西日本選手権 順当勝ちと下剋上と

国内はジュニアシニアの全日本へ向けての東西選手権の季節になってきました。このあたりから特に女子では厳しい試合となってきます。また、スケジュールの兼ね合いでグランプリがいたりいなかったりでそのあたりのめぐりあわせで大会のレベルがずいぶん変わって来るのも東西選手権の一つの特徴かと思います。

 

○女子シングルシニア (上位15名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 吉  田  陽  菜 木下アカデミー 209.44 69.41 140.03
2 三  原  舞  依 シスメックス 206.58 74.04 132.54
3 三  宅  咲  綺 岡山理科大学 174.45 63.62 110.83
4 山  下  真  瑚 中京大学 168.65 65.68 102.97
5 竹  野  比  奈 福岡大学 159.89 58.09 101.80
6 大  庭      雅 東海東京FH 151.91 57.52 94.39
7 竹  野  仁  奈 筑紫女学園大学 151.28 53.52 97.76
8 横  井  きな結 中京大中京高校 150.41 57.10 93.31
9 浦  松  千  聖 中京大学 150.36 49.91 100.45
10 籠  谷  歩  未 同志社大学 148.63 50.66 97.97
11 田  村  珠里亜 愛知みずほ大瑞穂高 143.94 48.43 95.51
12 鈴  木  な  つ 関西大学 136.83 42.33 94.50
13 永  見  千代乃 ノートルダム清心女子大学 135.38 41.97 93.41
14 西  坂  美  柚 九州大学 134.48 43.90 90.58
15 磯  村  彩  姫 中京大学 131.25 48.08 83.17

全日本進出枠が7という厳しい厳しい女子シングルシニア。ジュニアグランプリに出ていたけれど国内ではシニアカテゴリーで入ってきた吉田陽菜選手が209.44で優勝しました。フリーで140点に乗せての逆転優勝です。

2位にはベテラン三原舞依選手。安定した強さを示していますが今回は勝ち損ねました。まあ、この後のグランプリ2戦に向けての調整試合ですし、今回はこれくらいにしといてやるか、みたいな感じでしょうか。そんな汚い言葉遣いをされる選手ではないですが。

ちょっとこの2人が図抜けていました。ある種場違いとでもいうような強さでした。

岡山理科大の三宅咲綺選手が3位表彰台に入りました。全日本の常連ですが西日本表彰台は初めてです。中四国九州選手権に続いて2度目の170点台。好調をキープしています。

全日本進出ラインは151.28となりました。際どい8位が横井きな結選手。ショート7位でフリーは自分が終わった時点で首位に立てば全日本進出が決まるという局面。その時点で首位にいたのが竹野仁奈選手。全日本に姉妹で出場出来るのは横井家か? 竹野家か? という争いだったわけですが、際どく0.87ポイント届きませんでした。

全日本経験のある浦松千聖選手、籠谷歩未選手も際どい所で落選です。一方、山下真瑚選手は順当に突破。竹野比奈選手は7年連続の全日本、大庭雅選手は11回目の全日本を決めました。

6位から10位まで3.28差の中で運命が分かれた厳しい試合でした。

 

○吉田陽菜選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   2.40 10.40 3.000
2 2A+3T   7.50   0.92 8.42 2.286
3 3Lo   4.90   1.08 5.98 2.286
4 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 1.857
5 SSp4   2.50   0.55 3.05 2.286
6 3F   5.30   1.06 6.36 2.143
7 3Lz+3T   11.11 X 1.18 12.29 1.857
8 FCCoSp4   3.50   0.70 4.20 1.857
9 3Lz   6.49 X 1.30 7.79 2.286
10 StSq3   3.30   0.99 4.29 2.857
11 3S+2A+2T+SEQ   9.79 X 0.86 10.65 2.143
12 ChSq1   3.00   0.80 3.80 1.571
  TES   68.89   12.54 81.43  

