NHK杯20プレビュー1

どうなることかと危ぶまれていた今シーズンのNHK杯

コロナウイルスがだいぶ広まってきていますが、いまのところ中止というような方向には進んでいないようです。スポーツ関係者はみんなオリンピックやりたいですから、これくらいの規模のスポーツイベントは、中止せずに行っていった実績を作りたいでしょうし、やりますかね。全日本ジュニアも開催されましたし。

 

ということで、全日本ジュニアが終わって、NHK杯前の最後の大会が終了しました。

今シーズンここまで、国際大会に出場した日本人選手はいないと思いますが、国内大会はそれなりに行われています。なので、NHK杯のエントリーメンバーの、今シーズンの日本国内の試合のベストスコアを並べてみてみます。

今回は男子から。

男子は外国籍選手のエントリーはありませんので、ここにいるので全メンバーになります

 〇NHK杯エントリー選手の今シーズンベストスコア

  Name Total Event
1 鍵山優真 287.21 関東選手権
2 佐藤駿 229.18 東日本選手権
3 本草 221.22 西日本選手権
4 三浦佳生 220.55 東日本選手権
5 友野一希 215.61 近畿選手権
6 田中刑事 211.05 西日本選手権
7 本田ルーカス剛史 209.48 全日本ジュニア
8 木科雄登 207.78 西日本選手権
9 三宅星南 203.53 全日本ジュニア
10 須本光希 202.14 西日本選手権
11 吉岡希 172.76 近畿選手権

男子は圧倒的なスコアで鍵山優真選手が抜けています。287.21というのは地方大会では見たことも聞いたこともないスコアです。ただ東日本では212.32という低調なスコアに終わっています。NHK杯が調子の波のどこで来るか? そこがポイントなんでしょうか

二番手も今年シニアに上がる佐藤駿選手。229.18は、佐藤駿選手としては大したスコアでもないですが、それでも全体の2番手。ISU非公認大会ですが、グランプリ初出場初表彰台は、それなりの高確率であり得るように見えます

ジュニアの三浦佳生選手も220点に乗って4番手。全日本ジュニアは残念ながら勝てませんでしたがそれでも全日本選手権初出場を決めて、中学生にしてグランプリシリーズ表彰台を狙う、という位置にいます。ジュニアなのでショートに4回転無し構成でこのスコア、という計算ですので、ショートに四回転組み込めるNHK杯ではそれをきっちり決めてくればスコアは伸ばせて、普通に表彰台圏内にいる、という立ち位置です

 

大学生勢では山本草太選手、友野一希選手、どちらもまだいまひとつで220点前後。四回転を数多く入れる構成をまだこなしきれていない感じがあります。ただ、その構成にしていかないと日本の3枠に入れない、というのが目に見えているので、何とかその構成を自分のものにしていくしかないんでしょうねえ。完成すれば270点くらいまでは見えてくるので、なんとかNHK杯なり全日本なりで、そこまで行ってくれればと思います

 

オリンピアンの田中刑事選手は211.05が今シーズンのベスト。ケガ明けと言うべきか、まだ明けてないというべきか、西日本でも四回転はなしで、セカンド三回転もない構成でしたので、まだまだ何の参考にもならないスコアなのでしょう。どこまで回復してきてますでしょうか。

 

全日本ジュニアチャンピオンの本田ルーカス選手は7番手。209点だとそうなってしまうでしょうか。シニアで上位に上がっていくためには、まだ点数が足りていない状態です。

 〇NHK杯エントリー選手の今シーズンショートプログラム

  Name Total Event
1 鍵山優真 98.46 関東選手権
2 友野一希 86.47 近畿選手権
3 佐藤駿 81.84 東日本選手権
4 本草 80.77 中部選手権
5 本田ルーカス剛史 80.35 全日本ジュニア
6 田中刑事 77.00 西日本選手権
7 三宅星南 75.55 西日本選手権
8 木科雄登 75.39 西日本選手権
9 三浦佳生 72.49 東日本選手権
10 須本光希 68.64 近畿選手権
11 吉岡希 65.47 近畿選手権

 
ショートのスコアはやはり鍵山選手の関東選手権98.46が抜けています。それに続いているのが友野選手の86.47 ジャンプ3つを着氷すれば、友野選手はこれくらいのスコアは出します。

佐藤駿選手は意外と伸びていなくて81.84 関東選手権では4T+3Tで5人のジャッジのうち4人がGOE満点をつける、というすごい四回転を見せましたが、トリプルアクセルでは転倒したりと、まだプログラム全体はまとまり切っていないです。

 

 〇NHK杯エントリー選手の今シーズンフリープログラム

  Name Total Event
1 鍵山優真 188.75 関東選手権
2 三浦佳生 148.06 東日本選手権
3 佐藤駿 147.34 東日本選手権
4 本草 144.15 西日本選手権
5 須本光希 136.09 西日本選手権
6 田中刑事 134.05 西日本選手権
7 木科雄登 132.39 西日本選手権
8 友野一希 129.30 西日本選手権
9 本田ルーカス剛史 129.13 全日本ジュニア
10 三宅星南 128.25 全日本ジュニア
11 吉岡希 107.29 近畿選手権

フリーはこんな感じ。不思議なもので、西日本勢がたくさんいるなかで、上三人は東日本から出ているフリーのベストスコア。鍵山選手の188.75は頭抜けています。二番手が佐藤駿選手ではなく三浦佳生選手なんですね。この148.06は四回転三本決めたけどトリプルアクセル不発、というスコアでした。佐藤選手と二人、PCSが70点そこそこなので、その辺のビハインドがまだ大きいのですが、ジャンプの方でもノーミスならまだスコアは伸ばせる、という状態です

 

友野選手が129.30のベストで全体8番目。今シーズン、ショートのジャンプは割と決まってくるのですが、フリーでは四回転の成功がゼロです。そろそろ決まってきますでしょうか

 

今シーズンはグランプリファイナルもないですし、国際大会にもなっていないですし、ISUのスコア認定もされませんし、ランキングポイントにもならない。そんな試合になっているので、各選手にとってのNHK杯がどんな位置づけになっているのかよくわからない部分もあるので、ここに合わせてくる選手もいれば、完全に調整試合として臨む選手もいるでしょう。

 

いずれにしても、無事に開催されそうなことには感謝して、それぞれの次につながる演技が見られたらと思います