23-24 坂本花織

2000年4月9日生まれ

シニア7シーズン目

シーズン獲得賞金:$125,000

世界ランキング:1位

シーズンランキング:1位

シーズンベストスコア 226.13(1位) スケートカナダ

ショートプログラムシーズンベスト 77.35 グランプリファイナル

フリーシーズンベスト 151.00 スケートカナダ

スピンレベル4率 54/63 = 85.7%(国際大会:35/39 = 89.7%)

ステップレベル4率 12/21 = 57.1%(国際大会:8/13 = 61.5%)

スピンオールレベル4 5/10 (国際大会:4/6)

スピンステップオールレベル4 1/10(国際大会1/5)

ジャンプ回転不足率 5/107 = 4.67%(国際大会:3/67 = 4.48%)

ジャンプ回転不足なし 7/10(国際大会:4/6)

スピンステップオールレベル4ジャンプ回転不足なし 1/10(国際大会:1/5)

 

○23-24シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP FS
DL げんさんサマーカップ 3 187.62 67.28 120.34
CS Autumn Classic 1 203.20 75.62 127.58
Others Japan Open 1 149.59   149.59
DL 全兵庫選手権 1 222.39 78.15 144.24
GP Skate Canada 1 226.13 75.13 151.00
GP Grand Prix Espoo 1 205.21 69.69 135.52
GPF Grand Prix Final 1 225.70 77.35 148.35
NC 全日本選手権 1 233.12 78.78 154.34
NG 国民体育大会 1 225.02 79.66 145.36
IC Challenge Cup 1 212.43 67.76 144.67
WC World Championships 1 222.96 73.29 149.67

坂本選手は世界選手権3連覇のかかるシーズンでした。

初戦はげんさんサマーカップから出てきます。187.62で3位。吉田陽菜選手と住吉りをん選手に敗れました。あれ? という感じではありますが、まあ初戦です。

国際大会は9月に入ってチャレンジャーシリーズのオータムクラシックから。ここでは200点に乗せた203.20 周りにスコアが伸びる選手がいなかったこともあって圧勝です。ちょっと意外ですが、チャレンジャーシリーズとしては2017年のアジアンオープンフィギュア以来6年ぶりの優勝。いつもはあまりシーズン序盤から点が伸びる選手ではないのですが、今期は早い仕上がりでした。

 

ジャパンオープンをこなして、翌週には地元兵庫のローカル大会。参考記録すぎますが10月時点で早くも220点台を出します。10月3戦目でスケートカナダです。こんな連戦して大丈夫?? とも思われますが、この時期の連戦は坂本選手にはよくあるスケジューリングです。キムチェヨン選手、渡辺倫果選手、松生理乃選手あたりが相手となる試合。ショートから最終滑走で出てきて75.13 ルッツでアテンションついたりと完ぺきではないのですがこのスコア。5点近いリードを持ってのフリーは全要素全ジャッジプラス2以上で151.00 結果的に今シーズンのフリーのベストとなるスコアを出して圧勝。グランプリ通算3勝目となりました。

2戦目はレギュラー化してきたフィンランドエスポー。表彰台でファイナル確定ですが、そうじゃなくて連勝したいというところ。また今回もキムチェヨン選手がいて、他に住吉選手やアンバーグレン選手がいます。そういった力関係の中でショートはフリップが2回転になってセカンドはちゃんと3回転を付けノーバリューは回避。69.69とスコア伸びませんでしたがそれでも首位に立ちます。1.04差とはいえショートから首位に立てばフリーは強い。やや辛め判定の試合の中で坂本選手もルッツでeが付き、サルコウはアンダーローテーション取られましたがそれでも135.52出してトータル205.21を出せば2位に15点差つけての勝利。グランプリシリーズ連勝で通算4勝目。ファイナル進出を問題なく決めました。

 

実はまだ勝ったことのないグランプリファイナル。何なら表彰台にも乗ったことがありません。ジュニアグランプリファイナルも世界ジュニアも表彰台に乗っていますので、主要大会で持っていないメダルはこれだけです(ユースオリンピックも6位でメダル無いけど)。

