジュニアグランプリシリーズも中止、チャレンジャーシリーズも成り立たず、グランプリシリーズのエントリーも決まらない、と国際大会がまるっきりしんでます

 

そんな状態のなか、いい加減決めないと仕方ない、という感じで、世界選手権などの代表選考基準が公開されました

ちょっと、例年と違うな、今シーズン、という感じでしたので、その辺の感想を記してみようかと思います。

 

まず、ユニバーシアード

今シーズン、そうですね、ユニバーシアードのシーズンでしたね。

男女シングル各3枠、まずこれが驚きでした。最近は多くて2枠、少ないと1枠だったような気がするんですが、3枠あるんですね。既報だったのかもしれませんが、私は初めて今回把握しました

昨年度世界選手権代表選手がユニバーシアード出場を希望した場合、選考会を免除し正選手として内定する。こんな基準が入っていました。これは過去になかったことかと思います。結構驚き。

今シーズンのユニバーシアードは1月下旬の予定でした。これが、ご多分に漏れず、延期。つい最近の報道なので、延期が決まったのと内定基準が決まったの、どちらが先かわかりませんが、なかなか難しいことになりました。1月下旬なら、今シーズン、試合経験を増やしたい、と世界選手権に出るような選手も手を上げる可能性があったかと思うのですけどね。

まあ、実際には年齢的に該当するのは樋口新葉選手くらいではありましたが、ユニバーシアード、四大陸、世界選手権、という流れは、コロナさえなければありえなくはありませんでした

今シーズンから大学生になった世代、川畑和愛選手、本田真凜選手、白岩優奈選手あたりにとっては、結構現実的な目標になる大会。四年生の永井優香選手あたりにもそうです。三原舞依選手あたりも、100%フルパワーが厳しいにしても80%くらいの力でユニバーシアード連覇を目指す今シーズン、なんて道もありえた。男子も山本草太選手、島田高志郎選手あたりがこのグレードの大会でタイトルを獲りに行くコースもありそう。なので、3月でも4月でもいいんで開催してほしいんですけどね。

ユニバーシアード。ロシアからはラジオノワ選手、トゥクタミシェワ選手など、結構豪華な顔ぶれが出てくることがあるんですが、唯一取れていない主要国際大会のタイトル、とか言ってザギトワ選手出てきたら面白いんだけど・・・、ないですね。

ちなみに、ユニバーシアードという大会へ出場する条件としては、羽生結弦選手も満たしてる(籍が大学にあり年齢も上限未満)んですが・・・、まあ、出ないですね

なお、ユニバーシアードにはペアとアイスダンスの派遣はないようです。

 

次、世界ジュニア

全日本ジュニア優勝は即内定、というのは例年通りですが、東日本や西日本の得点上位3名とか、そういった地方大会の上位成績が考慮されるというのはこれまでありましたっけ?

今シーズンは、本人コロナだけでなく、まわりの誰かがコロナで濃厚接触者になって大会出られず、というのを何とか救済しよう、というのが各条項に見られるような気がしています

ただ、全日本への参加は必須、というのは基本としては外れないんですね。

過去に世界ジュニアで6位以内に入賞した実績のある選手は、感染症等で全日本出られないときは救済、というのも、ジュニアにはこれまでなかった条項かと思います

これ満たす選手、あんまりいません。ジュニアでないといけないので、かつて満たしたことある選手は当然多数いますが、どんどん卒業していきます。男子では鍵山選手と佐藤駿選手の昨シーズンの入賞コンビが合致します。この二人は、本当に全日本をコロナ欠場した場合、救済で四大陸や世界選手権というわけにもいかないし、3枠にした当事者でもあるしで、世界ジュニアでポイント取ってきてもらおうか、なんならタイトル取り直してきてもらおうか、みたいな救済はありえるかもしれません

女子は、本田真凜選手と白岩優奈選手の二人。樋口新葉選手は年齢的にもうジュニアは不可能です。意外ですが紀平梨花選手は世界ジュニア最高位は8位。この条項には合致しません。

本田真凜選手は、さすがに出戻り世界ジュニアはやらないでしょう。白岩選手は以前やりましたが、大学生になってますし、ねえ、ちょっと無いかなあ。

というわけで、女子の方はあんまりこの条項が生きる局面はなさそうです。

ペアとアイスダンスは、条項的にはほとんどなんでもありですねこれ・・・。はやく、こういう、何でもありにしておかないといけないような競技人口で無くなることを願います

 

 

四大陸選手権

実は四大陸への派遣っていうのが、一番、連盟が恣意的にメンバーを選びやすくなっているように感じます。良くも悪くも、その時の状況を見て特に三人目は恣意的に選んでますよね例年。

今回の条項も、上位にいる選手ならほぼ誰でも選ぶこと可能だよ、というような条項になっているように見えます

全日本に出たらさすがに10位以内に入っていない選手は四大陸にも選びづらい。ただ、逆に、トップテンにいれば選考の対象になる

全日本時点での世界ランク上位6人、というのは、グランプリシリーズがランキングポイント無し、と言っているので、おそらく今の上位6人と同一になるでしょう

男子、羽生結弦宇野昌磨田中刑事、鍵山優真、友野一希、山本草

女子、紀平梨花、坂本花織、宮原知子樋口新葉、横井ゆは菜、本田真凜

となっています

グランプリシリーズのスコア上位6人、というのもあります。今シーズンのグランプリシリーズはどんな意味合いの試合になるかまだよくわかりませんが、日本勢にとっては代表選考の一環にはなっています