トリプルアクセルをショートフリー2本成功。当たり前にトリプルアクセルを決めてくる現代のレイア姫。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループです。ステップレベル3ありましたが基礎点は68.89 これは吉田選手自身の過去最高基礎点です。ステップレベル4なら69.49まで出ます。ここまでトリプルアクセルが決まってくると、フリーに2本入れる可能性を感じるのですが今大会は入れませんでした。2本入れようとすると2A+3Tが3A+2Tになって基礎点が1.8上げられてさらに余った2Aを3S+2A+2Aに出来ると2.20基礎点を上げることができ、そこまで行くとノーミスで73.49の基礎点となります。そこに向かっていくのが先か、4回転を組み込んでいくのが先か? 4回転入れたいというコメントはよく聞く気がするのですが、なかなか実戦の要素としては入ってきません。

ジュニアにはステップがないのですが構成としてはジュニアでコレオを入れている位置にステップを入れて、最後にコレオを付け足すという形にしていました。

技術点81.43と80点超えてきたのも初です。今回は素晴らしい出来でした。

個人的には、国内でシニアを選ぶ価値はそれほどなかったようにも感じました。ショートからトリプルアクセルを飛ぶ経験を積む、という点では近畿選手権に出ていませんから結局この1試合分しか積み上げが無いですし、シニアコースだと全日本ジュニアがないので世界ジュニア一発内定の機会を失います。ジュニアグランプリファイナルまでの間にシニアを挟むことで練習面で変な負荷がかかり、実際この試合もジュニアカテゴリーにないステップでレベルが3にとどまっている。全日本ジュニアで島田麻央選手と勝負する光景を見たかったのですが・・・。ただ、木下アカデミーチームとしては、吉田選手がシニアコースで全日本へ向かうことで、ジュニアコースからの全日本へ進むメンバーが1人分空いてチャンスが拡がる、という価値があるんだろうな、とも思いました。

 

○女子シングル シニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 吉  田  陽  菜 209.44 87.00 75.40 11.28 22.60 13.16
2 三  原  舞  依 206.58 96.06 66.14 5.44 24.85 14.09
3 三  宅  咲  綺 174.45 80.53 57.27 4.01 19.49 13.15
4 山  下  真  瑚 168.65 84.59 55.21 0.73 19.07 10.05
5 竹  野  比  奈 159.89 77.27 45.29 2.17 23.78 11.38
6 大  庭      雅 151.91 77.93 51.05 -5.63 20.21 10.35
7 竹  野  仁  奈 151.28 72.93 49.68 -4.84 21.72 11.79
8 横  井  きな結 150.41 67.74 58.18 -0.50 17.91 9.08
9 浦  松  千  聖 150.36 72.07 46.99 -0.26 21.62 9.94
10 籠  谷  歩  未 148.63 68.53 55.84 -3.52 21.01 7.77
11 田  村  珠里亜 143.94 62.20 57.32 -1.90 17.50 8.82
12 鈴  木  な  つ 136.83 63.21 48.49 -4.29 22.29 9.13

要素別にみるとPCSは三原選手がダントツの1位です。ただ、96.06というのは8点平均程度で三原選手基準ではそれほど高いわけでもありません。

ジャンプは基礎点もGOEもショートフリーでトリプルアクセルを入れた吉田陽菜選手が抜けています。一方でスピンステップは三原選手がトップ。スピン好きを公言している竹野比奈選手もスピンは2位で高評価でした。

横井きな結選手はジャンプは全体4位なのですがスピンでスコアが伸びず、ステップも10点に乗らずということでPCS含めそういったところで伸ばせなかったところが全日本へ進めない致命傷となりました。籠谷選手はショートのステップ転倒が致命傷でフリーもステップ系要素はスコアが伸ばせていませんでした。浦松選手はジャンプで2回転になるものが複数出たのが痛手でした。

 