ここでもまたショートから最終滑走で出てきて全要素全ジャッジ+2以上、77.35というシーズンベストなだけでなく、結果的に今シーズン全体のショートの最高スコアを出してトップに立ちます。ただ、ショート1位なのまでは昨季と同じ。フリーで崩れると昨年と同じ轍を踏むことになります。フリーはまたも最終滑走。優勝へのターゲットスコアは126.02 これは余裕のある試合展開になりました。中盤フリップでミスが出てコンビネーション入らなかったものの、最後のループに2Tを付けてリカバリー。148.35を出して結果的には20点以上の大差をつけて問題なく優勝。これでオリンピック以外のシニアのビッグタイトルを揃えたことになりました。

 

間1週おいて3連覇がかかる全日本選手権です。久しぶりに最終滑走でもなく最終グループ1番滑走で出てきます。強豪ぞろいの全日本。今季一番難易度が高い試合になる可能性もあったのですが、全要素全ジャッジプラス評価を得て78.78 2位に8.86の大差をつけており、意外と楽な展開に。フリーはやっぱり最終滑走に収まって優勝へのターゲットスコアは130.50 フリーはスピンでV2つ取られるといういまいちな部分こそありましたが、ジャッジの評価は全要素プラスで154.34まで出してトータル233.12 2位とは23.85差。問題なく3年連続4度目の全日本制覇を果たしました。

 

年が明けて1月は国体に登場。子供の喧嘩に親が出る状態で当然優勝。2月は調整試合チャレンジカップ。ここではショートでルッツが2回転になるミス。67.76では青木祐奈選手に上を行かれまさかの2位。これで久しぶりにフリーを最終滑走を避けることが出来ましたが終盤のループで転倒。ピリッとしない出来ながらも144.67は出してトータル212.43 今シーズン最小の3.06差。何とか逆転優勝は果たしました。

 

そして3連覇のかかる世界選手権。抽選したのにやっぱり最終滑走になる坂本選手。今シーズン、結局ショートは国際大会ではすべて最終滑走でした。レビト選手、イ・ヘイン選手が73点台、その上にヘンドリックス選手が76.98を出してきたところで登場。さすがに首位に立つにはノーミスが必要というところでしたがルッツで!をもらいました。コンビネーションも今一つ、耐えたジャンプで加点はあまりつかず。73.29で4位。これでフリーは最終滑走回避が確定。抽選で最終グループ3番目の登場と決まります。上位3人を残しての登場なのでターゲットスコアは見えません。冒頭ダブルアクセルはいつもの加点を引き出しますが、次のルッツはe判定。ショートのミスが頭に残っていたでしょうか。ただ、以降は文句のつけようのない滑り。149.67まで出してトータル222.96 首位に立って残り3人を待ちます。直後のレビト選手がいい滑りをしますが届かず2位。残り2人はスコアを伸ばせず、坂本選手の3連覇が決まりました。

 

○要素別スコア

Event Total TES PCS J Base J GOE Spin Step
げんさんサマーカップ 187.62 90.88 98.74 58.73 2.97 19.59 9.59
Autumn Classic 203.20 96.73 106.47 52.29 7.13 23.90 13.41
Japan Open 149.59 77.26 72.33 45.62 10.16 11.58 9.90
全兵庫選手権 222.39 112.47 109.92 61.42 13.72 22.73 14.60
Skate Canada 226.13 117.52 108.61 65.27 13.07 23.68 15.50
Grand Prix Espoo 205.21 102.63 103.58 59.38 5.09 24.17 13.99
Grand Prix Final 225.70 116.20 109.50 65.40 11.02 24.37 15.41
全日本選手権 233.12 119.05 114.07 65.27 16.22 21.70 15.86
国民体育大会 225.02 112.36 112.66 60.65 12.58 24.77 14.36
Challenge Cup 212.43 108.55 104.88 59.37 9.88 24.30 15.00
World Championships 222.96 112.79 110.17 64.09 10.26 24.95 13.49

坂本選手は初戦のげんさんサマーカップこそ180点台でしたが他の試合はすべて200点超えです。国際大会の最低が203.20 国際大会での220点台が3試合ありました。全日本は230点台。他を寄せ付けない強さでした。

技術点は100点台から110点台。スケートカナダの117.52が最高です。今期全選手中2位にあたる技術点です。

PCSは100点台後半くらいまで普通に出して、世界選手権では110.17と今期の全選手中唯一の110点台です。国内参考ですが全日本では114.07という驚異的な評価を受けています。

