全日本選手権23 女子レビュー2

全日本選手権のレビュー、最後は女子シングルの数値編です。男子と同様に振り返っていきます。

 

○シニアコース上位6選手のショートプログラム構成

 

坂本

花織

千葉

百音

三原

舞依

渡辺

倫果

吉田

陽菜

山下

真瑚

1 2A 3F+3T 2A 2A 3Aq 2A
2 3Lz 2A 3Lzq+3Tq 3Lz 3Lzq+3T< 3Lz+3T
3 FCSp4 FCSp4 FSSp4 CSp4 SSp4 SSp4
4 3F+3T 3Lz 3F! 3Loq+3T< 3Lo FCSp4
5 LSp4 CCoSp4 CCoSp4 FSSp4 FCSp4 3F!
6 StSq4 StSq2 StSq4 CCoSp4 StSq4 StSq4
7 CCoSp4 LSp4 LSp4 StSq4 CCoSp4 CCoSp4
Base 32.95 31.29 32.33 31.29 35.75 32.33
GOE 8.82 5.99 2.78 2.25 -3.28 5.24
PCS 37.01 30.74 32.59 30.12 31.26 32.35
Total 78.78 68.02 67.70 63.66 62.73 69.92

上位6選手ではなく、シニアの選手でトータルスコアの上位6人のショートプログラムを並べています。

シニアでトリプルアクセルを入れてきたのは吉田選手のみ。転倒してqもつきましたが基礎点は満額入っていますので十分許容範囲だったかと思われます。

セカンド3回転は全員が標準装備。後半に入れたのが坂本選手と渡邊選手ですが、渡辺選手はアンダーローテーションとqが並んで十分なスコアは得られませんでした。ルッツとフリップの選手が多いですが、渡辺選手と吉田選手はフリップ無しでループが入っています。

スピンは全員オールレベル4 ステップは千葉選手だけレベル2が付いていますが後はレベル4です。

基礎点は吉田選手が高いですがジャンプが十分決まらずGOEがマイナス。渡辺選手と千葉選手は基礎点削られる要素があって31点台の基礎点になっています。GOE高いのは坂本選手、次いで千葉選手山下選手も高いGOEを稼ぎました。基礎点寄りGOEで差が付くのがショートプログラムなようです。そしてGOEよりもPCSの差が大きく、坂本選手だけ平均9点超えしています。他は30点台から32点台と大きな差は付いていませんが、三原選手が高く、次いで、出来もよく滑走順も遅かった山下選手の評価が高かったです。

 

○シニアコース上位6選手のフリーの構成

 

坂本

花織

千葉

百音

三原

舞依

渡辺

倫果

吉田

陽菜

山下

真瑚

1 2A 3F+3T 2A+3T 3Aq 1A 3Lz+3T<
2 3Lz 2A 3Lz+2A 3Lo+3T 2A+3T 3F!
3 3S 3S 3F!q 3F 3Lo 3Lo<
4 CCoSp4V CCoSp4 3S 3Lzq+2A FCCoSp4 FCSp4
5 StSq4 3Lo FSSp4 FCSp4 3F! 2A
6 3F+2T ChSq1 CCoSp3 ChSq1 3Lz+3T ChSq1
7 FSSp4 3F+2T+2Lo 3Lo+2T+2Lo 3Lzq ChSq1 3Lz<+3T<
8 3F+3T 3Lzq+2A 3Lzq 2A+1Eu+3S 3Lz 2A+2T
9 2A+3T+2T FCCoSp4 3Lo 3Lo 3S+2A+2T 3S
10 ChSq1 3Lz! ChSq1 CCoSp4 CCoSp4 SSp4
11 3Lo StSq4 StSq4 StSq4 StSq4 StSq4
12 FCCoSp3V LSp3 FCCoSp4 FSSp4 SSp3 CCoSp4
Base 60.40 64.04 63.27 68.99 62.19 56.56
GOE 16.88 10.46 3.95 1.33 6.66 2.52
PCS 77.06 66.75 64.64 61.90 62.64 64.15
Total 154.34 141.25 131.86 131.22 131.49 122.23

