22-23 マッテオリッツォ

1998年9月5日生まれ

シニア5シーズン目

シーズン獲得賞金:$25,000

世界ランキング:6位

シーズンランキング:5位

シーズンベストスコア 275.36(8位) 国別対抗戦

ショートプログラムシーズンベスト 88.01 国別対抗戦

フリーシーズンベスト 187.35 国別対抗戦

ショートプログラム楽曲: Le parole lontane 他

フリープログラム楽曲 : Talking to the Moon 他

スピンレベル4率 38/60 = 63.3%(国際大会:33/54 = 61.1%)

ステップレベル4率 13/20 = 65.0%(国際大会:11/18 = 61.1%)

スピンオールレベル4 0/10(国際大会:0/9)

スピンステップオールレベル4 0/10(国際大会:0/9)

ジャンプ回転不足率 18/100 = 18.0%(国際大会:15/90 = 16.7%)

ジャンプ回転不足なし 2/10(国際大会:2/9)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 0/10(国際大会:0/9)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
CS Lombardia Trophy 4 226.67 77.72 148.95
CS Budapest Trophy 1 253.34 83.13 170.21
GP Skate Canada 3 251.03 81.18 169.85
GP NHK Trophy 6 240.76 78.57 162.19
CS Golden Spin 2 228.86 68.79 160.07
NC Italian Championships 1 245.64 87.64 158.00
EC Europe Championships 2 259.92 86.46 173.46
IC Challenge Cup 3 228.99 82.85 146.14
WC World Championships 9 256.04 79.28 176.76
WT World Team Trophy 5 275.36 88.01 187.35

リッツォ選手は昨シーズンオリンピック16位、世界選手権は10位。割と上位にいつもいるけれど世界レベルの表彰台にはなかなか絡んでこないなあ、くらいの位置付けにいます。

今期はロンバルディア杯から。ショートプログラムでいきなり4回転ループを投入してきました。19-20シーズンでもフリーで何度か入れていましたが回転が足りたこともなく終わっていました。3シーズンぶりの4回転ループですがやはりアンダーローテーションと決まってきません。フリーではqが付きましたが初めて基礎点満額はもらいGOEマイナスながら着氷はしました。点は出ず、チャレンジャーシリーズにも関わらず表彰台に乗れませんでしたが、リッツォ選手がループを完成させると面白いな、と思わされた試合でした。

10月に入ってチャレンジャーもう1試合、ブダペスト杯。ショートの4回転ループは回転足りましたが転倒。フリーは回転足りてGOEはマイナスながらしっかり立ちました。少しづつループの確度を上げながらスコアも250点台に乗せて優勝。ブダペスト杯としては連覇、チャレンジャーシリーズとしては通算5勝目となります。

 

グランプリシリーズは普通に2試合あってスケートカナダから。ショートはトーループのセカンドが2回転になりループはアンダーローテーション。スコア伸びずの81.18ですが周りも伸びずに3位スタート。2位は8.80差あって遠いですが、表彰台チャンスが来ます。しかしフリーは残り2人で首位に立つのに169.55が必要というやや高めなハードルが課せられます。このフリーで4回転ループを+1.667で初成功。後半の3連続でサルコウが2回転になり、これで際どいなあ、という流れになり点が出るまで分からないということになりましたが、スコアは169.85はトータル251.03は0.31差の僅差ですが3位。3年ぶり3回目のグランプリシリーズ表彰台となりました。

 

2戦目はNHK杯。ファイナル進出がかかります。2位以内なら高確率でファイナルという状況。ところがショートから4回転トーループがダウングレード。コンビネーション入らなかったこともあり次のジャンプは4回転ループは回避しての3F+3Tになって78.57ノ7位スタート、ファイナルは厳しくなります。フリーも冒頭4回転トーループがアンダーローテーション。次のループは3回転にしました。後は無難に滑り162.19でトータル240.76 結局6位となりファイナルは届きませんでした。

 

