アイスチャレンジ ジュニア勢の健闘

チャレンジャーシリーズ第8戦、アイスチャレンジがオーストリアグラーツにて行われました。こういう時期のこういうレベルの大会ですと、地元勢がもう少し上位に行くのかな? と思いましたが、あまりオーストリア勢が伸びるということもなく。今回はジュニア勢の健闘が目立ちました。

 

○女子シングル(上位12名)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Anna PEZZETTA ITA 174.49 60.05 114.44
2 Kaiya RUITER CAN 172.42 55.36 117.06
3 Kimmy REPOND SUI 169.35 53.22 116.13
4 Lorine SCHILD FRA 168.30 57.05 111.25
5 Justine MICLETTE CAN 167.87 60.86 107.01
6 Ahsun YUN KOR 163.82 61.83 101.99
7 Livia KAISER SUI 161.59 58.25 103.34
8 Clare SEO USA 158.49 46.73 111.76
9 Gracie GOLD USA 154.22 55.00 99.22
10 Stefanie PESENDORFER AUT 154.00 53.92 100.08
11 Sara-Maude DUPUIS CAN 153.77 50.49 103.28
12 Jenni SAARINEN FIN 153.28 51.60 101.68

優勝は、イタリアのアンナペゼッタ選手。2007年3月生まれの15歳。昨シーズン世界ジュニア13位。今季もジュニアグランプリ2戦で14位と13位という選手でしたがここでパーソナルベストを出してチャレンジャーシリーズ初優勝となりました。今季はロンバルディア杯にも出ていて、シニアの試合に出場可能となってすぐに、ジュニアグランプリと並行してチャレンジャーシリーズにも出ている形です。

2位にはカナダのカイヤルイター選手。こちらも2006年5月生まれの16歳。ジュニアグランプリは昨シーズン2位と3位でしたが今シーズンは出場せず、このチャレンジャーシリーズに回ってきて表彰台に乗りました。最終的にはフリー後半のフリップの転倒が痛く、これを立っていれば優勝もありました。昨シーズンジュニアルールで179.92まで出していますし、スピンステップでレベル4が1つもないのですが、そのあたりでレベルを取ることとPCSが伸びてくればシニアの上位で戦えるようになっていけそうに感じます。

3位にはスイスのキミ―レポンド選手。何度か取り上げていますが、昨シーズン世界ジュニアで7位に入り、日本の今シーズンのジュニアグランプリ枠を狭めた選手です。今季のジュニアグランプリ2戦は4位と6位。10月のブダペストトロフィーでチャレンジャーシリーズ初優勝を飾り、この試合で2連勝の可能性もありましたが今回は本人比で平凡なスコアとなり3位に終わりました。

結果的に女子の表彰台はジュニア年代でグランプリ出場枠はないけど年齢的にはシニアの試合に何とか出られる、という位置の選手に占められた形になっています。日本にもこの立ち位置の選手は何人かいますが、今シーズンはこの時期のチャレンジャーシリーズ派遣はされていません。

また、グレーシーゴールド選手が9位でした。スケートアメリカでは決まっていた3-3が今回はショートもフリーも入らず。転倒もあり、近年の本人比でもスコアが伸びませんでした。9位だとポイントはいらないので8位には入っておきたかったのですが残念です。

懐かしい顔勢では韓国のチェダビン選手は18位。一見いい滑りにも見えるのですが今回もショートフリー合わせてダウングレード3つ、アンダーローテーション2つ、e1つにq2つとスコアを伸ばせませんでした。韓国勢はショートで1位につけていたりとライブストリーミングのチャットはハングルがあふれて盛り上がっていたのですが、結果には繋がりませんでした。

 

○男子シングル(上位12人)

Pl Name Nation Total SP FS
1 Liam KAPEIKIS USA 223.02 76.46 146.56
2 Andreas NORDEBACK SWE 218.25 75.24 143.01
3 Nikita STAROSTIN GER 217.04 71.96 145.08
4 Tomas-Llorenc GUARINO SABATE ESP 216.05 74.19 141.86
5 Francois PITOT FRA 212.25 59.05 153.20
6 Davide LEWTON BRAIN MON 203.16 70.31 132.85
7 Naoki ROSSI SUI 197.59 69.02 128.57
8 Nikolaj MAJOROV SWE 197.53 65.72 131.81
9 Maurizio ZANDRON AUT 197.32 65.25 132.07
10 Younghyun CHA KOR 196.01 59.27 136.74
11 Raffaele Francesco ZICH ITA 193.43 61.90 131.53
12 Luc MAIERHOFER AUT 184.01 61.34 122.67

男子の優勝はアメリカのリアムカペイキス選手でした。スケートアメリカの7位からスコアを上げてパーソナルベストでチャレンジャーシリーズ初優勝です。フリー冒頭4回転サルコウを成功。ISU公認試合で初のGOEプラスの成功4回転となりました。

2位にはスウェーデンのノルデバック選手が入っています。フィンランディア杯に続いてチャレンジャーシリーズ2度目の表彰台です。今季はジュニアグランプリ2戦で3位と7位、惜しくもファイナルを逃したという選手ですが、シニアカテゴリーのチャレンジャーシリーズで立て続けに結果を出してきています。

3位にはドイツのニキータスターオスティン選手が入りました。僅差の試合でパーソナルベストを出してのチャレンジャーシリーズ初表彰台となりました。

 

チャレンジャーシリーズも今期は残り2試合となってきました。中堅選手にとっては、ISU公認スコアを取るための大事な試合が残り少なくなってきたということでもあります。第9戦は次週、ポーランドにて行われます。男子ではグランプリシリーズ欠場したケビンエイモズ選手が今のところエントリー、イタリアのグラスル選手の名前もあります。女子はドイツのニコルショット選手やフィンランドのエミペルトネン選手などがエントリーです。