河辺愛菜 19-20

2004年10月31日生まれ

ジュニア2シーズン目

所属:関西大学KFSC 高槻第九中学校

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シーズン獲得賞金:$0

世界ランキング:122位

シーズンランキング:49位

シーズンベストスコア 193.57  全日本ジュニア

 (国際大会の最高は169.62(78位) 世界ジュニア)

ショートプログラムシーズンベスト 65.84 ユースオリンピック

フリーシーズンベスト 128.62 全日本ジュニア

 (国際大会の最高は119.38 ユースオリンピック)

ショートプログラム楽曲: 映画「グリンチ」より

フリープログラム楽曲: ブラックスワン

スピンレベル4率 42/54=77.8%(国際試合19/24=79.2%)

ステップレベル4率 3/18=16.7%(国際試合0/8=0.00%)

スピンオールレベル4 2/9(国際試合2/4)

スピンステップオールレベル4 0/9(国際試合0/4)

ジャンプ回転不足率  17/90=18.9%(国際試合10/40=25.0%)

ジャンプ回転不足なし試合 2/9(国際試合0/4)

スピンステップオールレベル4ジャンプの回転不足もなしの試合 0/9

 

 ●河辺愛菜選手の19-20シーズンの戦績

Grade Event Pl Total SP TSS SP TES SP PCS FS TSS FS TES FS PCS
JGP JGP LakePlacid 5 163.04 53.78 27.69 26.09 109.26 56.09 53.17
JGP JGP Croatia 4 163.73 53.12 26.72 26.40 110.61 54.77 55.84
RT 近畿選手権 1 176.82 63.03 36.63 26.40 113.79 63.32 51.47
RT 西日本選手権 1 179.09 64.18 36.34 27.84 114.91 61.27 54.64
NJ 全日本ジュニア 1 193.57 64.95 36.75 28.20 128.62 71.02 57.60
NC 全日本選手権 13 169.28 56.52 31.20 26.32 112.76 58.85 54.91
Others Youth Olympic Games 4 185.22 65.84 36.75 29.09 119.38 60.95 59.43
IJ 全国中学スケート大会 1 186.10 64.76 37.56 27.20 121.34 67.54 54.80
WJ World Junior 11 169.62 64.47 36.61 27.86 105.15 51.55 55.60

河辺愛菜選手は中学三年生、ジュニア二シーズン目でした。昨シーズンまでは全く無名ともいえる選手です。

昨シーズン、西日本ジュニアでショート落ちだった選手ですが、今シーズンは選考会でジュニアグランプリの出場権を得ました。そうして出場したレークプラシッドの試合で163.04 まずはこのスタートでISUデビューを果たします。連盟的にこれは合格点だったのか、2戦目ももらえてクロアチアの試合に出場すると、フリーではトリプルアクセルチャレンジ。転倒はしなかったものの回転不足に終わり認定はもらえませんでした。

その後年内は国内戦が続きます。近畿選手権176.82 西日本選手権179,09 西日本選手権ではトリプルアクセルが回転十分として認定、正し転倒ではありました。

そして全日本ジュニア。ショートからトップに立つと、フリーではついにトリプルアクセル成功。128.62の好スコアでトータル193.57 ルールこそ違えど2シーズン前の紀平梨花選手の優勝スコア193.46を上回る、まさかのスコアで圧勝しました。

全日本は13位。ショートフリー、2本挑んだトリプルアクセルはどちらも決まらず。ただ、決まらずとも13位まで持って来る力はある、ということでもありました。

年が明けてユースオリンピック、ショート4位からのフリー3位も、表彰台まで2.50届かずの4位。二つあったダウングレードのどちらか一つでもしっかり飛べていれば、という大魚を逸したユースオリンピックでした。

全中はトリプルアクセル封印でしたが圧勝。

そして世界ジュニア。ショートは大きなミスなく64.47 8位ながらも上位と差がなく好発進で、フリーワンちゃんあるぞ、という展開だったのですが、伸ばせず11位に終わりました。

それにしても、昨シーズン西日本ジュニアショート落ちから、一シーズンで全日本ジュニア勝つわ、ユースオリンピックで表彰台乗りかけるわ、トリプルアクセル跳ぶわと、大きな飛躍を遂げたシーズンとなりました。

 

