21-22 イ・ヘイン

2005年4月16日生まれ

シニア2シーズン目

シーズン獲得賞金:$16,000

世界ランキング:16位

シーズンランキング:18位

シーズンベストスコア 213.52(18位) 四大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 69.97 四大陸選手権

フリーシーズンベスト 143.55 四大陸選手権

ショートプログラム楽曲:アヴェ・マリア

フリープログラム楽曲:Homage to Korea

スピンレベル4率 38/42=90.5%

ステップレベル4率 9/14=64.3%

スピンオールレベル4 6/7

スピンステップオールレベル4  3/7

ジャンプ要素回転不足率 10/70=14.3%

ジャンプ回転不足なし 2/7

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 1/7

 

○21-22シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP Skate Canada 7 190.00 62.63 127.37
GP Internationaux de France 10 171.32 63.18 108.14
NC Korean Championships 3 206.33 68.63 137.70
4CC Four Continents 2 213.52 69.97 143.55
WC World Championships 7 196.55 64.16 132.39
IC Egna Spring Trophy 2 182.32 60.99 121.33
IC Triglav Trophy 1 176.15 65.91 110.24

イ・ヘイン選手は昨シーズン世界選手権に出場。オリンピック代表選考の有力候補として今シーズンを迎えます。

初戦はグランプリシリーズから、2戦枠を持っていましたが、スコアは今一つ伸ばすことができませんでした。心配な状態からの韓国選手権。ショートは3位スタート、オリンピックの枠は2つ。2位とは0.34ポイント差と僅差ですが年齢が足りないのでオリンピックの選考対象外。一方、4位とも1.11差、5位1.18差、非常に僅差の中でフリーを迎えます。このフリーはスピンステップオールレベル4、マイナス要素なし回転不足なし。パーソナルベスト相当の137.70のスコアを出しますが、2人残して2位。最終的に最終滑走のユヨン選手に上に行かれ総合3位。オリンピックとは1.31ポイント差で敗れました。

得られた権利は四大陸と世界ジュニア。10日ほどしか間がないスケジュールでしたが四大陸選手権エストニアに飛びます。失意の四大陸まわり、気持ちを立て直す時間もそれほどなかったと思うのですが、ショートから69.97とシーズンベストのスコアで2位。フリーはノーミス。技術点を76.42まで出して人生初の140点越え。トータル213.52で2位表彰台となりました。

シーズンラストは世界ジュニア、の予定だったのですが、キムイェリム選手が欠場したことで、世界選手権が回ってきました。この試合はショートで3-3が入らず11位スタート。今一つの立ち上がり。ユヨン選手がショート4位発進なので、来シーズン韓国3枠のためにはイ・ヘイン選手が順位を上げる必要があります。フリーはジャンプに苦しんだ感じはあり、qマーク3つ、それでもアンダーローテーションにならずに踏みとどまり、132.39 トータル196.55で10人残して2位。微妙な位置で滑走を追えます。その後第3グループが終わっても順位変わらず2位のまま、最終的に7位で終え、韓国の来期3枠確保に貢献しました。

世界選手権に出て世界ジュニアは欠場。これでシーズン終わりかと思いきやB級大会2試合をこなします。トリグラフトロフィーは優勝しながらも残念ながら出場選手が少なくポイントがもらえなかったのですが、エーニャスプリングトロフィーで2位の225ポイントで世界ランクを上げることは出来ました。

 

○要素別スコア

Event Pl Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Skate Canada 7 190.00 95.80 95.20 63.12 -2.93 22.46 13.15
Internationaux de France 10 171.32 82.37 89.95 57.36 -6.72 18.36 13.37
Korean Championships 3 206.33 109.09 97.24 64.84 6.02 23.39 14.84
Four Continents 2 213.52 114.31 99.21 65.08 10.88 24.33 14.02
World Championships 7 196.55 100.60 95.95 60.16 2.85 24.05 13.54
Egna Spring Trophy 2 182.32 95.11 87.21 60.78 -3.69 23.73 14.29
Triglav Trophy 1 176.15 93.00 85.15 55.25 -0.40 24.23 13.92

