全日本ジュニア23 3連覇

今期も隆盛を誇る日本ジュニア勢。特に女子はフリー最終グループにジュニアグランプリシリーズの表彰台経験者ばかり、しかもそのうち5人は今季の表彰台という、プチジュニアグランプリファイナル感のある試合となりました。

 

○女子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 島  田  麻  央 木下アカデミー 201.33 63.34 137.99
2 櫛  田  育  良 木下アカデミー 190.12 65.30 124.82
3 上  薗  恋  奈 LYS 186.51 60.95 125.56
4 髙  木      謠 東京女子学院 183.96 63.62 120.34
5 柴  山      歩 木下アカデミー 175.61 63.68 111.93
6 村  上  遥  奈 木下アカデミー 168.48 62.30 106.18
7 河  野  莉々愛 木下アカデミー 167.18 57.70 109.48
8 横  井  きな結 中京大学 166.08 60.00 106.08
9 岡  万佑子 ROYCE' F・S・C 163.71 60.04 103.67
10 中  井  亜  美 TOKIOインカラミ 160.89 55.06 105.83
11 山  田      恵 木下アカデミー 159.94 56.78 103.16
12 金  沢  純  禾 木下アカデミー 158.77 50.21 108.56
13 和  田  薫  子 グランプリ東海クラブ 157.87 60.26 97.61
14 岡  田  芽  依 名東FSC 152.99 51.41 101.58
15 大  竹  沙  歩 MFアカデミー 152.64 47.09 105.55
16 中  尾      歩 埼玉アイスアリーナFC 151.22 56.49 94.73
17 奥  野  友莉菜 駒場学園高校 148.27 58.74 89.53
18 松  浪  ひかり 関空スケート 145.41 48.39 97.02
19 杉  山  菜  那 中京大中京高校 144.91 51.37 93.54
20 岩  本  愛  子 白鳥FSC 143.30 51.74 91.56
21 千  葉  美乃花 埼玉栄高校 138.43 47.39 91.04
22 今  関  友梨香 MFアカデミー 134.13 51.17 82.96
23 宮  本  琉  花 白鳥T・FSC 132.19 48.90 83.29
24 大  坪  瑚  子 邦和みなとスケート部 130.91 49.14 81.77

島田麻央選手3連覇。3連覇は荒川静香さん、安藤美姫さん以来3人目とのことですが、昔は有力ジュニアは2シーズン抜けの選手が多かったですのでまあその辺は参考程度でしょうか。ショートは4位でしたが、首位との点差は1.96 上にいるのが万全な中井亜美選手とかだったらわかりませんが、そうではなかったですので普通に射程圏内で逆転優勝となりました。

2位には櫛田育良選手。ショート1位でしたがフリー最終グループで今期のジュニアグランプリ表彰台が無かったのは櫛田選手だけ。僅差でプレッシャーのかかる最終滑走でしたがルッツの!のみで抑えて124.82はジュニアルールでの本人ベストスコアでした。

3位は今季からジュニアに上がった上薗恋奈選手。木下アカデミーの表彰台独占を阻止。ショートのルッツ転倒分2位に届かない形でした。今季ショートフリー揃った試合は5試合目、すべて180点を超えたスコアを出してきています。さすがのジュニアファイナリストでした。

今季好調な髙木謡選手が4位。表彰台とは2.55差 ほぼノーミスに見えたフリーですが実は3連続が入っていません。東日本でもそうだったのですが冒頭で3-3入らなかったときに最後に3T+2Aのリカバリーをするのですが、その時も3連続入りませんでした。それが入っても計算上は表彰台まで届かないのですが、僅差の中ではその辺まで欲しかったように感じます。昨季までは160点台級の選手でしたので、今期は2つくらい階段上った印象です。