 ●河辺愛菜選手の今シーズンの要素別得点

Grade Event Pl Total TES PCS Jump Spin Step
JGP JGP LakePlacid 5 163.04 83.78 79.26 54.71 22.61 6.46
JGP JGP Croatia 4 163.73 81.49 82.24 53.75 20.42 7.32
RT 近畿選手権 1 176.82 99.95 77.87 70.70 21.80 7.45
RT 西日本選手権 1 179.09 97.61 82.48 67.79 20.62 9.20
NJ 全日本ジュニア 1 193.57 107.77 85.80 76.38 22.04 9.35
NC 全日本選手権 13 169.28 90.05 81.23 58.28 21.00 10.77
Others Youth Olympic Games 4 185.22 97.70 88.52 67.04 22.41 8.25
IJ 全国中学スケート大会 1 186.10 105.10 82.00 71.42 22.22 9.69
WJ World Junior 11 169.62 88.16 83.46 62.65 17.02 8.49

要素別では、すべての試合で技術点が演技構成点より高いのがわかります。演技構成点は一番いいユースオリンピックで88.52 標準的には80前後です。5項目の平均が7でPCS合計84ですので、標準的には平均7に届かず、いい時は7を超える程度、ということになります。この辺はジュニア二年目です、というのがよく出ています。

ジャンプは全日本ジュニアで76.38まで出しました。これは結構すごい数字で、今シーズンの全選手中17位相当です。まあ、全日本ジュニアなので国内参考記録になってしまうのですけれど。

スピンは一番良い時で22.61 160点台の選手として見れば十分ですが、190点クラスの選手として見ると少し物足りない、という数字になります。

ステップは、ジュニアなので基本的にコレオがないのですが、国際大会では世界ジュニアの8.49が最高でした。コレオが乗ると12点くらいにはなるでしょうか。ジュニアとしては、これくらいかな、という数字で、よくもなく悪くもなくというくらいです。

 

 ●河辺愛菜選手のスケート偏差値

Event Pl Total Jump Base Jump GOE Spin Step PCS
JGP LakePlacid 5 51.34 54.74 49.35 57.13 48.10 50.05
JGP Croatia 4 51.53 56.13 44.27 49.87 52.12 52.00
近畿選手権 1 55.09 62.78 57.85 54.44 53.86 49.14
西日本選手権 1 55.70 62.92 52.39 50.53 61.51 52.16
全日本ジュニア 1 59.64 63.72 65.54 55.24 62.68 54.34
全日本選手権 13 53.04 59.46 44.11 51.79 48.75 51.34
Youth Olympic Games 4 57.37 62.28 52.63 56.46 56.83 56.13
全国中学スケート大会 1 57.61 60.72 64.15 55.83 65.34 51.85
World Junior 11 53.13 57.63 56.25 38.60 58.41 52.81

偏差値としてはトータルスコアは50台になります。一番悪くても160点台なので、偏差値50割れはありませんが、193.57の全日本ジュニアでも偏差値60に乗らなかったりはします。

ジャンプは基礎点では偏差値60を超える試合も多いです。回転不足とはいえトリプルアクセル投入と、ほかの回転不足が少ないとこれくらいまで行きます。

ただ、GOEが高く稼げている試合はそれほど多くなく、偏差値60超えは国内の試合だけとなりました。

スピンも国内の試合では偏差値60に達するのですが、海外では世界ジュニアの偏差値58.41が最高。ステップは偏差値50台で普通です。

それにしても、全日本はいろいろな判定が厳しかったんだなあ、というのがこれを見ても思います。

 

河辺愛菜スケート偏差値

レーダーチャートは右寄り。全日本ジュニアはステップもよかったですが、基本はジャンプで勝つ、というスタイルです。

世界ジュニアは最後のスピンがカウントしてもらえず、基礎点からゼロになってしまったことで著しい凹みの原因です。

 

●シーズン最高のショートプログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
Youth Olympic Games 1 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
Youth Olympic Games 2 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.778
Youth Olympic Games 3 FSSp4   3.00   0.77 3.77 2.444
Youth Olympic Games 4 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
Youth Olympic Games 5 2A   3.63 x 0.80 4.43 2.556
Youth Olympic Games 6 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.667
Youth Olympic Games 7 CCoSp4   3.50   0.20 3.70 0.556
Youth Olympic Games   TES   31.13   5.62 36.75  

ショートプログラムは31.13が最高で、この数値の試合が3試合ありました。

ジュニアのトップはアリサリュウ選手の33.39、3A-3Tというお化けコンビネーション投入のそのスコア以外では32.41  負けてはいますが、それほど遠いスコアでもないです。