フリーはトリプルアクセルを入れたのがこの中から2人。渡辺倫果選手は転倒しましたが基礎点満額入ったものの、吉田陽菜選手は抜け1回転半になります。この差が順位につながりました。トリプルアクセルを平均GOE+1.5以上で決めていれば計算上は3位表彰台だったことになります。

2本飛んだジャンプは坂本選手はフリップとトーループ、千葉選手はルッツとフリップ、三原選手、渡辺選手はルッツとループ、吉田選手に山下選手はルッツとトーループです。ルッツフリップ2本立ての千葉選手が基礎点高く64.04まで出ました。トリプルアクセル入れて基礎点すべて取った渡辺選手がそのさらに上、68.99まで出しています。出来はいまいちな要素がありましたが、この基礎点の高さで4大陸までは勝ち取りました。山下選手は回転不足が目立ったことで点が伸びませんでした。

スピンステップオールレベル4は渡辺選手と山下選手です。一方、坂本選手は今回Vが嵩みました。そこをしっかりレベル4で並べれば156点くらいまでは出る計算です。

PCSは坂本選手だけ異次元ワールドに飛んでいて、他の選手と10点以上差が付きました。千葉選手が66点台。三原選手と山下選手も64点台で平均8点に乗せています。ワールド経験のある渡辺選手、61点台はもう少し欲しかったでしょうか。

 

○シニアコースの7~12番目の選手のフリーの構成

 

青木

祐奈

住吉

りをん

江川

マリア

樋口

新葉

河辺

愛菜

松生

理乃

1 3Lz+2Lo 2A+3T 3Lz! 3Aq 2A+3T 3Lo
2 3S 4T<< 3F+2T 3Lzq+3Tq 2Lz 3Lz!<
3 2A+1Eu+3Fq FCCoSp3 3Lo 3Lo 3Lo< 2A
4 3T 3Lz FSSp4 2S 2A+2T+2T FCCoSp4
5 FCSp4 3Lo 2A+3T+2T CCoSp4 FCSp3 2A
6 2A StSq4 CCoSp4 3Lz+2T+2Lo 2F!+3Tq StSq3
7 3Lz+2T 3F+3T ChSq1 3Lo+2A 3F!< 3Lz!<+3T<+2T
8 3F 3S+2A+2T 2A+3T 1F! 3S 3F<<
9 CCoSp4 3F<< 3Fq FCSp3 CCoSp3V 3S+2T
10 ChSq1 LSp4 3S StSq4 SSp3 ChSq1
11 StSq4 ChSq1 StSq4 ChSq1 StSq3 CCoSp4
12 LSp4 CCoSp4 LSp4 LSp3 ChSq1 LSp3
Base 58.55 60.82 61.11 59.26 48.86 50.38
GOE 6.05 6.14 5.29 2.01 1.41 2.58
PCS 65.97 62.56 59.70 62.43 62.19 63.41
Total 130.57 128.52 126.10 122.70 112.46 115.37

このあたりは世界選手権、4大陸をあわよくば、と狙っていた選手たちです。住吉りをん選手の4回転はダウングレードの転倒となりました。転倒でも基礎点満額あればいいのですが、ダウングレードだと痛いです。樋口選手はトリプルアクセル入れてこれも転倒。ただ基礎点満額入りましたのでこちらは許容範囲だったかと思います。青木祐奈選手はセカンド3Loが今回はショートフリー共に入らず。ただ、3連フリップはqつきながらも決め、GOE±0をもらっています。

スピンステップオールレベル4は青木祐奈選手、江川マリア選手と取りました。2人とも印象のいい演技で、その辺の出来の良さがレベルを取っていたところともつながっているようです。

2回飛ぶジャンプは青木選手はルッツとフリップ、住吉選手と江川選手はフリップとトーループ、樋口選手と松生選手はルッツとトーループ、河辺選手はトーループだけになりましたがフリップも2回飛ぶ予定でした。青木選手はセカンドループが2回転になったことで3回転ループが入っておらず、その分基礎点低くなっています。

この領域の選手は全員GOEプラスは確保しました。加点幅は住吉選手が高いです。4回転トーループのダウングレード転倒あってのこの加点ですので、1つ1つの要素は上位の選手と遜色なかったと言えます。

