東京オリンピック関連 ベスト5

東京オリンピック振り返り

前回の10位~6位の続きで今回はトップ5です

 

第五位:内村航平選手落下:男子体操

 猿も木から落ちる、という諺がこれくらいぴったりくる事例も無いというくらいの、この人でも失敗することがあるのか、という出来事でした。

鉄棒なので落下の可能性が常にある、というのは当然わかっていることではあるのですが、選考会であれだけ何試合やっても落下はなく、各種目のスペシャリスト比でも高得点を出しての代表選出。それがオリンピックになって落下するという。しかも、え、そこで? という場面で。

有力選手のまさかの敗戦、というのも今大会数多くありましたが、私が最も印象的だったのは、この内村航平選手の落下でした。

 

 

第四位:レジェンド/大魔王ペア 金メダル:卓球ミックスダブルス

 十代の女子を掴まえて大魔王はないんじゃないの?(今は二十歳になってますが)、などと思ってましたが、金三つ取る、と言っていた伊藤美誠選手が、まず一つ目のミックスダブルスで中国ペアを打ち破って金メダルを獲得しました。

優勝も驚きましたけど、そこまでの勝ち上がりも驚きで、準々決勝のドイツペア戦。またソルヤにやられてしまうの? という展開で最終ゲームは4本のマッチポイントをしのいでの逆転勝ち。伊藤美誠選手の精神力、と言いたいところですけどこの場面は水谷隼選手の精神力の強さが目立ったでしょうか。

ミックスダブルスが一番勝ちやすかったのも事実だとは思います。世界選手権でも女子のシングルスダブルスは今世紀のチャンピオンはすべて中国、男子でも今世紀に中国がチャンピオンになってないのはシングルスもダブルスも一度だけ。一方でミックスダブルスは、19年の世界選手権こそ今回のオリンピックに出てきたペアが取りましたが、17,15,13の三大会は中国ペア以外が金メダルを持っています。

特に伊藤美誠選手にとっては、これよりもシングルスや団体での金メダルが欲しかったかもしれませんが、この二人の人生にオリンピックの金メダルが加わったことは、非常にうれしいです。水谷選手はこれで引退。伊藤美誠選手はこの先も中国に挑む戦いが続いていきます。

 

 

第三位:陸上中長距離陣の入賞と日本記録

 男子の4×100mリレーばかりが開幕前には注目されていたトラック競技。実際に活躍したのはこれまで日の当たってこなかった中距離でした。

過去からの流れを見ている人にとっては、6月の日本選手権からの一か月にその予兆は明らかにあったのですが、それでもこんなに日本記録が連発されるというのは予想を超える出来事。

男子は、ある意味では結局一人だけの孤軍奮闘でしたが三浦龍司選手の3000m障害。日本選手権で8分15秒99の日本記録を作り、今大会の予選ではついに8分9秒92と8分一桁入り。決勝では7位入賞。世界記録は7分53秒63なのでまだ少しありますが、オリンピック記録は8分3秒28  もうしばらくしたら8分を切るところまで自己ベストを上げて、次のパリオリンピックでは一勝負できるんじゃないか? そんな期待を持たされます。

女子は田中希実選手と廣中璃梨佳選手の二枚看板。5,000mでは廣中選手が14分52秒84の日本記録で決勝進出。すごいことではありますが、正直なところ予想の範囲内ではありました。驚いたのは1,500m 田中希実選手が日本記録を出しての予選通過、この時点ですごいのですけど、準決勝でもう一本日本記録を出して、3分59秒19 ついに4分を切り、中距離種目で決勝進出。考えられないことでした。決勝も4分切っての8位入賞。中距離種目で入賞って!!! 大会前の日本記録は4分5秒24  このレベルの選手が1500mで一気に6秒もタイムを短縮させるというのは驚異的です。

この二人がすごすぎてかすんでしまっていますが、1500mにはもう一人卜部蘭選手も出場し、4分7秒90のパーソナルベストをマーク、5000mももう一人萩谷楓選手が出場して15分4秒95のパーソナルベスト。オリンピック、世界陸上といった大会でパーソナルベストを出して帰って来る、というのは、決勝進出や入賞を果たせなかったとしてもすごいことだと思います。

