全日本選手権20 男子シングル数値編2

 前回の続きで全日本選手権20の男子シングル数値編2です

今回は演技構成点の中身を見ていきます

 

●上位9選手のフリーのスケーティングスキル

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 9.64 9.50 9.00 9.50 9.75 9.75 9.75 9.75 9.75 9.50
宇野昌磨 9.25 9.00 9.25 9.50 9.00 9.25 9.50 9.50 9.25 8.75
鍵山優真 8.64 8.25 9.00 8.25 9.00 8.75 8.75 8.75 8.50 8.50
田中刑事 8.21 8.25 8.25 8.00 8.25 8.25 8.50 8.25 8.25 8.00
三浦佳生 7.36 6.75 7.25 7.00 7.50 7.50 7.25 7.50 7.50 7.75
佐藤駿 7.57 7.25 7.50 7.50 7.25 7.75 7.75 7.75 7.50 7.75
島田高志郎 7.50 7.50 7.50 7.25 7.75 7.75 7.50 7.50 7.50 7.25
友野一希 7.79 7.50 7.75 8.00 8.00 7.75 7.75 8.00 7.50 7.75
本草 7.54 7.75 7.75 7.50 7.25 7.50 7.75 7.50 7.00 7.50

演技構成点を各ジャッジ毎のものまで並べてみました。ショートもフリーもと並べると大変なので差が出やすいフリーだけにしています。係数掛ける前の素の0.25刻みの10点満点でジャッジが付けたスコアです。

 

まずはスケーティングスキル。

羽生選手は満点こそないものの高い水準で並べています。ただし2番ジャッジのみは宇野選手の方がスケーティングスキルが高い、と判定し、鍵山選手と同等という風にもつけています。

 

●上位9選手のフリーのトランジション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 9.46 9.00 9.25 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50
宇野昌磨 8.93 9.00 9.00 9.00 9.00 9.00 9.00 9.25 8.50 8.25
鍵山優真 8.36 8.00 9.00 8.00 9.00 8.25 8.25 8.25 8.25 8.50
田中刑事 7.79 7.75 8.00 7.50 7.50 7.75 8.25 8.00 8.00 7.25
三浦佳生 6.82 6.25 7.00 6.50 6.75 7.00 7.00 6.75 7.25 6.75
佐藤駿 7.04 6.75 7.00 7.00 6.50 7.25 7.50 7.00 7.25 7.00
島田高志郎 7.11 7.00 7.25 6.75 7.25 7.50 7.00 7.25 7.00 7.00
友野一希 7.43 7.25 7.50 7.75 7.50 7.25 7.50 7.75 7.00 7.25
本草 7.04 7.00 7.25 7.00 6.75 7.25 7.25 7.00 6.50 7.00

続いてトランジション

これも当然のように羽生選手がトップ。全員9点台を付けました。ただ、1番ジャッジは宇野選手と同点を付けています。

宇野選手が2番手ですが9番ジャッジは鍵山選手の方が上だったという判定です。宇野選手は7人が9点台。鍵山選手2人が9点を付けていて後は8点台です。

 

 ●上位9選手のフリーのパフォーマンス

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 9.86 10.00 9.50 9.75 10.00 9.75 9.75 10.00 10.00 9.75
宇野昌磨 9.32 9.25 9.50 9.50 9.25 9.25 9.50 9.75 9.00 9.00
鍵山優真 8.68 8.25 9.25 8.50 8.75 8.50 8.50 8.75 8.50 9.25
田中刑事 8.21 8.50 8.50 8.00 7.75 8.00 8.75 8.25 8.50 7.75
三浦佳生 7.29 6.75 7.50 7.00 7.00 7.25 7.25 7.75 7.50 7.50
佐藤駿 7.39 7.00 7.50 7.75 6.50 7.50 7.75 7.25 7.25 7.50
島田高志郎 7.39 7.50 7.50 7.00 7.50 7.50 7.25 7.50 7.50 7.00
友野一希 7.57 7.50 7.75 7.75 7.50 7.50 7.50 7.75 7.50 7.50
本草 6.96 7.00 7.00 7.00 6.75 7.00 7.25 7.25 6.75 6.75

パフォーマンスは羽生選手に満点をつけたジャッジが4人出ました。一方で、2番ジャッジは宇野選手と同等と見ています。

宇野選手は全員9点台。9番ジャッジは宇野選手より鍵山選手の方が上と判定しました。

 

 ●上位9選手のフリーのコンポジション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 9.86 9.75 9.25 10.00 9.75 10.00 9.75 10.00 9.75 10.00
宇野昌磨 9.32 9.50 9.25 9.50 9.00 9.25 9.25 9.75 9.50 9.00
鍵山優真 8.79 8.50 9.25 8.00 8.75 8.75 8.75 8.75 8.75 9.25
田中刑事 8.21 8.25 8.25 8.25 7.75 8.25 8.75 8.25 8.25 8.00
三浦佳生 7.14 6.50 7.25 6.50 7.00 7.00 7.50 7.50 7.25 7.50
佐藤駿 7.39 7.25 7.25 7.50 6.50 7.50 7.50 7.50 7.50 7.25
島田高志郎 7.57 7.50 7.75 7.50 7.75 7.75 7.50 7.25 7.25 7.75
友野一希 7.82 7.75 8.00 8.25 7.75 7.75 8.00 7.75 7.50 7.75
本草 7.36 7.25 7.25 7.50 7.00 7.50 7.50 7.50 7.25 7.25