5位にはショート2位だった柴山歩選手が入りました。いい演技に見えたのですがフリップの転倒が痛かったです。さらにもったいなかったのはそこでの動揺からか次の3連続でアクセルが回転不足付き、最後のレイバックスピンでレベルが2 フリップ以降しっかり決められていれば4位まではありましたので、髙木謡選手と順位が逆転していればユースオリンピック代表の芽もありました。大きなものを失うことになったのかもしれないフリー終盤でしたが、世界ジュニア代表に向けて2年連続10位の全日本で上位進出を目指すことになります。

昨季は8位でぎりぎり全日本進出だった村上遥奈選手が6位。ジュニアグランプリ2戦目では大きく崩れてしまいましたが今回はしっかり滑り切りました。今期はショートフリー滑った5試合中4試合で160点台。全日本ではもう一押し欲しいでしょうか。

ノービスから河野莉々愛選手が7位に入ってきました。PCSがまだあまりもらえていないですがジャンプの出来は素晴らしいものがありました。来期はジュニアに上がって順当にいけば全日本まで進める、というラインまで入ってきています。

昨季のシニアからまさかの出戻りジュニアで横井きな結選手が8位です。全日本に進むためにジュニアを選択したのだとしたら結果的には大間違いだったわけですが、それでも際どく全日本初出場を決めました。今期滑ったショートプログラム5本ですべて60点台。フリーもそろえば上位進出も狙えそうです。

9位は北海道から、昨季全日本ノービス2位で今季からジュニアに上がった岡万佑子選手。ショート初の60点台、フリー初の100点越えで163.71は大幅パーソナルベスト。後は3-3をものにすれば来期のジュニアグランプリ派遣もあるかもしれません。

中井亜美選手がまさかの10位。体調に問題を抱えていたようですがそれにしてもまさかの結果でした。

全日本進出はシードの島田麻央選手プラス8枠で、ノービス入らないので10位まで、と思ったのですが、これがまさかの島田選手含めてノービス勢も含めて8位まで、となりました。横井きな結選手までが全日本進出。岡万佑子選手、中井亜美選手は落選となりました。全日本への通過ラインは166.08 昨季の163.65からさらに上がりましたし、西日本シニアの146.21 東日本シニアの142.12と比べて、かなり高い水準となっています。

 

○上位6選手のフリーの構成

  島田麻央 櫛田育良 上薗恋奈 髙木謡 柴山歩 村上遥奈
1 3A 3Lz!+3T 3Lz+3T 3Lz+2T 2A 3Lz
2 4T<< 3S+3T 3Lo 2A+3T 3Lz!q+3T 3S+3T
3 3Lz+3T FCCoSp4 3F!+2T 3F! 3Lo 2A
4 FCCoSp4 2A 3S FSSp3 CCoSp4 3F!<
5 3F+2A+SEQ 2A FSSp4 3S 3S LSp3
6 3S+3T+2T CCoSp4 3Lz 3Lz FCCoSp4 3S+3T
7 3Lo 3Lo 3F! FCCoSp4 ChSq1 FSSp3
8 ChSq1 3Lz!+2T+2Lo 2A+2A+2T+SEQ 3Lo 3Lz!+3T< 3Lo<
9 3Lz 3F LSp3 ChSq1 3F< 2A+2T+2Lo
10 CCoSp4 ChSq1 ChSq1 3T+2A+SEQ 2A<+2T+2Lo ChSq1
11 LSp4 LSp4 CCoSp4 CCoSp4 LSp2 CCoSp3
Base 66.26 58.91 58.81 57.03 55.55 53.53
TES 77.04 65.68 67.49 63.47 56.06 55.72
PCS 61.95 59.14 58.07 56.87 56.87 50.46
Total 137.99 124.82 125.56 120.34 111.93 106.18

島田麻央選手は昨年はトリプルアクセル転倒からの4回転トーループ成功でしたが、今回はトリプルアクセル成功からの4回転トーループ転倒。なかなか2本そろってきません。4回転トーループは現状ではチャレンジジャンプになっています。ただ、それでも構成は圧倒的で基礎点から突出しています。

