前回に続いて今回は女子シングルの初回です。
各選手のシーズンベストを見ていくことになります。
○女子シングルエントリー選手 今シーズンのベストスコア
Event | Name | Total | SP | FS | |
1 | NHK Trophy | Kaori SAKAMOTO | 223.34 | 76.56 | 146.78 |
2 | Grand Prix Torino | Mai MIHARA | 214.95 | 70.46 | 144.49 |
3 | Grand Prix Torino | Satoko MIYAHARA | 209.57 | 70.85 | 138.72 |
4 | みなとアクルス杯 | 松 生 理 乃 | 207.48 | 69.70 | 137.78 |
5 | NHK Trophy | Mana KAWABE | 205.44 | 73.88 | 131.56 |
6 | Skate Canada | Wakaba HIGUCHI | 205.27 | 69.41 | 135.86 |
7 | 木下トロフィー争奪 | 吉 田 陽 菜 | 197.16 | 64.34 | 132.82 |
8 | インターハイ東京都予選 | 住 吉 りをん | 187.28 | 61.54 | 125.74 |
9 | げんさんサマーカップ | 山 下 真 瑚 | 186.98 | 58.90 | 128.08 |
10 | 東京選手権 | 渡 辺 倫 果 | 182.67 | 64.38 | 118.29 |
11 | 近畿選手権 | 柴 山 歩 | 179.97 | 64.20 | 115.77 |
12 | Internationaux de France | Yuhana YOKOI | 176.93 | 52.32 | 124.61 |
13 | 全日本ジュニア | 千 葉 百 音 | 175.41 | 58.97 | 116.44 |
14 | 西日本選手権 | 田 中 梓 沙 | 174.28 | 65.86 | 108.42 |
15 | 西日本選手権 | 荒 木 菜 那 | 174.23 | 59.16 | 115.07 |
16 | 東京選手権 | 松 原 星 | 171.44 | 54.30 | 117.14 |
17 | 東京選手権 | 川 畑 和 愛 | 170.42 | 66.26 | 104.16 |
18 | 東日本選手権 | 青 木 祐 奈 | 170.07 | 61.59 | 108.48 |
19 | 中部選手権 | 新田谷 凜 | 169.38 | 62.20 | 107.18 |
20 | 西日本選手権 | 白 岩 優 奈 | 166.92 | 60.37 | 106.55 |
21 | 中部選手権 | 大 庭 雅 | 166.54 | 58.29 | 108.25 |
22 | 東京選手権 | 中 井 亜 美 | 166.08 | 60.17 | 105.91 |
23 | 全岡山選手権 | 三 宅 咲 綺 | 165.26 | 63.42 | 101.84 |
24 | 近畿選手権 | 籠 谷 歩 未 | 163.87 | 56.80 | 107.07 |
25 | 全兵庫選手権 | 野 口 望々花 | 160.14 | 52.84 | 107.30 |
26 | 西日本選手権 | 浦 松 千 聖 | 159.72 | 55.95 | 103.77 |
27 | 都民体育大会 | 佐 藤 伊 吹 | 158.70 | 55.51 | 103.19 |
28 | 中四国九州選手権 | 竹 野 比 奈 | 153.13 | 52.95 | 100.18 |
29 | 東日本選手権 | 本 田 真 凜 | 152.02 | 50.37 | 101.65 |
30 | 西日本選手権 | 竹 野 仁 奈 | 149.74 | 52.69 | 97.05 |
31 | 西日本選手権 | 森 下 実 咲 | 145.46 | 50.33 | 95.13 |
エントリーは32選手、リストにいるのは31人。紀平梨花選手が今シーズン試合に出ていないためリストにいません。
日本の国内大会の試合は日本語で、国際試合はアルファベットでの表記となっています。
トップスコアは坂本花織選手です。ただ一人220点台をマーク。セカンドベストも215.93なのでトップ相当のスコアです。シーズンベスト、世界ランキング、ともに日本勢トップ。ただ一人グランプリファイナル進出。力は抜けています。死角は・・・、たまに大崩れすることでしょうか。あとは、昔インフルエンザでアジア大会欠場という前科があるので、全日本で似たようなことをしないこと、というのもあります
二番手に三原舞依選手がいます。セカンドベストも210.01で210点に乗っています。実は全日本の表彰台はまだ一回しか乗ったことがないのですが、二回目をこの大事なシーズンに持ってこられるかどうか?