シーズンベストは四大陸選手権の213.52 今シーズン18位のスコアです。悪い時は170点台になりますので安定感はそれほどないということになるでしょうか。

技術点は114.31まで出ました。PCSは90点台後半まで。5項目平均8点台前半くらいまでです。

ジャンプの基礎点は60点台半ばまであります。加点も四大陸で二桁に乗りました。

スピンは24点台まで出します。ステップも14点台が出ます。

 

○要素別偏差値

Event Pl Total J Base J GOE Spin Step PCS
Skate Canada 7 58.24 59.47 47.47 55.61 58.90 60.02
Internationaux de France 10 53.17 55.17 41.10 42.84 59.78 56.52
Korean Championships 3 62.67 60.75 62.49 58.51 65.63 61.38
Four Continents 2 64.62 60.93 70.65 61.43 62.37 62.70
World Championships 7 60.01 57.26 57.17 60.56 60.46 60.52
Egna Spring Trophy 2 56.15 57.72 46.19 59.56 63.44 54.70
Triglav Trophy 1 54.48 53.59 51.71 61.12 61.97 53.32

偏差値に直すとトータルスコアは60台前半まで乗せます。ジャンプの基礎点は偏差値60ほど。加点は四大陸で偏差値70に乗せました。スピンステップPCSと偏差値60を少し超えるあたり。全体的に偏差値60台前半というところに位置している選手なようです。

 

21-22シーズン イ・ヘイン要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートはジャンプの加点がやはりほかの選手と同じようにばらつきますが、それ以外は全体的にバランス型の形をしています。

 

●シーズン最高の基礎点構成

スケートカナダ ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.71 4.01 2.111
2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.42 9.68 -0.667
3 FCSp4   3.20   0.50 3.70 1.556
4 SSp4   2.50   0.57 3.07 2.333
5 3F   5.83 x -2.65 3.18 -5.000
6 CCoSp4   3.50   0.60 4.10 1.778
7 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
  TES   31.73   0.30 32.03  

ショートプログラムの最高基礎点は31.73でした。ステップがレベル3 これがレベル4だと32.33になります。トリプルアクセル無しの最高基礎点が今シーズン33.01なので、32.33まで出せば、出来栄え勝負とすることができると言えそうです。

 

四大陸選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
3 2A+3T   7.50   0.96 8.46 2.333
4 3S   4.30   1.04 5.34 2.444
5 FCCoSp4   3.50   0.30 3.80 0.889
6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
7 3F   5.83 x 1.21 7.04 2.333
8 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
9 2A   3.63 x 0.47 4.10 1.333
10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
11 FCSp4   3.20   0.87 4.07 2.778
12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
  TES   63.15   13.27 76.42  

四大陸選手権のフリーでは63.15の基礎点を出しました。今シーズン、トリプルアクセル無しの最高基礎点が63.33でしたので、トリプルアクセルの無い相手とであれば、十分に出来栄えで勝負できる構成ということになります。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。スピンも合計基礎点10.20になる一番高い組み合わせです。1.1倍にコンビネーションをもう1つ持ってくればさらに基礎点上がるかと思います。

 

○平均GOE2.800以上

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.444
Triglav Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.400
Four Continents FS 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
World Championships SP 7 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.333
Korean Championships FS 10 ChSq1   3.00   1.70 4.70 3.286
Egna Spring Trophy FS 10 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.200
Korean Championships SP 7 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.143
Skate Canada FS 8 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.111
Skate Canada FS 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
Four Continents SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.111
Skate Canada SP 7 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
Skate Canada FS 11 SSp4   2.50   0.75 3.25 3.000
Four Continents SP 7 StSq3   3.30   0.94 4.24 3.000
Four Continents FS 2 3Lo   4.90   1.47 6.37 3.000
Triglav Trophy SP 2 2A   3.30   0.99 4.29 3.000
Skate Canada FS 5 CCoSp4   3.50   1.00 4.50 2.889
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
Four Continents FS 8 StSq4   3.90   1.17 5.07 2.889
Egna Spring Trophy SP 6 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 2.800
Egna Spring Trophy SP 7 StSq4   3.90   1.04 4.94 2.800
Triglav Trophy SP 3 FCSp4   3.20   0.85 4.05 2.800
Triglav Trophy SP 4 SSp4   2.50   0.67 3.17 2.800
Triglav Trophy SP 6 CCoSp4   3.50   0.93 4.43 2.800