割と出場試合数多めなリッツォ選手。チャレンジャーシリーズ3試合目を入れます。ゴールデンスピン。ジャンプがさっぱり決まらずスコア伸びませんでしたが2位表彰台です。チャレンジャーシリーズの今シーズンのランキングとしては、ブダペスト杯とこのゴールデンスピンの2試合分を足したスコアがカウントされ、全体3位という扱いになりました。

 

連戦でイタリア選手権へ。グラスル選手との一騎打ち、でもなくてイタリアは若手有望株がいろいろいますので、あまりスコアを落とすと表彰台からも落ちる危険がある試合です。

ショートは冒頭で4-3を決めたこともあり、次のループはアンダーローテーションでしたが87.64を出して2位に付けます。フリーは4回転ループは立ったのですがトーループ2本を転倒。技術点は伸びず全体3位でしたがPCSは国内では無敵、フリー158.00 トータル245.64は本人比でも平凡なスコアではありましたが結果的には逆転優勝。5年ぶりのナショナルタイトルを手にしました。

 

年が明けてヨーロッパ選手権。過去最高位は3位。そろそろ優勝を勝ち取りたい試合です。ショートプログラムループはアンダーローテーションながらも降りてまずまずの出来で86.46 2位に付けますが首位とは10.07差。少し厳しい差になります。フリーは4回転トーループがツーフットになりましたがあとはしっかりまとめて173.46 トータル259.92で首位に立ち最終滑走を待ちますがそのまま2位。ヨーロッパ選手権過去最高位となりました。

 

2月にチャレンジカップを挟んで3月の世界選手権へ。過去最高位は7位があります。トップ6に入ってグランプリシリーズのシード選手になったり、イタリア2人で来期の3枠をとったり、と目指すものが多い試合です。

ショートでトーループのセカンドが2回転になり、ループがアンダーローテーションだとスコアが伸びてきません。79.28だと13位になりフリーは前半グループになります。イタリア3枠も苦しい展開になったフリーですが、ここで4回転ループを+2.333と高い評価で決めてきます。後半の単独トーループはおそらく4回転にしたかったのではないかと思うのですが、そういった点を狙った構成を大きなミスなく滑って176.76 ISU公認のパーソナルベストをここで出してトータル256.04 順位を9位にまで上げて終わりました。

 

イタリアも国別対抗戦の常連。リッツォ選手は2度目の出場です。ショートは88.01とスコア出たのですが8位 全体的にスコアが高い試合でした。フリーはループ含め4回転2本をクリーンに決め、スピンステップオールレベル4でほぼミスなく滑って187.35のパーソナルベストを出して2位。フランスを逆転して4位にイタリアを引き上げ、チームとして賞金を1万ドル加増、1人当たり1,250ドル相当増やすことに貢献してシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
Lombardia Trophy 226.67 102.67 124.00 74.67 -7.02 20.90 14.12
Budapest Trophy 253.34 129.49 124.85 89.82 2.71 22.12 14.84
Skate Canada 251.03 127.82 123.21 91.50 1.23 21.87 13.22
NHK Trophy 240.76 119.15 121.61 81.80 0.80 23.47 13.08
Golden Spin 228.86 111.95 117.91 82.25 -5.80 20.71 14.79
Italian Championships 245.64 125.47 122.17 92.08 -3.53 22.37 14.55
Europe Championships 259.92 131.54 128.38 91.28 6.41 20.87 12.98
Challenge Cup 228.99 109.49 120.50 82.70 -8.42 20.89 14.32
World Championships 256.04 129.63 127.41 87.35 3.73 23.08 15.47
World Team Trophy 275.36 144.42 130.94 95.92 8.96 23.83 15.71

トータルスコアはグランプリシリーズ以上の試合では240点以上は出ていました。重視していない試合で点が低い、というのは強い選手の1つの形でしょうか。国別対抗戦では270点台まで出ていますが、チャンピオンシップ2試合では250点台まででした。

技術点は国別で140点台に乗っています。国別の144.42なら今シーズンの 7位にあたる技術点です。

PCSは120点台が多く、ヨーロッパ選手権で128.38まで出ています。国別では130点台に乗りました。1項目平均8.5を少し超えるくらいです。130.94の国別対抗戦のスコアは今シーズン7位にあたります。

