22-23 ブレイディテネル

1998年1月31日生まれ

シニア6シーズン目

シーズン獲得賞金:$3,000

世界ランキング:37位

シーズンランキング:23位

シーズンベストスコア 199.91(17位) 4大陸選手権

ショートプログラムシーズンベスト 69.49 4大陸選手権

フリーシーズンベスト 130.42 4大陸選手権

ショートプログラム楽曲:Restrictus

フリープログラム楽曲:四季より

スピンレベル4率 31/36 = 86.1%(国際大会:27/30 = 90.0%)

ステップレベル4率 10/12 = 83.3%(国際大会:8/10 = 80.0%)

スピンオールレベル4 3/6 (国際大会3/5)

スピンステップオールレベル4  2/6 (国際大会:2/5)

ジャンプ要素回転不足率 16/60=26.7% (国際大会:15/50 = 30.0%)

ジャンプ回転不足なし 0/6 (国際大会 0/5)

スピンステップオールレベル4 ジャンプ回転不足なし 0/6(国際大会:0/5)

 

○22-23シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
GP MK John Wilson Trophy 12 153.19 56.50 96.69
GP Grand Prix Espoo 8 163.98 60.64 103.34
CS Golden Spin 2 193.31 68.84 124.47
NC US Championships 2 213.12 73.76 139.36
4CC Four Continents 6 199.91 69.49 130.42
WC World Championships 15 184.14 66.45 117.69

21-22シーズンをけがにより全休となったテネル選手は今シーズンは復帰シーズンになります。ただ、まだ完治していないようで序盤から苦労していました。

試合に出てきたのは11月になってからでMKジョンウィルソン杯。ショート2転倒、フリー3転倒。試合勘が戻っていないのか、体調的にまだまだなのか、練習がまだ足りていないのか、なかなか苦労しましての153.19で12位。2週間後のグランプリエスポ―ではショートは転倒無しで60点台まで戻しましたがフリーはやはり2転倒で103.34に終わり総合8位。ただし8位まではポイント入りますので意味のある8位でした。ただ、これは今シーズンは全米までで終わりかな、という雰囲気がこの時点ではありました。

2週間後にチャレンジャーシリーズのゴールデンスピンに出てきます。出る必要はない試合に出てきた、というのは試合勘を養いたかったのでしょうか。ここでショートを3-2ではありますがノーミスで68.84を出して首位に立ちます。フリーは残念ながらまたルッツでの転倒が出て124.47 トータル193.31で2位。優勝には届きませんでしたが、これでだいぶ復活してきたかな、と印象付けられました。

 

年が明けてから全米選手権です。シーズンベストは4位、世界選手権は3枠、という中で完全復活を見せられるかどうか? ショートはこれまでループを入れていましたがこの試合でフリップを戻してきて、ルッツからの3-3も決め73.76 僅差の2位スタート。4位とは4.80差あります。フリーは最後から2番目。表彰台を確定させるには114.49で十分という少し楽な展開になりました。このフリーをアンダーローテーション1つに2回転になったもの1つと崩れることなくまとめて139.36 この時点で首位に立つ213.12は最終的に2位に入り、世界選手権の切符を掴みました。

 

全米から4大陸は中一週、割と4位以下を出してくることが多いアメリカが珍しく本気メンバーを出してきました。アメリカ開催の効果でしょうか。このショートではアンダーローテーション1つ入って69.49の5位スタート。表彰台の見える位置でしたがフリーは130.42まで出してシーズンベストなものの総合6位で終わりました。

 

世界選手権は2シーズンぶりの出場。実はこの時点で持っているパーソナルベストで見れば、坂本花織選手に次ぐ2番目、完全復活していれば表彰台チャンスもある、という試合です。ショートは!にqと目立ちましたが全部しっかり降りて66.45の8位スタート。フリーは伸びれば自己最高の5位まで行けるしアメリカ3枠も掛るしという大事な場面でしたが、ここでもジャンプに苦しんで117.69でトータル184.14は最終的に15位。アメリカ3枠の確保もならず、残念な世界選手権となりました。