ジャンプの基礎点は時折50点台に沈むこともありますが基本は60点台あります。グランプリファイナルの65.40が最高。それほど高くないと言えば高くないですが、トリプルアクセル以上のジャンプが無い場合、せいぜい67点台までしか出ませんので、それほど差は無いです。世界チャンピオンの坂本選手相手にリードを奪うにはトリプルアクセル以上のジャンプが欲しい、という構図にはなっています。

ジャンプの加点は二桁を普通に出してきます。最高はスケートカナダの13.07 この値は今季の全選手中2位でした。全日本で16.22もらっていますが、これなら全選手中1位相当ですが国内参考記録です。ジャンプの基礎点と加点を合わせたスコアではスケートカナダで78.34まで出していて、今シーズンの全選手中3位にあたります。シニアの中では1位。ジャンプで稼げないわけではないです。

スピンは24点台を出します。最高で世界選手権の24.95がありました。今期の全選手中、B級大会まで含めて8位にあたります。

ステップ系要素は15点台が普通に出てきます。スケートカナダで15.50がありました。これは今季の全選手中2位にあたります。

全体的に穴が無い。ジャンプの基礎点は低いですが加点で稼ぐのでジャンプのスコアが低いわけではないです。スコア的にはスピンが一番本人比で低い順位になってきます。坂本選手に勝つには高難度ジャンプを入れて基礎点でかなりの優位を築いたうえで、それをしっかり決めて逃げ切る、というのが一番わかりやすい形になるのだろうと思います。

 

○要素別偏差値

Event Total J Base J GOE Spin Step PCS
げんさんサマーカップ 60.71 57.86 61.70 47.30 42.35 65.75
Autumn Classic 66.44 50.98 70.23 64.68 61.08 72.12
全兵庫選手権 73.51 60.74 83.73 59.96 66.91 74.96
Skate Canada 74.89 64.85 82.40 63.79 71.32 73.88
Grand Prix Espoo 67.18 58.56 66.05 65.77 63.92 69.74
Grand Prix Final 74.73 64.99 78.20 66.57 70.88 74.61
全日本選手権 77.46 64.85 88.85 55.81 73.09 78.38
国民体育大会 74.48 59.91 81.39 68.19 65.74 77.22
Challenge Cup 69.84 58.55 75.86 66.29 68.87 70.81
World Championships 73.72 63.59 76.64 68.91 61.47 75.16

偏差値で見るとトータルスコアは普通に70を超えてきて70台中盤まで出します。

ジャンプの基礎点はやはりやや低めで60前後。基礎点満額得た高い時で60台中盤までです。

ジャンプの加点の方は70台は普通に出していていい時は80台まで達します。偏差値80超えというのは異常値扱いされるくらいの水準です。

スピンは60台が標準でいい時は60台後半まで出ます。

ステップ系要素は60台中盤は多くの場合あって、いい時は70台に乗せます。

PCSは70台。国内参考記録は70台後半まで出ますが、国際大会では75.16まででした。

やはり偏差値で見るとジャンプの基礎点が本人の中では低い側にあって、スピンもやや低い側。一方、ジャンプの加点は異常値レベルで高い、というのが見て取れます。

 

 

坂本花織選手の23-24シーズン要素別偏差値

レーダーチャートで表すとこうなります。右下に飛び出した形。ジャンプの加点がある種生命線です。ステップは、レベルが取れない試合も結構あることで少し凹んで見えることもあります。ステップのレベル4率は60%前後になっています。

 

●シーズン最高の基礎点構成

○グランプリファイナル ショートプログラムの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   1.32 4.62 3.889
2 3Lz   5.90   1.77 7.67 2.889
3 FCSp4   3.20   0.96 4.16 3.000
4 3F+3T   10.45 x 1.59 12.04 3.111
5 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.111
6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
7 CCoSp3   3.00   0.81 3.81 2.778
  TES   32.45   8.71 41.16  

ショートプログラムは32.45が最高基礎点でした。1.1倍にコンビネーションを入れていて基礎点を高めているのですが、最後のスピンがレベル3でした。オールレベル4を作れれば32.95まで基礎点を出せます。今シーズンはショートでそのノーミス基礎点を出した試合はありませんでした。