宮原知子選手がシーズンベストは3番目にいます。宮原選手も坂本選手と同様徐々に調子が上がってきているように見えます。世界で実績のある選手は大事なシーズンには大事な試合に合わせるような過ごし方を知っているのでしょうか?
松生理乃選手が国内のローカル試合で207.48を出して4番目にいます。ただ、このスコアは7月に行われたもの。直近11月はグランプリ2試合で180点台でした。ケガをしている、というように見受けられるのですが、全日本までの一か月で回復しているかどうか?
NHK杯表彰台の河辺愛菜選手が5番目です。ただセカンドベストは180点台。ショートフリーでトリプルアクセルを決めれば一発チャンスはあるけれど、それを全日本に当てられるか?
樋口新葉選手は6番目です。ポテンシャルは高いけれど、ショートとフリー、2本そろわない。2本ノーミスすれば優勝もあるポテンシャルなのですが、シーズンベストは6番目(ISU公認は5番目)。波が激しすぎるのですが、その波が全日本ではどこに来るか?
オリンピック代表争い、世界選手権代表候補はこの6人プラス紀平梨花選手くらいまででしょうか。昨年の全日本の上位7人がそのまま候補になっていて、序列も紀平梨花選手を除くと三原舞依選手が二人抜いて上に出たくらいであまり入れ替わっていません。
ジュニア勢では吉田陽菜選手が190点台後半を出して7番目にいます。ただ、このスコアは8月のもの。直近は調子を崩しているようでこのまますんなり世界ジュニアの代表になれるかどうか? 全日本ジュニアも表彰台を逃しています。
住吉りをん選手が全日本ジュニアの翌週のインターハイ東京都予選でシーズンベスト。180点台後半まで出してきました。
柴山歩選手、千葉百音選手、田中梓沙選手といったあたりは170点台のベストです。世界ジュニアは2枠。ジュニアからの推薦枠6人の中で2番目までには入りたいですし、それだけでなく、ジュニア年齢の河辺愛菜選手、松生理乃選手あたりとの関係も出てくるので、悪くても180点、できれば190点に乗せていきたいわけですが、粒ぞろいのジュニアの中から誰が大きくスコアを伸ばしてくるか? あるいは来ないのか。
○ショートプログラム 今シーズンのシーズンベスト
Event | Name | SP | TES | PCS | |
1 | Cup of Austria | Wakaba HIGUCHI | 79.73 | 46.25 | 33.48 |
2 | Asian Open Figure | SAKAMOTO Kaori | 76.70 | 41.97 | 34.73 |
3 | NHK Trophy | Mana KAWABE | 73.88 | 42.71 | 31.17 |
4 | 東京選手権 | 宮 原 知 子 | 72.30 | 37.30 | 35.00 |
5 | Grand Prix Torino | Mai MIHARA | 70.46 | 39.29 | 31.17 |
6 | げんさんサマーカップ | 松 生 理 乃 | 70.27 | 38.62 | 31.65 |
7 | 東京選手権 | 川 畑 和 愛 | 66.26 | 34.34 | 31.92 |
8 | 西日本選手権 | 田 中 梓 沙 | 65.86 | 37.14 | 28.72 |
9 | 全日本ジュニア | 住 吉 りをん | 65.34 | 36.22 | 29.12 |
10 | 東京選手権 | 渡 辺 倫 果 | 64.38 | 38.18 | 26.20 |
11 | 西日本選手権 | 柴 山 歩 | 64.36 | 38.24 | 26.12 |
12 | 木下トロフィー争奪 | 吉 田 陽 菜 | 64.34 | 36.74 | 27.60 |
13 | 東京選手権 | 青 木 祐 奈 | 64.14 | 34.54 | 29.60 |
14 | 東京夏季フィギュア | 松 原 星 | 64.06 | 37.04 | 27.02 |
15 | 全岡山選手権 | 三 宅 咲 綺 | 63.42 | 37.54 | 25.88 |
16 | 西日本選手権 | 山 下 真 瑚 | 63.13 | 34.73 | 28.40 |
17 | 中部選手権 | 新田谷 凜 | 62.20 | 32.94 | 29.26 |
18 | みなとアクルス杯 | 横 井 ゆは菜 | 62.12 | 33.66 | 28.46 |
