ジュニアグランプリシリーズ5戦目はブダペスト。ファイナル進出者もだいぶ顔触れがそろってきました。
○女子シングル 上位15人
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Jia SHIN | KOR | 200.74 | 66.25 | 134.49 |
2 | Yuseong KIM | KOR | 176.98 | 60.03 | 116.95 |
3 | Ayumi SHIBAYAMA | JPN | 176.59 | 61.65 | 114.94 |
4 | Anastasia BRANDENBURG | SUI | 175.51 | 57.15 | 118.36 |
5 | Sherry ZHANG | USA | 170.65 | 59.31 | 111.34 |
6 | Stefania GLADKI | FRA | 164.13 | 58.52 | 105.61 |
7 | Iida KARHUNEN | FIN | 162.55 | 56.01 | 106.54 |
8 | Shiqi GAO | CHN | 160.56 | 60.40 | 100.16 |
9 | Inga GURGENIDZE | GEO | 159.85 | 54.32 | 105.53 |
10 | Polina DZSUMANYIJAZOVA | HUN | 155.95 | 59.95 | 96.00 |
11 | Anna PEZZETTA | ITA | 155.84 | 61.12 | 94.72 |
12 | Yihan WANG | CHN | 155.28 | 60.43 | 94.85 |
13 | Haruna MURAKAMI | JPN | 154.62 | 57.51 | 97.11 |
14 | Mia RISA GOMEZ | NOR | 146.45 | 45.17 | 101.28 |
15 | Hannah FRANK | AUT | 136.98 | 50.85 | 86.13 |
2戦連続200点超えのシンジア選手が2戦2勝で順当にファイナルへコマを進めました。ショートではコンビネーションがアンダーローテーション付きましたがフリーはほぼミスのない演技で圧勝です。
2位には同じく韓国のキムユソン選手が入りました。こちらは2戦連続2位でのファイナル進出。初戦で決めたトリプルアクセルを今回も投入してきましたがそれは不発。混戦模様の上位のなかでそれ以上ミスが出ると危ういという展開でしたが、以降は課題のルッツでまたeが付いた以外はミスなく滑って2位に滑り込みました。
今期元気のなかった柴山歩選手がジュニアグランプリ2戦目で3位表彰台に戻ってきました。2位から12位まで5.64差と大混戦のショートを2位で折り返して、こういう時は逆に2位なことが難しいという試合でしたが、しっかり滑って3位表彰台です。
日本からもう1人、ファイナルを賭けた試合になった村上遥奈選手は今回はスコア伸びずに13位に終わりました。
○柴山歩選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 2A | 3.30 | 0.47 | 3.77 | 1.444 | ||
2 | 3Lz+3T | 10.10 | 1.10 | 11.20 | 1.889 | ||
3 | 3Lo | 4.90 | 0.98 | 5.88 | 1.889 | ||
4 | CCoSp4 | 3.50 | 0.60 | 4.10 | 1.667 | ||
5 | 3S | 4.30 | 0.86 | 5.16 | 2.000 | ||
6 | FCCoSp4 | 3.50 | 0.40 | 3.90 | 1.222 | ||
7 | ChSq1 | 3.00 | 1.50 | 4.50 | 3.111 | ||
8 | 3Lzq+3Tq | q | 11.11 | x | -1.77 | 9.34 | -3.000 |
9 | 3F+2T+2Loq | q | 9.13 | x | -0.83 | 8.30 | -1.444 |
10 | 2Aq | q | 3.63 | x | -0.47 | 3.16 | -1.333 |
11 | LSp4 | 2.70 | -0.54 | 2.16 | -2.000 | ||
TES | 59.17 | 2.30 | 61.47 |
序盤順調にすべって後半、q4つと耐えて耐えて乗り切ったのですが、最後のレイバックスピンのそのさらに最後の最後で尻もちつくような形で終わってしまい、結局その減点-1が致命傷で2位にはなれずに3位で終わった形でした。ただ、qが並んでも基礎点削られずに堪えた結果が僅差での表彰台につながったものでもありました。
構成的にはやりたいことは全部やれたという滑りになっています。スピンすべてレベル4 アンダーローテーションなし、ダウングレードなし、抜け2回転もなし。予定構成で全体として基礎点満額得ています。冒頭ダブルアクセルがトリプルアクセルになる日は来るか?
