世界ジュニア24女子シングル1

今期もシーズン終盤に入ってきました。もうコロナ中止の心配はしなくていいのかな。ちゃんとあります世界ジュニア。7年ぶりに台湾開催。観客ちゃんといます。

世界ジュニアは男女それぞれ別エントリーで見ていきます。まずは女子シングルです。

初回は試合展開の振り返りだけです。

 

○女子シングル フリー進出24名

Pl Name Nation Total SP FS
1 Mao SHIMADA JPN 218.36 72.60 145.76
2 Jia SHIN KOR 212.43 73.48 138.95
3 Rena UEZONO JPN 194.70 61.96 132.74
4 Iida KARHUNEN FIN 186.32 64.64 121.68
5 Ikura KUSHIDA JPN 180.97 66.61 114.36
6 Anastasia BRANDENBURG SUI 177.36 62.57 114.79
7 Sarina JOOS ITA 174.73 57.66 117.07
8 Sherry ZHANG USA 174.04 58.57 115.47
9 Stefania GLADKI FRA 173.84 58.65 115.19
10 Lulu LIN CAN 173.71 57.12 116.59
11 Elina GOIDINA EST 172.89 63.03 109.86
12 Inga GURGENIDZE GEO 172.87 62.28 110.59
13 Maria Eliise KALJUVERE EST 170.96 55.62 115.34
14 Anthea GRADINARU SUI 170.84 57.85 112.99
15 Yuseong KIM KOR 170.80 59.58 111.22
16 Yujae KIM KOR 167.84 54.98 112.86
17 Phattaratida KANESHIGE THA 166.32 54.01 112.31
18 Jana HORCICKOVA CZE 164.22 58.33 105.89
19 Polina DZSUMANYIJAZOVA HUN 162.39 53.35 109.04
20 Josephine LEE USA 161.74 54.33 107.41
21 Kaiya RUITER CAN 161.19 54.62 106.57
22 Sophia SHIFRIN ISR 159.77 53.84 105.93
23 Yu-Feng TSAI TPE 158.90 56.30 102.60
24 Noelle STREULI POL 155.39 53.38 102.01

ショート終わった時点でシンジア選手が首位。島田選手は0.88差の2位です。3位が櫛田選手で2位と5.99差ありますので、上2人が少し抜けている展開でした。優勝争いは一騎打ち。一方で、3位から8位まで4.66差と表彰台争いは多くの選手に可能性があり、8位の上薗選手も十分にチャンスがある。9位のキムユソン選手も3位と7.03差は少し大きいですが、トリプルアクセルの一発があるのでこのあたりまでチャンスがありそう、という展開でした。

フリーの第一グループは、タイのカネシゲ選手がトリプルアクセル入れてくるか注目されましたが今季はアクセル封印しての安全運転、一方、コンボ全後半で基礎点伸ばして112.31のトータル166.32 まずまずのスコアを出してきます。

第二グループには地元台湾でジュニアグランプリシリーズで表彰台にも乗っているユーフェンツァイ選手が出てきます。ショート16位で10位と2.35差。ノーミスなら来期台湾2枠もあるか、という位置。地元声援は盛り上がりますが、ほとんどのジャンプがすっきり決まらず102.60でトータル158.90 ジュニアグランプリシリーズの再現はなりませんでした。

続いて韓国のキムユジェ選手。昨季はトリプルアクセル決めての4位。ここでもその再現で上位進出したいところですがダウングレードの転倒という最悪の出だし。続いて苦手のフリップでショートに続いてeが付く苦しい展開。以降は立て直しましたが112.86は本人としては不本意な出来でトータル167.84 この時点で4位 上位進出はならず。

前半終わって首位はヨーロッパ選手権で8位にも入っているイタリアのサリナヨース選手が174.73 2位には大幅自己ベスト更新でカナダのルルリン選手が173.71が続きます。1人で2枠の10位以内はこのあたりのスコアがターゲットになってきます。

 

第3グループにもトリプルアクセル持ちが2人。先に出てきたのはジョージアのグルゲニゼ選手。冒頭トリプルアクセルはダウングレードの転倒という最悪の出だしながら、2つ目も跳びに行ってアンダーローテーションでステップアウトしながらも立ちます。以降は次々ジャンプを決めて行ったものの110.59でトータル172.87は8人残して5位。トップ10入りは難しい情勢になります。

