ペアで三浦 璃来/木原 龍一組が10位に入るという大快挙がありました
何がすごいって、一世一代パーフェクトノーミス演技をして10位になりました! みたいなことではなく、結構ミスがあって取りこぼしたところもあったけど最終的に10位になりました、という、またやったらもっと点出るかも、くらいの出来でこの成績だったことです
本人たちもいたって冷静
以前ならこの順位この点数だったらお祭り騒ぎだったけど~ とのコメント
今はもっとできるという自信と共に、オリンピックではもっと上の成績を目指したいということを、口だけではなく冷静な本音として語っている印象を受けました
さて、それで何が起きるか? というと
北京オリンピックの団体で、日本チームはメダルが射程圏に入ってきました
これまで二回は、米露加の三カ国でやる前から表彰台を分け合うのが目に見えていました
それが北京では情勢がだいぶ変わってきています
前回圧勝したカナダがだいぶ力を落としています
女子シングル、前回は前年の枠取り大会で二人も表彰台に乗せていましたが、今回は二枠すら取れず一枠に終わっています
アイスダンスのバーチュー/モイアー組もいない。ペアのデュハメル/ラドフォード組もいません
一方日本は、男子シングルは前回の金銀が健在。女子シングル、今回は苦戦していましたが、それでも平昌の時と比べて戦力ダウンはしていません。そこにペアが得点を計算できるレベルになり、アイスダンスも自力でオリンピック枠を獲れた
ちょっとシミュレーションしてみました
団体戦の出場国は決まっていませんが、仮で以下のように置きます
今回の世界選手権で4種目すべてでフリー進出した選手がいる国、ロシア、米国、カナダ、日本、中国の五か国。3種目でフリー進出した選手がいる国、フランス、イタリア、ジョージア、ドイツの四か国。これに、フリー進出が二種目の国の中で、比較的上位のショート落ち選手がいた国としてオーストリアを選んで10カ国としました
この10カ国で、それぞれまずショートの得点を比較します。複数選手出場している国は最上位の選手としました
|
男子 |
女子 |
ペア |
アイス |
1 |
日本 |
ロシア |
ロシア |
ロシア |
2 |
米国 |
日本 |
中国 |
米国 |
3 |
ロシア |
米国 |
米国 |
カナダ |
4 |
カナダ |
カナダ |
日本 |
イタリア |
5 |
フランス |
中国 |
||
6 |
イタリア |
カナダ |
フランス |
|
7 |
中国 |
ドイツ |
イタリア |
ドイツ |
8 |
中国 |
ドイツ |
日本 |
|
9 |
ドイツ |
イタリア |
||
10 |
フランス |
フランス |
アイスダンスはジョージアとオーストリアの二カ国の出場選手がいなかったので、直近のヨーロッパ選手権で上位だったジョージアを上にしました。それ以外は出場選手がいなかった国は1国だけでしたので10位としています
この結果から獲得ポイントを計算すると
1 |
ロシア |
38 |
2 |
米国 |
34 |
3 |
日本 |
29 |
4 |
カナダ |
27 |
5 |
中国 |
22 |
6 |
イタリア |
18 |
7 |
14 |
|
8 |
フランス |
13 |
9 |
ドイツ |
13 |
10 |
12 |
というわけで、日本は3位でフリーへ進出する計算になります
フリーはショートの上位五か国だけで争われます。これも世界選手権のフリーのスコアからシミュレーションしますが、ここで、複数の出場選手がいて、オリンピックでも複数の枠を確保した国は、フリー二番手の選手のスコアで比較することとします
|
男子 |
女子 |
ペア |
アイス |
1 |
日本 |
ロシア |
ロシア |
米国 |
2 |
ロシア |
米国 |
中国 |
ロシア |
3 |
カナダ |
日本 |
米国 |
カナダ |
4 |
米国 |
カナダ |
日本 |
中国 |
5 |
中国 |
中国 |
カナダ |
日本 |
この順位を元に最終順位を計算させると
1 |
ロシア |
76 |
2 |
米国 |
68 |
3 |
日本 |
60 |
4 |
カナダ |
56 |
5 |
中国 |
50 |
というわけで、シミュレーションとしては日本が団体戦で銅メダルが取れそう、ということになります
まあ、あくまでシミュレーションです
ショートもフリーもペアでカナダより上になる、というのは前代未聞すぎて、シミュレーションとは言えそんなことが起こりえるのか? と思ってしまいますが、今回の結果から計算させるとこうなります
なかなかすごいことなのですが、団体でメダルが取れそうというのは悩ましいところな感じがあります
なので、個人としての競技を大事にしてほしいし、そこでいい成績を上げるのがやはり本線かと思います
前回の平昌オリンピック。ロシア、カナダ、アメリカの選手たちは、まず団体でメダルが取れそう、ということでそこにだいぶ力が入っていたと聞きます。ネイサンチェン選手が個人の方でショートがうまくいかなかったのが団体のせいかはわかりませんが(団体でも転倒してましたし)、ショートフリー両方に出て悲願のオリンピック金メダルを得たパトリックチャンさんは、団体でだいぶ消耗した感じがありました。また、イタリアに逆転されるかも、コストナーさんいるし、な危機をトリプルアクセルで救った長洲未来さんも個人戦では今一つ伸びず
ソチまでさかのぼると、団体戦大活躍のリプニツカヤさんが個人戦では伸びなかったのも記憶に新しいところですし、プルシェンコさんに至っては個人戦を棄権に追い込まれました
オリンピックのメダルが目の前にあればどうしても欲しくなります
団体戦ならポイントの計算が、予測が、選手にもできます。したくなくてもできてしまう
次回のオリンピック、誰が代表になるかわかりませんが、少なくとも男子シングルの二人と、アイスダンスで仮に高橋大輔選手のペアが選ばれればそこまでの三人しか、オリンピックのメダルは持っていません
そして、個人種目は団体より後にある
メダルの可能性なんて感じられない方がよかったのかも、と思う一方、多くの選手にメダルを手に入れてほしい、と思う気持ちもある
最悪なのは、獲りに行って取れなくて疲弊だけすること、なのですがそんな展開もありそうで怖いなあ
そんな悩ましい状況を想起させてくれた、世界選手権ので三浦 璃来/木原 龍一組でした