この32.45は今期の全選手の中で10位にあたる数値です。トリプルアクセル無しでもセカンドループで33.23まで出せますし、セカンドループもなしでも33.01までは基礎点でますので、32.45くらいならそれより上の基礎点の選手は普通にいます。ただ、トリプルアクセル組以外ならそれほど差は無いので出来栄え勝負になってきます。

基礎点をここから上げるのはスピンをオールレベル4にすること。それ以上は1.1倍のコンビネーションをルッツからにすることで0.06上げることは出来ますが、ルッツが得意ではない坂本選手にとっては現実的ではないと思います。トリプルアクセルを入れる気が無ければ、今以上に各要素の出来栄えを磨いていくこと、という道になるのだろうと思いますが、すでにすべての要素で+2以上、平均すると+3以上のGOEを得ているので、なかなか大変だろうと思います。

 

○グランプリファイナル フリーの構成

  Elements    BaseValue   GOE Scores AvGOE
1 2A   3.30   1.32 4.62 4.000
2 3Lz   5.90   1.77 7.67 3.111
3 3S   4.30   1.29 5.59 3.000
4 CCoSp4   3.50   1.05 4.55 3.000
5 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.667
6 3F   5.30   -2.04 3.26 -3.889
7 FSSp4   3.00   0.69 3.69 2.333
8 3F+3T   10.45 x 1.59 12.04 3.000
9 2A+3T+2T   9.68 x 1.08 10.76 2.556
10 ChSq1   3.00   1.71 4.71 3.444
11 3Lo+2T   6.82 x 1.33 8.15 2.667
12 FCCoSp4   3.50   1.15 4.65 3.222
  TES   62.65   12.39 75.04  

フリーの最高基礎点は62.65でした。これは本来の構成ではなく、1つ目のフリップでコンビネーションを入れるつもりが入らず、最後にリカバリーで付けたことで結果的に0.13想定より基礎点が上がりました。本来は62.52がベストの構成です。想定基礎点より上がっていますが、フリップのGOEが大きくマイナスですので結果オーライでもないです。実際、基礎点はこの試合が最高ですが、フリーのスコア、フリーの技術点は62.52が基礎点のスケートカナダでした。この62.65の基礎点で出した技術点75.04は今シーズン全選手中4位にあたります。これより上にいるのはすべて日本人選手というのもなかなか恐ろしい。スケートカナダで出した77.87なら全選手中3位にあたりました。

2回飛ぶジャンプはフリップとトーループ。これはここ数シーズン変わっていません。ジャンプの順番も昨シーズンと変わっておらず、スピンやステップとジャンプの順番がいくつか入れ替わっているというくらいです。

この62.65は今季のフリーとしては全選手中15位ですが、実際にはステップが1つ入らないジュニアの選手で、ステップを入れればこれより上に行く基礎点構成を持った選手、というのが他に何人もいます。

ここから基礎点を上げるには、現在練習中という4回転ループを入れる、ということになるのだろうと思います。高難度ジャンプが入ると多くの選手は単独ダブルアクセルというのが入らなくなるのですが、そこが一つの見せ場な坂本選手は構成どうするのでしょう。実際にはまだそれを悩むほどのところまで4回転ループは仕上がっていなさそうですが、楽しみです。

 

○平均GOE4.000以上(国際大会+全日本選手権)

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
全日本選手権 FS 1 2A   3.30   1.60 4.90 4.778
Japan Open FS 1 2A   3.30   1.54 4.84 4.600
Autumn Classic FS 1 2A   3.30   1.52 4.82 4.571
World Championships SP 1 2A   3.30   1.46 4.76 4.333
全日本選手権 SP 6 StSq4   3.90   1.67 5.57 4.333
全日本選手権 SP 1 2A   3.30   1.41 4.71 4.222
World Championships FS 1 2A   3.30   1.41 4.71 4.222
Challenge Cup FS 1 2A   3.30   1.39 4.69 4.143
Autumn Classic SP 1 2A   3.30   1.32 4.62 4.143
Grand Prix Espoo SP 1 2A   3.30   1.37 4.67 4.111
Skate Canada SP 1 2A   3.30   1.37 4.67 4.111
Grand Prix Final FS 1 2A   3.30   1.32 4.62 4.000
Skate Canada FS 1 2A   3.30   1.32 4.62 4.000
全日本選手権 FS 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
全日本選手権 FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000
Challenge Cup SP 1 2A   3.30   1.32 4.62 4.000

