ロンバルディア杯 アリサリュウ圧勝

昨シーズン壊滅したチャレンジャーシリーズでしたが、今シーズンはシリーズとして始まりました。初戦はイタリアベルガモでのロンバルディア杯。普通のシーズンであれば、当然日本からの派遣もあるのですが、今シーズンはコロナやコロナやコロナで、ということだと思いますが、なしでした。

 

○女子シングル 上位12人まで

Pl Name Nation Total SP FS
1 Alysa LIU USA 219.24 74.31 144.93
2 Ekaterina KURAKOVA POL 187.65 61.51 126.14
3 Audrey SHIN USA 172.46 58.80 113.66
4 Alexia PAGANINI SUI 171.48 62.14 109.34
5 Lara Naki GUTMANN ITA 166.98 48.65 118.33
6 Yasmine Kimiko YAMADA SUI 165.39 58.89 106.50
7 Lindsay VAN ZUNDERT NED 163.36 57.90 105.46
8 Sophia SCHALLER AUT 159.08 52.45 106.63
9 Regina SCHERMANN HUN 157.66 54.04 103.62
10 Lea SERNA FRA 156.66 51.36 105.30
11 Eva-Lotta KIIBUS EST 155.52 50.78 104.74
12 Kristina SHKULETA-GROMOVA EST 147.13 53.58 93.55

今シーズンシニアデビューのアリサリュウ選手が、早くも今シーズン国際試合2試合目。そして、この2戦目も圧勝しました。ショートフリー共に2位以下に影も踏ませぬ圧勝です。

ショートはトリプルアクセル封印で全要素全ジャッジプラス評価の74.31でパーソナルベスト。フリーはトリプルアクセルこそ回転不足でしたが初めて140点台に乗せての144.93のパーソナルベストでした。

実はこれまでの国際大会ではすべて200点台一桁のスコアだったアリサリュウ選手。今回初めて219.24と220点に迫るスコアを出してきました。このスコアだとまだ全然ロシア勢には届かない、というのが現実ではありますが、まずは9月時点で大技基礎点無しでここまで持ってきた、という段階です。トリプルアクセル、さらには四回転が今の時点で成功出来ていないのは心配ではありますが、それがはまれば230点240点が見えるベースが完成しています。

2位にはポーランドのクラコワ選手。2シーズン前に200点を出したことのあるロシア系の選手です。クラコワ選手は当然オリンピックを目指す選手ですが、3月の世界選手権ではショート落ちの32位でした。その結果、ポーランドはオリンピック枠をまだ持っていません。彼女にとって今シーズン一番大事な試合、オリンピック枠を掛けた最後の戦い、ネーベルホルン杯を2週間後に控えています。その調整段階としてこのスコアが出せていることは好材料です。

4位のパガニーニ選手は190点台のパーソナルベストを持っていますが今大会では171.48に終わっています。パガニーニ選手も3月の世界選手権ではショート落ちの25位。スイスもオリンピック枠をまだ獲得できておらず、2週間後のネーベルホルン杯にエントリー。順当にいけば残り6枠の中に入る選手ですが、これくらいのスコアだとまだ不安感はあります。

 

○アリサリュウ選手のショートプログラム構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 2A   3.30   1.06 4.36 3.143
2 3F   5.30   1.38 6.68 2.714
3 FCSp4   3.20   0.90 4.10 2.714
4 3Lz+3T   11.11 x 1.53 12.64 2.571
5 CCoSp4   3.50   1.26 4.76 3.429
6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
7 LSp3   2.40   0.91 3.31 3.857
  TES   32.71   8.44 41.15  

ショートプログラムではトリプルアクセル投入無し。後半にルッツからの3-3でトリプルアクセル無しでこれ以上にするにはルッツループしかない、という構成です。ただし、レイバックスピンがレベル3になっているので、基礎点としての取りこぼしはあります。

GOEは2~3台。+4台に乗っている要素はありません。この辺はロシア勢のトップとは少し差があるでしょうか。

 

○アリサリュウ選手のフリー構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores  
1 3A< 6.40   -0.77 5.63 -1.286
2 3Lz   5.90   1.18 7.08 2.143
3 3Lo   4.90   1.18 6.08 2.429
4 2A+1Eu+3S   8.10   1.12 9.22 2.571
5 FCCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
6 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.429
7 3Lz+3T< 10.19 x -0.71 9.48 -1.286
8 3F+2T   7.26 x 1.06 8.32 2.000
9 3F   5.83 x 1.48 7.31 2.714
10 ChSq1   3.00   1.50 4.50 3.286
11 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
12 LSp4   2.70   1.08 3.78 4.000
  TES   65.18   10.55 75.73  

フリーの構成は8月のクランベリーカップと同じでした。クランベリーカップではトリプルアクセルがダウングレードの転倒でしたが、今回は回転不足の着氷というところまで来ていてスコア的にはダブルアクセルで獲得可能な点を超えています。また、後半の-3は回転不足が出ました、ここはクランベリーカップの時はqマークでぎりぎり。一つポイントになってくる要素なようです。

そして、二つ目の要素にトリプルルッツがいるのは、本当は四回転ルッツをここで入れたい、という意志の表れかと思われますが、まだそれが実行出来ていません、そのあたりが全部そろってくると、技術点90点超え、となってきてロシア勢との勝負になってきます。

 

アリサリュウ選手は次戦はネーベルホルン杯にエントリーしています。アメリカは3枠目をネーベルホルン杯で確保することが必要です。そこにアリサリュウ選手は自分で出向いて取りに行きます。当日のケガ、以外には枠を確保できない、という要素は全く見当たりません。

 

○男子シングル 上位12位まで

Pl Name Nation Total SP FS
1 Daniel GRASSL ITA 247.80 74.26 173.54
2 Adam SIAO HIM FA FRA 237.39 80.54 156.85
3 Morisi KVITELASHVILI GEO 236.18 76.52 159.66
4 Vladimir LITVINTSEV AZE 218.80 80.83 137.97
5 Tomoki HIWATASHI USA 213.11 66.69 146.42
6 Romain PONSART FRA 204.39 78.23 126.16
7 Arlet LEVANDI EST 198.67 63.67 135.00
8 Aleksandr SELEVKO EST 197.71 68.78 128.93
9 Davide LEWTON BRAIN MON 193.02 67.36 125.66
10 Konstantin MILYUKOV BLR 192.41 65.08 127.33
11 Adrien TESSON FRA 190.12 63.07 127.05
12 Nikita STAROSTIN GER 187.74 69.02 118.72

男子は地元イタリアのグラスル選手が優勝。ショートは四回転が回転不足の上に転倒となって、え? というスコアでしたが、フリーは4回転3本をq二つはありながらもなんとか着氷して逆転優勝となりました。

2位にはフランスのアダムシャオイムファ選手が入っています。フランスはオリンピック枠2枠目のチャンスをネーベルホルン杯に残していて、このアダムシャオイムファ選手がエントリーしています。

3位のクビテラシビリ選手はオリンピック枠は確保済み。今回はフリーで4回転3本を着氷しています。

 

次週はUSインターナショナルがありますが、今シーズンはチャレンジャーシリーズから外れました。次週のチャレンジャーシリーズはオータムクラシックです。男子は、ナムニューエン選手などカナダの選手しか、まだエントリーが確認できていません。女子ではユヨン選手、カレンチェン選手また、カナダのガブリエルデールマン選手がエントリーしています。

また、ペアに日本から三浦璃来/木原龍一ペアもエントリーしています。