PCSは青木選手が65.97で平均8点超え。14番滑走でしたがPCSは3位。高い評価を受けていました。国際経験のない江川選手はここの評価は周りの選手より少し低く抑えられています。

 

○ジュニアコースでフリーを滑って6名のフリーの構成

 

島田

麻央

上薗

恋奈

横井

きな結

柴山

村上

遥奈

髙木

1 3A 3Lz+3T 2A 2A+3T 3Lz< 3Lz+3T<
2 4T< 3Lo 3Lz 3Lz!+3Tq 3S+3T 2A+3T
3 3Lz+3T 3F+2T 1Lo 3Lo 2A 3Fe
4 FCCoSp4 3S 3F! CCoSp4 3F!< FSSp3
5 3F+2A LSp4 FSSp4 StSq2 FSSp4 1S
6 3S+3T+2T FSSp4 LSp4 3S ChSq1 3Lz<
7 StSq3 3Lz StSq3 FCCoSp3 3S+3T FCCoSp4
8 1Lo 3F! 3T+2T ChSq1 3Lo ChSq1
9 ChSq1 StSq3 3Lz+2T 3Lz! 2A+2T+2Lo 3Lo<
10 3Lz 2A+2A+2T 3T+1Eu+3S 3F+2T+2Lo CCoSp2 2A+2T+2Lo<<
11 CCoSp4 ChSq1 ChSq1 2A StSq3 StSq3
12 LSp4 CCoSp4 CCoSp4 LSp4 LSp2 CCoSp3V
Base 67.14 62.41 54.37 60.85 56.13 51.16
GOE 9.10 10.54 3.91 2.24 0.20 -6.69
PCS 61.71 61.52 55.03 55.20 49.40 50.83
Total 136.95 134.47 113.31 118.29 105.73 93.30

ジュニア組は大きな差が付きました。

高難度いれたのは島田選手のみで、トリプルアクセルは成功。4回転トーループはアンダーローテーションの転倒となりました。

2回飛ぶジャンプは島田選手、横井選手、柴山選手、髙木選手がルッツとトーループ、上薗選手はルッツとフリップ、村上選手がサルコウトーループです。ジャンプの基礎点は上薗選手、柴山選手はすべて獲りました。その分60点台に乗せています。

島田選手はループ抜けてステップレベル3ですが基礎点67.14と全体2位です。横井選手はループの抜けとダブルアクセルが1本余る構成なことで基礎点が50点台前半となっています。村上選手は回転不足2つ、髙木選手は回転不足4つに抜け1回転あり、eあり、と基礎点だいぶ削られました。

加点は上薗選手と島田選手が高いです。髙木選手は苦しみました。上薗選手の+10.54は坂本選手に次ぐ全体2位でした。

ジュニアからステップレベル4を取った選手が女子は無し。ショートでは髙木選手がレベル4を取っていました。

スピンオールレベル4は島田選手、上薗選手、横井選手が取っています。島田選手横井選手はショートフリーすべてレベル4です。

PCSは島田選手と上薗選手が60点台に乗せています。柴山選手と、国際経験のない横井選手が55点台。村上選手、髙木選手は伸びませんでした。

 

○ショートフリー合わせた要素別のスコア(フリー進出24人)

Pl Name Total PCS J Base J GOE Spin Step
1 坂本花織 233.12 114.07 65.27 16.22 21.70 15.86
2 千葉百音 209.27 97.49 67.03 7.78 24.13 12.84
3 島田麻央 202.18 92.26 69.63 4.44 25.44 12.41
4 上薗恋奈 200.69 90.88 66.20 9.12 22.14 12.35
5 三原舞依 199.56 97.23 66.10 -1.71 23.09 14.85
6 渡辺倫果 194.88 92.02 70.68 -1.41 21.38 13.21
7 吉田陽菜 194.22 93.90 68.84 -2.82 21.62 13.68
8 山下真瑚 192.15 96.50 59.69 1.45 21.36 14.15
9 青木祐奈 192.01 96.99 58.71 -0.33 22.54 14.10
10 住吉りをん 185.22 92.63 59.87 -2.28 23.01 12.99
11 江川マリア 184.65 87.45 63.45 -0.73 22.80 11.68
12 樋口新葉 180.67 93.79 57.77 -4.07 21.08 14.10
13 河辺愛菜 179.71 94.06 54.64 -1.24 18.52 13.73
14 横井きな結 175.80 82.67 57.31 3.61 21.49 10.72
15 柴山歩 175.72 82.70 64.04 -1.72 20.75 9.95
16 三宅咲綺 175.06 86.30 57.96 -1.32 21.24 11.88
17 松生理乃 174.34 95.24 53.47 -3.59 18.72 12.50
18 清水咲衣 169.12 79.26 59.98 -2.09 19.88 12.09
19 村上遥奈 158.86 74.00 59.80 -2.48 17.76 10.78
20 鈴木なつ 155.67 76.73 43.44 1.08 22.43 11.99
21 大庭雅 150.03 77.20 52.85 -8.33 19.70 10.61
22 白岩優奈 148.63 81.33 42.69 -2.28 17.36 10.53
23 髙木謠 148.39 78.32 52.24 -10.84 18.64 12.03
24 石田真綾 142.88 73.44 43.63 -2.28 20.83 9.26