坂本選手の要素の中で評価が高いのはとにかくダブルアクセルです。普通に平均GOE+4.000以上を出してきます。当然全選手中最高評価。ダブルアクセルの要素で坂本選手以外の今シーズンの最高評価が平均GOE+3.571ですから、他に比類ないダブルアクセルと言えます。

他は全日本でのステップやコレオ、コンビネーションジャンプで+4以上が付いていました。

 

○3回転-3回転の要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ SP 4 3F+3T   10.45 X 1.41 11.86 2.600
げんさんサマーカップ FS 8 3F+3T< 9.53 X -0.71 8.82 -1.200
Autumn Classic SP 4 3F+3T   10.45 x 1.80 12.25 3.429
Japan Open FS 8 3F+3T   10.45 X 1.94 12.39 3.800
全兵庫選手権 SP 4 3F+3T   10.45 X 1.91 12.36 3.600
Skate Canada SP 4 3F+3T   10.45 x 1.29 11.74 2.444
Skate Canada FS 8 3F+3T   10.45 x 1.67 12.12 3.222
Grand Prix Espoo FS 8 3F+3T   10.45 x 1.44 11.89 2.778
Grand Prix Final SP 4 3F+3T   10.45 x 1.59 12.04 3.111
Grand Prix Final FS 8 3F+3T   10.45 x 1.59 12.04 3.000
全日本選手権 SP 4 3F+3T   10.45 X 2.04 12.49 3.778
全日本選手権 FS 8 3F+3T   10.45 X 2.12 12.57 4.000
国民体育大会 SP 4 3F+3T   10.45 X 1.77 12.22 3.400
Challenge Cup SP 4 3F+3T   10.45 x 1.59 12.04 3.000
Challenge Cup FS 8 3F+3T   10.45 x 2.12 12.57 3.714
World Championships SP 4 3F+3T   10.45 x 1.06 11.51 1.889
World Championships FS 8 3F+3T   10.45 x 1.82 12.27 3.444

坂本選手の3-3はすべてフリップからのものです。ショート、フリー共に飛びます。何試合か片方入っていないのがありますが、フリップがダブルになったりで入らなかったものです。3-3を飛んでGOEマイナスになったのは1度だけ。3-3にならなかったことが4回ありますが、ほとんど小さな大会で、グランプリシリーズの試合が1つだけあります。

飛ぶはずだった回数は21回で成功は16回ですので3-3の成功率としてはかなり高いものです。大事な試合での成功率はさらに高い計算になりますので非常に安定していたと言えます。

全日本の+4.000は極端ですが、それ以外でも平均GOEは+3以上のものがほとんどです。

3回転-3回転のジャンプとしては、ジャパンオープンの+3.800 チャレンジカップの+3.714あたりはISU非公認として参考記録にしたとしても、その次の評価になる世界選手権の+3.444でも今期全体で2位にあたるものです。1位は3T-3Tでしたので、フリップ以上の難易度のジャンプからの3-3としては最高評価でした。

 

○3連続ジャンプ

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
げんさんサマーカップ FS 9 2A+3T<+2T < F 8.76 X -1.68 7.08 -5.000
Japan Open FS 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.54 11.22 3.400
全兵庫選手権 FS 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.34 11.02 3.200
Skate Canada FS 9 2A+3T+2T   9.68 x 1.38 11.06 3.222
Grand Prix Espoo FS 9 2A+3T+2T   9.68 x 1.32 11.00 3.111
Grand Prix Final FS 9 2A+3T+2T   9.68 x 1.08 10.76 2.556
全日本選手権 FS 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.56 11.24 3.778
国民体育大会 FS 9 2A+3T+2T   9.68 X 1.40 11.08 3.400
Challenge Cup FS 9 2A+3T+2T   9.68 x 1.43 11.11 3.571
World Championships FS 9 2A+3T+2T   9.68 x 1.32 11.00 3.111