国別には出場せず、この世界選手権でシーズンを終えました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
MK John Wilson Trophy 153.19 74.15 86.04 47.70 -8.91 24.22 11.14
Grand Prix Espoo 163.98 75.46 90.52 45.70 -7.24 23.37 13.63
Golden Spin 193.31 95.98 98.33 51.78 4.14 25.29 14.77
US Championships 213.12 107.67 105.45 59.58 7.68 25.03 15.38
Four Continents 199.91 98.91 101.00 57.99 0.03 26.06 14.83
World Championships 184.14 87.08 97.06 53.39 -6.64 25.66 14.67

スコアは国際大会では199.91まで出しましたが200点には届かず。

技術点は国際大会では100点までは届きませんでした。

PCSは4大陸で101.00 これは今シーズン7位にあたるスコアです。

ジャンプの基礎点は4大陸選手権でも57.99と伸びていません。加点の方もゴールデンスピンで+4.14ありましたが世界選手権でもマイナスで、いまいち決まってきませんでした。

スピンはさすが、4大陸選手権では26.06まで出しています。今シーズン4位の好スコア。

ステップ系要素は4大陸で14.83が出ています。こちらは今シーズン7位にあたります。

スピンステップPCSは上位にいますがジャンプが今シーズンは決まらなかった…、というテネル選手でした。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
MK John Wilson Trophy 49.38 47.59 37.94 63.99 51.83 55.56
Grand Prix Espoo 52.94 45.64 41.36 61.15 63.03 58.81
Golden Spin 62.63 51.57 64.66 67.56 68.17 64.49
US Championships 69.18 59.18 71.91 66.69 70.91 69.67
Four Continents 64.81 57.63 56.25 70.13 68.44 66.43
World Championships 59.60 53.14 42.59 68.79 67.72 63.57

トータルスコアは平均割れから始まりましたが4大陸選手権では60台半ばまで出ました。

ジャンプの基礎点は40台スタートから4大陸でも50台後半まででした。

ジャンプの加点はゴールデンスピンでは60台半ばが出ていますが世界選手権では40台前半と苦しんでいます。

スピンはさすが、4大陸では70に乗せました。

ステップ系要素も60台後半を普通に出しています。

PCSは60台半ばまでは出ています

やはりジャンプが課題です

 

22-23シーズン ブレイディテネル選手の要素別偏差値レーダーチャート

レーダーチャートは左寄りです。グランプリシリーズの時点ではステップやPCSも伸びずに苦しんでいましたが、ゴールデンスピン以降はそちらは伸びています。

やはり右側なんとかすれば、といったところです

 

・シーズン最高の基礎点構成

○世界選手権 ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz!q+3Tq ! 10.10   -2.44 7.66 -4.111
2 3Fq q 5.30   -0.23 5.07 -0.556
3 LSp4   2.70   0.73 3.43 2.667
4 2A   3.63 X 0.80 4.43 2.556
5 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
6 FSSp4   3.00   0.77 3.77 2.444
7 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.667
  TES   32.13   2.11 34.24  

ショートプログラム、世界選手権では32.13まで基礎点が出ました。

ルッツフリップ構成でセカンド3回転もありますが、1.1倍はダブルアクセルになっています。フリップを1.1倍に持ってくればあと0.20基礎点が上がってきます。

この構成はGOE満点の時技術点は45.93まで出て、PCS加味して85.93満点となります。

 

○4大陸選手権 フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lzq+3T q 10.10   -0.17 9.93 -0.222
2 2F   1.80   0.21 2.01 1.111
3 2A+3T<+2T 7.96   -0.24 7.72 -0.667
4 FCCoSp4   3.50   1.10 4.60 3.222
5 3S   4.30   0.98 5.28 2.222
6 3Loq q 5.39 x -0.84 4.55 -1.667
7 3Lz<+2T 6.62 x -1.08 5.54 -2.111
8 2A   3.63 x 0.61 4.24 1.889
9 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.111
10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.111
11 CCSp4   3.20   1.10 4.30 3.333
12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
  TES   56.90   5.92 62.82  

フリーは4大陸選手権の56.90が最高でした。2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。フリップも戻ってきて7トリプルなはずなのですが、フリップは2回転になり、アンダーローテーション2つと基礎点が目論見よりだいぶ削られました。