後の5人は構成的にはある種似たり寄ったりなところはあります。3回転は7本にダブルアクセル2本。回転不足はあっても抜けは無く、全員7本3回転は入りました。ルッツとフリップ2本の上薗選手が本来基礎点1番高くなりますがレイバックスピンのレベル3分櫛田選手に劣りました。ルッツとトーループ2本が櫛田選手、髙木選手、柴山選手。村上選手は3S+3Tの2度使いなので基礎点劣ります。ただ、この3S+3Tはショートフリーで3回飛んでも成功率は極めて高いので、勝負の試合ではこれを入れておいて安定を取るのはいい策なのかもしれません。柴山選手は回転不足が後半嵩んで基礎点下がりました。

ルッツに!がつく櫛田選手と柴山選手、フリップに!が付く上薗選手と髙木選手に村上選手ですが、島田選手はマークがつかず、そんなところも強いですが、実はノービス時代はフリップで!が頻発していました。ノービスBの頃はeが連発。時間をかけて改善していったのでしょうね。

PCSは順位順そのままです。村上選手はここが伸びない。各要素の加点の少なさもあり、全体的につなぎが弱いという評価です。

スピンは島田選手櫛田選手はオールレベル4 上薗選手と柴山選手はレイバックスピンでレベル足りず。髙木選手もフライングのシットスピンがレベル3になりました。村上選手はレベル4無し。ここでも差がついています。

 

○女子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 島  田  麻  央 201.33 93.00 68.65 6.14 25.78 8.76
2 櫛  田  育  良 190.12 88.13 65.50 3.43 23.39 9.67
3 上  薗  恋  奈 186.51 86.27 64.90 4.68 22.19 9.47
4 髙  木      謠 183.96 84.74 62.62 4.65 22.78 9.17
5 柴  山      歩 175.61 84.27 62.94 -2.35 22.01 9.74
6 村  上  遥  奈 168.48 76.79 61.08 2.77 20.05 7.79
7 河  野  莉々愛 167.18 70.66 63.92 1.81 22.80 7.99
8 横  井  きな結 166.08 78.52 59.22 0.56 21.35 7.43
9 岡  万佑子 163.71 70.68 61.77 -0.83 23.25 8.84
10 中  井  亜  美 160.89 82.33 54.15 -2.25 19.39 9.27
11 山  田      恵 159.94 66.93 64.65 1.43 19.74 7.19
12 金  沢  純  禾 158.77 65.74 63.94 2.22 20.96 6.91
13 和  田  薫  子 157.87 75.73 59.50 -6.97 23.59 7.02
14 岡  田  芽  依 152.99 67.14 63.20 -1.78 18.90 7.53
15 大  竹  沙  歩 152.64 68.27 55.60 0.02 20.79 7.96

PCSはフリーだけでなくトータルでも順位順に5位まで並びました。6番目は中井亜美選手、7番目に横井きな結選手が続きます。岡万佑子選手は技術点は8位圏内でしたがPCSで負けて9位。ノービス勢はもっと顕著で河野選手は技術点5位ですがPCS劣って総合7位、金沢純禾選手は技術点6位ですがPCSは17位でトータル12位です。

ジャンプの基礎点は島田選手1位ですが意外と差は大きくありません。櫛田選手と3.15差、上薗選手とも3.75差です。ジャンプの基礎点4位は山田恵選手。山田選手も技術点は8位でしたがPCSで総合順位が下がった口でした。中井亜美選手はジャンプの基礎点18位。そんなレベルの選手ではないのですが・・・。

ジャンプの加点も島田選手が1位ですが今回はショートでもミスがありましたしそれほど大きく稼げていません。上薗選手、髙木選手が続きます。加点がプラスな選手が多いのは全日本ジュニアの女子の特徴でしょうか。

スピンも島田選手が1位。25点台はさすがです。2番目は13位と敗れた形になった和田薫子選手。得意な部分はしっかり見せてくれました。櫛田選手が3番目で軟体スピンの岡選手が4番目です。

ステップ系要素は柴山歩選手が1位でした。コレオの評価は自己最高の+3.857 ここまでは表彰台ペースだったのですが・・・。櫛田選手が2位で上薗選手が3番目です。島田選手はショートのステップがレベル3なことと、コレオも今回はあまり伸びませんでした。

