JGP アルメニア ファイナルメンバー確定

ジュニアグランプリ7戦目。昨季は中止で今期もまた紛争という因縁のアルメニア開催、何とか無事に行われました。

 

○女子シングル 上位12人

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mao SHIMADA JPN 209.81 73.14 136.67
2 Elyce LIN-GRACEY USA 176.11 64.50 111.61
3 Sherry ZHANG USA 175.18 60.52 114.66
4 Ikura KUSHIDA JPN 173.71 59.99 113.72
5 Eunbi PARK KOR 166.63 59.22 107.41
6 Inga GURGENIDZE GEO 165.90 55.47 110.43
7 Sophia SHIFRIN ISR 155.39 49.61 105.78
8 Eugenia SEKULOVSKI SUI 153.24 55.29 97.95
9 Gabriele JUSKAITE LTU 144.31 45.25 99.06
10 Sofja STEPCENKO LAT 140.01 46.23 93.78
11 Olivia BACSA SUI 139.45 49.25 90.20
12 Nayeon KO KOR 137.44 54.69 82.75

一人別次元の演技で島田麻央選手が圧勝。ジュニア無敗を続けてファイナル進出確定です。ただ、本人は自分の出来に割と不満そうにも見えました。

2位にはアメリカから、エリスリングレーシー選手が入りました。優勝すればファイナルという最終滑走。さすがにそれは厳しかったですが2位で初表彰台。ループ転倒でヒヤッとしましたが、ショートのリードで逃げ切りました。

3位もアメリカ、シェリージャン選手。自己最高スコアでこちらも初表彰台です。前半良かったのですが後半2転倒。こちらもヒヤッとした展開でしたがルッツ2本とフリップ2本という強構成で回転不足ありながらも基礎点稼ぎ、スピンも全体2位のスコアで際どく表彰台を確保しました。

アメリカの2人表彰台は、日露が派遣を見送った2021年の初戦以来2年ぶり、それ以前だと2013年の2戦目、ポリーナエドモンズさんとマライアベルさんで表彰台に乗った10年前以来となります。

櫛田育良選手は惜しくも4位。2戦続けて4位と少し残念な結果となりました。フリーは3位でしたので小さなメダルは持ち帰っています。

韓国勢はジュニアグランプリというか国際大会初登場のパクウンビ選手が5位。7大会目で初めて韓国勢は表彰台を確保できませんでした。

昨季表彰台に乗った経験のあるジョージアのグルゲニゼ選手は6位。今期はトリプルアクセルを封印していますが、ショートフリーのルッツ2転倒が痛かったです。

 

○島田麻央選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3A< 6.40   -0.73 5.67 -1.222
2 4T< F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
3 3Lz+3T   10.10   1.01 11.11 1.667
4 FCCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.333
5 3F+2A+SEQ   8.60   1.29 9.89 2.444
6 3S+3T+2T   10.78 x 0.74 11.52 1.778
7 3Lo   5.39 x 1.19 6.58 2.333
8 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
9 3Lz   6.49 x 1.43 7.92 2.444
10 CCoSp4   3.50   1.65 5.15 4.667
11 LSp4   2.70   1.23 3.93 4.556
  TES   68.06   6.57 74.63  

構成はいつもと同じです。トリプルアクセルはアンダーローテーション扱い。4回転は前回はダウングレードでしたが今回はアンダーローテーションにまではなりました。以降完璧もいつもと同じです。4回転が今回も決まらなかったので、ISU公認成功はまた先送りとなりました。トリプルアクセルと両方決めることを目指しているようですが、1度まず、トリプルアクセル外してでも4回転決めておいた方がいいようにも感じます。そのステップを踏んでから、両方決めるを目指してほしいですが、まあ、外野がとやかく言うレベルでもないでしょうか。

今回、ショートの最後の足替えのコンビネーションスピンで、9人のジャッジのうち8人が+5を付けてスコアとして満点を取りました。さすがの島田麻央選手でもISU公認の満点要素はこれが初でした。それもあって今大会でスピンで得たスコアは26.53と自己最高スコアになっています。

ファイナル進出決定。ファイナルは2か月後ですが、それまでは国内戦。西日本選手権から全日本ジュニアというコースになります。

 

○櫛田育良選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 1.889
2 3S+3T   8.50   0.74 9.24 1.667
3 FCCoSp4   3.50   0.45 3.95 1.333
4 2A   3.30   0.66 3.96 2.000
5 2A< F 2.64   -1.32 1.32 -5.000
6 CCoSp4   3.50   0.65 4.15 1.778
7 3Lo   5.39 x 0.00 5.39 0.000
8 3Lz!q F 6.49 x -2.95 3.54 -5.000
9 3F+2T+2Lo   9.13 x 0.53 9.66 1.000
10 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.889
11 LSp4   2.70   0.81 3.51 2.889
  TES   58.25   2.18 60.43  

