22-23 ミハイルシャイドロフ

2004年6月25日生まれ

シニア1シーズン目

シーズン獲得賞金:$5,000

世界ランキング:29位

シーズンランキング:24位

シーズンベストスコア 237.14(23位) 4大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 75.41 世界選手権

フリーシーズンベスト 164.71 4大陸選手権

ショートプログラム楽曲:Luna

フリープログラム楽曲:Carmina Burana

スピンレベル4率 12/30 = 40.0%

ステップレベル4率 0/10 = 0.0%

スピンオールレベル4 0/5

スピンステップオールレベル4 0/5

ジャンプ回転不足率 3/50 = 6.00%

ジャンプ回転不足なし 3/5

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/5

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Finlandia Trophy 8 201.52 69.19 132.33
CS Golden Spin 4 211.21 73.97 137.24
Others World University Games 4 231.08 75.05 156.03
4CC Four Continents 5 237.14 72.43 164.71
WC World Championships 14 236.93 75.41 161.52

シャイドロフ選手は昨シーズン4大陸選手権5位に世界ジュニア2位。カザフスタンのエース格として世界の上位で戦っていけそうなところまで上がってきての今シーズンとなっています。

初戦はチャレンジャーシリーズフィンランディア杯。ショートフリー共に4回転ルッツを入れてきましたが、どちらもアンダーローテーションで決まらず。いろいろ試そうという試合だったのだろうとは思うのですが、スピン零点やコレオ零点というよくわからないことまで起きての201.52で8位。今一つのシーズンインとなります。

グランプリシリーズは2戦エントリーが入っていたのですが欠場。グランプリデビューシーズンだったのですが残念な形になりました。

12月に入ってゴールデンスピンに出てきます。調整段階かと思われますが211.21で4位に入りました。

 

シーズン後半、ここから本格再稼働。ワールドユニバーシティゲームズに出てきます。ショートは75.05の6位で折り返すとフリーは4回転2本降りて、このままノーミス行けば、というところでしたが3本目がアンダーローテーション。はっきりしたミスはそれくらいでフリー156.03まで出してトータル231.08 表彰台まで0.25届かずの4位という形で終わりました。

4大陸選手権にも2年連続登場です。ショートはジャンプ三つすべてマイナス評価ついて72.43 このレベルだとこのスコアで12位となってしまいますが、昨年と同じようにフリーで逆襲。4回転3本降りて大きなミスなく終えて164.71まで出してパーソナルベスト更新。トータル237.14 順位を大きく上げて5位。オリンピックシーズンの昨シーズンと同じ順位ですが、より価値のある5位だったかと思います。

 

世界ジュニアへ出てくるかとも思いましたがそちらへは出ず世界選手権へ。ショートで4回転2本構成入れてきましたがセカンドが2回転になり75.41だと18位となってしまうのが世界選手権です。それでもフリーで4回転3本にトリプルアクセル2本を降りて161.52でトータル236.93 初めての世界選手権は14位となりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Finlandia Trophy 201.52 104.12 98.40 93.69 -6.57 11.89 5.11
Golden Spin 211.21 116.87 95.34 88.13 0.92 18.51 9.31
World University Games 231.08 125.40 105.68 94.46 1.69 20.39 8.86
Four Continents 237.14 130.60 106.54 100.71 -0.81 19.54 11.16
World Championships 236.93 132.62 104.31 100.93 3.27 19.31 9.11

トータルスコアはシーズン後半に230点台を並べました。237.14がパーソナルベストスコアです。

技術点は130点台まで出ています。132.62は今シーズン15位の技術点です。

PCSはシーズン後半に100点台半ば。1項目平均7点ほどです。

ジャンプの基礎点は100点に乗りました。今シーズン5位の基礎点になります。一方で加点の方は+3.27が最高です。それほど伸びているわけでもないです。

スピンは最高で20点台、ISU公認では19点台ですので上位とは差があります。

ステップ系要素は11点台もありますが9点台が2試合、8点台もあります。さすがに5点台は例外的ですが、あまり伸びていません。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Finlandia Trophy 49.19 63.67 45.16 21.95 20.84 45.32
Golden Spin 51.92 60.11 55.95 44.45 41.25 43.23
World University Games 57.53 64.16 57.06 50.84 39.06 50.30
Four Continents 59.24 68.17 53.45 47.95 50.24 50.89
World Championships 59.18 68.31 59.33 47.16 40.28 49.37