19 | 宮城県高校総体 | 千 葉 百 音 | 61.82 | 36.48 | 25.34 |
20 | 西日本選手権 | 白 岩 優 奈 | 60.37 | 31.89 | 28.48 |
21 | 東京選手権 | 中 井 亜 美 | 60.17 | 36.49 | 23.68 |
22 | 中部選手権 | 荒 木 菜 那 | 59.59 | 32.45 | 27.14 |
23 | 愛知県代表選考会 | 大 庭 雅 | 59.42 | 32.42 | 27.00 |
24 | 近畿選手権 | 籠 谷 歩 未 | 56.80 | 34.18 | 22.62 |
25 | 西日本選手権 | 浦 松 千 聖 | 55.95 | 29.11 | 26.84 |
26 | 都民体育大会 | 佐 藤 伊 吹 | 55.51 | 31.77 | 23.74 |
27 | 西日本選手権 | 野 口 望々花 | 54.69 | 31.81 | 22.88 |
28 | 東京選手権 | 本 田 真 凜 | 53.58 | 25.20 | 28.38 |
29 | 中四国九州選手権 | 竹 野 比 奈 | 52.95 | 27.03 | 25.92 |
30 | 西日本選手権 | 竹 野 仁 奈 | 52.69 | 27.45 | 25.24 |
31 | 西日本選手権 | 森 下 実 咲 | 50.33 | 25.77 | 24.56 |
女子は31選手すべて載せてみました。
トータルスコアのシーズンベストは6番目だった樋口新葉選手がショートプログラムではトップスコアです。79.73というショートのシーズンベストは世界でもワリエワ選手、トゥクタミシェワ選手に次ぐ3番目です。技術点46.25はトゥクタミシェワ選手の上へ行って世界で2番目。樋口新葉選手がトリプルアクセル込みでノーミスするとここまで出ます。
坂本花織選手がトリプルアクセル無しで70点台後半まで出して2番目。今シーズン5回滑ってすべて70点台。安定しています。
70点台前半に4人。トリプルアクセル組から河辺愛菜選手。宮原選手、三原選手、松生選手はダブルアクセルで70点に乗せています。フリーで最終グループに入るには、やはりショートで70点台が必要になるのでしょうか? フリー最終グループが全員ショートで70点以上となると史上初になります。
今世紀に入ってから、オリンピック選考会である全日本選手権で、フリー最終グループに入って世界ジュニアに出た最上位選手は、次のオリンピックの代表になる、という流れがあります。今回は紀平梨花選手がそれにあたるのですが、次にその存在になる選手は出るでしょうか? 河辺愛菜選手、松生理乃選手、といったあたりもそのコースがあり得ますが、全日本ジュニアコースを経た選手では、吉田陽菜選手が、トリプルアクセル込みでショートノーミスすればそうなってくる可能性があります。また、ジュニアコースでショートのシーズンベストが一番高いのは田中梓沙選手の65.86というのがあります。柴山歩選手は技術点は38.24まで出していて全体6番目です。
今回はショートのシーズンベストが60点以上の選手が21人もいます。フリーへの通過は当然24人。シーズンベスト24位は56.80ですが、紀平梨花選手一人分空けると23位の59.42がボーダーラインになる。60点近く出さないとフリーに進めないという恐ろしいレベルになる可能性もあります。ただ、調子を落としている選手も結構いるので、実際にはもう少しボーダーラインは下がって50点台中盤にはなってくると思います。
○フリーの今シーズンシーズンベスト
Event | Name | FS | TES | PCS | |
1 | NHK Trophy | Kaori SAKAMOTO | 146.78 | 74.95 | 71.83 |
2 | Grand Prix Torino | Mai MIHARA | 144.49 | 77.01 | 67.48 |
3 | Internationaux de France | Wakaba HIGUCHI | 141.04 | 73.80 | 67.24 |
4 | Grand Prix Torino | Satoko MIYAHARA | 138.72 | 68.58 | 70.14 |
5 | みなとアクルス杯 | 松 生 理 乃 | 137.78 | 73.04 | 65.74 |
6 | Japan Open | Mana KAWABE | 134.91 | 74.79 | 60.12 |