今回コレオシークエンスで+5を付けたジャッジがいました。初戦のオーストリアでもそうでしたが、昨シーズンまで平均GOEが+2台までだったコレオが今シーズンは+3台に上がっています。ショートフリーでステップ系要素で上げたスコアが9.40あり、これはシニアルールの試合を除くと過去最高です。滑りの質が上がってきているのでしょうか。
次戦は近畿選手権には免除なこともありエントリーしていません。そのまま10月末の西日本選手権ということになるかと思われます。
○村上遥奈選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 1Lz | 0.60 | -0.27 | 0.33 | -4.333 | ||
2 | 3S+3T | 8.50 | 0.18 | 8.68 | 0.444 | ||
3 | 2A | 3.30 | 0.52 | 3.82 | 1.444 | ||
4 | 3Fq | q | 5.30 | -1.06 | 4.24 | -2.000 | |
5 | LSp4 | 2.70 | 0.27 | 2.97 | 1.000 | ||
6 | 3S+3T | 9.35 | x | 0.92 | 10.27 | 2.000 | |
7 | FSSp4 | 3.00 | 0.56 | 3.56 | 1.889 | ||
8 | 3Lo< | F | 4.31 | x | -1.96 | 2.35 | -5.000 |
9 | 2A+2T+1Lo | 5.61 | x | -0.66 | 4.95 | -2.000 | |
10 | ChSq1 | 3.00 | 0.64 | 3.64 | 1.333 | ||
11 | CCoSp4 | 3.50 | 0.60 | 4.10 | 1.667 | ||
TES | 49.17 | -0.26 | 48.91 |
10位スタートではありながら3位まで3.61差。逆転を目指したフリーでしたが、冒頭ルッツが抜けたところでほぼ難しいかなあという様相になりました。冒頭に入らなかったら立て直す、という構想が最初からあったのでしょう、2つ目の要素でフリップに変えて得意のサルコウからの3-3を入れ、6番目の要素では当初からの予定のサルコウからの3-3ということで入れていき立て直していきますが、ループで転倒。最後の3連続も3つ目が1回転に、ということで立て直しきれませんでした。2回飛ぶジャンプは結局、サルコウ-トーループ3-3を2回飛ぶという少し珍しい構成になりました。本来はルッツとトーループが2回、というのが予定構成です。
優勝スコアは200点超えですのでちょっと遠いですが、2位は176.98 B級大会で参考スコアですが、今年春のトリグラフトロフィーでは183.71を出している選手です。届かないことはなかった。2位ならファイナル確定でしたのでもったいない試合ではありました。
今期これまで国内外の試合でルッツを10回飛んで決まっているのが1本だけ。これを立て直していかないとこの先少々苦しいでしょうか。
今大会は国際大会3試合目で初めてショートフリー通じてスピンオールレベル4となりました。ショートフリー合わせて得たスピンのスコア21.43は本人比で国内外すべての試合通じて最高のスコアでした。21点台は決して高いスコアではないですが、確実に伸ばしてきているとも言えます。
次戦は近畿選手権にエントリーしていますが免除券がありますので出場するかどうか。そこに出なければ次は順当にいけば西日本選手権ということになります。
○男子シングル 上位12名
Pl | Name | Nation | Total | SP | FS |
1 | Hyungyeom KIM | KOR | 222.15 | 72.61 | 149.54 |
2 | Naoki ROSSI | SUI | 204.79 | 67.10 | 137.69 |
3 | Haru KAKIUCHI | JPN | 200.82 | 66.95 | 133.87 |
4 | Adam HAGARA | SVK | 200.10 | 74.94 | 125.16 |
5 | Jacob SANCHEZ | USA | 198.67 | 65.15 | 133.52 |
6 | Konstantin SUPATASHVILI | GEO | 179.04 | 58.05 | 120.99 |
7 | Yudong CHEN | CHN | 178.88 | 62.03 | 116.85 |
8 | Matteo NALBONE | ITA | 163.98 | 51.91 | 112.07 |
9 | Matvii YEFYMENKO | POL | 163.83 | 57.93 | 105.90 |