○男子シングル シニア

Pl Name Nation Total SP FS
1 壷  井  達  也 シスメックス 219.29 72.51 146.78
2 木  科  雄  登 関西大学 203.53 73.04 130.49
3 森  口  澄  士 木下アカデミー 196.37 71.31 125.06
4 須  本  光  希 関西大学 191.32 68.15 123.17
5 本  田  ルーカス剛史 木下アカデミー 182.44 56.96 125.48
6 杉  山  匠  海 岡山大学 181.02 63.63 117.39
7 櫛  田  一  樹 倉敷FSC 165.86 69.04 96.82
8 小  林      隼 同志社大学 158.24 51.52 106.72
9 三  島  悠  生 ひょうご西宮FSC 152.12 56.16 95.96
10 彦  阪  昇  吾 立命館大学 137.34 46.88 90.46
11 古  家  龍  磨 九州工業大学 136.31 45.89 90.42
12 鈴  木      空 就実大学 130.71 43.97 86.74
13 岩  野  颯  太 邦和SC 125.17 45.51 79.66
14 嘉手納  宙  大 臨海フィギュアSC 120.92 41.65 79.27
15 和  田  龍  京 中京大学 112.52 38.67 73.85
16 川  口  清  壽 佛教大学 110.15 36.47 73.68

男子シングルのシニアは全日本進出枠が13あるのですが、グランプリシリーズへの出場により免除が3人いますので、10位までが全日本の切符を掴めることになります。

優勝したのは今季からシニアに上がった壷井達也選手でした。ケガ明け、まだ本調子に戻り切っていないのか4回転はショートフリーとも決まりませんでしたが要素としては入れてきました。本番は再来週のグランプリシリーズ。そこに向けて少しづつ構成が上がっていき、調子も上がってきているようではあります。

2位には木科雄登選手が入りました。ショート首位から逃げ切りならずですが、200点を超えてしっかりと2位を確保しました。これで7年連続の全日本です。

3位にペアと掛け持ち森口澄士選手が入りました。森口選手が優勝していればシングル4カテゴリーすべて木下アカデミーが勝つという形になるところでしたがそう簡単にはいきませんでした。とはいえこれでまずシングルの全日本決定です。

グランプリシリーズ組の本田ルーカス剛史選手は5位でした。調子が上がっていないようで気がかりです。

全日本進出ラインは137.34 最終的に1.03ポイント差が運命の分かれ目となりました。

 

○壷井達也選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2S   1.30   0.03 1.33 0.143
2 3A   8.00   0.96 8.96 1.286
3 3A+1Eu+3S   12.80   1.28 14.08 1.714
4 FSSp4   3.00   0.66 3.66 2.286
5 StSq3   3.30   0.59 3.89 1.857
6 3Lo+2T   6.20   0.59 6.79 1.143
7 3Lo   5.39 X 0.78 6.17 1.571
8 3F   5.83 X 0.64 6.47 1.143
9 3Lz!+3T ! 11.11 X -0.12 10.99 0.000
10 CCoSp3   3.00   0.48 3.48 1.571
11 ChSq1   3.00   1.30 4.30 2.571
12 FCCoSp4   3.50   0.56 4.06 1.714
  TES   66.43   7.75 74.18  

壺井選手、冒頭に4回転サルコウを持ってきましたが今回は2回転となりました。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルと3回転のループです。ダブルアクセルが丸々余っているのでシークエンスで使えば基礎点を上げることができます。スピンステップのレベルも3がありますので、4回転以外でもまだ基礎点が上がる余地があります。グランプリシリーズは2週間後のイギリス。そこまでに4回転の確率を上げて勝負出来たら面白いことが起きるかもしれません。

 

