全日本選手権22前に代表選考展望男子シングル

前回の女子に引き続いて今回は男子シングルの代表選考展望です

 

○世界選手権 男子シングル 3枠

全日本選手権優勝者:未定
②以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して1名選考する。

A) 全日本選手権大会2位、3位の選手:未定

B) ISUグランプリファイナル出場者上位2名:宇野昌磨、山本草

C) 全日本選手権大会終了時点でのISUシーズンベストスコア上位3名

 宇野昌磨:304.46 山本草太:274.35 三浦佳生:273.19

➂以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、上記①②で選考された選手を含め、3名に達するまで選考する。

A) ②のA)B)C)に該当し、②の選考から漏れた選手

B) 全日本選手権大会終了時点でのISUワールドスタンディング上位3名

宇野昌磨:1位 鍵山優真:4位 友野一希:12位

C) 全日本選手権大会終了時点でのISUシーズンワールドランキング上位3名

宇野昌磨:4位 山本草太:8位 佐藤駿:12位

D) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会におけるシーズンベストトータルエレメントスコア上位3名

宇野昌磨:166.01 山本草太:155.54 三浦佳生:149.62 ただし全日本選手権も対象大会となる

 

現段階で選考基準の何かに名前が載っているのは6人です。おそらくこの6人の中から代表は決まるでしょう。全項目宇野選手が筆頭にいます。昨シーズン以前の実績もトップですので順当に代表になるかと思います。

後の2人はまだ混戦でしょうか。世界ランキング以外は山本草太選手がすべて2番目にいますが、それでも飛びぬけた存在なわけではないです。結局のところ、この6人の中から表彰台3人が出れば、そのまま代表になると思われます。この6人以外だと島田高志郎選手、壷井達也選手あたりは比較的高めなシーズンベストスコアを持っているので逆転表彰台の可能性はあるとは思いますが、その場合にはそのまま選ばれずに上記に名前のある4位に入った選手の方を選んでくる可能性はありそうです。

 

○ワールドユニバーシティーゲームズ 男子シングル3枠

内定済み:鍵山優真 佐藤駿 壷井達也

補欠内定:山本草太 大島光祥 長谷川一輝

 

四大陸以下の前に先にワールドユニバーシティーゲームズを見ます。以前のユニバーシアードのことです。これは代表がすでに決まっています。鍵山優真選手はいりました。これは驚き。オリンピックメダリスト出すか。オーバースペック感ありますが、ケガからの回復の調整にはちょうどいいかもしれないはしれないです。

鍵山優真、佐藤駿、三浦佳生と3人並んだら面白かったのに、と思ったりしましたが、三浦選手は高校生なのでそもそも出られませんね。ワールドユニバーシティーゲームズは大学生の祭典です。

佐藤駿選手、壷井達也選手はこういうところで実績積むのはいいように感じます。ただ、中堅選手の活躍の場ということでは補欠の大島選手や長谷川選手にチャンスを回してあげたかったようにも感じました。

 

四大陸選手権 男子シングル3枠

全日本選手権大会終了時に、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して選考する。

A) 全日本選手権大会10位以内:未定

B) 全日本選手権大会終了時点での ISU ワールドスタンディング上位6名

宇野昌磨:1位 鍵山優真:4位 友野一希:12位 山本草太:16位 佐藤駿:20位 三浦佳生:21位

C) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンワールドランキング上位6名

 宇野昌磨:4位 山本草太:8位 佐藤駿:12位 三浦佳生:14位 友野一希:16位 島田高志郎:28位

D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位6名

 宇野昌磨:304.46 山本草太:274.35 三浦佳生:273.19 佐藤駿:262.21 友野一希:251.83 島田高志郎:247.17

E) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会におけるシーズンベストトータルエレメントスコア上位6名

宇野昌磨:166.01 山本草太:155.54 三浦佳生:149.62 佐藤駿:141.43 壷井達也:129.66 島田高志郎:129.11 ただし全日本選手権も対象大会となるので変わる可能性がある。