差は、ステップがレベル3なことと、1.1倍ジャンプがダブルアクセルなことです。

ダブルアクセルトリプルループを入れ替えるくらいはあってもいいかもしれませんが、何とかして構成上げていかないと勝負にならない、というようなところにはなく、出来栄え上げていけばジュニアのトップとは勝負になる基礎点です。

おそらく、基礎点を上げるのは、シニアに上がって、完成したトリプルアクセルが要素に入ってくるとき、になるのではないかと思われます。

 

●シーズン最高のフリープログラム基礎点構成

Event   Elements    BaseValue   GOE Scores  
全日本ジュニア 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
全日本ジュニア 2 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.571
全日本ジュニア 3 3Lo   4.90   0.78 5.68 1.286
全日本ジュニア 4 LSp4   2.70   0.54 3.24 2.143
全日本ジュニア 5 2A+3T   7.50   0.84 8.34 2.000
全日本ジュニア 6 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.714
全日本ジュニア 7 3F!+2T+2T ! 8.69 X -0.11 8.58 -0.286
全日本ジュニア 8 3S   4.73 X 0.95 5.68 2.143
全日本ジュニア 9 FSSp4   3.00   0.72 3.72 2.286
全日本ジュニア 10 3F! ! 5.83 X 0.00 5.83 0.000
全日本ジュニア 11 CCoSp4   3.50   0.70 4.20 2.000
全日本ジュニア   TES   62.85   8.17 71.02  

フリーの基礎点最高は全日本ジュニアの62.85でした。これ自体は国内参考記録ではありますが、これよりも高いフリーの基礎点を今シーズン出したジュニアは世界で3人しかいません。

ジュニアにはない、コレオシークエンス分を補正すると65.85となり、この値は日本人選手では紀平選手に次ぐ2番目になります。海外見ても、ザギトワ選手やブレイディテネル選手より上。

その位置に入ってきている要因は、トリプルアクセルがあることです。65点超えてくると、トリプルアクセル以上の高難度ジャンプがないと届かない領域になっています。

つまり、基礎点だけなら世界のトップ10の領域にいるわけです。

2回飛ぶジャンプはフリップとトーループ。2回飛ぶフリップに2回とも!がついていたりと、フリップが得意とは思えないのですが、どういう理由でいれているんでしょうかね。ルッツ2回の方が安定する上に基礎点も上がるのですけれど。まだジュニアなので、矯正プログラム的な意味もあるのかもしれません。

なお、国際大会ではユースオリンピックの基礎点60.25が最高でした。このスコアでも今シーズンの全ジュニア中6位で、同じユースオリンピックで優勝したユヨン選手の基礎点60.22より上にいます。

 

●平均GOE+2.500以上

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
全日本ジュニア SP 6 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.286
JGP LakePlacid FS 4 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
Youth Olympic Games SP 4 LSp4   2.70   0.81 3.51 3.000
World Junior SP 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
World Junior SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
World Junior FS 10 3S   4.73 x 1.29 6.02 3.000
全日本選手権 FS 4 LSp4   2.70   0.85 3.55 2.889
全日本ジュニア SP 4 LSp4   2.70   0.81 3.51 2.857
JGP LakePlacid FS 6 StSq2   2.60   0.74 3.34 2.778
全日本ジュニア SP 5 2A   3.63 X 0.92 4.55 2.714
全日本ジュニア FS 6 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.714
JGP Croatia FS 6 StSq2   2.60   0.71 3.31 2.667
Youth Olympic Games SP 6 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.667
Youth Olympic Games FS 4 LSp4   2.70   0.69 3.39 2.667
World Junior SP 5 2A   3.63 x 0.85 4.48 2.667
World Junior FS 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
JGP Croatia FS 11 CCoSp4   3.50   0.85 4.35 2.556
Youth Olympic Games SP 5 2A   3.63 x 0.80 4.43 2.556
Youth Olympic Games FS 6 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.556
Youth Olympic Games FS 11 CCoSp4   3.50   0.90 4.40 2.556
World Junior FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.02 9.82 2.556

ここでは、国際大会4試合と全日本選手権及び全日本ジュニアの6試合から抜き出しています。

上の方にある要素が結構バラバラです。一番上にはステップ、次にスピンもあるしジャンプもある。要素の偏りがあまりありません。

スピンはレイバックスピン、ジャンプはダブルアクセルといった、基礎点低めなものが多いですが、ジャンプで一番評価が高かったのは世界ジュニアショート冒頭の3回転-3回転だったりしました。世界ジュニア、いいスタートだったんだけどなあ・・・、という残念さも感じさせられます。