○男子シングルシニア 要素別スコア(上位12名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 壷  井  達  也 219.29 108.84 79.44 -1.61 21.40 12.22
2 木  科  雄  登 203.53 103.33 66.94 -0.04 20.12 13.18
3 森  口  澄  士 196.37 99.43 72.50 -4.75 19.64 12.55
4 須  本  光  希 191.32 99.41 63.85 -2.13 18.57 12.62
5 本  田  ルーカス剛史 182.44 101.74 56.93 -10.12 22.72 13.17
6 杉  山  匠  海 181.02 91.83 62.29 -1.49 18.59 11.80
7 櫛  田  一  樹 165.86 92.01 69.60 -17.19 18.91 11.53
8 小  林      隼 158.24 76.59 55.73 -1.95 18.84 9.03
9 三  島  悠  生 152.12 83.93 39.20 -0.66 19.49 11.16
10 彦  阪  昇  吾 137.34 71.50 47.44 -6.48 17.64 8.24
11 古  家  龍  磨 136.31 67.91 49.57 -5.09 15.29 8.63
12 鈴  木      空 130.71 68.52 45.12 -7.10 15.40 8.77

要素別で見るとPCSで100点超えは3人トップの壷井選手とグランプリ組の本田ルーカス選手。そこに木科選手が割って入っている形になります。

ジャンプの基礎点も壺井選手がトップ。ペア掛け持ちの森口選手がジャンプの基礎点2位でした。ペアでは絶対に使わないであろうトリプルアクセルをショートもフリーも降りていますが、いつ練習してるんだろうという感じもします。

ジャンプのGOEが全員マイナスなのは残念なところ。安定してジャンプを決めていくのは難しい。

スピンは本田ルーカス選手がトップで壺井選手が2番目とグランプリ組がこういうところは強いです。

ステップは木科選手がグランプリ組を抑えてトップで本田ルーカス選手が2番目。壺井選手は12点台前半で伸びませんでした。

 

○女子シングル ジュニア(上位15名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 島  田  麻  央 木下アカデミー 199.35 67.52 131.83
2 柴  山      歩 木下アカデミー 181.79 63.47 118.32
3 村  上  遥  奈 木下アカデミー 167.27 55.39 111.88
4 和  田  薫  子 グランプリ東海クラブ 162.10 55.21 106.89
5 櫛  田  育  良 木下アカデミー 156.77 57.70 99.07
6 山  田      恵 木下アカデミー 150.96 50.63 100.33
7 清  水  咲  衣 大阪スケート倶楽部 148.08 48.95 99.13
8 岩  崎  陽  菜 なみはやクラブ 140.25 54.22 86.03
9 岡  本  真  綸 岡山理大附高校 139.30 48.46 90.84
10 吉  本      玲 神戸クラブ 130.93 50.52 80.41
11 杉  山  菜  那 京都宇治FSC 130.80 46.42 84.38
12 柚  木  心  春 京都宇治FSC 125.93 44.74 81.19
13 鴨  井  彬莉彩 パピオフィギュアクラブ 125.28 43.00 82.28
14 横  田  胡  幸 香川フィギュアC 121.38 43.51 77.87
15 大  坪  瑚  子 邦和みなとスケート部 120.06 41.84 78.22

女子ジュニアの全日本進出枠は12で島田麻央選手がシードなので13位までが通過となります。

優勝は西日本選手権は初めて、と言っていた島田麻央選手。ノービスはブロック大会はあっても西日本東日本はないので、確かに初めての西日本でした。圧勝ですが200点には届かず。国内のスコアとしては過去最高ですが、今シーズンはジュニアグランプリで220点に迫るスコアを出していますので、見た目には物足りないみたいなことになってます。

2位には柴山歩選手。昨シーズンの西日本優勝者。昨シーズンよりスコアは上がっているのですが、今回は勝てませんでした。ただ、やはりジュニアグランプリに2戦出た選手は強く、他は寄せ付けず問題なく表彰台には乗ってきています。