冒頭2つの3-3が決まったので、これは逆転表彰台! と思ったのですが、まさかのダブルアクセル転倒。それでもまだ表彰台の芽はあったのですが、後半ルッツの転倒が最終的に致命傷でした。スピンはレベル4を3つ揃えました。ショートフリーで得たスピンのスコア22.68は国際大会の自己最高です。

2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。ルッツが2本しっかり決まると強いのですがなかなか決まってきません。ノーミス出来ると190点は見えているので世界ジュニア3枠目の候補の1人ではあると思うのですが、どうしてもノーミスがなかなか出てこない。ジャンプの確率が鍵、となってきています。

次戦は西日本選手権を経て全日本ジュニアへ。表彰台争いに参加していきたいところだろうと思われます。

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Daniel MARTYNOV USA 220.09 79.24 140.85
2 Shunsuke NAKAMURA JPN 214.67 77.30 137.37
3 Fedir KULISH LAT 205.23 65.23 140.00
4 Aleksandr FEGAN USA 185.78 64.01 121.77
5 Tamir KUPERMAN ISR 180.42 59.90 120.52
6 Semen DANILIANTS ARM 171.38 58.63 112.75
7 David LI CAN 168.54 54.71 113.83
8 Ilia GOGITIDZE FRA 160.43 54.74 105.69
9 Luka IMEDASHVILI LTU 155.92 57.37 98.55
10 Shohei LAW CAN 155.67 60.83 94.84
11 Hyunseo PARK KOR 155.20 53.15 102.05
12 Jedidiah LINCOLN GBR 153.89 50.08 103.81

大阪で3位表彰台に乗っていて、今大会にファイナルが掛っていたアメリカのダニエルマルティノフ選手がジュニアグランプリ初優勝。220.09はパーソナルベストです。ショートフリー、3本のトリプルアクセルを全ジャッジプラス評価で決めてきました。

日本の中村俊介選手が2位。初戦はフリーで崩れて8位でしたが同じ轍は踏まず表彰台です。

3位にはフェデールクーリッシュ選手が入ってきました。21年12月にはウクライナ選手権に出ていた選手。今期はラトビアの代表として出てきています。いろいろな苦労があったことでしょう。初の200点突破で初のジュニアグランプリ表彰台となりました。

 

中村俊介選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4T   9.50   2.17 11.67 2.111
2 3A+2A+SEQ   11.30   0.57 11.87 0.778
3 3Lz+1Eu+2S   7.70   -0.67 7.03 -1.222
4 CSSp2V   1.73   0.15 1.88 0.889
5 1A   1.10   0.02 1.12 0.222
6 3F! ! 5.83 x 0.00 5.83 0.000
7 FCCoSp3V   2.25   -0.36 1.89 -1.556
8 ChSq1   3.00   0.64 3.64 1.333
9 3Lo+3T   10.01 x 0.91 10.92 1.778
10 3Lz   6.49 x 1.01 7.50 1.667
11 CCoSp4   3.50   0.45 3.95 1.333
  TES   62.41   4.89 67.30  

今回は決めました4回転トーループ。ISU公認初成功です(国際大会では22年チャレンジカップで決めています)。もったいなかったのは2本目のアクセル。これが決まっていれば優勝でした。

2回飛んだジャンプは結果的にはルッツだけです。トリプルアクセルが2本予定。3連続のサルコウは3回転にしたかったはずです。スピンはレベル4が1つだけ3と2にそれぞれVが付いていて基礎点から大きく削られました。スピンはもう少しポイント欲しいところかと思います。

大阪の時から要素順が変わってコレオが7番目から8番目に下がりました。提出されていた予定では7番目のままだったのですが、理由は??? よくわかりません。

1戦目のフリーが散々な出来でこれからどうなるかと心配でしたが2戦目はしっかり力を発揮してきました。214.67は今季の日本のジュニアでは2番目のスコア。今年こその世界ジュニアの代表争いではやはり主役の一人になってきそうです。次の試合は西日本選手権から全日本ジュニアへという流れになるかと思われます。

 

 

ジュニアグランプリシリーズ完了しました。女子はファイナル6人がまた今年も日韓3vs3決戦。昨年から日本は吉田陽菜選手が韓国はキムチェヨン選手が上に抜け、上薗恋奈選手とキムユソン選手が下から入ってくる入れ替わりはありました。今回の6人は年齢的に来シーズンも全員ジュニアが確定しています。ジュニア4シーズンルールは女子のジュニアの上位が固定されてきます。

男子は韓国が2人いて、あとは日本、アメリカ、フランス、スロバキアと1人づつです。日本からは中田璃士選手が残りました。男子は昨年とは全員メンバーが入れ替わりました。昨季のメンバーでは中村俊介選手が残っていましたので、1戦目しっかり滑っていれば2年連続になったのですが・・・。

ジュニアグランプリファイナルはしばらく時間をおいて、12月7日から、今年は北京開催となります。