10 | Georgii PAVLOV | SUI | 163.46 | 54.07 | 109.39 |
11 | Furkan Emre INCEL | TUR | 160.88 | 54.13 | 106.75 |
12 | David HOWES | CAN | 159.33 | 58.78 | 100.55 |
初戦2位を持っていた韓国のキムヒョンギョム選手がジュニアグランプリ初優勝。ファイナル進出確定となりました。4回転トーループを国際大会初成功。222.15はパーソナルベスト更新です。
2位には昨季世界ジュニア2位のナオキロッシ選手が入ってきました。初戦5位ですのでファイナルの可能性は極めて低い、という試合でしたがショート3位からフリーは我慢して我慢して2位に入ってきたというような試合展開でした。
日本から垣内珀琉選手が3位表彰台です。日本男子では今シーズン3人目の表彰台。本人としてももちろん初表彰台です。うれしい200点突破ともなりました。
初戦1位を持っていたスロバキアのハガラ選手は4位。ショート1位でしたのでフリーも順当に滑れば、というところでしたが3転倒。1位4位はグランプリシリーズならほぼファイナル当確なのですが、7試合あるジュニアグランプリではどうか? ここまで男子は優勝者がバラバラな展開できていて、エントリーから見て7試合すべて優勝者バラバラが確定しましたので、危ない可能性もあります。初戦2位を持っている韓国のイムジュホン選手が次戦で優勝や3位以下ならいいけれど、2位になってくるとハガラ選手が危なくなる可能性が出てきます。
○垣内珀琉選手のフリーの構成
Elements | BaseValue | GOE | Scores | AvGOE | |||
1 | 4T | 9.50 | 1.63 | 11.13 | 1.667 | ||
2 | 3Lo | 4.90 | 0.63 | 5.53 | 1.222 | ||
3 | 3Lz+3T | 10.10 | 0.84 | 10.94 | 1.444 | ||
4 | FCSp4 | 3.20 | -0.37 | 2.83 | -1.222 | ||
5 | 3F | 5.30 | 0.53 | 5.83 | 1.111 | ||
6 | 3S+2A+SEQ | 8.36 | x | 0.18 | 8.54 | 0.556 | |
7 | 2A+3Tq+1T | q | 8.69 | x | -1.50 | 7.19 | -3.556 |
8 | 0.00 | 0.00 | 0.00 | ||||
9 | ChSq1 | 3.00 | 0.79 | 3.79 | 1.556 | ||
10 | 3Lz | 6.49 | x | -0.84 | 5.65 | -1.333 | |
11 | CSSp3 | 2.60 | 0.19 | 2.79 | 0.556 | ||
12 | CCoSp4 | 3.50 | 0.15 | 3.65 | 0.333 | ||
TES | 65.64 | 0.60 | 67.87 |
4回転トーループをISU公認試合で初めて成功させました。本人それほど喜んだ風には見えなかったですが、国内では昨年の近畿選手権から何度か降りていまし、前回のオーストリアでもコンビネーションの1つ目としては降りていてコンビネーションの後ろがうまく宇はいらなかった、というものでしたので、本人的には初めて飛べた喜び、みたいなものは特になかったのかとも思います。
8番目の要素として謎の空欄がありますが、これは、7番目の要素が3連続になっていますが、最初は3つ目のトーループが別要素扱いされていたためです。これが別要素扱いされたままだと10番目のトリプルルッツが零点になるので非常に危ないところでした。
2回飛ぶジャンプはルッツとトーループ。4回転入りましたがトリプルアクセルは無しです。
トータル200.82と初の200点超え。これまでのベストは180.51 国内参考でも191.04が最高ですので大幅ベスト更新です。うれしいジュニアグランプリ初表彰台となりました。
ジュニアグランプリはこれで2戦終了。初戦は7位でしたのでファイナル進出はありません。次週の近畿選手権へ免除でエントリーもしていませんので、次戦は西日本選手権になると見込まれます。
次週は6戦目、ポーランドのグダンスクです。女子は初戦2位の上薗恋奈選手が韓国のクォンミンソル選手やユンソジン選手らと優勝あるいは表彰台を争い、ファイナルを目指します。男子は初戦3位の蛯原大弥がやはりファイナル進出を目指す試合です。なぜか男女とも1枠のエントリー。2枠目に入っていた和田薫子選手や三島舞明選手がエントリーから外れています。