偏差値で見るとトータルスコアは60近いところまで出るようになっています。

ジャンプの基礎点は60台後半と高い偏差値。GOEの方は50台までです。

スピンは40台が標準で平均割れ。ステップ系要素は50まで出たのが1試合あるくらいで、40前後が標準になっています。

PCSは2試合で何とか50にまで来ました。

ジャンプで稼ぐ構図です。

 

22-23シーズン ミハイルシャイドロフ選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートで見るともう明らかに右寄りです。ジャンプで点を取る構図がはっきりと出ています。

 

・シーズン最高の基礎点構成

○4大陸選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4S   9.70   -3.46 6.24 -3.556
2 3A   8.00   -1.03 6.97 -1.000
3 FCSp3   2.80   0.04 2.84 -0.111
4 4Tq+3T q 15.07 x -1.49 13.58 -1.556
5 CSSp3   2.60   -0.07 2.53 -0.333
6 StSq3   3.30   0.38 3.68 1.111
7 CCoSp4   3.50   0.15 3.65 0.222
  TES   44.97   -5.48 39.49  

ショートプログラムは44.97の基礎点がありました。今シーズン6位の基礎点になります。

4回転のサルコウトーループ。1.1倍にコンビネーションを持ってきています。スピンステップでレベルが獲れていませんがこれをすべてレベル4に出来ると1.40基礎点が上がって46.37になります。ステップレベル4を取れたことがありませんので、なかなか難しいかもしれませんが、基礎点上げていくにはその辺の改善が求められます。

上記構成でスピンステップオールレベル4の時、GOE満点取ると技術点は66.77となりPCS加味すると116.77満点の構成となります。

 

○世界選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.333
2 4S   9.70   2.08 11.78 2.333
3 3A   8.00   1.14 9.14 1.444
4 ChSq1   3.00   0.00 3.00 0.000
5 3F! ! 5.30   -0.15 5.15 -0.333
6 FCCoSp4   3.50   0.05 3.55 0.333
7 4Tq+1Eu+3S q 15.73 X -1.90 13.83 -2.000
8 3Aq+2A+SEQ q 12.43 X -0.91 11.52 -1.000
9 3Lz   6.49 X 0.84 7.33 1.333
10 CSSp3   2.60   0.26 2.86 1.000
11 StSq2   2.60   0.07 2.67 0.222
12 CCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.556
  TES   86.55   4.20 90.75  

フリーは世界選手権で86.55の基礎点がありました。今シーズン5位の基礎点になります。

4回転は2種類3本。2回飛ぶジャンプは4回転トーループトリプルアクセルです。セカンド3回転あり、3連3サルコウあり、シークエンスアクセルありでコンビネーションも基礎点取れる構成になっています。スピンステップオールレベル4まで取れれば1.70基礎点上がって88.25にまでなります。そこから基礎点上げていくには、シーズン序盤に見せていた4回転ルッツの投入が望まれることになり、それが入ってくると90点を超える基礎点になっていきます。

上記構成でスピンステップオールレベル4のGOE満点のとき技術点は125.65となりPCS加味すると225.65満点となります。

 

○平均GOE1.400以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World University Games SP 1 4T   9.50   2.47 11.97 2.571
World Championships SP 1 4S   9.70   2.36 12.06 2.333
Four Continents FS 2 4S   9.70   2.22 11.92 2.333
World Championships FS 2 4S   9.70   2.08 11.78 2.333
World Championships FS 1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.333
Four Continents FS 1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.222
World University Games FS 1 4T+3T   13.70   2.09 15.79 2.143
World University Games FS 2 4S   9.70   1.94 11.64 2.000
Golden Spin SP 1 4T   9.50   1.90 11.40 2.000
Four Continents FS 3 3A   8.00   1.37 9.37 1.778
Finlandia Trophy FS 3 4T   9.50   1.74 11.24 1.750
World Championships FS 12 CCoSp4   3.50   0.55 4.05 1.556
Four Continents FS 11 StSq3   3.30   0.47 3.77 1.444
Four Continents FS 4 ChSq1   3.00   0.71 3.71 1.444
World Championships FS 3 3A   8.00   1.14 9.14 1.444
Four Continents FS 10 CSSp3   2.60   0.37 2.97 1.444