こう並べると坂本選手のPCSの突出ぶりが目立ちます。100点超えたのは1人だけです。千葉選手、三原選手、青木選手に山下選手までが平均8点超えです。

ジャンプの基礎点は渡辺倫果選手が1位です。島田選手はショートフリー共にミスがあって2番目になります。吉田選手が3番目でノーミス千葉選手が4番目。これくらいのジャンプの基礎点差なら高難度入っていない選手も出来栄え勝負に十分持ち込めます。とはいえ坂本選手以外は、その出来栄えで島田選手に勝つのがなかなか難しいという現実はあったりしますが、今回はそれが出来たのが千葉選手でした。

ジャンプの加点は坂本選手1位で上薗選手が2位です。ジャンプで得たスコアは上薗選手が島田選手を上回りました。ジャンプトータルでGOEプラスにするのは結構難しいのですが、中位以下では横井きな結選手が+3.61入っているのが目立ちます。失礼ながら今大会の大健闘度で言えばトップクラスだったと思います。今回山下選手、上薗選手と名古屋勢頑張った印象です。

スピンは島田選手が25点台でトップ。ジャンプにミスが出てもスピンにミスは出ず常に高い点を出してきます。あまり出したくない名前ですが、ワリエワさんがそういう選手でした。

千葉選手が24点台で続いて、他は23点台以下です。坂本選手はV嵩んでスピンのスコアは伸びていません。

ステップ系要素はさすがの坂本選手が15点台後半で1位。三原選手が14点台後半で2位と続いて、その下は山下選手が3番目です。14点を超えたのはあと青木選手に樋口選手がいます。柴山選手は10点に届いていませんが国際舞台で戦うにはステップ系要素ももう少し欲しいでしょうか。スピンステップであと7点くらい入っていれば180点超えて12位にまで入って、世界ジュニアの選考基準に(千葉選手吉田選手がワールド選出後希望しない前提で)乗ってきていたので、今回の大混戦3枠目争いでは選ばれた可能性もあったので、この辺も磨けるといいなあ、と感じました。

 

○4回転トーループ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田麻央 2 4T< <F 7.60   -3.80 3.80 -5.000
FS 住吉りをん 2 4T<< <<F 4.20   -2.10 2.10 -5.000

4回転トーループは今大会2人が構成に入れてきました。島田選手はアンダーローテーション、住吉選手はダウングレードで、どちらも転倒となりました。

今だ、全日本選手権の4回転トーループ成功者は歴代いません。

 

トリプルアクセル

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 島田麻央 1 3A   8.00   1.83 9.83 2.222
SP 島田麻央 1 3A   8.00   1.71 9.71 2.111
SP 吉田陽菜 1 3Aq q  F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
FS 渡辺倫果 1 3Aq q  F 8.00   -4.00 4.00 -5.000
FS 樋口新葉 1 3Aq q  F 8.00   -4.00 4.00 -5.000

トリプルアクセルは4人が構成に入れましたが成功したのは島田麻央選手のみでした。後の3選手も基礎点は満額入りましたので、元は取れています。

全日本でのトリプルアクセル成功者は、要素別採点方式になってからは島田選手で7人目となりました。

 