全日本へ出られなかった選手の救済条項として、世界選手権6位以内の実績、とあります。これ、派遣対象大会が四大陸選手権でも、救済条件は、四大陸ではなく世界選手権の6位以内です。

これを満たすのは、

男子、羽生結弦宇野昌磨友野一希

女子、宮原知子樋口新葉紀平梨花、坂本花織、三原舞依本郷理華

こうなっています

昨シーズンまではこの救済条項は表彰台経験者だったはずです。表彰台経験者、と切った場合は男子も女子も上の二人のみでした。個人的な感想としては、これが6位まで拡大されているのは、実質的には紀平選手のための条項かな、という気がしています。紀平選手は世界選手権は表彰台経験がなく、4位が実績です。今の女子シングルで、紀平選手が代表に入れない、というのはほとんど考えられないでしょうからねえ

昨シーズン試合出場のなかった三原舞依選手や本郷理華選手を、この条項で救って代表派遣、というのはほぼない、と思いますので、6位まで拡大されたことで恩恵を受ける可能性があるのは、友野選手と坂本選手かな、と思います。紀平選手や羽生選手が、救済条項使ってわざわざ代表に選ぶのに四大陸だけ、というのはあり得ないでしょうし、四大陸も世界選手権も救済条項で、というのも理解を得にくい。そう考えると、四大陸だけに救済で派遣されるには、坂本選手や友野選手くらいのこれまでの実績で、かつ、グランプリシリーズで好成績だった場合、に限られるかな、という印象です。樋口選手、宮原選手あたりも、同じパターンなら四大陸だけ救済、というのがあり得るかもしれません

 

今シーズンは、世界の情勢を考えると、四大陸選手権の代表は、世界選手権の代表とは全く異なる顔ぶれにする可能性が結構あるのではないか? とおもっています。コロナの今後の展開次第ですが、出入国時に何回も隔離が必要な状態になるのは余りに好ましくない。そう考えると、国際大会への派遣は、その試合がシーズン最後になる一回だけに各選手する、という考え方が自然に感じます。そうすると、今シーズンは中堅選手にとっても全日本で上位に入って四大陸へ、というのが結構現実的な目標に感じます

 

 

世界選手権

ここは、救済条項以外はあんまり例年と変わらないかな、という印象です。全日本で表彰台、あるいは世界ランキング上位3位まで、シーズンベストスコア3位まで、というのは見慣れた文言です。一つ見慣れないのは、グランプリシリーズで表彰台に上がった上位2名、という文言ですが、これは、グランプリファイナルが全日本より後ろになったことによる読み替えなのでしょうきっと

欠場者の救済条項は四大陸と同じで世界選手権6位以内入賞経験者です。気になるのは、欠場理由の範囲。けが・感染症等のやむを得ない理由 とありますが、等にどこまで含むのか? 羽生選手が、感染症予防のためとか、紀平選手や宮原選手、あるいは宇野選手が、日本への渡航が不自由なためとか、そういった理由での欠場の場合、等、に含まれるのかどうか? 

含んでしまってもいいような気はしますけどね。羽生選手、宇野選手、紀平選手あたりは。ただ、宮原選手は昨シーズンの成績が微妙なので、救済条項からの世界選手権代表、というのはなかなか難しいのではないかと思います。代表枠確保のためには計算できる選手として入っていてほしいですが、直近実績と道義的な部分を考えると難しいかな。ただ、グランプリシリーズのスコアで紀平選手に次いで2番目で、他の選手よりも10点以上上、とか、それくらいはっきりした結果が出ていれば、宮原選手にもそういう道はありそうな気もします。

 

宮原選手は公式に、地区予選免除令が出ていました。実際にはスケートカナダなら西日本選手権と被るので、免除令なくても通常のグランプリ対応で問題なかったんですけれど。

心配なのは島田高志郎選手。グランプリシリーズと被らないですし、実績的に地区予選免除ともいわれないので、結局どうするんだろう?

本郷理華選手も、いまどこにいるんですかね? 休養前はカナダが拠点でしたが、今現在どこにいるか? カナダにいたとして、昨シーズン欠場でシーズンスコアがなく、世界ランキングも低い本郷選手は、スケートカナダに基本的には出られません。世界選手権6位の実績があるので、復帰枠使えば出られますが、コロナでぐちゃぐちゃな今シーズンに復帰枠使うか??? というのは疑問。どうするんでしょ。素直に名古屋で練習して地区大会から今シーズンは出るのがいい気がしますが。実際には休養が一シーズンで終わってちゃんと復帰してくれるかもわかってなかったりもします

 

 

久しぶりに、なんだか少し状況が動いたので、代表選考の展望というか、単に思うことというか、記してみました