GOEは全体的にあまり伸びていません。+2以上の要素はすべてジャンプでした。4回転が並んでいます。スピンステップは良くても+1.6以下。ジャンプで点を取れているというべきか、それ以外で点が取れていないというべきか難しいところです。

ただ、4回転でコンスタントに+2以上を出しているわけですから、成功率も高ければ高い技術点は出していけそうに感じます。

 

○4回転ルッツ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 1 4Lz< 9.20   -1.53 7.67 -1.500
Finlandia Trophy FS 1 4Lz< 9.20   -4.29 4.91 -4.625

4回転ルッツをシーズン初戦に入れていましたが、ショートフリー共にアンダーローテーションとなっていました。これが入るようになると大きいのですが、来シーズンどうでしょうか。

 

○4回転サルコウ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy FS 2 4S   9.70   0.16 9.86 0.250
World University Games FS 2 4S   9.70   1.94 11.64 2.000
Four Continents SP 1 4S   9.70   -3.46 6.24 -3.556
Four Continents FS 2 4S   9.70   2.22 11.92 2.333
World Championships SP 1 4S   9.70   2.36 12.06 2.333
World Championships FS 2 4S   9.70   2.08 11.78 2.333

4回転サルコウは今シーズン6本飛んで5本GOEプラスの成功でした。+2以上が4回。なかなかの成功率になっています。

 

○4回転トーループ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy SP 4 4T+3T   15.07 x 1.11 16.18 1.125
Finlandia Trophy FS 3 4T   9.50   1.74 11.24 1.750
Finlandia Trophy FS 7 4T+2T   11.88 x -0.95 10.93 -1.000
Golden Spin SP 1 4T   9.50   1.90 11.40 2.000
Golden Spin FS 1 4T   9.50   0.38 9.88 0.429
World University Games SP 1 4T   9.50   2.47 11.97 2.571
World University Games FS 1 4T+3T   13.70   2.09 15.79 2.143
World University Games FS 7 4T< 8.36 x -2.43 5.93 -3.286
Four Continents SP 4 4Tq+3T q 15.07 x -1.49 13.58 -1.556
Four Continents FS 1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.222
Four Continents FS 7 4T+1Eu+3Sq q 15.73 x -1.63 14.10 -1.556
World Championships SP 4 4Tq+2T q 11.88 X -3.39 8.49 -3.556
World Championships FS 1 4T+3T   13.70   2.17 15.87 2.333
World Championships FS 7 4Tq+1Eu+3S q 15.73 X -1.90 13.83 -2.000

4回転トーループは14回飛んでアンダーローテーションが1回。それ以外のGOEマイナスが5回あってGOEプラスの成功頒布が8回ありました。コンビネーションのq率が高く、そのためGOEマイナスが出ています。コンビネーションでもう少し精度良く決めていきたいようです。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Finlandia Trophy FS 8 2A+1Eu+3S   8.91 x 0.22 9.13 0.500
Golden Spin FS 7 3F+1Eu+3S   11.11 x 0.00 11.11 0.000
World University Games FS 9 3Lz+1Eu+3S   11.77 x -0.71 11.06 -1.286
Four Continents FS 7 4T+1Eu+3Sq q 15.73 x -1.63 14.10 -1.556
World Championships FS 7 4Tq+1Eu+3S q 15.73 X -1.90 13.83 -2.000

3連続ジャンプは5試合すべてで入っていましたが、少しづつ難易度上がっていって、少しづつGOEは下がっていくという経過を経ていました。4T+1Eu+3Sが安定してGOEプラスが出せるようになると。なかなかすごいことになるでしょうか。

 

カザフスタンの新エースシャイドロフ選手。今シーズンは前半にケガもあったようでグランプリシリーズ欠場という残念な展開をしましたが。後半は一定の結果も出してきました。

極端にジャンプに能力が振り切られているのですが、4回転はまだ2種類。3種類目としてルッツが入ってくると上位で戦えそうですが、スピンステップもうちょっとなんとかならないものか、と思ってしまう部分もどうしてもあります。

デニステンさんの跡を継ぐ・・・、という感じにはちょっとタイプが違いすぎて見えませんが、ミーシャジーさんも引退して中央アジア勢が全然いなくなってしまっていたなか、唯一の希望の星みたいなことになっていますし、来期はグランプリシリーズからの活躍を期待します。