 

四大陸選手権は上位選手に出る気があるかどうか、というのがまず大きく影響してきます。

ユニバーシティーゲームズ、四大陸、世界選手権という3試合代表を本人が望むか、協会が認めるか。また、宇野昌磨選手はもう四大陸には出ない、ということにする可能性もあるかもしれません。四大陸のタイトルを持っているのは宇野選手だけですので、オリンピックメダリストの鍵山選手であっても出られるなら出たいだろうとは思いますが、スケジュール感としてどうか。

その辺の制限が全くなさそうなのは、友野一希選手、三浦佳生選手、島田高志郎選手あたりでしょうか。山本草太選手もユニバーシティーゲームズは補欠なので四大陸に選出するのも特に支障はないかもしれません。グランプリシリーズでは不調だった三宅星南選手も全日本で復活出来れば昨シーズンに続いての代表の線もありそう。

例年、ジュニアから1人くらい入ってくることもあるのですが今シーズンはちょっとジュニアとシニアの差がありそうなので難しいでしょうか。吉岡希選手がショートフリーで4回転を決めてノーミスすれば届く可能性もあるでしょうか。片伊勢武アミン選手もノーミスで上位が崩れれば選考対象に入ってくるかもしれません。

 

○世界ジュニア 男子シングル 2枠

①全日本ジュニア選手権大会優勝者を選考する。:吉岡希
②ジュニア対象年齢で派遣希望のある選手の中で、以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、上記①で選考された選手を含め2名に達するまで選考する。

A) 全日本ジュニア選手権大会2位、3位の選手:片伊勢武アミン、佐々木晴也

B) ISU ジュニアグランプリファイナル出場者:(吉岡希) 中村俊介 片伊勢武アミン

C) 全日本選手権大会参加者のうち上位3名:未定

D) 全日本選手権大会終了時点での ISU シーズンベストスコア上位3名

片伊勢武アミン:234.24 (吉岡希:219.68) 中村俊介:219.65 中田璃士:200.41

E) 全日本選手権大会までに派遣した国際競技会、および強化部が指定した国内競技会(但し全日本選手権大会を除く)におけるシーズンベストトータルエレメントスコア上位3名

片伊勢武アミン:123.05 (吉岡希:114.57) 中村俊介:112.66 佐々木晴也:111.13

 

上記はジュニアカテゴリーで今シーズン試合をした選手から上げています。ジュニア対象年齢で派遣希望のある選手、というのがジュニアカテゴリーで試合をしてきた選手に限らず、シニアの選手の中にもおそらくいますので、それを加えて上記を書き直すと全く違うものが浮かび上がってくることになるはずです。

全日本ジュニア優勝の吉岡希選手は内定済みで残りは1枠。ジュニア組からは片伊勢武アミン選手と中村俊介選手が争う構図なのですが、シニアコースの佐藤駿選手、三浦佳生選手、さらには鍵山優真選手あたりが、世界ジュニアに出る意志を示すと、明らかにそちらへ代表枠が流れそうに感じます。オリンピックのメダリストである鍵山選手が今から世界ジュニアに、というのは少し考えにくいですが、佐藤駿選手、三浦佳生選手あたりは、世界選手権の代表になれなければこちらに回ってくる可能性はあるかと思います。

 

全日本は代表選考もあるのですが、そのもう少し下にはシーズン後半のB級大会の派遣をもらえるかどうか、という線もあります。前半国内組はそこに入り込みたい部分もある。さらには来期の強化指定選手入りもこの全日本の結果が多くの部分を占めます。そして来期の東日本、西日本の出場枠も変わってきます。優勝争い、表彰台争いだけでなく、下の方のランクでも激しい争いがある。それが面白い反面、全部何もかも全日本に詰め込むのどうなんだ、という思いもあります。

いずれにしても年内最後の大一番。樋口新葉選手の欠場は決まっていますが、それ以外の欠場者なく、無事最後まで試合が進んでいってくれることを祈ります。