ジャンプの基礎点は95.92が国別対抗戦ででました。それ以外も90点台まではあります。加点の方はヨーロッパ選手権で+6.41  国別対抗戦で8.96というのがあります。

スピンは23点台が最高です。

ステップ系要素は15点台が2試合ありました。15.71は今シーズン7位の評価です。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
Lombardia Trophy 56.28 51.49 44.51 52.57 64.62 62.83
Budapest Trophy 63.80 61.19 58.53 56.72 68.12 63.42
Skate Canada 63.15 62.27 56.39 55.87 60.25 62.29
NHK Trophy 60.26 56.05 55.77 61.30 59.57 61.20
Golden Spin 56.90 56.34 46.26 51.92 67.88 58.67
Italian Championships 61.63 62.64 49.54 57.57 66.71 61.58
Europe Championships 65.66 62.13 63.86 52.47 59.08 65.83
Challenge Cup 56.94 56.63 42.49 52.53 65.60 60.44
World Championships 64.57 59.61 60.00 59.98 71.18 65.17
World Team Trophy 70.01 65.10 67.53 62.53 72.35 67.58

偏差値で見るとトータルスコアは60台が標準的で国別では70に乗せました。

ジャンプの基礎点は60前後です。加点の方は時折40台が見えますがグランプリシリーズ以上の試合ではそういった平均割れはありません。世界選手権で60に、国別で60台後半が出ました。

スピンは50台が標準です。たまに60台に乗せはしますがそれほど得意ではなさそうです。

ステップ系要素は60台が標準で世界選手権以降70台に乗せました。得意な側の要素と言ってよさそうです。

PCSは60台になります。

 

22-23シーズン マッテオリッツォ選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートで見ると、割とバランスよく見えますが、右下はばらつきが大きく、凹むことが多いです。右上もやや弱いのかな、と見えます。

 

・シーズン最高の基礎点構成

ブダペスト杯 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T+2T   10.80   0.95 11.75 0.889
2 4Loq F 10.50   -5.25 5.25 -5.000
3 CCSp3   2.80   0.16 2.96 0.667
4 3A   8.80 x 1.71 10.51 2.222
5 CCoSp4   3.50   0.80 4.30 2.333
6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
7 FSSp4   3.00   0.39 3.39 1.222
  TES   43.30   0.10 43.40  

ショートプログラムの最高基礎点はブダペスト杯の43.30がありました。今シーズン13位の基礎点になります。4回転のトーループとループがありますがセカンドが2回転になっていて、スピンが1つレベル3で43.30です。イタリア選手権でループがアンダーローテーションですがセカンド3回転付いて44.00と国内参考でこれより高いスコアはありました。

スピンがすべてレベル4になれば43.70に基礎点はなります。そこにセカンド3回転が付くと46.60の基礎点構成になります。46.60なら今シーズン3位になりますので、この構成の完成形を目指すというのが今の段階なのだろうと思います。ループありつつのセカンド3回転を付ける、ということです。

その完成形としてGOE満点取ると技術点は67.40になりPCS加味して117.40満点となります。

 

○国別対抗戦 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000
2 4Lo   10.50   1.80 12.30 1.667
3 3F+1Eu+3S   10.10   1.59 11.69 3.111
4 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
5 CCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.111
6 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.556
7 3A   8.80 X -1.60 7.20 -2.000
8 3Lz   6.49 X 1.52 8.01 2.556
9 3A+2A+SEQ   12.43 X 0.91 13.34 1.111
10 CCSp4   3.20   0.78 3.98 2.444
11 FSSp4   3.00   0.73 3.73 2.444
12 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
  TES   84.52   14.72 99.24  

フリーの最高基礎点は国別対抗戦の84.52でした。今シーズン8位にあたる基礎点です。国別以外では世界選手権で79.75がありました。

4回転はトーループとループで2本構成。2回飛ぶジャンプはトリプルアクセルトリプルルッツ。セカンド3回転、3連3サルコウ、シークエンスアクセルとしっかり付けてスピンステップオールレベル4で84.52です。