偏りが少ないので、全体を少しづつ押し上げて、この先点数を高めていくこともできるのかもしれません。

 

トリプルアクセル

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP Croatia FS 1 3A< 6.40   -2.65 3.75 -4.222
Youth Olympic Games FS 1 3A< 6.40   -1.01 5.39 -1.333
World Junior FS 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
近畿選手権 FS 1 3A< 6.40   -3.20 3.20 -5.000
西日本選手権 FS 1 3A   8.00   -4.00 4.00 -5.000
全日本ジュニア FS 1 3A   8.00   1.60 9.60 2.000
全日本選手権 FS 1 3A< 6.40   0.09 6.49 0.111

今シーズンから挑み始めたトリプルアクセル。結局、回転が足りたのが2回。きちんと着氷したのは1回だけとなりました。その1回が全日本ジュニア。圧勝した一つの要因です。

まだ国際舞台でのトリプルアクセル成功、ないしは回転充足で認定されたもの、というのはありません。

 

●3連続ジャンプ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP LakePlacid FS 7 3F!+2T+2Lo ! 9.13 x -0.83 8.30 -1.556
JGP Croatia FS 5 2A+3T+2T   8.80   0.72 9.52 1.667
Youth Olympic Games FS 7 3F+3T+2T   11.88 x 1.06 12.94 2.000
World Junior FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.02 9.82 2.556
近畿選手権 FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.26 10.06 3.000
西日本選手権 FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.01 9.81 2.429
全日本ジュニア FS 7 3F!+2T+2T ! 8.69 X -0.11 8.58 -0.286
全日本選手権 FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.02 9.82 2.111
全国中学スケート大会 FS 5 2A+3T+2T   8.80   1.12 9.92 2.800

3連続ジャンプは9試合すべてで要素としてしっかり入ってきました。200点に届かない選手は、3連続入らなかった、という試合がよく出るのですが、河辺選手は9試合すべてきちんと入っています。

跳び方は2パターン。5番目の要素でダブルアクセルから3T付きのときと、7番目の要素で1.1倍にして3Fから。3Fにさらに3Tを付けるという豪華コースがユースオリンピックのときにはありました。7番目に入れているのが、最初から狙っているのか、5番目の要素で入らなかったときのリカバリーなのかは何とも言い難いです。5番目のダブルアクセルでGOEプラスのいいジャンプの時でも、3連続が7番目のフリップからのこともあります。

フリップに2回!がついているのも気になりまして、その2回が、三連続でGOEマイナスになった2回と一致します。それ以外のジャンプはGOEすべてプラスでした。

 

●三回転-三回転

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP LakePlacid SP 1 3F+3T   9.50   -0.91 8.59 -1.667
JGP LakePlacid FS 1 3Lz+3T   10.10   -0.59 9.51 -0.889
JGP Croatia FS 10 3F!+3T< 9.53 x -1.14 8.39 -2.111
Youth Olympic Games SP 1 3Lz+3T   10.10   1.35 11.45 2.333
Youth Olympic Games FS 7 3F+3T+2T   11.88 x 1.06 12.94 2.000
Youth Olympic Games FS 10 3S+3T< 8.43 x -0.43 8.00 -0.667
World Junior SP 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 3.000
World Junior FS 2 3Lz+3T   10.10   1.26 11.36 2.222
近畿選手権 SP 1 3Lz+3T   10.10   1.77 11.87 2.800
近畿選手権 FS 7 3F+3T   10.45 X 1.41 11.86 2.600
西日本選手権 SP 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 1.857
西日本選手権 FS 2 3Lz+3T   10.10   1.42 11.52 2.286
全日本ジュニア SP 1 3Lz+3T   10.10   1.18 11.28 2.000
全日本ジュニア FS 2 3Lz+3T   10.10   1.06 11.16 1.571
全日本選手権 SP 2 3Lz+3T   10.10   0.34 10.44 0.556
全日本選手権 FS 11 3S+3T< 8.43 X -0.37 8.06 -0.889
全国中学スケート大会 SP 1 3Lz+3T   10.10   0.98 11.08 1.600
全国中学スケート大会 FS 2 3Lz!+3T ! 10.10   0.79 10.89 1.400