○セカンド3Lo

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 大庭雅 2 3Loq+3Lo< 8.82   -1.96 6.86 -3.889

セカンドループといえば青木祐奈選手ですが、今回はショートフリー共に3回転入ってきませんでした。今大会は大庭雅選手がループループでチャレンジ。1つ目がqにセカンドはアンダーローテーションとなっています。大庭選手は13年前の全日本で2A+3Loを決めたことがある、若いころからのセカンドルーパーです。

 

○セカンド3回転で平均GOE+2.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
SP 坂本花織 4 3F+3T   10.45 X 2.04 12.49 3.778
FS 坂本花織 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.56 11.24 3.778
SP 三宅咲綺 1 3T+3T   8.40   1.32 9.72 3.111
FS 住吉りをん 1 2A+3T   7.50   1.32 8.82 3.111
SP 山下真瑚 2 3Lz+3T   10.10   1.69 11.79 2.889
FS 島田麻央 3 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
FS 上薗恋奈 1 3Lz+3T   10.10   1.52 11.62 2.556
FS 住吉りをん 7 3F+3T   10.45 X 1.14 11.59 2.222
FS 島田麻央 6 3S+3T+2T   9.80   0.98 10.78 2.222
FS 千葉百音 1 3F+3T   9.50   1.14 10.64 2.111

コンビネーションは坂本選手がきれいに飛んできます。セカンド3回転3本すべて高評価で上に並べました。その次にいるのが三宅咲綺選手です。ショートの3T+3Tは全盛期のがブルエルデールマン選手ばりでした。

住吉選手もフリーの2つ、特に冒頭の2A+3Tはきれいに決めて、これは大逆転あるか、とも思わせたのですけどね。山下選手はショートで決めた3-3が大躍進の始まりでした。

 

○3連続ジャンプで平均GOE+1.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.56 11.24 3.778
FS 渡辺倫果 8 2A+1Eu+3S   8.91 X 1.04 9.95 2.444
FS 上薗恋奈 10 2A+2A+2T   8.69 X 0.80 9.49 2.333
FS 島田麻央 6 3S+3T+2T   9.80   0.98 10.78 2.222
FS 吉田陽菜 9 3S+2A+2T   9.79 X 0.86 10.65 2.111
FS 樋口新葉 6 3Lz+2T+2Lo   9.79 X 1.26 11.05 2.111
FS 清水咲衣 1 3Lz+2A+2A   12.50   1.18 13.68 1.889
FS 住吉りをん 8 3S+2A+2T   9.79 X 0.80 10.59 1.889
FS 江川マリア 5 2A+3T+2T   8.80   0.78 9.58 1.889
FS 千葉百音 7 3F+2T+2Lo   9.13 X 0.91 10.04 1.667
FS 横井きな結 10 3T+1Eu+3S   9.90 X 0.74 10.64 1.556

3連続ジャンプでくくっても坂本選手が1番上に来ます。次に来るのが渡辺倫果選手です。トリプルアクセル一発のイメージが強かった渡辺選手ですが、今期はトリプルアクセル決まっていないながらも他の要素で稼いで上位に来ています。

ペアと両立の清水選手が3連続で高評価。冒頭に3連続入れる選手が少ないというのもありますが、3Lz+2A+2Aは今大会女子の最高基礎点要素です。ジャンプ要素の少ないペアで使うには最適なのでしょう。これが決まったのはシングル選手としてよりも、ペアの選手として非常に大きな成功だったと思われます。

 

○ステップレベル4で平均GOE+2.000以上

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
SP 坂本花織 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.333
FS 坂本花織 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
FS 青木祐奈 11 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
FS 住吉りをん 6 StSq4   3.90   1.23 5.13 3.222
SP 三原舞依 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
SP 樋口新葉 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
FS 千葉百音 11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
FS 三原舞依 11 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.000
SP 河辺愛菜 6 StSq4   3.90   1.11 5.01 2.889
FS 樋口新葉 10 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
FS 山下真瑚 11 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.778
FS 吉田陽菜 11 StSq4   3.90   1.06 4.96 2.667
SP 山下真瑚 6 StSq4   3.90   1.00 4.90 2.444
SP 吉田陽菜 6 StSq4   3.90   0.89 4.79 2.333
FS 江川マリア 11 StSq4   3.90   0.95 4.85 2.333
FS 渡辺倫果 11 StSq4   3.90   0.84 4.74 2.111
SP 渡辺倫果 7 StSq4   3.90   0.78 4.68 2.000

