フィンランディア杯 4年ぶりワンツー

フィンランディア杯 4年ぶりワンツー

 

チャレンジャーシリーズ5戦目はフィンランディア杯。これでグランプリ前のチャレンジャーシリーズは終わりです。ということでこの試合までは日本からの派遣がありました。

 

○男子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Kao MIURA JPN 267.81 90.95 176.86
2 Shun SATO JPN 261.23 87.47 173.76
3 Aleksandr SELEVKO EST 238.25 79.51 158.74
4 Lukas BRITSCHGI SUI 229.37 74.02 155.35
5 Mihhail SELEVKO EST 223.95 78.54 145.41
6 Nikolaj MEMOLA ITA 222.98 82.03 140.95
7 Younghyun CHA KOR 211.15 68.77 142.38
8 Arlet LEVANDI EST 210.41 70.22 140.19
9 Nikita STAROSTIN GER 205.37 64.40 140.97
10 Makar SUNTSEV FIN 200.55 67.96 132.59
11 Andreas NORDEBACK SWE 190.47 67.42 123.05
12 Gabriel BLUMENTHAL CAN 186.49 72.28 114.21

国際大会今季初戦で三浦佳生選手優勝しました。世界ジュニアとか4大陸とかいろいろタイトル持っていますが、チャレンジャーシリーズは初優勝です。

2位には佐藤駿選手が続きました。三浦選手佐藤選手が同じ試合に出るのは結構ありますが、今年は今のところ三浦選手の全勝でしょうか。まあ、チャレンジャーシリーズは調整試合ですし、260点台をだしてますし問題は無いかと思います。グランプリシリーズのそれぞれの2戦目、フィンランドでファイナルを目指した対決、というのが次にあると思うので、そこで勝ちたい佐藤選手かと思います。

日本勢が1位2位を占めるのは4年ぶり。宇野昌磨選手、山本草太選手以来です。

3位にはエストニアのセレフコ選手が入りました、とだけ述べると兄なのか弟なのかわからない。兄のアレクサンドルです。弟のミハエル選手は5位でした。フリーの158.74はパーソナルベスト更新です。ショートフリーと2本回転トーループを決めたのは初でした。

昨季世界選手権8位と躍進したルーカスブリッチギー選手は4位。今回は4回転がすっきり決まらずスコアが伸びてきませんでした。

 

○三浦佳生選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lo< 8.40   -4.06 4.34 -4.750
2 4T+3T   13.70   2.85 16.55 2.875
3 4S   9.70   3.56 13.26 3.625
4 FCSp4   3.20   0.64 3.84 2.125
5 3A+1Eu+3S   12.80   2.00 14.80 2.500
6 StSq4   3.90   1.24 5.14 3.125
7 4T< F 8.36 x -3.80 4.56 -5.000
8 3A+2A+SEQ   12.43 x 2.13 14.56 2.750
9 3F   5.83 x 1.24 7.07 2.375
10 CSSp3   2.60   0.48 3.08 1.875
11 ChSq1   3.00   1.67 4.67 3.375
12 CCoSp3V   2.25   0.19 2.44 0.750
  TES   86.17   8.14 94.31  

ジャパンオープンに呼ばれそうな立ち位置の三浦佳生選手でしたが、今年は同じ日開催のフィンランディア杯に出てきました。4回転3種類4本構成。ループと後半トーループは回転不足となりました。サルコウはショートフリーともに非常に高評価。ショートのコンビネーションは+4の評価で、フリーでも+3.625となりました。

4回転ループはまだ成功はジャパンオープンのみ。これが決まってくるともう1段階上のスコアが安定して出てきそうに感じます。

今回初めてショートフリー共にステップレベル4 評価も高くどちらも平均GOEが+3を超えました。ステップ系要素で得たスコアは15.14 これまで最高でも13点台だった選手がステップの評価を高めてきました。15点台まで出てくるとステップは得意要素と言えそうな領域です。一方でスピンは18点台となっていて、これはだいぶ足を引っ張る側になっています。

次戦はスケートカナダ。山本草太選手やチャジュンファン選手を相手にグランプリシリーズ初優勝を目指すことになります。

 

○佐藤駿選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 4Lz   11.50   1.73 13.23 1.500
2 3A+1Eu+3S   12.80   -1.73 11.07 -2.125
3 4T+3T   13.70   1.74 15.44 1.875
4 FCSp2   2.30   0.23 2.53 1.000
5 4T   9.50   2.53 12.03 2.500
6 3A   8.80 x 2.27 11.07 2.875
7 3Lo   5.39 x 1.06 6.45 2.125
8 3Lz   6.49 x -1.67 4.82 -2.750
9 CSSp4   3.00   0.60 3.60 2.125
10 StSq3   3.30   0.88 4.18 2.625
11 ChSq1   3.00   1.25 4.25 2.500
12 CCoSp3   3.00   0.50 3.50 1.750
  TES   82.78   9.39 92.17  

4回転ルッツ今季初成功。今回はルッツとトーループの4回転は2種類3本構成です。4回転フリップを今回ショートで入れていましたが、!がついてGOEがマイナスになりましたがしっかり降りました。3種類4本になる芽はあります。