評価の高い要素はステップとコレオが多いです。スピンもいくつかいます。ジャンプは良いん大陸選手権のトリプルループトリグラフトロフィーダブルアクセルが+3.000ありました。

偏差値見ると60前後でしたがその中でわずかにステップ系要素の偏差値が高めではあったでしょうか。GOEとしては高評価なのですが、レベル3が散見するあたりでスコアが伸び切れていないのかなあ、という感じはあります。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Internationaux de France FS 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000

今シーズン、イ・ヘイン選手はフランス杯でトリプルアクセルに挑戦しましたが、回転不足で基礎点を削られ、転倒しました。練習中、という要素なようです。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada SP 2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.42 9.68 -0.667
Skate Canada FS 2 3Lz+3Tq q 10.10   -0.34 9.76 -0.333
Internationaux de France SP 5 3F+3T< 9.53 x -1.06 8.47 -2.000
Korean Championships SP 1 3Lzq+3T q 10.10   -0.35 9.75 -0.714
Korean Championships FS 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
Four Continents SP 1 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.111
Four Continents FS 1 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
World Championships FS 1 3Lz+3Tq q 10.10   0.00 10.10 0.000
Egna Spring Trophy SP 1 3Lz!+3Tq ! 10.10   -0.98 9.12 -1.600
Egna Spring Trophy FS 2 3Lo+3T< 8.26   -0.98 7.28 -1.800
Triglav Trophy SP 1 3Lz+3T< 9.26   -0.39 8.87 -0.400

3回転3回転はルッツ起点が基本です。回転がギリギリのqや足りないアンダーローテーションが目立ちます。11回飛んでアンダーローテーション3回、qが5つ。結果としてGOEもマイナスが目立ちますが、転倒にはなっていません。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Skate Canada FS 6 3Lz<+1Eu+3S< 9.53 x -1.49 8.04 -3.111
Internationaux de France FS 9 3S+2T+2Lo   8.03 x 0.12 8.15 0.333
Korean Championships FS 6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 0.71 10.50 1.143
Four Continents FS 6 3Lz+2T+2Lo   9.79 x 1.18 10.97 1.889
World Championships FS 6 3Lz+2T+2Loq q 9.79 x -0.17 9.62 -0.333
Egna Spring Trophy FS 6 3Lzq+2T+1Lo q 8.47 x -0.98 7.49 -1.600
Triglav Trophy FS 1 3Lz+2T+2Lo   8.90   -0.20 8.70 -0.600

3連続ジャンプは6つ目の要素にルッツから入れる、というのが基本なようです。スケートカナダで最後に3回転のサルコウを入れることを試みましたが、アンダーローテーション2つで基礎点はあまりもらえませんでした。普通に3連続とんだ重要な試合、韓国選手権、四大陸選手権、世界選手権、という3試合では普通のスコアとなっているようです。

 

昨シーズンシニアデビューシーズンでコロナにぶつかりつつも世界選手権に出場したイ・ヘイン選手。今シーズンはわずかにオリンピックに届きませんでした。それでも四大陸2位でチャンピオンシップ初表彰台。いいシーズンだったのか残念なシーズンだったのか微妙なところ。まあ、オリンピックは出たかっただろうなあ、とは思いますけれど。

自身の力で世界選手権3枠を確保しました。来シーズンは自分で取ってきたイスに自分で座りたいだろうと思いますが、韓国はジュニアからも有力選手が上がってきて争いはし烈。おそらく、来シーズンは日韓バトルみたいな試合がグランプリシリーズが増えるのではないかと思っているのですが、その一翼を担う選手なのだろうと思います。