ショートフリーとも坂本選手のステップが高評価でした。それに次ぐのがフリーの青木選手です。非常に印象的なステップでした。

ステップ系要素はやはり国際舞台で戦うシニアの選手が目立ちますが、山下選手、江川選手もいい評価を受けています。

 

○平均GEO+2.000以上のコレオ

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
FS 三原舞依 10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.333
FS 青木祐奈 10 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.222
FS 河辺愛菜 12 ChSq1   3.00   1.57 4.57 3.000
FS 千葉百音 6 ChSq1   3.00   1.43 4.43 2.778
FS 島田麻央 9 ChSq1   3.00   1.21 4.21 2.556
FS 山下真瑚 6 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
FS 松生理乃 10 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.556
FS 上薗恋奈 11 ChSq1   3.00   1.29 4.29 2.333
FS 住吉りをん 11 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.333
FS 樋口新葉 11 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.111
FS 三宅咲綺 10 ChSq1   3.00   1.14 4.14 2.111
FS 大庭雅 10 ChSq1   3.00   1.07 4.07 2.111

コレオも評価1位が坂本選手です。三原選手、青木選手と続きます。総合成績ではさえなかった河辺選手でしたが、ボレロのラストのコレオは高評価を受けています。

大ベテラン大庭選手も+2.111と高めな評価を受けていました。

 

○平均GOE+3.500以上の要素

  Name   Elements    Base   GOE Scores AvGOE
FS 坂本花織 1 2A   3.30   1.60 4.90 4.778
SP 坂本花織 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.333
FS 島田麻央 11 CCoSp4   3.50   1.55 5.05 4.222
SP 坂本花織 1 2A   3.30   1.41 4.71 4.222
FS 千葉百音 12 LSp3   2.40   1.06 3.46 4.222
FS 坂本花織 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
SP 島田麻央 7 CCoSp4   3.50   1.45 4.95 4.000
FS 坂本花織 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
SP 坂本花織 4 3F+3T   10.45 X 2.04 12.49 3.778
FS 坂本花織 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.56 11.24 3.778
FS 島田麻央 12 LSp4   2.70   1.04 3.74 3.778
FS 坂本花織 5 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.667
FS 坂本花織 11 3Lo   5.39 X 1.68 7.07 3.556
FS 青木祐奈 11 StSq4   3.90   1.39 5.29 3.556
SP 島田麻央 3 LSp4   2.70   0.96 3.66 3.556

重複多いですが平均GOEの高い要素を並べると、やはり坂本選手だらけです。そこに島田選手のスピンが足されます。他は千葉選手と青木選手が1つづつあるだけです。

坂本選手、たくさん並んでいますが、ジャンプとステップ系要素ばかりでスピンは入っていません。伸びしろはそのあたりなようです。

 

非常に面白いけれど、非常に胃が痛い全日本でした。ミスのないハイレベル男子は素晴らしかったですが、女子の、プレッシャーと戦いながらどれだけ自分の演技が出来るか、という大混戦なぎりぎりの闘いもそれはそれで興味深いものではありました。

代表選考のいろいろもありますが、僅差で落ちても来シーズンまた普通にチャンスが来る選手はいいのですが、そのもう少し下、来期にチャンスくるか? グランプリ枠あるか? くらいの選手たちの方が心配です。男子だと壺井選手、吉岡選手あたり、女子は青木選手、松生選手、河辺選手といったところ。実は樋口選手もちょっと危ないのかもしれない。いい加減団体戦のメダルを早くください、とか思ったりもしますが、樋口選手の今後はどうなのだろう?

最上位選手の処遇はともかく、中位くらいの選手の処遇が、昔の、上から下までのレベル差があったころと変わっていないのがいろいろと問題だよなあ、と思わされたりもする全日本でもありました。

これでシーズン前半完了。ここからはB級大会入れても少し試合間隔が前半より空いてくる感じがしますが、3月までまた楽しんでいければと思います。