ここから基礎点上げるには4回転トーループを2回飛ぶ、という構成にしていくのだろうと思います。その場合、3Lzが2回あるのでそれとの置き換えになるため、上がる基礎点は3.60ですので88.12にまで上がることになります。

この構成でGOE満点だと技術点は120.37になり、PCS加味して220.37満点となります。

 

○平均GOE3.200以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
World Championships FS 12 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.111
World Team Trophy FS 12 StSq4   3.90   1.56 5.46 4.000
World Team Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.56 5.46 3.889
Golden Spin FS 12 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Italian Championships SP 6 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Lombardia Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.33 5.23 3.571
Skate Canada SP 6 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.556
World Team Trophy FS 6 ChSq1   3.00   1.79 4.79 3.556
Skate Canada FS 12 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.556
Budapest Trophy FS 12 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.444
Europe Championships FS 12 StSq3   3.30   1.13 4.43 3.444
Budapest Trophy SP 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
World Championships SP 6 StSq4   3.90   1.34 5.24 3.333
World Championships FS 6 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
Italian Championships FS 12 StSq4   3.90   1.25 5.15 3.286
Europe Championships FS 7 3A+2A+SEQ   12.43 x 2.51 14.94 3.222

高評価の要素はひたすらステップが並んでいます。時折コレオが紛れ込むという形で、ステップ系要素以外では+3.222でようやくジャンプシークエンスが入ってきます。

ステップが得意ですというのが如実に表れています。世界選手権の+4.111は今シーズン7位の評価です。

 

○4回転ループ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy SP 2 4Lo< 8.40   -2.69 5.71 -3.143
Lombardia Trophy FS 2 4Loq q 10.50   -3.15 7.35 -3.143
Budapest Trophy SP 2 4Loq F 10.50   -5.25 5.25 -5.000
Budapest Trophy FS 2 4Lo   10.50   -2.25 8.25 -2.111
Skate Canada SP 2 4Lo< 8.40   -2.28 6.12 -2.778
Skate Canada FS 2 4Lo   10.50   1.80 12.30 1.667
Golden Spin SP 2 4Loq+2T q 11.80   -4.20 7.60 -4.000
Golden Spin FS 2 4Lo<< <<  4.90   -2.45 2.45 -4.857
Italian Championships SP 2 4Lo< 8.40   -3.70 4.70 -4.429
Italian Championships FS 2 4Lo   10.50   -1.05 9.45 -0.857
Europe Championships SP 2 4Lo< 8.40   -1.68 6.72 -2.000
Europe Championships FS 2 4Lo   10.50   1.65 12.15 1.556
Challenge Cup SP 2 4Lo< 8.40   -2.69 5.71 -3.286
Challenge Cup FS 2 4Lo< F 8.40   -4.20 4.20 -5.000
World Championships SP 2 4Loq q F 10.50   -5.25 5.25 -5.000
World Championships FS 2 4Lo   10.50   2.40 12.90 2.333
World Team Trophy SP 2 4Lo< 8.40   -2.88 5.52 -3.444
World Team Trophy FS 2 4Lo   10.50   1.80 12.30 1.667

リッツォ選手は今シーズン、3シーズンぶりに4回転ループへの挑戦を再開しました。

ショートフリーで18回飛んで、転倒は2回、ダウングレードは1回、アンダーローテーションは6回、それ以外のGOEマイナスが5回あって、GOEプラスの成功ジャンプは4回でした。成功率は22.2%でした。

今シーズン4回転ループをGOEプラスで成功させたのは4人。+2.333の世界選手権のフリーはその4人の中で2位にあたる評価のループでした。

 