7 | 木下トロフィー争奪 | 吉 田 陽 菜 | 132.82 | 76.15 | 56.67 |
8 | げんさんサマーカップ | 山 下 真 瑚 | 128.08 | 67.97 | 60.11 |
9 | 京都府総体 | 柴 山 歩 | 125.98 | 72.37 | 53.61 |
10 | インターハイ東京都予選 | 住 吉 りをん | 125.74 | 66.81 | 58.93 |
11 | 中部選手権 | 横 井 ゆは菜 | 125.08 | 67.74 | 57.34 |
12 | 東日本選手権 | 渡 辺 倫 果 | 119.42 | 67.38 | 53.04 |
13 | 東京選手権 | 松 原 星 | 117.14 | 63.14 | 54.00 |
14 | 全日本ジュニア | 千 葉 百 音 | 116.44 | 63.64 | 52.80 |
15 | 京都府総体 | 籠 谷 歩 未 | 115.86 | 62.67 | 53.19 |
16 | 西日本選手権 | 荒 木 菜 那 | 115.07 | 61.07 | 54.00 |
17 | びわこカップ国体予選 | 野 口 望々花 | 113.65 | 64.64 | 49.01 |
18 | みなとアクルス杯 | 新田谷 凜 | 112.44 | 57.79 | 54.65 |
19 | 東日本学生選手権 | 青 木 祐 奈 | 112.16 | 54.08 | 58.08 |
20 | 西日本学生選手権 | 三 宅 咲 綺 | 111.07 | 57.87 | 53.20 |
21 | 全日本ジュニア | 田 中 梓 沙 | 109.06 | 54.74 | 54.32 |
22 | 全日本ジュニア | 中 井 亜 美 | 108.98 | 63.26 | 46.72 |
23 | 中部選手権 | 大 庭 雅 | 108.25 | 55.39 | 53.86 |
24 | 近畿選手権 | 白 岩 優 奈 | 108.10 | 51.16 | 56.94 |
25 | 東日本選手権 | 川 畑 和 愛 | 106.73 | 48.93 | 58.80 |
26 | 京都府総体 | 本 田 真 凜 | 106.73 | 50.26 | 57.47 |
27 | 大阪府民スポーツ大会 | 森 下 実 咲 | 104.18 | 51.70 | 52.48 |
28 | 西日本選手権 | 浦 松 千 聖 | 103.77 | 52.81 | 50.96 |
29 | 都民体育大会 | 佐 藤 伊 吹 | 103.19 | 52.79 | 50.40 |
30 | 西日本選手権 | 竹 野 比 奈 | 102.98 | 51.74 | 52.24 |
31 | 中四国九州選手権 | 竹 野 仁 奈 | 98.20 | 51.27 | 46.93 |
フリーも女子は31選手並べてみました。
140点台は3人います。坂本選手がトップスコアで三原選手が続く形。樋口新葉選手も140点台があります。樋口新葉選手はショートのベストとフリーのベストを合わせれば220点近いスコアになるのですが、シーズンベストは205.27 ショートフリー2本そろえればすごいスコアが出ますが、どちらも悪い側が来るとトップ10も外すという可能性があります。
130点台は4人います。宮原選手は140点にまだ乗っていないんですね。回転不足との戦い次第なのだと思いますがしっかり全日本に合わせてこられるかどうか。そこに松生選手と河辺選手が続く。やはりこの6人が強いわけです。松生選手も本調子ならこれくらいは出せる。
その次にいるのが吉田陽菜選手です。国内のローカル試合ですが技術点は76.15まで出していて、三原舞依選手に次いで2番目です。これが出せれば世界ジュニアに近づくのですが、このスコアは8月に出したもの。現在の調子はどうか。
ジュニアからは柴山歩選手、住吉りをん選手が125点台でいます。柴山選手は技術点72.37まで出しています。
全日本常連組では白岩優奈選手、川畑和愛選手、本田真凜選手といったところがスコアが伸びていません。川畑選手はショートのシーズンベストは高めですが、白岩選手は最近調子が上がっていないですし、本田選手はショートのシーズンベストもかなり低め。なかなか苦しい戦いになりそうです。竹野姉妹もなかなか苦しいです。
今回はここまで。
次回からは有力選手の構成などなどを見ていきます。