 

○男子シングル 上位24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 中  村  俊  介 木下アカデミー 212.42 76.81 135.61
2 中  田  璃  士 TOKIOインカラミ 205.76 64.28 141.48
3 周  藤      集 ID学園高等学校 201.12 70.59 130.53
4 垣  内  珀  琉 ひょうご西宮FSC 197.97 68.64 129.33
5 西  野  太  翔 神奈川FSC 195.71 63.52 132.19
6 田  内  誠  悟 富士FC 195.19 66.24 128.95
7 蛯  原  大  弥 明治神宮外苑FSC 189.39 64.24 125.15
8 高  橋  星  名 木下アカデミー 188.98 62.93 126.05
9 森  本  涼  雅 木下アカデミー 188.86 63.58 125.28
10 朝  賀  俊太朗 大阪スケート倶楽部 178.80 52.85 125.95
11 菊  地  竜  生 明治大学 177.55 60.01 117.54
12 山  田  琉  伸 早稲田大学 175.09 59.84 115.25
13 名  倉  一  裕 大阪スケート倶楽部 173.08 61.01 112.07
14 森  遼  人 MFアカデミー 172.45 60.80 111.65
15 三  島  舞  明 愛知みずほ大瑞穂高 171.40 60.70 110.70
16 織  田  信  義 大阪スケート倶楽部 167.13 58.31 108.82
17 岡  崎  隼  士 蒼明学院中等部 167.09 58.28 108.81
18 小河原  泉  颯 倉敷FSC 166.95 57.57 109.38
19 花  井  広  人 邦和みなとスケート部 164.14 53.97 110.17
20 加  藤  海  里 目黒日本大学高等学校 162.52 58.26 104.26
21 堀  野  伊  織 八戸FSC 157.29 54.10 103.19
22 大  村  健  太 岡山FSC 157.08 52.66 104.42
23 小  島  志  凰 浪速中・高スケート部 143.81 52.33 91.48
24 佐  藤  和  那 邦和みなとスケート部 142.14 56.53 85.61

中村俊介選手が初優勝。悲願の世界ジュニア代表を決めました。212.42は国内のジュニアルールの試合では自己最高スコアですが、国際大会では2度これより高いスコアを出しています。

2位にはジュニアグランプリファイナルを決めている中田璃士選手。ショートでコンビネーション失敗にルッツeで出遅れたのはあまりにも大きかったです。世界ジュニア確定はお預け。ただ、それでも非常に優位な立場は確保しました。

3位は初の200点到達で周藤集選手が表彰台に乗りました。今回はショートフリーでトリプルアクセル3本をGOEでわずかなマイナス程度までに抑えてすべて降りました。今期はジュニアグランプリの派遣がありませんでしたが、この表彰台で世界ジュニアの可能性が見えてきました。さすがに三浦佳生選手の出戻り世界ジュニア再、は無いと思われますので、ここの3位は大きいです。

垣内珀琉選手が4位。197.97は国内での自己最高スコアですが、今期はジュニアグランプリで表彰台に乗った試合で200点を超えています。フリー冒頭の4回転トーループ。ジュニアグランプリでは決めていたのですが今回は転倒。決まっていれば表彰台、加点得てれば2位までありました。

ジュニア1シーズン目の西野太翔選手は5位。初めてショートフリー、2本のトリプルアクセルを下りました。195.71は自己最高スコア。ショートでスピンノーバリューかつ転倒-1が痛くて、そこをしっかりできていれば表彰台もありましたが、そこまで望むのは贅沢でしょうか。初の全日本を決めました。

6位の田内誠悟選手も195.19は自己最高スコア。高難度ジャンプを入れずにショート4位からリードを守って全日本進出です。

ジュニアグランプリ2戦表彰台の蛯原大弥選手は7位。フリー冒頭トリプルアクセルがダウングレードの転倒で始まり、冷や冷やの展開でしたが際どく逃げ切って全日本進出。ジュニアグランプリの表彰台を見ていると全日本は出て当たり前に感じてしまうのですが、昨季の全日本ジュニア28位ショート落ちですから、そこから考えれば大躍進です。

