Tリーグ開幕前に女子のレーティングを見てみる

卓球Tリーグの21-22シーズンが9月9日に開幕します。卓球は今回の東京オリンピックで日本として盛り上がった度はかなり上位だった競技かと思います。そのオリンピック閉幕から1か月。タイミング的にはなかなかいいところでの開幕です。

 

Tリーグは2018年スタートで今年で4シーズン目になります。

ここ2シーズンはコロナに振り回されて、ファイナルが中止になったり、無観客開催を余儀なくされたり、苦労してきましたが、コロナはまだ落ち着かないまま、緊急事態宣言下の開幕となります。

 

今回は、そんなTリーグのこれまで3シーズンのそれぞれの試合結果から、選手のレーティングを見てみます。手元でデータがしっかり並べられたのがまだ女子だけなので、今回は女子だけになります

レーティングって何?? みたいなのは最下部を参照してください

 

Tリーグ20-21シーズン終わりの女子レーティング参加実績のある選手すべて拾っているのでなかなか見づらいですね。

なんとなくわかるのは、ほとんどの選手が1400~1700の間に収まる、ということです。あんまり負け続けるとメンバーから外れてしまう、という側面はあるので、下が少ないのはそれはそうだろうというところなのですが、上も、勝ち続けてもそれほど上がっていかず、1700程度が精いっぱいといったところになっています。

このレーティングは300ポイント差があると、強い側が次のゲームを取る確率が84.9%あるとされます。100ポイント差で64.0% ゲームを取る確率なので、3ゲームマッチの場合は勝率としては100ポイント差で75%が強い方が勝つ、という計算になります。200ポイント差で勝率はだいたい90% 300ポイント差付くと98%という絶対的な勝率になってきます。勝敗だけで付けるレーティングよりも、小さなレーティング差で推定勝率は高くなります。

 

Tリーグ20-21シーズン終わりの女子レーティング 1550以上

 

昨シーズンの終わりの時点でレーティングが1550以上の選手だけ拾って推移を見てみます。

ゲームカウントでレートを動かしているので、相手が弱いと試合に勝っているのにレートが下がるということもありますし、弱い選手が強い選手に3-0や3-1で勝つと一気にレートが上がります。

レートが高い位置にずっといるのは石川佳純選手と早田ひな選手の二人。早田選手は18-19シーズンは全勝したこともあり高いレートにありましたが、19-20シーズンに一旦レートを下げたものの20-21シーズンにレートを上げて1700に近いところまでもっていきました。

オリンピックの代表になっていた平野美宇選手は、Tリーグでは意外と結果が出せておらず、20-21シーズンが終わった時点が一番レートが高く、それでも1622しかなく、この時点で全体5番目です。平野選手より上にいる日本人選手がもう一人いて、世界選手権でベスト8経験のある加藤美優選手。ワールドツアーではあまり成績が上がっていないので、平野選手とはポイント差があり、オリンピックレースでも終盤までは残れず脱落してしまっていましたが、Tリーグでは強いです。

日本勢は石川/早田の二選手がトップにいて、加藤選手と平野選手がその次の領域、その下にこの先期待されている若手として、17歳になった木原美悠選手や19歳になった長﨑美柚選手がいます。

海外勢では38歳大ベテラン、リオデジャネイロオリンピック団体戦伊藤美誠選手を打ち破ったハンイン選手が3シーズン継続してTリーグ参戦していて、20-21シーズン終わりはレーティング1675と石川佳純選手に次ぐ2番目にいます。また、ロンドンオリンピック銅メダリストであるシンガポールのフォン ティエンウェイ選手も3シーズン継続して参戦していて、20-21シーズン終わりのレーティングは1596 全体の6番目になります。

 

○20-21シーズン終了時のレーティング1550以上の選手

選手名 20-21シーズン終了時レーティング
石川 佳純 1705
ハン イン 1675
早田 ひな 1664
加藤 美優 1647
平野 美宇 1622
フォン ティエンウェイ 1596
木原 美悠 1583
エン シュエジャオ 1567
木村 香純 1562
長﨑 美柚 1559

 

世界での実績・評価と、国内での戦いで勝てるかどうかはまた別の話。というあたりは伊藤美誠選手が20年21年と全日本選手権では勝てていない、というあたりからもよくわかるところですが、世界でのランキング・実績とはまた別のものがTリーグでは見られるはずです。

 

 

○レーティングの説明

レーティングは、イロレーティングという手法で作ったものです。難しいことはわからんよ、という方は、平均が1500になり、数字が大きいほど強い指標、と思っておけばいいです。

分かる人向けにもう少し中身を説明すると、係数は16で設定。試合ごとにレートは更新です。1日に2試合ある場合、2試合目は1試合目のレーティング反映後のレートを用いています。試合結果は勝ち負けだけの判定ではなく、ゲームカウントを反映させています。

そういった形で計算させました。

イロレーティングとは? みたいなことはwikipediaなどでご確認下さい