3位も木下アカデミーから村上遥奈選手。これまでのベストスコアは153.29 今回はフリーで初めて全要素プラス評価という滑りを見せて一気に167.27までスコアを上げてきました。ペア競技と掛け持ち。今週は西日本選手権にシングルで出て、来週は東日本選手権にペアで出るという何を言っているのかわけのわからないスケジュールになっています。その後全日本ジュニアはシングルとペアの2競技に出場予定。167.27まで出せていると、掛け持ちしながら全日本までたどり着くという可能性も見えてきました。その前にジュニアグランプリでシングルペア掛け持ちとかできたら面白かったのですが、来シーズンからペアでジュニアグランプリには出られない年齢組み合わせになるのでそのあたりは残念です。

木下アカデミー勢に割って入ってきたのがグランプリ東海の和田薫子選手。ただ4位までで表彰台のアカデミー占有は崩せませんでした。今シーズンからジュニアに上がった、つまり島田麻央選手と同い年。昨シーズン全日本ノービスAで2位。もう一段階段を上りたいという位置かと思います。

ジュニアグランプリ組の櫛田育良選手が5位でした。フリーが伸びませんでした。ジュニアグランプリの2戦目をもらえなかったあたりから少し流れが悪くなってしまっている感じがあります。全日本ジュニアで立て直せるでしょうか。

全日本ジュニア進出のボーダーラインは125.28となりました。昨シーズンは130点が必要だったところからは少しラインは下がったのですが、それでも厳しい戦いとなりました。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A   8.00   0.96 8.96 1.143
2 4T< < F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.857
4 FSSp4   3.00   0.54 3.54 1.714
5 3F+2A+SEQ   8.60   1.17 9.77 2.143
6 ChSq1   3.00   0.90 3.90 1.857
7 3S+3T+2T   10.78 X 0.77 11.55 1.857
8 3Lo   5.39 X 0.98 6.37 1.714
9 3Lz   6.49 X 1.53 8.02 2.714
10 CCoSp4   3.50   1.40 4.90 4.000
11 LSp4   2.70   0.76 3.46 2.857
  TES   69.16   6.27 75.43  

もう、トリプルアクセルを着氷してもニュースにもならない平常運転扱いになってきました。今シーズン、4回飛んで4回すべてGOEプラスの成功ジャンプとなっています。

一方、4回転トーループは今シーズン4回飛んで3転倒、GOEプラスの成功ジャンプ無しで、qが3つのアンダーローテーション1つということで回転も十分ではないという扱いです。昨年3月の初成功と先に習得したのは4回転トーループだったのですが、今では成功率が逆転しています。そして、トリプルアクセルと4回転トーループを1つのプログラムの中で同時に成功させることはまだ出来ていません。これが揃うととんでもないことになります。

2回飛ぶジャンプは3回転のルッツとトーループ。スピンはすべてレベル4を取りました。4回転トーループがアンダーローテーションで基礎点69.16 シニアルールでステップ入れば72点台の基礎点が見込まれます。

ダブルアクセルが1つ余っているので、可能であれば3F+2A+2Aという3連続でシークエンスを入れて、セカンド3Tは2連続のコンビネーションで2回使う形の方がはっきり基礎点はあがります。

 

○男子シングル ジュニア(上位18名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 朝  賀  俊太朗 木下アカデミー 196.14 69.46 126.68
2 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 191.04 58.46 132.58
3 佐々木  晴  也 京都大学 180.56 56.04 124.52
4 片伊勢 武 アミン 関西大学 179.41 64.25 115.16
5 森  本  涼  雅 木下アカデミー 168.18 60.67 107.51
6 名  倉  一  裕 大阪スケート倶楽部 165.74 56.70 109.04
7 三  島  舞  明 名古屋FSC 162.04 62.28 99.76
8 中  村  俊  介 木下アカデミー 161.80 56.29 105.51
9 田  内  誠  悟 名東FSC 158.11 52.56 105.55
10 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 156.65 46.80 109.85
11 磯  和  大  智 京都宇治FSC 155.96 52.35 103.61
12 芳  岡  優  希 LYS 151.50 50.56 100.94
13 大  村  健  太 岡山FSC 146.94 50.15 96.79
14 佐  藤  和  那 邦和みなとスケート部 146.74 50.09 96.65
15 三  原  庸  汰 ノイエス金沢FSC 143.93 48.80 95.13
16 垂  水  爽  空 パピオフィギュアクラブ 138.99 52.67 86.32
17 佐  藤      光 ひょうご西宮FSC 136.60 44.60 92.00
18 植  村      駿 ユニバースFSC 132.47 46.42 86.05