コンポジションでも羽生選手は4人のジャッジから満点をもらいました。不思議なもので、パフォーマンスで満点をもらったジャッジと重なっているのは一人だけで、あとは別のジャッジになっています。

宇野選手は2番ジャッジからは羽生選手と同点の判定をもらいました。また鍵山選手も2番ジャッジからは羽生選手と同点という判定をもらっています。9番ジャッジからは宇野選手より鍵山選手の方がいい、という判定をもらいました。一方3番ジャッジからは鍵山選手のコンポジション田中刑事選手や友野一希選手より劣っていて全体の5番目である、という判定をもらっています。なかなか評価のばらつきが大きいです。

 

●上位9選手のフリーのインタープリテーション

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 9.79 9.75 9.50 9.75 9.75 10.00 9.75 10.00 10.00 9.50
宇野昌磨 9.36 9.50 9.25 9.75 9.25 9.00 9.50 9.75 9.25 8.50
鍵山優真 8.64 8.25 8.75 8.25 9.00 8.50 8.75 8.75 8.75 8.75
田中刑事 8.29 8.25 8.50 8.25 8.00 8.00 8.50 8.50 8.50 7.50
三浦佳生 7.11 6.75 7.00 6.75 7.00 6.75 7.50 7.50 7.75 7.25
佐藤駿 7.29 7.00 7.25 7.50 6.25 7.25 7.75 7.25 7.25 7.50
島田高志郎 7.57 7.75 7.50 7.25 7.75 7.75 7.50 7.50 7.50 7.50
友野一希 7.86 7.50 8.00 8.50 8.00 7.75 7.75 8.25 7.75 7.50
本草 7.11 7.00 7.25 7.25 6.75 7.50 7.25 7.50 6.75 6.75

インタープリテーション、音楽表現、については羽生選手は3人のジャッジから満点をもらいました。7番ジャッジは羽生選手に3項目で満点をつけたことになります。この項目では3番ジャッジが宇野選手と羽生選手で同点と付けました。

宇野選手が二番手ですが、9番ジャッジは鍵山選手の方が上、と判定しています。

鍵山選手は一人だけ9点もらっていたあと8点台でスコア的には三番手。そんな中で3番ジャッジは友野選手の方が鍵山選手より上、と判定しました

 

●上位9選手のフリーのPCS評価

Name Scores J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9
羽生結弦 48.61 48.00 46.50 48.50 48.75 49.00 48.50 49.25 49.00 48.25
宇野昌磨 46.18 46.25 46.25 47.25 45.50 45.75 46.75 48.00 45.50 43.50
鍵山優真 43.11 41.25 45.25 41.00 44.50 42.75 43.00 43.25 42.75 44.25
田中刑事 40.71 41.00 41.50 40.00 39.25 40.25 42.75 41.25 41.50 38.50
三浦佳生 35.72 33.00 36.00 33.75 35.25 35.50 36.50 37.00 37.25 36.75
佐藤駿 36.68 35.25 36.50 37.25 33.00 37.25 38.25 36.75 36.75 37.00
島田高志郎 37.14 37.25 37.50 35.75 38.00 38.25 36.75 37.00 36.75 36.50
友野一希 38.47 37.50 39.00 40.25 38.75 38.00 38.50 39.50 37.25 37.75
本草 36.01 36.00 36.50 36.25 34.50 36.75 37.00 36.75 34.25 35.25

そんな5項目をジャッジ毎に合計して並べるとこうなりました

流石に全ジャッジ羽生選手をトップとしていますが、2位と一番点差があるのは9番ジャッジで4.00差。一番差が小さいのは2番ジャッジで0.25差です。差の差が3.75あります。

羽生選手についた最高点は三項目で満点付けた7番ジャッジで49.25 一番低いのは2番ジャッジの46.50でこの差は2.75あります。男子シングルのフリーなので係数は2.0あり、PCSスコアにすると5.5点の違いがあることになります。

羽生選手の場合はほとんど天井までスコアが来ているのでジャッジ間スコア差はそれほど大きくないですが、宇野選手で最高と最低が4.50なので係数2.0掛ると9.0の差。鍵山選手も4.25差からの8.5差。かなり大きな違いです。

最終的なPCSスコアの順位とは違う順番になっているジャッジも結構います。同じ演技を見て同じルールの中で点数を付ける専門家であるジャッジがつけてもこうなるわけです。

素人が見てあれこれ言うと、そりゃあ意見が分かれるよなあ、というのがこの辺からも感じられます。

 

ただ、ジャッジは全日本だと9人いるので、多少極端な評価を付けるジャッジがいても、最終的には割と平均化されてその影響は小さくなります。極端すぎる上下一人づつは切られて計算にカウントされませんし、残った7人で平均取るため、一人のジャッジの影響度はそれほど大きくはなりません

 

次回へ続きます