続いてショート9位の韓国キムユソン選手。逆転表彰台が狙える位置ですが、その前に韓国はまず3枠確保がしたい。そのためにはシンジア選手が2位以内とすると11位には入っておきたくて、7人残して4位以内なら、ということで最低ターゲットスコアは114.14 トリプルアクセルは転倒。ただ基礎点満額入ったのでまだ想定内。痛かったのはルッツのeと後半フリップのダウングレード転倒。結局111,22でトータル170.80は7人残して8位。トリプルアクセルキム姉妹は2人ともショートフリー共にシーズンワーストという苦しい試合展開で韓国3枠は非常に厳しい情勢となります。

 

第3グループ最終滑走は上薗恋奈選手。怪我で全中欠場、ショートでも転倒、非常に心配されたフリーですが、流石の実力者。全要素全ジャッジプラス評価の全要素平均GOE+2以上。割と!つきがちな心配のフリップもクリーンに決めて132.74はパーソナルベスト更新、完璧演技でトータル194.70 国際大会3大会続けて190点台を出して首位に立ち、最終グループを待ちます。日本来期3枠はこれでほぼ確定。

最終グループ1番滑走はジュニア1年目、ジュニアグランプリシリーズの出場もなかったのにショートノーミスの63.30であっと言わせたエストニアのゴイディナ選手から。冒頭2つのジャンプが決まらずショートの再現とはいかずの109.86 トータル172.89 170点台前半の混戦に巻き込まれてこの時点で6位に終わります。

昨季26位のショート落ちだったフィンランドのカルフネン選手が2番滑走。ジャンプノーミス。終盤のスピンで1つミスが出ましたが軽い失点で収まって121.68のパーソナルベスト。トータル186.32で4人残して2位。昨季のリベンジ大成功。

続いてショート6位のスイス代表ブランデンブルク選手。首位に立つには132.14が必要で少し厳しいという情勢。後半ルッツ転倒が痛く114.79 トータル177.36で3人残して3位。スイス来期2枠を守ります。

 

残り3人。ショート3位の櫛田育良選手登場。首位に立つターゲットスコアは128.10 国内ローカルのシニアの試合でなら128.94を出したことあるけれど、ジュニアルールだと全日本ジュニアの124.82が最高。人生最高が表彰台には必要、という局面。チャンスはありました。冒頭のコンビネーションをセカンド2回転に抑えて乗り切り次の3S+3Tをクリーンに決めます。欲が出たか、リカバリー3Tどこで入れるか迷ったか、単独ダブルアクセルで転倒。動揺せずに次のスピンをしっかりレベル4取りますが、その次のループで転倒。2転倒で表彰台は届かず、114.36でトータル180.97 パーソナルベストにはなりますが2人残して3位。大魚を逸したと見るか、いい経験と見るか。日本の来期3枠は島田選手登場前に決まりました。

 

真打登場、島田麻央選手。シンジア選手より先に出てきているのでターゲットスコアはわかりません。ただ、2転倒すると多分勝てないだろうな、というのが想像できる。そんな中、確率高く決まっていた冒頭のトリプルアクセルがステップアウト。これは確率低い4回転で危ないか、と思われたのですが、ジュニアグランプリファイナルに続いてこの4回転トーループを決めます。以降、ジャンプ決めていくのですが中盤はやや硬かったでしょうか、いつもよりGOEはやや少なめ。しかし、ジャンプ終えた最後の2つのスピンは圧巻。145.76はシーズンベストでトータル218.36 首位に立って最終滑走を待ちます。

最終滑走シンジア選手。優勝するには144.89が必要。ベストは2期前の世界ジュニアの136.63 ナショナルでよければ149.28まで出したことがあります。それでも落ち着いた滑りで序盤から高加点を引き出していきます。ただただすごい、という演技でしたが、最後のスピン、フライングというか着地というかがうまくいかず、そこだけミスが出ました。フリー138.95 トータル212.43 どちらもパーソナルベストですが届かず2位。3大会連続の2位表彰台となりました。

 

結局日本は当然の3枠ながら韓国は2枠にとどまります。7位の174.73から15位の170.80まで3.93の僅差の中に9人がひしめき合って、その中で15位16位、と残念な結果になったキム姉妹。姉のユソン選手があと2.10稼いでいれば3枠残りました、来期の自分たちのために非常に痛い結果です。

ショートの通過ラインも53.35 日本人選手でもジャンプ2つミスするとショート落ちがあるという怖いレベルに世界ジュニアもなってきています。