昨季のノービスチャンピオン高橋星名選手が際どく8位に入りました。フリーでトリプルアクセル2本目の転倒から危うい展開になりましたが、昨季の9位から1つ上がってぎりぎり8位の全日本進出です。

9位はわずか0.13差で森本涼雅選手。ショートは7位 フリーもほぼミスらしいミスのない演技だったのですが、それでも届かずの9位。昨年は11位、2年前は枠が6つの時代で7位。どうしても際どく届かない全日本。今大会の枠は8 0.13差で届きませんでした。

 

○上位6選手のフリーの構成

  中村俊介 中田璃士 周藤集 垣内珀琉 西野太翔 田内誠悟
1 4T 4T 3A+1Eu+2S 4T< 3A 2A
2 3A 3A+3T 3A 3Lo 3F! 3F+3T
3 3Lz+1Eu+3S FCSp4 3Lz 3Lz+3T+2T 3Lz 3Lz!
4 CSSp4 3F FSSp4 FCSp4 3Lo FCCoSp4
5 3Lo 3Lo+2A+SEQ 3Lz+3T 3F!+2A+SEQ FCSp4 3Lo+2T
6 3F! 3F+1Eu<<+2S 1Lo+2A+SEQ 3S CSSp3 FSSp2
7 FCCoSp4 3Lo 3Lo 2A+3T 3Lz+1Eu+3S 3F
8 ChSq1 CSSp3 3F ChSq1 3F!+2A+SEQ 3S
9 3Lo+2T ChSq1 CCSp4 3Lz 3T+2T 1A+1Eu+3S
10 3Lz+2A+SEQ 2A ChSq1 CSSp4 ChSq1 ChSq1
11 CCoSp4 CCoSp3V CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4 CCoSp4
Base 68.87 62.53 61.90 64.67 63.68 54.25
TES 67.34 68.89 62.44 63.90 68.75 59.52
PCS 69.27 72.59 68.09 66.43 63.44 69.43
Total 135.61 141.48 130.53 129.33 132.19 128.95

4回転を構成に入れたのは中村俊介選手、中田璃士選手、垣内珀琉選手。決めたのは中村選手と中田選手でした。垣内選手はトリプルアクセルなし。田内選手もトリプルアクセルありません。高難度無しなこともあり田内選手は基礎点がやや他の選手より劣ります。中村選手は基礎点1位ですが、コンビネーションで3T付けられれば70点に乗せられていました。

2回飛ぶジャンプは中村選手がルッツとループ、中田選手はフリップとループ、周藤選手はトリプルアクセルとルッツ、垣内選手はルッツとトーループ、西野選手はルッツとフリップ、田内選手はフリップとサルコウです。中田選手はサルコウが2回転になりルッツは最初からなしなので、印象ほど基礎点が出ていません。

中村選手と西野選手はフリップに!が付き、田内選手はルッツに!が付きました。女子と比べるとルッツフリップのエッジエラーは少なめに見えます。

中村選手、周藤選手、垣内選手はスピンオールレベル4でした。

最後の要素は全員足替えのコンビネーションスピン。よく見る光景、みたいなことになってしまいました。

 