○4回転トーループを含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy SP 1 4T<+2T 8.90   -3.19 5.71 -4.143
Lombardia Trophy FS 1 4T<< <<  4.20   -2.02 2.18 -4.714
Budapest Trophy SP 1 4T+2T   10.80   0.95 11.75 0.889
Budapest Trophy FS 1 4T   9.50   2.31 11.81 2.444
Skate Canada SP 1 4T+2T   10.80   -2.58 8.22 -2.667
Skate Canada FS 1 4T   9.50   -2.17 7.33 -2.000
NHK Trophy SP 1 4T<< <<  4.20   -2.10 2.10 -4.889
NHK Trophy FS 1 4T< 7.60   -3.69 3.91 -4.778
Golden Spin FS 1 4T+3T   13.70   0.57 14.27 0.429
Golden Spin FS 8 4T<< <<  4.62 x -2.10 2.52 -4.857
Italian Championships SP 1 4T+3T   13.70   0.76 14.46 1.000
Italian Championships FS 1 4T< F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
Italian Championships FS 8 4T<+REP F 5.85 x -3.80 2.05 -5.000
Europe Championships SP 1 4T+2T   10.80   0.95 11.75 1.000
Europe Championships FS 1 4T   9.50   -3.94 5.56 -4.111
Challenge Cup SP 1 4T+2T   10.80   0.57 11.37 0.571
Challenge Cup FS 1 4T< 7.60   -2.43 5.17 -3.286
Challenge Cup FS 8 4T<<+REP <<  3.23 x -1.85 1.38 -4.429
World Championships SP 1 4T+3T   13.70   2.85 16.55 3.000
World Championships FS 1 4T+2T   10.80   2.04 12.84 2.222
World Team Trophy SP 1 4T+2T   10.80   0.68 11.48 0.667
World Team Trophy FS 1 4T   9.50   2.85 12.35 3.000

4回転トーループはショートフリーで1回づつ、ときにはフリーで2回飛ぼうとしています。22回飛んで転倒が2回、ダウングレードが4回、アンダーローテーションが3回、それ以外のGOEマイナスが3回、GOEプラスの成功ジャンプは10回で成功率は5割を割っています。また、コンビネーションは少なくともショートではセカンドを3回転にしたいと思うのですが、2回転になったものも多いです。そういう意味で、コンビネーションの成功率も低いです。4回転トーループが安定して入ってくるようになると、最上層で安定して戦えそうに見えます。

 

○3連続の要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
Lombardia Trophy FS 8 3T+2T+2A+SEQ   9.68 x 0.84 10.52 2.000
Budapest Trophy FS 8 2Lz+1Eu+3S   7.59 x 0.12 7.71 0.333
Skate Canada FS 8 3Lz+1Eu+2S   8.47 x 0.59 9.06 1.111
NHK Trophy FS 8 3Lz+1Eu+3S   11.77 X 1.18 12.95 1.889
Golden Spin FS 3 3F+1Eu+2S   7.10   1.06 8.16 1.857
Italian Championships FS 3 3F+1Eu+3S   10.10   1.06 11.16 2.143
Europe Championships FS 3 3F+1Eu+3S   10.10   0.91 11.01 1.667
Challenge Cup FS 3 3F+1Eu+3S   10.10   0.85 10.95 1.429
World Championships FS 3 3F+1Eu+3S   10.10   1.67 11.77 3.111
World Team Trophy FS 3 3F+1Eu+3S   10.10   1.59 11.69 3.111

3連続はすべての試合で入りました。シーズン序盤は8番目の要素で入れていしたが、中盤以降は3つ目の要素でフリップから入れています。

この3連続はすべてGOEプラスでした。ブダペスト杯は2回転ルッツになっていますし、2試合では3つ目が2回転になっているので成功とはいいがたいですが、シーズン後半はすべてはっきり成功ジャンプでした。

 

リッツォ選手ははやシニア5シーズン目。ただ、ジュニアのグランプリシリーズを卒業したのが6シーズン前というだけであって、世界選手権には7シーズン前から、ヨーロッパ選手権は8シーズン前から出ていますのですっかりベテランです。24歳になりました。リッツォ選手の登場以降イタリア男子のレベルが一気に上がってきていますが、そんななかでも今シーズンイタリア選手権を勝っています。次は、イタリア男子の中で誰が最初にヨーロッパ選手権を勝つか? イタリア男子のヨーロッパ制覇は1954年まで遡りますので、それ以来のヨーロッパ制覇を、来期はリッツォ選手も期待されることになります。