この構成でノーミスGOE満点だと基礎点62.54で技術点88.99になりPCS加味して168.99満点となります。1.1倍部分もやや弱いので、ここももう少し強い構成にして基礎点上げたいかもしれません。

 

○平均GOE3.200以上

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
US Championships FS 12 CCoSp4   3.50   1.70 5.20 4.778
US Championships SP 5 StSq4   3.90   1.62 5.52 4.222
US Championships SP 7 CCoSp3   3.00   1.29 4.29 4.222
Four Continents FS 12 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.111
Golden Spin FS 12 CCoSp3   3.00   1.20 4.20 4.000
US Championships FS 4 FCCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
Four Continents SP 7 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
World Championships FS 12 CCoSp4   3.50   1.35 4.85 3.889
US Championships FS 11 CCSp4   3.20   1.28 4.48 3.889
World Championships SP 7 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.667
US Championships SP 3 LSp4   2.70   1.00 3.70 3.667
Golden Spin FS 9 StSq4   3.90   1.40 5.30 3.571
Golden Spin FS 4 FCCoSp4   3.50   1.26 4.76 3.571
US Championships FS 9 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
World Championships FS 4 FCCoSp4   3.50   1.20 4.70 3.556
Grand Prix Espoo FS 12 CCoSp4   3.50   1.25 4.75 3.444
Golden Spin SP 7 CCoSp4   3.50   1.19 4.69 3.429

テネル選手のスピンは評価が高いです。ナショナル選手権が上に並んでいますが、国際大会からも+4.000以上が普通にあります。とにかくスピンの評価が高い。

ここにジャンプが入ってくるようになると完全復活でしょうか。

 

○セカンド3回転を含む要素

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
MK John Wilson Trophy SP 1 3Lz+3T< F 9.26   -2.95 6.31 -5.000
US Championships SP 1 3Lz+3T   10.1   1.18 11.28 1.889
US Championships FS 1 3Lz+3T   10.1   1.01 11.11 1.556
US Championships FS 3 2A+3T< 6.66   -1.53 5.13 -4.444
Four Continents SP 1 3Lz+3T< 9.26   -0.34 8.92 -0.444
Four Continents FS 1 3Lzq+3T q 10.1   -0.17 9.93 -0.222
Four Continents FS 3 2A+3T<+2T 7.96   -0.24 7.72 -0.667
World Championships SP 1 3Lz!q+3Tq ! 10.1   -2.44 7.66 -4.111
World Championships FS 2 3Fq+3T< 8.66   -1.67 6.99 -3.111

テネル選手は復帰初戦から3Lz+3Tを飛ぼうとしてきました。結果的に飛べるようになったのは年明けて全米選手権以降で、GOEプラスの成功扱いは全米のみで、国際大会では<やqや!と言ったマークがつく形となりました。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements   Base   GOE Scores AvGOE
MK John Wilson Trophy FS 6 3Lo+1Eu+2S   7.37 x 0.70 8.07 1.333
Grand Prix Espoo FS 6 3Lo+1Eu+2S   7.37 x -0.07 7.30 0.000
Golden Spin FS 6 3Lo+1Eu+2S   7.37 x 0.98 8.35 2.000
US Championships FS 7 2Lz+2T+2T   5.17 x -0.21 4.96 -1.000
Four Continents FS 3 2A+3T<+2T 7.96   -0.24 7.72 -0.667

3連続ジャンプはシーズン前半はループから3つ目は2回転のサルコウ型でした。後半はルッツからにしたりダブルアクセルから3回転付きにしたり試行錯誤もありました。世界選手権では3連続入らず。

まだジャンプ全体が安定していないので、シーズン後半のように難度を上げていくとGOEプラスの成功ジャンプにはできなかったようです。

 

今期は復帰戦。どこまで行けるかと思いましたが世界選手権の切符まで掴みました。ただ、その世界選手権では結果は出せず。来期のアメリカの枠は2つになりまして、少々難しいことになっています。それでも、本調子を戻して来たら問題なく代表に入ってくると思いますが、どこまでジャンプが戻って来るか。

来期こその完全復活を期待したいと思います。