○男子シングル ショートフリー合わせた要素別スコア(上位15名)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 中  村  俊  介 212.42 105.76 79.86 0.62 19.12 8.06
2 中  田  璃  士 205.76 106.91 68.87 3.57 19.29 7.12
3 周  藤      集 201.12 102.83 69.01 0.68 21.52 7.08
4 垣  内  珀  琉 197.97 99.00 71.62 -0.12 20.91 7.56
5 西  野  太  翔 195.71 94.24 75.37 3.07 16.86 7.17
6 田  内  誠  悟 195.19 102.50 60.98 4.54 19.85 7.32
7 蛯  原  大  弥 189.39 95.42 65.30 1.97 20.53 7.17
8 高  橋  星  名 188.98 90.16 77.44 -5.54 21.56 6.36
9 森  本  涼  雅 188.86 93.08 66.43 3.39 19.60 6.36
10 朝  賀  俊太朗 178.80 98.42 55.57 -2.27 19.59 8.49
11 菊  地  竜  生 177.55 88.42 73.74 -4.74 15.17 5.96
12 山  田  琉  伸 175.09 87.66 66.43 -3.64 18.96 5.68
13 名  倉  一  裕 173.08 86.42 57.17 2.10 19.76 7.63
14 森  遼  人 172.45 87.92 57.92 -0.22 21.27 6.56
15 三  島  舞  明 171.40 84.52 73.48 -6.73 16.33 5.80

PCSは中田璃士選手が1位、僅差で中村選手が続きます。周藤選手、田内選手まで100点超えました。

ジャンプの基礎点は中村選手が1位ですが、高橋星名選手が2番目にいます。中田選手はミスも目立ってジャンプの基礎点は伸びませんでした。

加点の方は安定構成で滑った田内選手が1位です。あまり大きく稼いだ選手はいませんでした。

スピンは高橋星名選手が1位です。ただ、21点台の1位はちょっと寂しいです。中村選手、中田選手は20点に届いていません。これはもう少し欲しかったように感じます。

ステップ系要素は総合10位の朝賀俊太朗選手が8.49出して1位。コレオで+2.714の高評価を受けていました。

 

男女とも木下アカデミーのエースが優勝、という形で全日本ジュニアは幕を閉じました。島田麻央選手、中村俊介選手は事実上世界ジュニア代表内定です。また、ユースオリンピックの代表も決まりました。女子は島田麻央選手と髙木謡選手。上薗選手は年齢が足りず対象となりません。櫛田選手は全日本ジュニアは髙木選手の上でしたが、ジュニアグランプリの表彰台が無かった点で選考から外されたでしょうか。櫛田選手と柴山選手が補欠となります。男子は中田璃士選手と垣内珀琉選手が代表です。中村俊介選手は年齢オーバーで対象外。周藤選手は今大会は垣内選手の上でしたが、ジュニアグランプリ派遣が無かったことで、ジュニアグランプリ表彰台がある垣内選手が選ばれたようです。補欠は周藤選手と西野太翔選手になりました。

全日本進出選手も決まりましたが、もやもやしてしまうのは女子。枠が2つ余る形となりました。推薦選手が7人、ということですが、シードの島田麻央選手を推薦と呼ぶのはちょっと言葉の整合性が合わないような気がまずします。そこは言葉の問題だけといえばそうなのかもしれませんが、以前、樋口新葉選手がジュニアから表彰台に乗ってシード枠もらっていた時は、ジュニアからの推薦は樋口選手を除いてきっちり6枠ありました。また、ノービス勢が上位6位までに入るというのは結構頻発していた時代もあり、それこそ島田選手が3位表彰台に乗っても関係なく、ジュニアからの全日本推薦は6枠あって、7位でも全日本に出られました。昨季からシニアからの進出の余枠が8、つまりジュニアから8人進めるとみられていたのが今期は結局シード除くと6 なんだかもやもやする結果になりました。

違和感はあったんですよ、試合を見ていて。横井きな結選手、岡万佑子選手あたりは、得点が出た時点で、8枠あるルールなら全日本進出が決まる結果になっていた。なので、もう少し喜んでもいいように思えたのですが、パーソナルベストを出した岡選手はまだ納得はしている風に見える部分もありましたが、横井選手は、やってしまった、みたいな雰囲気を出していて、非常に不思議でした。選手たちにはシードもノービスも関係なく8位以内が全日本、ということが伝えられていたのでしょうか。特に女子で30枠埋めないことは、強化の面で見ても興業的に見ても価値が無いように感じるのですがどうなんでしょうか。

いずれにしても全日本ジュニアは終了。ジュニアグランプリファイナル組を除けば、次はいよいよ全日本ということになります。