今大会の1500~5000mの各選手のピーキングは素晴らしいものがあったと思います。

 

 

第二位:女子バスケットボール決勝進出

 これは、すごいことですけど、結果自体はそれほど驚きではありませんでした。

まあ、大会に至るまでの流れがあまりよくなかった、というのはあるのですが、日本のバスケットボールは男子より女子の方がはるかに期待できる、というのは戦績見れば明らかなことですし。

ここまでの流れ、という意味では、大黒柱の渡嘉敷来夢選手がのケガでの離脱、延期された今大会まで続け切ることは出来ない、と吉田亜沙美選手が引退、ポイントガード本橋菜子選手も靭帯断裂の大けが(なんとかぎりぎりで復帰)。主力級がこんな状態で戦力ダウンは否めずどうなるんだろう? という心配はありました。

それでもアジア選手権4連覇のチームです。ベスト8は標準ケース。相手がアメリカ以外ならどこでも勝つチャンスはあって、組み合わせ良ければ決勝アメリカ、というのは普通にありえるコースではありました。まあ、準決勝まで来て3クォーターに大差がついて、最終クォーターにスタメンはみんなベンチに座っている、という絵柄は驚きでしたが、勝ち上がること自体は驚きではなかったです。

トム・ホーバス監督の、東京オリンピックで決勝でアメリカに勝って金メダルが目標と言ったらみんな笑っていた、という逸話がありますが、これ、最後の「アメリカに勝って」の部分は確かにかなり厳しい目標ですが、決勝に残るところまでは、リオのベスト8の時点で、十分見えていた目標だったと思います。

今回、ベルギー、フランスに勝っての勝ち上がりなのですが、この二チームには割と大事なところで勝っていましたこれまで。ベルギーには18年のワールドカップのグループリーグで延長戦の末勝利。フランスにはリオオリンピックのグループリーグでやはり勝利しています。これがスペインだったらなかなか厳しかった可能性もあるので、準決勝がフランスになったときは、おぉ、きたー、と思いました。

アメリカ戦は、良いところをだいぶ消されてしまってなかなか苦しい試合でしたが、勝つ可能性としては卓球団体で中国に勝つ、くらいはある、というのが印象。

女子のバスケットボールは、何がだめってマーケティングがひどい。男子と比べてはるかに実績はあるし、バレーボールと比べてもここ10年とは言いませんが、ここ5年は実績的に勝っているのに、メディアへの露出という面でははるかに劣っている。WJBLJX-ENEOSの1強状態でリーグ戦の行方に全く興味が持てない状態から、ようやく連覇が止まって面白くなってきました。

選手がアイドル化してしまうとあれですが、国内リーグからもう少し注目されてくれることを期待しています。

 

 

第一位:テロなどの死者なく無事に閉幕

 オリンピックなんかやってコロナが広まらないのか? どうなんだ? とかそればかりが開幕前は話題になっていたように感じますが、私は、こういう別のことに気を取られているときに警戒感が薄れがちなテロとか起きたりするんだよな、とそっちを心配していました。

古くはミュンヘンオリンピック。近年ではボストンマラソンのゴール付近で爆弾炸裂というのもありました

日本でそういうテロは起こりにくい、という感覚の方も多いのかもしれませんが、スポーツイベントを横に置いて考えると、地下鉄サリン事件という、テロリストにとっては教科書になるような事件は日本の中心東京の都心を走る地下鉄で起こっています。

今回、無観客になったことで、コロナの方面ではなく、こういったテロ対策視点で見て、ターゲットとなる人間の数が減る、という側面もあったかな、と思っていました。

いずれにしろ、今回、大会期間中にテロに類するようなものはなかったようです。テロリストもコロナで動きにくかったとかあるのかもしれませんけれど。実は計画はあった、みたいな報道は後から出てくるかもしれませんが、死者・けが人が出るようなことが怒らず何よりでした。

この、死者・けが人が出るようなテロ・事件がなかった、というのがイベントごとで一番大事なことだと思います。

 

 

以上、東京オリンピックの備忘録的な個人的印象に残ったベスト10でした。