三回転-三回転は9試合で18回入っています。セカンド三回転はこれ以外にもダブルアクセルからのものもあり、かなり多数あります。

回転不足は3つ、それを含めてGOEマイナスは5つ。成功率は高い方と言えます。

転倒がありません。河辺選手は今シーズントリプルアクセルに挑んでいることもあり、全体の転倒数はそれなりにありますが、トリプルアクセル以外での転倒は極めて少なくなっています。

ルッツからのコンビネーションは成功率が高く入っているのですが、意外とそれ以外のコンビネーション、フリップやサルコウからのものは成功率が低かったりします。サルコウは2回ともセカンドが回転不足。フリップは回転不足も1つありますし、回転足りていても減点というものもありました。3Lz-3Tがしっかり決まってくるというのはやはり魅力です。

 

●単独のルッツとフリップ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP LakePlacid FS 10 3F! ! 5.83 x -0.61 5.22 -1.111
JGP Croatia FS 2 3Lz   5.90   -1.60 4.30 -2.778
JGP Croatia FS 7 3F!< 4.66 x -0.60 4.06 -1.667
Youth Olympic Games FS 2 3Lz   5.90   -2.95 2.95 -5.000
World Junior FS 8 3Lz<< <<  2.31 x -1.05 1.26 -5.000
近畿選手権 FS 2 3Lz! ! 5.90   -0.59 5.31 -0.800
西日本選手権 FS 10 3F! ! 5.83 X -0.53 5.30 -1.000
全日本ジュニア FS 10 3F! ! 5.83 X 0.00 5.83 0.000
全日本選手権 FS 2 3Lz   5.90   -2.95 2.95 -4.444
全日本選手権 FS 8 3Lz<+REP 3.63 X -0.54 3.09 -0.889
全国中学スケート大会 FS 8 3Lz! ! 6.49 X 0.20 6.69 0.400

単独でのルッツやフリップはコンビネーションよりもすくなくなっています。

そして、単独の方が成功率が低い。これ、実際にはコンビネーションを飛びたいけど失敗して単独になった、というのが結構あるはずです。

フリップはコンビネーションのところでも触れましたが、単独ジャンプでもことごとく!がついてしまっています。今の段階では、きちんと飛べないジャンプ、とみなさざるをえません。

 

●単独のループとサルコウ

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP LakePlacid SP 2 3Lo<< <<  1.70   -0.61 1.09 -3.556
JGP LakePlacid FS 3 1Lo   0.50   -0.20 0.30 -3.889
JGP LakePlacid FS 8 3S   4.73 x 0.80 5.53 1.889
JGP Croatia SP 2 3Lo   4.90   0.63 5.53 1.222
JGP Croatia FS 3 3Lo   4.90   0.56 5.46 1.111
Youth Olympic Games SP 2 3Lo   4.90   0.84 5.74 1.778
Youth Olympic Games FS 3 3Lo< 3.92   -0.33 3.59 -0.667
World Junior SP 2 3Lo   4.90   0.49 5.39 1.000
World Junior FS 3 3Lo<< <<  1.70   -0.85 0.85 -5.000
World Junior FS 10 3S   4.73 x 1.29 6.02 3.000
近畿選手権 SP 2 3Lo   4.90   0.82 5.72 1.800
近畿選手権 FS 3 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.200
近畿選手権 FS 8 3S   4.73 X 0.72 5.45 1.800
西日本選手権 SP 2 3Lo   4.90   0.49 5.39 1.000
西日本選手権 FS 3 3Lo< 3.92   -0.86 3.06 -2.143
西日本選手権 FS 8 3S   4.73 X 0.95 5.68 2.286
全日本ジュニア SP 2 3Lo   4.90   0.78 5.68 1.714
全日本ジュニア FS 3 3Lo   4.90   0.78 5.68 1.286
全日本ジュニア FS 8 3S   4.73 X 0.95 5.68 2.143
全日本選手権 SP 5 3Lo   5.39 X 0.49 5.88 0.889
全日本選手権 FS 3 3Lo< 3.92   -0.50 3.42 -0.889
全国中学スケート大会 SP 2 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
全国中学スケート大会 FS 3 3Lo   4.90   0.98 5.88 2.000
全国中学スケート大会 FS 10 3S   4.73 X 1.00 5.73 2.400

ループとサルコウは、ショートの単独ジャンプがループ指定のため、ループを数多く跳んでいます。ただ、成功率は案外高くない。18回飛んでダウングレード2、回転不足3、1回転になったもの1なので、成功率は3分の2です。特にフリーの単独ループで回転不足が目立ちます。