3連続ジャンプはフリーで必ず入ってくる要素。坂本選手はダブルアクセルからリズムよく、音はめして気持ちよく跳んできます。上記の表で見た目に失敗しているのは1つだけですが、表に乗っていないオータムクラシックは3連続を付けられなかったというものですのでそれもミスの側でカウントされると言えるでしょう。それも含めて11回のうち成功は9回です。ミスした2回はシーズン序盤の重視されていない試合。大事な試合ではすべて決めてきた。それも一番悪くて+2.556 他はすべて+3以上という高評価です。

今期の全選手の3連続ジャンプの中でチャレンジカップの+3.571が最高。ISU公認だけで見てもスケートカナダの+3.222が最高評価になります。

 

○その他高評価要素

Event     Elements    Base   GOE Scores AvGOE
Grand Prix Final FS 2 3Lz   5.90   1.77 7.67 3.111
全日本選手権 FS 2 3Lz   5.90   1.77 7.67 3.111
全日本選手権 FS 11 3Lo   5.39 X 1.68 7.07 3.556
World Championships FS 11 3Lo   5.39 x 1.68 7.07 3.444
全日本選手権 FS 3 3S   4.30   1.35 5.65 3.111
World Championships FS 3 3S   4.30   1.35 5.65 3.111
Autumn Classic SP 6 StSq3   3.30   1.32 4.62 3.857
Grand Prix Final SP 6 StSq4   3.90   1.45 5.35 3.778
Skate Canada FS 10 ChSq1   3.00   1.86 4.86 3.667
全日本選手権 FS 10 ChSq1   3.00   2.00 5.00 4.000

これはジャンプやステップコレオの中からいくつかピックアウトしてきたものです。

ルッツは本来あまり得意ではない要素なはずですがエッジ判定を取られなければ高い評価を受けることも多く、グランプリファイナルでは+3.111 今季の全選手のルッツの中で3位にあたる評価、シニアの選手だけなら1位の評価です。

ループはもともと得意な要素。世界選手権の+3.444は今季の全選手中最高評価でした。

サルコウも高評価で世界選手権で+3.111をもらっています。3連続の3つ目3Sでこれより高い評価を受けた選手が1人いますが、サルコウで始まるあるいはサルコウ単独の要素としてはこれが最高評価です。

ステップはレベル3ですがオータムクラシックで+3.857 レベル4ではグランプリファイナルで+3.778をもらっています。この+3.778の方でISU公認試合の中では全選手中今期3位の評価になりました。

コレオは全日本で+4.000 スケートカナダで+3.667をもらっています。ISU公認試合としては今季2位タイの評価です。

こうしてみると、ジャンプは何飛んでも高評価で世界のトップ級。ステップコレオも世界の頂点にほど近いところにいます。

 

今期は初戦のげんさんサマーカップこそ3位でしたが、国際大会は全勝。全日本、世界選手権、ダブル3連覇を果たしました。最高のシーズンになった、と言えるのではないでしょうか。

次、目標、何? あとはオリンピックの金メダルというのがあるわけですが、来シーズンはまだオリンピックが来ません。4連覇を目標に練習する? ちょっと難しいかなあ、という気がします。なぜ3連覇なら目標になれたのかと見ると、2連覇のときは最後の世界選手権こそしっかり勝ったものの、シーズン途中が苦しみすぎた、というのがあったので、途中含めてしっかり勝っていくということで目標になりえた。それを今シーズン果たした以上、次は4連覇を目標に、というのは心情的に難しいように感じます。

そこで出てくるのが、4回転。これは練習時の目標としてはわかりやすい。習得出来たらそれこそ鬼に金棒。花織に4回転。ループ得意でしたものねえ。基礎点上げるために最近はフリーで1回だけでしたが、以前はショートフリーで合計3回飛んでいました。坂本選手と言えばダブルアクセルの方が有名ですが、トリプルループも元々評価が高い。これ入って全ノーミスしたら240点が見えてきます。

シーズンオフも、休みのオフよりもアイスショーやテレビ出演など忙しそうですが、来期は4連覇を目指すシーズン。今期の3連覇は56年ぶりでしたが、次の4連覇はキャロルへイスさん(5連覇しています)以来65年ぶりとなります。