コンビネーションが1つ入りませんでした。昨季から解放されたシークエンスアクセルの1.0倍ルールが佐藤駿選手は使えていません。それをうまく入れられるようになると基礎点を上げることができます。

佐藤駿選手の次戦はスケートアメリカ、マリニン選手やケビンエイモズ選手がいます。

 

○女子シングル 上位12名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Yelim KIM KOR 187.91 70.20 117.71
2 Rinka WATANABE JPN 180.36 62.73 117.63
3 Anastasiia GUBANOVA GEO 179.61 60.62 118.99
4 Nella PELKONEN FIN 179.31 58.78 120.53
5 Ava Marie ZIEGLER USA 173.60 65.07 108.53
6 Anna PEZZETTA ITA 163.32 60.18 103.14
7 Emmi PELTONEN FIN 162.02 53.39 108.63
8 Janna JYRKINEN FIN 159.85 53.44 106.41
9 Josefin TALJEGARD SWE 155.19 56.88 98.31
10 Tzu-Han TING TPE 152.25 52.16 100.09
11 Fiona BOMBARDIER CAN 145.70 53.85 91.85
12 Nataly LANGERBAUR EST 145.48 50.69 94.79

韓国のキムイェリム選手が優勝。昨年よりだいぶスコアは落としましたがそれでも2連覇を果たしました。コンビネーションがすっきり決まらずというか、ルッツが3本ともしっくり決まらずというか、ジャンプでスコアを伸ばせず180点台で終わりましたが、今回はステップでショートフリーレベル4を並べ、これを含めたステップ系要素のスコアで14.68となって、過去最高のスコアになりました。グランプリシリーズは4戦目の中国杯から出てきて、もう1試合はディフェンディングチャンピオンとして臨むNHK杯です。

日本から派遣の渡辺倫果選手は2位。2位から4位が1点差にひしめくなかで2位を勝負強く確保したと言えるでしょうか。ただ、180.36というのは昨季以降の国際試合では一番低いスコアではありました。

3位にはジョージアのグバノワ選手。ショートフリーでqが5つ付くなどジャンプで苦労しましたが、アンダーローテーションは無し。しぶとく点を稼いで昨季のフィンランディアに続いて2年連続の3位表彰台を確保しました。グランプリシリーズは3戦目のフランスと、最終戦NHK杯に出場です。

地元フィンランドからネラペルコネン選手が4位に入ってきました。フリーは1位。表彰台まで0.30差と惜しいところでした。179.31はパーソナルベストのスコアです。グランプリシリーズは5戦目のフィンランドにエントリー。昨季はジュニアグランプリ2戦に出ていましたので、今期はグランプリデビューシーズンとなります。

 

○渡辺倫果選手のフリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   0.94 4.24 2.875
2 3Lo+3T< 8.26   -0.41 7.85 -0.500
3 1F   0.50   -0.03 0.47 -0.625
4 3Lz+2T   7.20   0.89 8.09 1.375
5 FCSp4   3.20   0.69 3.89 2.125
6 ChSq1   3.00   1.17 4.17 2.375
7 3Lz< 5.19 x -0.47 4.72 -0.750
8 2A+1Eu+3Sq q 8.91 x -0.57 8.34 -1.250
9 3Lo   5.39 x 0.90 6.29 1.875
10 CCoSp4   3.50   0.41 3.91 1.125
11 StSq4   3.90   0.59 4.49 1.500
12 FSSp3   2.60   0.30 2.90 1.250
  TES   54.95   4.41 59.36  

冒頭はダブルアクセルトリプルアクセルからの抜けダブルではなく、最初から予定のダブルアクセルに見えました。今期は東京選手権でフリーにトリプルアクセルに挑んでいましたが、最初からダブルアクセル、というつもりのダブルアクセルが今のところ多いように見えます。

遠目にわかるミスはフリップ抜けの1回転だけなのですが、アンダーローテーション2つとq1つあり、やはりジャンプで苦労しています。昨季まで入れていたルッツからの3-3をやめてループからにしてルッツの負担を少し軽減させているようですが、ループからのコンビネーションもショートフリー共に回転不足。国内の試合でも1つも決まっておらず、今のところ解決策になっていない状態になっています。また、フリップの抜けも東京選手権、東京夏季フィギュアといずれも同じように1回転になっており大課題です。ジャンプの調整がうまくいっていない状況ですが、グランプリシリーズまでに合わせていくことができるか? グランプリシリーズは2戦目のスケートカナダから。坂本花織選手、キムチェヨン選手らとの争いになります。

 

チャレンジャーシリーズは5戦終わり折り返し地点まで来ました。次週は6戦目ブダペスト杯です。グランプリシリーズはまだ始まらず、ジュニアグランプリシリーズが終わっている、という裏に何もない時に行われる唯一のチャレンジャーシリーズともなります。男子は連戦でイタリアのメモラ選手やスイスのブリッチギー選手、さらにはエストニアのセレフコ兄弟もエントリーしていますが出てくるかどうか。女子はアメリカのブレイディテネル選手が、これは上海トロフィーからの連戦でエントリー。他にオーストリアのミクティナ選手などがいます。日本からの派遣はありません。