サルコウの方はすべてGOEプラスです。フリーのコンビネーションジャンプにサルコウを選ぶこともあるようですので、ループよりもサルコウの方が得意と見てよいのでしょうか。

 

●ステップシークエンスとコレオシークエンス

Event     Elements    BaseValue   GOE Scores  
JGP LakePlacid SP 6 StSq2   2.60   0.52 3.12 1.889
JGP LakePlacid FS 6 StSq2   2.60   0.74 3.34 2.778
JGP Croatia SP 6 StSq3   3.30   0.71 4.01 2.111
JGP Croatia FS 6 StSq2   2.60   0.71 3.31 2.667
Youth Olympic Games SP 6 StSq3   3.30   0.85 4.15 2.667
Youth Olympic Games FS 6 StSq3   3.30   0.80 4.10 2.556
World Junior SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
World Junior FS 6 StSq3   3.30   0.90 4.20 2.667
近畿選手権 SP 6 StSq2   2.60   0.78 3.38 3.200
近畿選手権 FS 6 StSq3   3.30   0.77 4.07 2.600
西日本選手権 SP 6 StSq3   3.30   0.99 4.29 3.000
西日本選手権 FS 6 StSq4   3.90   1.01 4.91 2.571
全日本ジュニア SP 6 StSq3   3.30   1.06 4.36 3.286
全日本ジュニア FS 6 StSq4   3.90   1.09 4.99 2.714
全日本選手権 SP 6 StSq2   2.60   0.52 3.12 1.778
全日本選手権 FS 6 StSq3   3.30   0.71 4.01 2.111
全日本選手権 FS 10 ChSq1   3.00   0.64 3.64 1.222
全国中学スケート大会 SP 6 StSq3   3.30   1.32 4.62 3.800
全国中学スケート大会 FS 6 StSq4   3.90   1.17 5.07 3.200

ステップはレベル3が標準。レベル4を西日本、全日本ジュニア、全中と3回マークしました。国際大会でのレベル4認定はまだなし。レベル2もシーズン序盤はありましたが、中盤以降は全日本で1回あったくらいです。

加点は結構取れてます。GOEで+3以上になってくる試合も結構多く、国際大会でも世界ジュニアのショートは+3です。後はレベルが取れれば武器に出来る要素のように見えます。

 

スピンはレベル4率が80%弱。まだ盤石とはいきませんが、それなりのレベル4率はあります。国際大会では2試合でオールレベル4でしたし。シニアに上がっていく頃には自然とレベル4が標準で加点も上がっていくのではないかと思います。

 

 

名古屋の長久保コーチの下で学んでいたところから、先生の勇退に伴って、濱田チームに移ってから3年ほどでしょうか。昨シーズンは地方大会でショート落ちしていたところから全日本ジュニアに優勝しての世界ジュニアとなりました。これで濱田組の世界ジュニアは5シーズン連続でしょうか。シニアと違ってジュニアは選手が次々と入れ替わっていくので、同じチームから毎年出るのは割と難しいのですが、濱田組は人が変わっていきながらも4人で5シーズン連続出場となっています。

そんな濱田組は、世界で一番女子にトリプルアクセルを飛ばせるノウハウが集まっている場所。河辺選手の二年先輩には紀平梨花選手がいますが、それだけでなく、二人の間に今シーズンからユヨン選手も加入しました。学年で言えばユヨン選手と同じでこの4月に高校1年生になります。濱田組トリプルアクセル豪華三人衆です(細田選手もいるけど)

 

来シーズンは年齢的にはシニアに上がることができます。ただ、今シーズンのベスト、また世界ランキングを考えると、シニアに上がってもグランプリ枠はほぼ間違いなくありません。NHK杯の地元枠なら回ってきそうな気もしますが、その1枠にかけるよりは、ジュニアで確実にジュニアグランプリシリーズ、という方がよいような気もしますが、濱田組はシニアに上がるのが早い傾向はあるように感じるのでどうするでしょうか。

 

シニアに上がるのがその次のシーズンでも北京オリンピックにはピッタリ間に合います。来シーズントリプルアクセルを完成させて200点をコンスタントに出せるようになり、ランキングも上げてからシニアに上がる。タイミング的には平昌の坂本選手と同じになる。

シニアデビューシーズンにグランプリシリーズで名を上げて全日本。ショートフリー、トリプルアクセル三本決めれば

そんな未来図が頭に浮かぶような選手です。