男子ジュニアの全日本進出枠は16ありました。

優勝は木下アカデミーの朝賀俊太朗選手。196.14は本人にとって過去最高スコアです。ジュニアグランプリシリーズの出場経験はないのですが、その分国内の試合に合わせやすかったというところもあるかもしれません。ショートフリー通じてスピンステップオールレベル4 ショートのリードも生かして逃げ切りました。

2位には垣内珀琉選手。ジュニアグランプリは1戦のみでオストラバの試合に出て8位でした。フリーではただ一人4回転を決めてトップスコア。191.04は国内外通じての本人の最高スコアになります。

3位にはなんと京都大学。佐々木晴也選手が入りました。180.56はこれも本人にとっての過去最高スコアです。このスコアを出せていると全日本まであるかもしれません。

ジュニアグランプリ組がその下、表彰台に届かない位置に続きます。ファイナル進出も決めている片伊勢武アミン選手が4位。ジュニアグランプリでは234.24を出している片伊勢選手としては、ちょっと精彩を欠いたと言わざるを得ないスコアでした。

ジュニアグランプリ2戦に出て表彰台にも乗った森本涼雅選手が5位。トリプルアクセルに挑戦しましたが今回も決められずスコアが伸びませんでした。

ジュニアグランプリファイナルを決めている中村俊介選手は8位。こちらは4回転決まらず、トリプルアクセル決まらずということで、スコア伸びませんでした。状態が少し心配になります。

 

○男子シングルジュニア 要素別スコア(上位10名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 朝  賀  俊太朗 196.14 95.92 63.84 5.90 21.79 8.69
2 垣  内  珀  琉 191.04 90.92 69.69 5.89 18.08 6.46
3 佐々木  晴  也 180.56 92.33 65.30 -1.99 18.80 7.12
4 片伊勢 武 アミン 179.41 101.34 58.64 -9.75 21.86 8.32
5 森  本  涼  雅 168.18 84.59 62.14 -5.09 20.18 7.36
6 名  倉  一  裕 165.74 84.07 52.61 0.14 21.86 7.06
7 三  島  舞  明 162.04 82.75 63.71 -3.12 15.64 6.06
8 中  村  俊  介 161.80 93.75 60.35 -12.44 15.37 6.77
9 田  内  誠  悟 158.11 89.93 46.17 -3.59 18.38 7.22
10 小  島  志  凰 156.65 77.82 54.00 1.36 18.33 5.14

ジャンプの基礎点は4回転をただ一人決めた垣内選手がトップでしたがGOEは朝賀選手が僅差ながらトップです。ジャンプのGOEでプラスになる選手が少ないというのは男子の傾向ですが今大会でもそういった形になりました。ジュニアグランプリファイナルを決めている中村俊介選手が二桁のマイナスとなっています。片伊勢選手も二桁違いマイナスで、ジュニアグランプリファイナル組でもジャンプが崩れるとスコアが伸びません。

スピンは片伊勢選手と6位に入った名倉選手がトップでした。ステップ系要素は優勝した朝賀選手がトップです。

PCSは片伊勢選手がただ一人3桁でトップ。2番目は優勝した朝賀選手ですが3番目に中村俊介選手がいて、やはりこの辺はファイナルに進む選手は高いスコアが出てきます。

 

順当勝ちあり、グランプリ組を倒す下剋上あり。なかなか見どころのある西日本選手権でした。次週は東日本選手権となります。